読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
オルガ女学院に転校生がやってきた!彼女の名はクリシュナ・パドマバディ=ガエクワッド。なんと大国バローダの第一王女——ほんもののプリンセスだった!! 初日からわがまま放題の彼女は、ヴェロニカから特別室を奪い取り、カーリーを自分の召使いにしてしまう。カーリーを奪われたシャーロットは大ショック! しかも新たなルームメイトはあのヴェロニカ!? 最悪な寄宿舎生活に、どうするシャーロット? 運命の初恋ストーリー、待望の第2巻。(裏表紙より)
前回は小公女、今回はローマの休日がモチーフのよう。相変わらず女の子で素敵だった! アニメで見たいよー。カーリーは本当に、世界●作劇場みたいなアニメで見たい!
わがままプリンセスが寄宿舎を引っ掻き回す、というお話。プリンセス・パティの人となりはプロローグで分かりますが、彼女の本心はラストで明らかに。だからパティ、すっごく格好良かった!
カーリーの、シャーロットへの色々がまさに「たまらん……」でした。言葉がわからないシチュエーションがたまりませんでした。カーリーは、早く本当の姿に戻って、シャーロットのことを守りたかったんだろうなあ……。
女の子がとても可愛くて、元気で、失われた過去の話だからとても哀愁があって、すごく好きな作品です。これで刊行が止まってるなんて、すごくもったいない! 続きが読みたいよー!
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こんなにも身近なところに、古典の世界が息づいている。私たちの人生そのままに、かつて、生きて戦い愛した人々がいる。——「古事記」「萬葉集」から若山牧水まで、民族の遺産として私たちに残されたおびただしい古典の中から、著者が長年いつくしんできた作品の数々を、女性ならではのこまやかな眼と、平明な文章で紹介し、味わい深い古典の世界へと招待してくれる名エッセイ集。(裏表紙より)
友人の好きな本と聞いて、読んでみようと思って積んでいた。
古典が好きになりそう! という一冊でした。どうしても、古典は現代と文章が違うことで苦手意識を持っていて、実際苦手で全然読めないのだけれど、でもこうしてどう読んだのかというのを知るのはとても楽しい。こうしてみると、古典作品に取り扱われている恋愛って、とても人間性が現れるものなのだなあ。
「万葉集」のものが一番好きです、なんだか。冒頭から額田女王の話できゅんとしました。磐之媛の話も好きだ。
古典の勉強が一段落したら、読んでみるのにいいかもしれない。
とある中学2年2組の35名。そのうちの20人の物語を綴った連作短編集。
心に響きすぎてしぬかと思いました。とある一クラスの姿が、20人それぞれの語りによって浮かび上がってくるのです。そして、中学生に存在する幼さと打算と不満と恋。どちらかというと恋がメインの物語のはずなのに、私が感じたのは、等身大の幼さでした。
豊島さんって、ものすごく、心が幼いがためのすれ違いをリアルに書く、と思いました。果歩と健次、エリナと晴一なんてその典型みたいな印象を受けました。
そして一番読んでいて幼いと思ったのは、恋愛模様がほとんどクラスの中で完結してしまっていること。世界が、とても狭い。
物語の女子が特に私自身のリアルに響いて、恥ずかしくて顔を覆ってしまいそうになりました。
帯があるのですが、
甘酸っぱい。ほろ苦い。だけじゃない——
あなたの”あの頃”をうずかせる
不慣れな恋の物語
本当に、過去がふるふると震えている感じでした。
本書は、つぎのようなかたに向けて書かれています。
・脳内に文學少女を飼っている人
・これから飼おうと思っている人
・飼おうかどうしようか迷っている人
・もう飼うもんかと決意した人」
(本のなかは、逃げ場のない青空。——はじめに)
と書かれてあるので、オトメな書評集なのかしらーと思っていたら、とても軽快でちょっぴり辛口な、文学論、作家論、という感じでした。括弧が多くて読むのが疲れた。
文中に登場する本、取り扱われている本が、全然、私の読むものと傾向が違って、論じられていても「?」となって勉強不足を実感しました。
一番面白かったと思ったのは、「日曜日 芥川選評を読む」。芥川賞には受賞作全集なるものがあって、選評も読むことが出来るそうなのですが、これの選評にツッコミを入れてみた章。芥川賞は、優秀賞自体か、その作家に未来ありとして授けるのか、という苦悩なんかもあったようで、なるほどーと思いながら読んだ。
「悪霊よ、去れ!」
修験者を志す高校生・袴田幸太郎が力を込めて突き出した数珠は、しかし何の効果も生み出さなかった。「袴田さん、お上手ですね。凄い、凄いですよ」などと拍手とともに真面目に感心されたりして——袴田が転校先で出会った2人の少年は、それでもしっかりと、普通の人間ではないのだった。
母親の幽霊に育てられたという不思議な少年「伊佐」、万年不機嫌そうな雪女の息子「雪」。そんな彼らと一緒の道行きは、やっぱり怪異な事件のオンパレードで……。
1人と2匹(?)とその愉快な仲間達が織りなす、楽しくてハートフルな当世妖怪奇譚。(裏表紙より)
かわいい話だった。ボーイミーツボーイというのかな。妖怪の少年二人と人間の少年の、怪異な事件を追う話を三編収録。
