読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

ドラゴン・ブラザーズの超人的能力を目の当たりにした闇の世界の支配者は、ついに長兄・始の謀殺指令を下す。火と化した続、風を呼んだ終、水を奔らせた余に続いて、長兄・始がドラゴンに変身するときが迫る。世界を牛耳るフォー・シスターズさえもひれ伏す悪の帝王の陰謀は今、人類の最終戦争を誘発する。(裏表紙より)
前世ともいうべき竜王たちのシーンから始まる。前世でも変わらない関係が爽やかで好きだ。
この巻でどうやら天の意志らしき意識体が登場する。でも何か言われても竜堂兄弟ははね除けてしまいそうだ。
田中芳樹は風刺ともいうようなちょっときわどいことも書いている気がするんだが、またそれが分かりやすくて面白い。古い小説にありがちな、登場人物が読者に向かって語りかけるシーンがあったりして、ああ、と生暖かい気持ちになる。
話は特に進まず、始の変身と水地たちとの出会いが目的と思われる。ラストで舞台がアメリカに移り、この小説はどこまでいくかとちょっと不安になりつつも面白く読んでいる。
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強国シスタスがソルド王国を再び侵略——最悪の報せが偽王フェンベルクに齎されたあ。小国に残る友を救うため、戦いと恐怖の連鎖を断ち切るため、彼女は全ての元凶シスタス皇王がいる地へ。だが辿り着いた敵の中枢部で見たのは、強国が隠し続けた闇と思いもよらぬ人物だった!! 「フェンネル大陸 偽王伝」シリーズ完結編!(裏表紙より)
読み切った。
このシリーズしか読んだ事はないのだけれど、風景の描写はとても綺麗だ。
フェンは最後まで普通の子供で、誰かに作用できる力なんて持っていないと思っている。本当は生きているだけで誰でも誰かに作用できるんだと思った。
子供三人組が可愛いな。男二人は不器用だけれど、フェンは素直で真っ直ぐだ。
あくまで作者はフェンを普通の子供として書こうとしているみたい。この物語は一章のつもりらしい。フェンが出て来るなら読んでもいいかなと思っている。

王を名乗る者は全て粛清する——非道の大国シスタスによるこの皇王宣言に叛逆し、自らを偽王と名乗ったフェンベルク。命懸けで敵の牙城へと向かう幼き戦士は、シスタス軍の追撃から逃れた町で、ある真実を知る。それは嘗て、雲の国・ラビッジで起きた恐ろしい事変と、戦友・リノに隠された悲しい過去だった!! 戦乱を駆け巡る、王道ファンタジー第6弾!(裏表紙より)
偽王と名乗ってついに人が集まり始めるのかと思っていたのだけれど、作者さんはあくまでフェンは普通の子供として書こうとしているらしい。ルバーブの者、商人の娘、どちらも同じものだと、フェンは正しい事を貫こうと藻掻く。誰かに影響する事、つまり生きる事の重みを、強く感じ取っていく。
フェンは正しい。みんなが心の底で信じていたい事をきちんと考えて、口に出来る強さを持っている。それが誰かに影響するんだと思う。
もうちょっとリノ自身の視点が欲しいかなと。リノにまだ思い入れを強く感じない。設定はとても好みで、集まる人々の理由も分かるのだけれど。どっちかというとマットの方に感情移入してしまう。レティシアは戻らずに一人淡々と復讐の機会を狙ってるんじゃないかなと思ったけれど、最終巻を途中まで読むとどうやら、自分が幸せになってはいけないと考えているらしい。
でもここまで焦らす感じが、最終巻の終盤で一気に人々と思いが収束するだろうという期待に溢れる。

他国を侵略、王を粛清するシスタス。この大国に対抗する小国連合を作るべく大陸を駆けるフェン、ロカ、リノであったが、彼らにもシスタスは圧倒的な力で牙を剥く! だが希望失われしその時、大国に弓引く者出現。その者、自らをこう名乗る——「偽王」。シリーズ名に隠された謎が、今、明らかに! 乱世に生きた少女の、王道ファンタジー第5弾!(裏表紙より)
面白かった! ようやくキタキタキターと手を握る展開になってきた。あと二巻で終わるみたいだけど。フェンが偽王を名乗るのは予測が付いていた。そこにどうみんなが集まってくるか。
よく考えると登場人物がほとんどみんな若くて、自分の魂、生き方をどう獲得していくかが、この物語なんだと思う。フェンは最初まっさらで、今でもまだその印象は拭えないけれど、誰かを大切に思う気持ちがある。
けれどその大切に思う気持ちは、もしかしたら故国での兄王への思いが拭えていない証拠かも。いや、違う。元々フェンとしてあったものだ。誰かの為に生きられる「フェン」だ、きっと。
クレインが登場して、紋章が戻ろうとしているのが運命的。王家に連なる彼女が王、偽王として立つ時を確かにしたように思う。人々も集おうとしている。段々加速してきた。

