読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

自国の民を救おうと、大国の王のもとへ嫁ぐ決心をしたアンブローシア。
謎多き自らの過去と向かい合い、運命を切り開こうとするセドリック。
穏やかな物腰の陰で、なにかを思い詰めた様子のエルウィング——。
それぞれの想いを胸に秘め、謎の「銃姫」の行方を追う三人。
道中、突如として彼らの行く手を阻んだのは、魔銃士の少年とその召し使い。
ティモシーと名乗る少年は、セドリックの等級タグを狙って決闘を挑んできた。
やがて吹き荒れる嵐から逃れ、一行がたどり着いた先に待っていたものとは!?(裏表紙より)
前後編だそうなので、四巻に続く。三人の関係に変化が訪れ、特にエルのことを恐ろしく思い始めるアン。私も怖いです。蜻蛉のような、という表現は、かっと目を見開いて虚ろになっている恐ろしい表情を思い出させて、エルが何か言う度にびくびくしてしまう。ちょっとしたホラーなので、早く! 早く次の展開を!
二巻目で精霊王の話が出ましたが、これがどう星の時代につながるのか……。
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ノガレ男爵の娘シャロンは、引退したリアンクール公との婚約を勝手に決められ、怒っていた。シャロンは、しっかり者の弟テオの目を盗んで家出しようとするが、見破られて失敗。やっとリアンクールに向かう途中の宿から男の子に化けて逃げ出した。しかし、シャロンの命を狙うブレイエたちに誘拐されてしまう。短剣を突きつけられ絶体絶命のシャロン。と、そのとき馬に乗った騎士が現れた!(カバー折り返しより)
成金貴族の娘シャロンは、親の決めた結婚に異を唱えて、お目付役である弟テオの目をかいくぐって逃亡。しかし、シャロンを本当に邪魔にする何者かに誘拐され、命を狙われることに。貴族らしい生活はほとんど出てこず、ひたすら森を歩く、逃げる、助けてくれた騎士ラウールと喧嘩する。シャロンはちょっと子どもっぽすぎるし、ラウールはちょっと頭が固い。けれどなんだか見ていて微笑ましい二人です。
意外だったのは、婚約の理由が一目惚れしたなどのハッピーな理由でなく、リアンクール公にとってシャロンが都合良かったということ。二人はなかなかまだまだ前途多難なようなので、多分続きであろうサンク・ヴェリデを読むことにします。

強大な力を秘め、世界の命運を分けるとも言われる「銃姫」。
その行方を追い求め、旅を続ける三人がいた。「魔銃士」の少年セドリックと
その姉、エルウィング、そしてテロリストの少女、アンブローシアである。
北の山間の田舎町に滞在中、セドリックはある事件をきっかけに
自分の「力」に自信が持てなくなってしまう。
魔法強化のため、大都市の「王立魔法図書館」へと向かうセドリック。
そこで出会った露天商の男から、意外な話を聞くことになるが……!?(裏表紙より)
アンブローシアとあっという間に距離をつめたことにびっくりしつつ……続々と、これから物語に関わってくるであろう人物が登場する第二巻。そして、ある人の怪しい言動にこれから疑いの目を向けながら読んでしまいそうな内容です。11巻まであるのに先は長いぞ。
魔銃士周りの設定が面白いなあ! バトルはたぎりました。主人公が秘められた力を持っているというのは、熱い展開だよな!
そしてやっぱり銃姫は銃じゃない可能性があるのかー。オリヴァントの秘めた思いなども今後明かされていったらいいな。こういうのらくらしたラスボスっぽい人が、実は……みたいなだと、アツい。

