読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
あらすじ通り、超ハイテンションだった。
キャラクターメインの小説だなという感じ。異世界に行って、どういう役割を与えられて、どういうことを考えるのかというのは王道。有利の一人称で話が進むので、現代に生きる人間には分かるネタが散りばめられていて面白い。笑った。電車の中でにやにやしていたに違いない。セクシー下着のラストは良かった。
コンラッドが好きなんだが、なんかうさんくささが拭えないなー。女の子成分もっとくれーというので、グウェンダルの婚約者アニシナ嬢が気になる。ヴォルフラムはツンデレか。やっぱりこの話キャラクターが濃い!
アンケートからのオススメでした。ありがとうござました! 続きが気になります。どうしようかな。
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もうすごかった。テーマがずっしり来るし、答えの出し方にあっとなった。辻村深月はあっと言わせるのがうまい! それでいて流れが綺麗だ。あらすじを改めて読んで、そうか罪の重さを測ったのかと理解した。
秋先生は「子どもたちは夜と遊ぶ」の秋先生だな。出て来るのは月子と恭司か。真紀ちゃんもちょっとだけ出たか。
私は自分が力を使えるのなら罰の方を「さもなければお前は自分の大切なものを自分で壊す」という風に考えながら読んでいたので、秋先生タイプなのだろうか。
「馬鹿ですね。責任を感じるから、自分のためにその人間が必要だから、その人が悲しいことが嫌だから。そうやって『自分のため』の気持ちで結びつき、相手に執着する。その気持ちを、人はそれでも愛と呼ぶんです」
辻村作品の誰かが誰かを思いやる気持ちは、真っ直ぐで、だから痛くて、素敵だ。
皇太子カルマーン、一領国公ヴェンツェル、流浪の人リドワーン、マヴァール帝国における三人の男たち。マヴァールに戦乱の嵐が吹き荒れた時代に彼らはいた。玉座と帝国を巡る争いである。始まりは、カルマーンが皇帝を密かに殺害した事による。
歴史物語、戦記というのか。三冊、氷の玉座、雪の帝冠、炎の凱歌をまとめた一冊を読みました。というかこれしか見当たらなかった。
とても読みやすいと思う。上手く分かりやすく表現してくれて、どんどん先に進みたくなる。戦闘描写が格好いい。疲れない。心理描写もすごく良かった。楽しかった。
人物に感情移入よりもどちらかというと歴史を追っていく方が楽しく感じられてしまった。でもリドワーンとアンジェリナ姫のカップリングは好き。というかみんな魅力的すぎて麻痺していたのかも。かなり夢中になってしまった。
ラストの<ネタバレ>ヴェンツェルが死に、カルマーンが死んでいく</ネタバレ>シーンは、感動するくらい美しかった。
<ネタバレ>「……悔いはない。おれにはこれ以外の生きかたはできなかったのだ。異なる時代、異なる国に生まれても、おれはこのようにふるまうしかなかっただろう。ああ、頼む、アンジェリナ、泣かないでくれ」
という指一本動かせなくなったヴェンツェルの言葉。
「ヴェンツェルはどうした」
「息絶えております」
というカルマーンとリドワーンの会話。
「医師を探して参ります」
半ば泣き声になったフィレンツの言葉が、半死者を苦笑させた。
「無益だ」
というフィレンツとカルマーンの会話。</ネタバレ>
終息に向けていくこれらのシーンは心を打った。納得できる綺麗な終わり方をしたと思う。良い本を読んだと思いました。感動した! みんな格好良すぎる。
アンケートのオススメからでした。ありがとうございました!
ドラゴン・ブラザーズの超人的能力を目の当たりにした闇の世界の支配者は、ついに長兄・始の謀殺指令を下す。火と化した続、風を呼んだ終、水を奔らせた余に続いて、長兄・始がドラゴンに変身するときが迫る。世界を牛耳るフォー・シスターズさえもひれ伏す悪の帝王の陰謀は今、人類の最終戦争を誘発する。(裏表紙より)
前世ともいうべき竜王たちのシーンから始まる。前世でも変わらない関係が爽やかで好きだ。
この巻でどうやら天の意志らしき意識体が登場する。でも何か言われても竜堂兄弟ははね除けてしまいそうだ。
田中芳樹は風刺ともいうようなちょっときわどいことも書いている気がするんだが、またそれが分かりやすくて面白い。古い小説にありがちな、登場人物が読者に向かって語りかけるシーンがあったりして、ああ、と生暖かい気持ちになる。
話は特に進まず、始の変身と水地たちとの出会いが目的と思われる。ラストで舞台がアメリカに移り、この小説はどこまでいくかとちょっと不安になりつつも面白く読んでいる。
強国シスタスがソルド王国を再び侵略——最悪の報せが偽王フェンベルクに齎されたあ。小国に残る友を救うため、戦いと恐怖の連鎖を断ち切るため、彼女は全ての元凶シスタス皇王がいる地へ。だが辿り着いた敵の中枢部で見たのは、強国が隠し続けた闇と思いもよらぬ人物だった!! 「フェンネル大陸 偽王伝」シリーズ完結編!(裏表紙より)
読み切った。
このシリーズしか読んだ事はないのだけれど、風景の描写はとても綺麗だ。