大国シスタス、ソルド王都を急襲。炎に包まれる美しき都、人質となる市民、強敵を前になすすべなく敗走するソルド軍。衝撃的な知らせを聞いたフェンベルクは逃げ遅れた親友・ロカを救うため戦場へ。その勝ち目なき強敵シスタス軍との戦い、フェンはある意外な行動に出る! 風雲急を告げる、王道ファンタジー第4弾!(裏表紙より)
北の大国パラクレスからソルドに戻ってくると、ソルドはシスタスによって攻め込まれ、退却を余儀なくされていた。フェンは王都にいるロカを助ける為に、ソルドの軍陣に。
リーク双貴国の二人が良い味だ出してるなーと思った。彼女たちが闇と光の双翼なのか。
戦場のシーンはすごく格好良かった。この人すごく本格的に書く人だなと思う。国々の違いが明確で、それによって道具の差違もあって、とても面白い。
カティアの『戻ってきたら伝えたいこと』はあっさり、彼女自身の『国に歩み寄ろうと思う』という決意の事で、フェンとはあんまり関わりがなくて気抜けした。
アシュレイはなんとなく向こう側に行く気がしていたけれど、きっと敵の懐に潜り込んでから戻ってこようとすると思う。なんてったって王道だから。

衝撃のソルド八世王誘拐から一月——王を捜すため入国したパラクレスでフェンベルクは思わぬものに遭遇する! 恐ろしいほどに王に似た男・クドラ、彼女を襲う女・ベルテ、隠れて立つ謎の研究所。この奇妙な謎と王の誘拐に関係はあるのか? そして命を狙われたフェンの運命は? 謎が渦巻く、王道ファンタジー第3弾!(裏表紙より)
謎らしい巻だった。逃げたり、潜んだり、潜り込んだりする話は好きだ。
ただソルドとパラクレスの関係というか、秘密に関しての描写がバタバターと過ぎていった感じ。クドラがいなくなったからかなあ。彼は今後出て来て大きく物語を左右させるんだろうか。
サチが良い味出してる。物語のムードメーカーだと思う。二十代前半だという話にちょっとびっくりした。うん、まあそのくらいの年だろうな。
巻末はベルテの短編。何故ベルテだったのかなあと考えて、クドラを掘り下げようとしたんだろうかとも考えたけれど、ベルテ自身の話が長いからそうでもないか。でも少しはあるんじゃないだろうか。

愛する兄の裏切り、投獄、国外追放——悲しき過去を持つ13歳の王女・フェンベルクはソルド王国にたどり着き、騎士見習いの少年・ロカと出会った。親友になった二人はある日、国立蔵書館へ。だがそこで国を揺るがすある計画を偶然耳にしてしまい、二人は命を狙われることに! 高里椎奈の王道ファンタジー第2弾!(裏表紙より)
旅の始まり。この本はまだ重いテーマが感じられなくて、旅行記や騒動記を見ているような感じがある。間を空けて発行してそれをリアルタイムで読んでいるのなら、面白いと思う。でも一気に読むと軽く感じられてしまう。
ところでロカはフェンが女の子だと知らないんだろうか。弟みたいと言ったけれど。
カティアが話さなければならないことというのも気になる。フェンの出自関係か。

大陸の東端に位置するストライフ王国。幼くして指揮官に就いたフェンベルクは、悪鬼を従える獣兵師団を率いて外敵を打ち払い、順調に戦果を上げていた。しかし不意に舞い込んだ凶報が、次第に彼女を奈落の底へと導いて行く。投獄、国外追放、失意の果てに見た真実とは……。夜明けを目指す、王道ファンタジー第1弾!(裏表紙より)
物語の導入といった感じの一冊。フェンベルクがどういう人間かが描かれる。
テオに買われてから、フェンが歩き始めたことに驚いた。普通失意の底にあって家の中でぼんやりしていそうなのに。それがフェンの心の強さなんだろうか。
フェンの戦術的な能力と、普段の無知さが対照的で、読んでいるとメリハリが利いていて面白い。
ユイジーンはこの先関わってくるのだろうか。それともこのシリーズは国と登場人物が過ぎ去っていくものなんだろうか。読者も旅するような感覚。
この本は、情勢、周辺、人物の描写が細かくて、読んでいてしっかり書いているなあと尊敬する。
創竜伝〈1〉超能力四兄弟