かつて神は人間たちの愚かさに怒り、彼らから魔法の力を奪ってしまった。
ところが、人は魔法を弾丸に封じ込め銃器で操ることを思いつき、
ふたたび「力」を手に入れることに成功する。
世界は殺伐とした戦争の時代へ突入した。
少年セドリックは、姉のエルウィング、テロリストの少女アンブローシアと共に世界の命運を分けると言われる銃「銃姫」を探して旅に出る。
銃姫の引き金をひくものはいったい誰なのか。そして、銃姫の秘密とは!?(裏表紙より)
そのときシリーズを読んで高殿成分が足りない! と思い、ようやく銃姫を読むことにしました。銃姫は内容は知らないんですが、パルメニアシリーズの前史であることは知っています。
望む者の言葉を消滅させることのできる魔法の銃、《銃姫》。奪われたそれを追って、メンカナリン聖教に所属するセドリックとエルウィング、そして訳ありでついてきているアンブローシアは旅をしている。魔法と銃、魔銃士と、教会の闇、世界の闇と向かうあうシリーズ。今回は最初なので、三人のちょっとした過去が明かされて、旅が始まった、という感じ。
エルウィングが謎めいていて恐い。これ、絶対姉弟じゃないし、どっちかというと命を狙ってきたタイプだよなー。敵に敬われているってどういうことだ!

悪神の継承者には、“愛する者の記憶から消される”という呪いがかけられるという。《籠手》の継承者フランチェスカは、思いもかけない人物が《仮面》を継承したと知って、パルメニア王宮に乗り込むことを決意する。一方《鏡の盾》を継承し、最愛の妻から忘れ去られたパルメニア国王ミルドレッドⅡ世は、失意のうちに新たな政略結婚の相手を捜しはじめていた……。いよいよ物語はクライマックスへ——怒涛のシリーズ第3巻!(裏表紙より)
面白かったー!! 人の運命がころころ転がる話は楽しいです。フランチェスカは今回もすごく頑張ったし、彼女を憎む人の気持ちもよく分かったし……。何より、アリーという人が実は本当にすごく悲しい人なのだというのが……胸にくる……。その分、絶対無敵団のギャグ要素がなくて寂しいと思ってしまいましたが!
アリーとセルマの短編「透き通った銀の羽根」収録。甘くて寂しい、逢瀬の物語だなあ……。
本編「そのとき君という光が」は、やっぱりラストがすごくはああ……! ってなるのと、そこに至までの加速がすごくて、面白かった。歴史がこうやって紡がれて、その結末が分かっている中で、刹那的なのに確かに息づいている人って、すごくいい。アリーとロジェの絆が、途切れないでいて、と願うくらいに切なくて。ほんとよかった。

「たったひとつでもいい、心に鋼より固いものをもっているか」悪神の篭手《タンクレード》の後継者となり、無敵の腕力を手に入れたフランチェスカ。だがその代償で、フランには“愛する者の記憶から消される”という呪いがかけられてしまう。忌まわしい呪いを解くため、他の継承者の行方を追うフランのもとへ、仮面《リトス》に関する情報がもたらされて……?
想いは交錯し、やがて大きな流れとなる。待望の続編登場!(裏表紙より)
シリーズ二巻。ゼフリートの持ち物を集め、忘れられるという呪いをどうにかしようと、絶対無敵団とともに旅をするフランチェスカ。今度の街は、男街と女街に別れ、家族という共同体が存在せず、養子をたくさん持っている人間が裕福であり権力者である、というエシェロンの階層の街、天空都市。今回もまた、人の誇りとは、生きることとはを問い、女皇と対決するのですが、フランがあくまで普通の一般市民なので、そうなのかと納得する部分には共感するし、それって違うでしょう! と怒るところは気持ちいい。そして相変わらず台詞やラストが震えが来るほど面白くて! 主従のアカン感じとか、いいよねー。

ゼリア女神の申し子・フランチェスカ=ドラコーンは、三度の飯よりお金が好き。だがある日、悪神ゼフリートの籠手《タンクレード》を継承したことから、フランの運命は激変する。
夢とうつつの狭間で《継承者》を自称する隻眼の青年と出会い、また右腕に嵌った見えない籠手の効果で、自分が無敵の腕力を手に入れたことを知ったフランは、漢気あふれる傭兵団を引き連れ(というか勝手についてこられ)て旅に出るが……!?(裏表紙より)
パルメニアシリーズ。あちこちのシリーズを細切れに(しかも途中放置とかで)読んでいるので、どこの時代に位置してどの作品の後ろなのかが把握できない読者でごめんなさい。
女の子が主人公! そして明るい! コメディ(ばか)要素がある! と楽しく読みました。ちょっと底知れず恐いところがあるのはいつもの高殿さんの持ち味で、やっぱりすごく面白かった。
三度の飯よりお金が大好き! 金儲けのセンスはぴか一のフランチェスカだからこそ、人のこと、人がまわす経済のことを理解しているので、その気持ちよさがあるなあ。だからこそ、人の闇に気付いてぞっとすることもあるわけですが……。
しーちゃんが可愛い。ラストは上手い! と叫んでしまった。やーそういうラストが読めるのはやっぱりいいなー。

