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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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やさぐれるには、まだ早い! (ダ・ヴィンチブックス)
フリーペーパー『L25』で連載されたエッセイに書き下ろしを加えたもの。ブログの日記を読んでいるみたいだ。愚痴は書かない、説教はしないと豊島さんが自分に課していたからか、穏やかな気持ちで読みました。自分の過去に思いを馳せたり、今の自分を探してみたり、迷っている感じが「あー……」という気分になってしまった。なんか分かるわーみたいに思うようになったのは、私が大人になったせいかな。
『底辺女子高生』みたいに突き刺さる感じはないけれど、あー……と言ってしまう、そんなエッセイだった。
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恋ヶ淵 百夜迷宮 (角川ビーンズ文庫)
伊勢倉屋の手代を務める竹二は、ある日若旦那である松太郎の目付役を主人から命じられる。歌舞伎役者と見まがう美男子の松太郎はお気楽道楽の放蕩息子に見えたが、その言動はどうも首をかしげるものばかり。しかし、「鯉ヶ淵の怪」と呼ばれる事件に主共々首をつっこんだことから、怪しくも不可思議な出来事に巻き込まれてしまい……。初登場! たつみや章が艶麗なタッチで描き出す幻想時代劇ファンタジー!(裏表紙より)

時代物で妖怪もの。主人公は手代の竹二。腕っ節も強く結構短気だけれどそれをぐっと堪えることもできる竹二が、病弱と噂される奇妙な言動をする若旦那のお目付役に。実は若旦那はこの世ならざるものが見えるらしいのだが、竹二にはまったく見えず、しかしどうやらそれらを追い払う力があるらしい。
面白かった! ビーンズでこんな話が出てたんだなあ(もう十年前だ……)あとがきを読んで、主な人が松竹梅であることに気付いて笑いました。ぜひ続きも読んでみたかった。
竹二のまっすぐな人柄と、若旦那の粋で穏やかな物腰がとてもいいコンビで、怪異を遠ざけるわけでも成敗するのでもなく、手を貸してやる感じがすごくよかった。若旦那、よく取り憑かれるけどかっこよすぎです!
ドラゴン ――飼い方 育て方――
まさに、ドラゴンの飼い方と育て方の本。ドラゴンの種類や、飼育環境の話や入手法や、飼い主のマナーだとか品評会だとかそういう話がカラーの挿絵で書かれている豪華な一冊。
面白かったんですが、私はやっぱりドラゴンは選ばれた者が出会うことができる神聖な生き物だと思うのですよ! とペットとして扱うことにちょっと違和感を覚えてしまった。
私が飼うとしたらやっぱり西洋ドラゴンがいいなあ。それもスカイドラゴン。空を飛ぶのだ。
月に濡れる獣(アムール) (角川ビーンズ文庫)
行方不明になった元恋人をさがすため、異世界へとやって来たリューン。訪れた村で、人々を襲う謎の獣と、強く自分を引きつける赤ん坊・アレックスと出会ったリューンは、この村にとどまることにする。やがて、時は過ぎ——立派な青年に成長したアレックスと再会したリューンだが、なぜかアレックスはリューンに刃を向けてくる。ふたりの戦いの行方は、そして謎の獣の正体とは!? 月夜に戦い、契る、美しき獣たちの物語!!(裏表紙より)

異世界の住人で両性具有(!)のリューンは、恋人を探してその世界にやってきた。そこで赤ん坊が産まれるところに遭遇する。アレックスと名付けられた彼はみるみる成長し、やがて……というお話。若干BLっぽかったです。異性愛の印象は受けなかったので、ちょっと不思議なカップルとして読みました。
人間とは違っていて神様のひとくくりにされるような力を持つリューンの、女性とも男性ともつかない魅力がとても好き。さっぱりした性格なのに愛情深くて、凛々しくて。椎名さんの絵がまた素敵でした。
神は銃弾 (文春文庫)
憤怒——それを糧に、ボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を連れ去った残虐なカルト集団を。やつらが生み出した地獄から生還した女を友に、憎悪と銃弾を手に……。鮮烈にして苛烈な文体が描き出す銃撃と復讐の宴。神なき荒野で正義を追い求めるふたつの魂の疾走。発表と同時に作家・評論家の絶賛を受けた、CWA新人賞受賞作。(裏表紙より)