始、続、終、余は特殊な力を持っている四兄弟。平和に暮らしていこうとしているはずの彼らを狙う、国家の中枢に食い込んだ者たち。兄弟は自分たちの力の由来と、自分が何者かをほんの少し知る。それは竜にまつわるもので……。
面白かった! 会話のテンポが好きです。すごく読んでいて気持ちいい小説だと思います。CLAMPが挿絵でちょっと苦手かなーと思ったんですけれど、食わず嫌いはいけませんね! こういう明るいスカッとする小説だと思いませんでした。
兄弟のレベルがすでに100ほどあるので(笑)そう簡単に危機に陥ってくれないです。でもつまらなくはなくて、軽快で楽しい。
一巻なので、続きに私の大好きなラブはあるのか気になるところ。一巻は女性キャラが少なくて悲しかったです。茉理ちゃん可愛いもっと活躍してとか思ってました。それから余くんの天使(と一巻だけで決めつけた)ぶりをもっと見たい!
面白かったので続きも買います。アンケートからのオススメでした。どうもありがとうございました!

始、続、終、余は特殊な力を持っている四兄弟。平和に暮らしていこうとしているはずの彼らを狙う、国家の中枢に食い込んだ者たち。兄弟は自分たちの力の由来と、自分が何者かをほんの少し知る。それは竜にまつわるもので……。
面白かった! 会話のテンポが好きです。すごく読んでいて気持ちいい小説だと思います。CLAMPが挿絵でちょっと苦手かなーと思ったんですけれど、食わず嫌いはいけませんね! こういう明るいスカッとする小説だと思いませんでした。
兄弟のレベルがすでに100ほどあるので(笑)そう簡単に危機に陥ってくれないです。でもつまらなくはなくて、軽快で楽しい。
一巻なので、続きに私の大好きなラブはあるのか気になるところ。一巻は女性キャラが少なくて悲しかったです。茉理ちゃん可愛いもっと活躍してとか思ってました。それから余くんの天使(と一巻だけで決めつけた)ぶりをもっと見たい!
面白かったので続きも買います。アンケートからのオススメでした。どうもありがとうございました!
スロウハイツの神様




チヨダ・コーキの小説のせいで人が死んだ――衝撃の事件から十年。「コーキの天使」によって復活を遂げたチヨダ・コーキ。彼と共に一つの家に集まったクリエイターたちは、穏やかに暮らしながら緩やかに変化していく。『スロウハイツ』二〇二号室。そこには、わたしたちの神様が住んでいる。
良かった。ミステリー色が薄かったのがちょっと残念だったんだけれど、すごく綺麗。
そう大きな出来事が起こるわけでもないからか、今回は人物考察がよく挟まるので読んでいて邪魔だなあと思ったりする事が今回時々あったんだけれど、辻村作品はその考察というか描写が面白いと思う。何だか容赦ないという感じがする。
環の言葉が色々と痛いな。びしびし言うから読んでいるのが辛い辛い。という事は自分には確固たるものがないわけで、結構落ち込んだ。
それぞれに影響しあいながら、誰かに影響を与える作品を作る人たちって良いなあ。
公輝の祈りが、祈りよりももっと強い心が、すごくすごく胸に響いて、辻村さんもこういう風に考えながら書いているのかなと思ったりした。
ところで芦沢光ってもしかしてあの作品の? だとしたら嬉しいな。


チヨダ・コーキの小説のせいで人が死んだ――衝撃の事件から十年。「コーキの天使」によって復活を遂げたチヨダ・コーキ。彼と共に一つの家に集まったクリエイターたちは、穏やかに暮らしながら緩やかに変化していく。『スロウハイツ』二〇二号室。そこには、わたしたちの神様が住んでいる。
良かった。ミステリー色が薄かったのがちょっと残念だったんだけれど、すごく綺麗。
そう大きな出来事が起こるわけでもないからか、今回は人物考察がよく挟まるので読んでいて邪魔だなあと思ったりする事が今回時々あったんだけれど、辻村作品はその考察というか描写が面白いと思う。何だか容赦ないという感じがする。
環の言葉が色々と痛いな。びしびし言うから読んでいるのが辛い辛い。という事は自分には確固たるものがないわけで、結構落ち込んだ。
それぞれに影響しあいながら、誰かに影響を与える作品を作る人たちって良いなあ。
公輝の祈りが、祈りよりももっと強い心が、すごくすごく胸に響いて、辻村さんもこういう風に考えながら書いているのかなと思ったりした。
ところで芦沢光ってもしかしてあの作品の? だとしたら嬉しいな。