聖アステール女学院には、秘密の言い伝えがあった。
「神無月の夜、虚月の下で儀式を行うと願いが叶う」
虚月の深夜、校舎に忍び込んだ高校生たちは儀式を行うため、暗号めいた名を持つ「三つの鍵」——「叡智」「願い」「信頼」を探しはじめる。
それぞれが心に秘めていた願いとは?
そして彼女たちに降りかかる不可思議な事件とは?
高里椎奈が多感な少女たちを描く学園ファンタジー。(裏表紙より)
女生徒たちがそれぞれの願いを叶えるために、深夜の学校に集う。最初は四人いたはずが、何故か五人目がいる……。五人目は誰? 目的は何?
という状況では殺人事件が起こりそうですが特にそういうわけでなく、深夜の学校に入り込んで謎を解こう、ついでに五人目の正体も、という話でした。五人の生徒たちの関係のぎこちなさや、特に視点人物になる小夜莉の「嫌われたくない、ぶつかりたくない」という思いがよく分かって、心理描写が近しくて面白いと感じました。
できれば、学園生活のその後も見てみたかったです。

想いびとである小松原と添う道か、料理人として生きる道か……澪は、決して交わることのない道の上で悩み苦しんでいた。「つる家」で料理を旨そうに頬張るお客や、料理をつくり、供する自身の姿を思い浮かべる澪。天空に浮かぶ心星を見つめる澪の心には、決して譲れない辿り着きたい道が、はっきりと見えていた。そして澪は、自身の揺るがない決意を小松原に伝えることに——(第一話「冬の雲雀」)。その他、表題作「夏天の虹」を含む全四篇。大好評「みをつくし料理貼」シリーズ、〈悲涙〉の第七弾!!(裏表紙より)
再び、号 泣 。うおおおん、うおおん、うおおおおおおん……!
ついに自身の道を定めた澪。小松原はすべてを悟って引き受けてくれた。しかし彼を思う気持ちが消えるはずもなく、あるショッキングな出来事によって、澪には更なる苦難が襲いかかる。辛いなあ、辛いなあ……。優しくしてくれる人もいれば、厳しくしてくれる人もあり、澪は少しずつ道を決めてきたけれど、最後にあんな事件が起ころうとは。すべてを叶えきった後に、もしかしたら……と刹那の希望を持てることが嬉しかったのに、大事な人を亡くしてしまった。
この次の次の巻が最近出たそうですが、その次で終わりらしい? ので、最後まで読みたいと思います!

酷暑を過ぎた葉月のある午後、翁屋の桜主伝右衛門がつる家を訪れた。伝右衛門の口から語られたのは、手を貸すので吉原にて天満一兆庵を再建しないか、との話だった。 一方登龍楼の采女宗馬からも、神田須田町の登龍楼を、居抜きで売るのでつる家として移って来ないか、との話が届いていた。登龍楼で奉公をしている、ふきの弟健坊もその店に移して構わないとの事に、それぞれが思い揺れていた。つる家の料理人として岐路に立たされた澪は決断を迫られる事に——(第二話「天つ瑞風」より)。野江との再会、小松原との恋の行方は!? 「みをつくし料理帖」シリーズ史上もっとも大きな転機となる、待望の第六弾!!(裏表紙より)
号 泣 。この巻ではずーっと澪が思い揺れていて、揺らされていて、どうすればみんなが幸せになる選択ができるのか……と思い悩むところに、ひとつ揺るぎなかったのが小松原への思いだったので、その選択が出たときわーっと泣きそうになりました。電車の中だったので目を潤ませて鼻をすするにとどめたけれど……。
そうしてあのラスト。うん、多分澪には無理なこともあると思うんだ。料理人としての腕前、不屈で何度でも立ち上がる強さ、人に好かれる心優しさや、人との絆があったとしても、今の彼女には持っていないものがあると思うのだ。うーじれじれする! 続き続き!