まずは読め。
という感じの分厚さと最初のアレなアレ具合に、かなり時間はかかってしまったものの、最後まで読むと、解放されたような、ほっと息をつくような気持ちよさがある物語でした。そうか、こういうのがノワールというのだな……。暴力とか反社会要素がてんこもり。
主人公ボブは、カルト集団に元妻を惨殺され、娘が誘拐されてしまう。娘を取り戻すため、カルト集団の元組織員でありジャンキーの女であるケイスの助けを得て、二人は黒い世界に入り込んでいく。物語の主なところはとてもシンプルでありながら、ボブやケイス、そしてカルト集団の長サイラスといった人物の口にする言葉が読んでいてぐっとくるというか。うまい表現が出ないけれど、真理を言葉でこねくり回して遊びながらも、本質をついてくる感じ。訳が独特でそれもまた世界観を作っていて面白かったなあ。読み始めはしんどいけれど、中盤からだんだんはまってきました。
しかし文中に出てくる単語がピー音が入ってしまうアレな感じでしかも頻出するので読まれる方は気をつけてください。私はこんなにあれやそれやの単語が飛び交う小説初めて読みましたよ……。でも不思議とそんな粘っこくはなくて、重苦しいながらも抜け出せると読んでいる間に分かってしまう話ではあったなあ。訳者あとがきにもあったけれど、妙な清爽感がありました。
勧めにくいけれど、面白かった。かっこよかった。
社会と政治と宗教、すべての世界を超える神は銃弾。この話でこれほどしっくりくるものはなかった。
プリンセスハーツ―恋とお忍びは王族のたしなみの巻 (ルルル文庫)
十年に一度の賭博祭に沸くアジェンセンの公都パールエルム。人々は互いの身分を隠すため仮装し仮面を被り賭博を楽しむ。そして精霊たちも集まるという不思議な祭りに心惹かれたジルとルシード。互いに内緒で王城を抜け出し、夜の祭りに紛れると……。その頃、北の強国オズマニアから若き王子オースが城にやってきた。ジルさえもオースの申し出に翻弄されることに‥‥!? 恋とお忍びの王宮ロマン!!(裏表紙より)

第四巻。オルプリーヌ問題がとりあえず落ち着いたものの、また新しい問題が、という巻。ジルとルシードにちょっとずつ変化が出てきているようで楽しい。特にルシードは、なんだかだんだんかっこうよくなってきているような! ジルが助かるよう祈ったからという理由で、神に勝利を捧げるためにトーナメントに、というところが非常にかっこよかった。
ところでこのシリーズ、変人ばっかか! とのけぞるくらい変な人がいっぱい出ていることに改めて気付いたんですが、よく考えなくてもまともな人が皆無だった。
とりあえず、新しい問題については次巻へ続く。オース王子がまだ微妙に掴めない人物なので、どんなトラウマを抱えているかどきどきします。
途中現れた不思議な子どもは、『銃姫』関係なのだろうか……と思いながら、次巻読む。
いつのまにやら本の虫 (講談社文庫)
汗でぬれたお金を本屋の主人に差し出し、本を見つめる少年の目の輝き。こういう少年の姿は今や、ない――無類の本好き、筋金入りの”本の虫”である著者が、本にまつわるイイ話、古本屋の謎、本が縁で知る人の心の温かさ……などなど、「面白くて奥が深い」読書人生を語り尽くす、最新書物エッセイ172編。(裏表紙より)