派手な事件といえば、ちょっと気持ち悪い感じの怪奇な登場人物(幽霊とか妖怪とか)との戦いくらいで、あとはしんしんとお話が進む。
魅力的な登場人物ってこういうのなのかな、となんだか思うところあって考えてしまった。伊佐も雪も袴田も、ヒメも玄太郎も、みんなそれぞれ見えないところで動き回ってる気がする。全然何をしているのかは掴めないし、ご都合主義的に唐突に現れてぱっと解決してしまうんだけれど、現れると一気に文字の画面が華やかになるなあ、と。
明らかになっていないことがいくつもあるし、伏せられてもいるようなので、続きがとても気になる。
精神医学研究所に勤める千葉敦子はノーベル賞級の研究者/サイコセラピスト。だが、彼女にはもうひとつの秘密の顔があった。他人の夢とシンクロして無意識界に侵入する夢探偵パプリカ。人格の破壊も可能なほど強力な最新型精神治療テクノロジー「DCミニ」をめぐる争奪戦が刻一刻とテンションを増し、現実と夢が極限まで交錯したその瞬間、物語世界は驚愕の未体験ゾーンに突入する!(裏表紙より)
頭の中がえらいことになりました。どこからが現実でどこからが夢なのか段々分からなくなっていく後半で、ラストがラストなので、え!? と叫びました。
作中で、美貌の女性である敦子(パプリカ)は様々な男性から愛を寄せられるわけですが、やっぱりこれって男性の妄想の具現化だよなあと思うなど。あとがきにもありましたが、知性的な女性もいいけどキュートな少女もいいなという感じだなというのは結構感じました。
前半、中盤、後半と分かれている感じ。前半は夢探偵パプリカの活躍、中盤はDCミニを巡る争奪戦、後半は夢と現実にカオス感がすごかった。
今敏監督の「パプリカ」がまた見てみたいなーと思いました。よくこれを映像化できたなあ。
金髪トサカ頭の竜二が飲んだくれの落語家・笑酔亭梅寿の内弟子となって、はや一年。梅駆の名前はもらったものの、相も変わらずどつかれけなされの修行の日々を送っている。そんな中、師匠の梅寿が所属事務所の松茸芸能と大ゲンカ、独立する羽目に——! 東西落語対決、テレビ出演、果ては波紋騒動と、ますますヒートアップする笑いと涙の落語ミステリ第二弾!(裏表紙より)
1巻でワルだった竜二は形を潜め、時折悪態は心のなかでつくけれども、様々な問題に真剣に向き合おうとし、あらゆるモノを吸収しようとするしなやかさが見えてきているように思いました。つまりとても落ち着きを得ている。
1巻のクライマックスだったO-1グランプリの結果の後からの話が2巻の導入。竜二らしい落語を探る話で、竜二が一体どういう状況なのか自分にも分かっていないので読者にも分からず、もどかしくて、一体大丈夫なのかとハラハラした。
ミステリー成分はちょっと少なめの印象。どちらかというと落語とか人の関わりに重点を置かれている感じでした。
「お母さん、これは、ひどい」都会でフリーライターとして活躍するみずほ。地元で契約社員として生活するチエミ。かつて友人関係にあった二人の人生は、チエミの母が殺害されたことで再び重なる。逃亡するチエミを追い、突き動かされて聞き取りを始めるみずほ。何故チエミは姿を現さないのか? 二人の女性と母の物語。
すごかったです。いつもの辻村さんじゃない……とか思いながら、ごくごく読みました。
逃亡する友人を追うために聞き取り調査をする、というところから、その人物が「どう見られていたか」が描かれるので、そういう視点の向け方や描き方がすごいと思いました。一定じゃないけれど、何か罪深いものとして見られているのが分かるので、チエミが追い詰められていたように感じた。
母親がその娘にどう関わるか、という問題作でもあったように思います。ちなみ我が家は、私は若干チエミ入ってる。妹はもう関わらないでと反発して離れていくタイプ。うわーやべーと思いながら読みました。
チエミの逃亡理由は大体察せられるし、それが結局どうなったかも想像がついていたんですが、その中で母殺害の真相がすごかった。
S学院は多分青南学院(冷たい校舎の学校)だろうなあと思いながら読む。全然話の筋に関係ないけど。
些細なことがきっかけでいじめられるようになったトシちゃんとワタルの逃避行「ロードムービー」彼と塾の問題児の少女の「道の先」ヒロとみーちゃんが冬の冷たい校舎に至るまでの一幕「雪の降る道」。『冷たい校舎のときは止まる』から生まれた短編集。
表題作「ロードムービー」が、辻村さんらしいトリックでとても面白かった。いじめの結果がそういうものになったのも、素晴らしくかっこよかった。直前まで冷たい校舎を読んでいたので、トシちゃんが誰の子どもかと考えたり、タカノのおじさんと、綺麗なおねえさんににやっとしたり。結末でようやくお前らは! となったり。とてもおいしゅうございました。
「道の先」は冷たい校舎で最初に消えた彼の話。若干彼女も出てきます。大人になった彼がどんな風に希望を指し示すのかという話だったのかなと。多分、冷たい校舎での出来事と、彼女の存在がなければだめだっただろうなあという、彼の成長ぶりが分かる話でした。
「雪の降る道」は幼い二人と兄ちゃんの話。みーちゃんは相変わらず人の痛みに一生懸命で、意外にもヒロがわがままというか自分勝手なのがびっくりしました。冷たい校舎の方では大人しい印象だったので。でもわがままも仕方がなかったのかな、と思う背景があるので、きっとこれをきっかけに、ヒロはみーちゃんを大切に思うようになったんだなと考えると、正直にやにやします。