フェンは最後まで普通の子供で、誰かに作用できる力なんて持っていないと思っている。本当は生きているだけで誰でも誰かに作用できるんだと思った。
子供三人組が可愛いな。男二人は不器用だけれど、フェンは素直で真っ直ぐだ。
あくまで作者はフェンを普通の子供として書こうとしているみたい。この物語は一章のつもりらしい。フェンが出て来るなら読んでもいいかなと思っている。
王を名乗る者は全て粛清する——非道の大国シスタスによるこの皇王宣言に叛逆し、自らを偽王と名乗ったフェンベルク。命懸けで敵の牙城へと向かう幼き戦士は、シスタス軍の追撃から逃れた町で、ある真実を知る。それは嘗て、雲の国・ラビッジで起きた恐ろしい事変と、戦友・リノに隠された悲しい過去だった!! 戦乱を駆け巡る、王道ファンタジー第6弾!(裏表紙より)
偽王と名乗ってついに人が集まり始めるのかと思っていたのだけれど、作者さんはあくまでフェンは普通の子供として書こうとしているらしい。ルバーブの者、商人の娘、どちらも同じものだと、フェンは正しい事を貫こうと藻掻く。誰かに影響する事、つまり生きる事の重みを、強く感じ取っていく。
フェンは正しい。みんなが心の底で信じていたい事をきちんと考えて、口に出来る強さを持っている。それが誰かに影響するんだと思う。
もうちょっとリノ自身の視点が欲しいかなと。リノにまだ思い入れを強く感じない。設定はとても好みで、集まる人々の理由も分かるのだけれど。どっちかというとマットの方に感情移入してしまう。レティシアは戻らずに一人淡々と復讐の機会を狙ってるんじゃないかなと思ったけれど、最終巻を途中まで読むとどうやら、自分が幸せになってはいけないと考えているらしい。
でもここまで焦らす感じが、最終巻の終盤で一気に人々と思いが収束するだろうという期待に溢れる。
他国を侵略、王を粛清するシスタス。この大国に対抗する小国連合を作るべく大陸を駆けるフェン、ロカ、リノであったが、彼らにもシスタスは圧倒的な力で牙を剥く! だが希望失われしその時、大国に弓引く者出現。その者、自らをこう名乗る——「偽王」。シリーズ名に隠された謎が、今、明らかに! 乱世に生きた少女の、王道ファンタジー第5弾!(裏表紙より)
面白かった! ようやくキタキタキターと手を握る展開になってきた。あと二巻で終わるみたいだけど。フェンが偽王を名乗るのは予測が付いていた。そこにどうみんなが集まってくるか。
よく考えると登場人物がほとんどみんな若くて、自分の魂、生き方をどう獲得していくかが、この物語なんだと思う。フェンは最初まっさらで、今でもまだその印象は拭えないけれど、誰かを大切に思う気持ちがある。
けれどその大切に思う気持ちは、もしかしたら故国での兄王への思いが拭えていない証拠かも。いや、違う。元々フェンとしてあったものだ。誰かの為に生きられる「フェン」だ、きっと。
クレインが登場して、紋章が戻ろうとしているのが運命的。王家に連なる彼女が王、偽王として立つ時を確かにしたように思う。人々も集おうとしている。段々加速してきた。
大国シスタス、ソルド王都を急襲。炎に包まれる美しき都、人質となる市民、強敵を前になすすべなく敗走するソルド軍。衝撃的な知らせを聞いたフェンベルクは逃げ遅れた親友・ロカを救うため戦場へ。その勝ち目なき強敵シスタス軍との戦い、フェンはある意外な行動に出る! 風雲急を告げる、王道ファンタジー第4弾!(裏表紙より)
北の大国パラクレスからソルドに戻ってくると、ソルドはシスタスによって攻め込まれ、退却を余儀なくされていた。フェンは王都にいるロカを助ける為に、ソルドの軍陣に。
リーク双貴国の二人が良い味だ出してるなーと思った。彼女たちが闇と光の双翼なのか。
戦場のシーンはすごく格好良かった。この人すごく本格的に書く人だなと思う。国々の違いが明確で、それによって道具の差違もあって、とても面白い。
カティアの『戻ってきたら伝えたいこと』はあっさり、彼女自身の『国に歩み寄ろうと思う』という決意の事で、フェンとはあんまり関わりがなくて気抜けした。
アシュレイはなんとなく向こう側に行く気がしていたけれど、きっと敵の懐に潜り込んでから戻ってこようとすると思う。なんてったって王道だから。
衝撃のソルド八世王誘拐から一月——王を捜すため入国したパラクレスでフェンベルクは思わぬものに遭遇する! 恐ろしいほどに王に似た男・クドラ、彼女を襲う女・ベルテ、隠れて立つ謎の研究所。この奇妙な謎と王の誘拐に関係はあるのか? そして命を狙われたフェンの運命は? 謎が渦巻く、王道ファンタジー第3弾!(裏表紙より)
謎らしい巻だった。逃げたり、潜んだり、潜り込んだりする話は好きだ。
ただソルドとパラクレスの関係というか、秘密に関しての描写がバタバターと過ぎていった感じ。クドラがいなくなったからかなあ。彼は今後出て来て大きく物語を左右させるんだろうか。
サチが良い味出してる。物語のムードメーカーだと思う。二十代前半だという話にちょっとびっくりした。うん、まあそのくらいの年だろうな。
巻末はベルテの短編。何故ベルテだったのかなあと考えて、クドラを掘り下げようとしたんだろうかとも考えたけれど、ベルテ自身の話が長いからそうでもないか。でも少しはあるんじゃないだろうか。