面白かった。本にまつわる話がいろいろあって、人の心があって。一ページほどの短いエッセイが172編収録されています。本の話も面白いですが、一番面白いのは、やはり人の話でした。古本の最後に書かれていた住所と名前に気付いて「送って差し上げてくださいませんか」と依頼され、送り返したものの音沙汰がない、というなんだか不思議な話もありますが、父親が大切にしていた辞書と初めて吸った煙草の話など、こう、情景がふっと浮かび上がってくるようななぜか不思議と懐かしく感じられるエッセイがたくさんありました。私はそれらの情景を知らないのだけれど、それを知っている、と思う。すごく面白かったです。
ぼくの・稲荷山戦記 (講談社文庫)
先祖代々、裏山の稲荷神社の巫女を務めるマモルの家にやって来た奇妙な下宿人。腰まで届く長髪に和服の着流しの美青年・守山初彦は、山と古墳をレジャーランド開発から守るために動き出す。守山に連れられ、マモルがまみえた太古からの“存在”とは? 第32回講談社児童文学新人賞受賞の著者デビュー作。(裏表紙より)

祖母のもとで育つ少年が、ある日奇妙な下宿人と暮らすことになるが、実はその守山は稲荷神社のお使い様だった。山を守るために大人や社会と戦おうとするマモル。ファンタジーというより、社会の中で何ができることがあり、健やかな心を持つ次代の人間になる、ということを教えてくれるような気がしました。
全体でちょっと急にばたばたっとするところがあって置いていかれないようにしたりもしましたが、マモルと初音のこれからを見守ってみたいなあとも思いました。学園生活気になる!
マイマイ新子 (新潮文庫)
新子は九歳。気持がざわざわすると、額の真上のつむじ(マイマイ)が立ち上がる。社会が未来への希望に満ちていた昭和三十年、空想好きでお転婆の新子は、友達と一緒にどこまでも野原を駆けていく。毎日が終わらない冒険だ。けれどもきらめく少女の世界の向こうから、もっと複雑な大人の世界が囁きかけてきて……。誰もが成長期に感じる幸福と不安とを瑞々しく描く、鮮度100%の物語。(裏表紙より)

小さな話が26話収録されています。昭和三十年、山口県の国衙に住む九歳の青木新子が見る時代。戦後からしばらく経ち、人のあり方が少しずつ変わりつつある感じが、大人の事情として描かれていて、もどかしい。みんなが「大人になれば分かる」と言うけれど、それがとても不満を覚える言葉だということを思い出したり、大人になった読み手の自分がそのことの意味を理解できたりして、新子のマイマイがむずむずするように、胸がざわざわする。
やるせないなあと思うのが、新子の言い分を大人たちがちゃんと聞かず、すれ違ったまま罰されるところ。言い分があるんだよ! ちゃんと聞いてよ! と思うけれど、新子は自分の感じたことを伝える語彙をあまり持っていないのだよなあ。九歳かあ、と思いました。
プリンセスハーツ―乙女の涙は最強の武器!の巻 (ルルル文庫)
マシアスを救出しようと王宮を抜け出たジル。しかしそれはジルを捕らえるための罠だった。捕まったジルは意志を操られる薬を飲まされ、知られてはならない秘密を口に…!? ルシードはジルを無事に助け出せるのか!? 犯人の目的とは一体!? そして、愛妾オルプリーヌの本当の目的がわかるとき、事件は意外な方向へ動き出す! 華の王宮は一大事! 恋と野望は終わらない!(裏表紙より)

えらい「!」の多い内容紹介文だなあ……どうでもいいけれども。
前巻より続き愛妾事件、その解決編。どうやらジルの出自には何か大きなものが関わっているようで、たいへん気になります。ジルは頭は冴えているけれど他のところが普通の女の子、それも傷を持った子なので、とてもかわいい。嫉妬だろ、なあそれ嫉妬だろ!! という。
へたれなルシードが、やはり王位簒奪するくらいちゃんと出来る子で、天然タラシであることも実感できて、楽しかった。
まだまだ二人がじれじれしているのですが、ちゃんと進展するよね! と期待を持って続きを読む。
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Author:月子
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