読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

大学の授業開始を一週間後に控えたデービットは、張り紙を見てとある下宿先を訪れる。「子どもと猫と龍が好きな方」。家主のリズ、その娘のルーシーとの生活を始めたデービットは、陶芸家でもあるリズの作品の龍を譲り受け、名前を付けた。その日から、デービットは龍と力を合わせてルーシーのための物語を書くことに。
もっとファンタジーしてるのかと思ったら、現代ファンタジーでした。龍と暮らす生活っていいなあ! 私も龍が欲しい。
思ったよりも会話文が多くて、ルーシーがよく喋るしよく邪魔をするので笑った。十一歳でこれってちょっと落ち着きがないなあ、でもこれが普通かなあと微笑ましく思う。振り回されるデービットがいい人で、ちょっとかわいいな。楽しい同居生活×龍×ファンタジーでした。
個人的に、ガウェインとグウィネヴィアの話をもっと! 本の、後ろの見返しの絵、すごく好きなんですけど!
シリーズのようなので、続きも読んでみたいです。
オススメされた作品でした。面白かったです! ありがとうございました!
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両親のいない橘皐月は大学進学を機に、後見人である大伯父の家を訪ねるが、そこには、孫の二ノ宮凌がいるだけだった。皐月は立派な大人になるために自立したいと凌に申し出るものの、「一緒に暮らすのは嫌なのか」と反対されたあげく、強引にキスされてしまう。そして、一人暮らしをしたいなら……と、凌から条件を出される。それは、凌を『幸せ』にするというもので——。ピュア・ラブストーリー♥(裏表紙より)
内容紹介文がすべてである。挿絵かわいいなー!
大きな会社を持っている割に、皐月はあまりに普通の男の子で、挿絵と相まって可愛らしい。頼りなくでも一生懸命で人を思いやれる少年が、「ずっと好きだった」と十歳も年上のはとこに強引に、という、いささか攻めが変態くさい話でした!笑
続きがありそうな終わり方でしたが続きはないのかな。かわいいカップルでした。

たそがれ屋敷には儚げな奥様と二人の娘、二人のお手伝いさんがいる。スゥとルゥルゥの姉妹は、新しくやってきたお手伝いのルチアさんが、自分たちが宝物にしている水色の宝石に似ていると思い、更にルチアさんが光って見えることに気付く。ルチアさんがどうして光っているのか知りたい二人は……。
挿絵がいいなーと思いながら読む。幼い姉妹が光るルチアさんの謎を解きたいと行動する物語で、がっつり分厚いわけではないのですが、暗示的で面白いなあと思って読みました。姉妹と出会うルチアさんの娘・ボビーと、三人がそれぞれに幼い時代を過ぎて新しい世界に一歩踏み出すお話でもある。そして、ここではないどこかに思いを馳せる物語でもある。

ルポ&エッセイ集。日本のネオカルチャー(辻村さん定義で、日本の〈今〉を象徴する、おもしろいもの、かわいいもの、おいしいもの、へんなもの、そんなもの全部)についての取材した内容と、辻村さんのエッセイ、小説や映画の感想、そしてショートショートが収録されています。
辻村さんの、アンソロに収録されていた「七胴落とし」が読みたかったので嬉しかった。
他に収録されているどの話も、全体的にまろやかで優しく、鋭さこそなかったものの、丁寧に大切な「何か」をすくいあげているような印象を受けました。
辻村さんとドラえもん映画の話はすごくよかった。たくさんの思い出と結びついている、少し特別な日々のこと。じわっと自分のことを考えて、私にもそういう記憶があるな、ということがすごく嬉しくなった。

行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。今回は、「立っているだけで一日二万円」の仕事。でもバイト先での宴会の末、たどり着いた「龍の館」で、またもや殺人事件が勃発! 被害者はなぜ溺死する寸前になるまで助けを求めなかったのか? 『天使が開けた密室』で注目を浴びた著者が放つ、清新な本格ミステリ第二弾。未発表短編「善人だらけの街」を併録。(裏表紙より)
龍の館と呼ばれる、トリックアートなどの趣向を凝らした館で起こる物語。冒頭から鎌倉へ行く話があるから、てっきり鎌倉へ行くのかと思ったら、京都に行ったのでびっくりした。探偵のいない状態が後半になるまで続いたので、一体どうなるんだと思ったけれど、事件が解決されてよかった。でも事件のその後がないのはちょっと残念でした。
しかし、女子高生三人組はいつもえらい目に遭うなあ……。人が死ぬところを見てしまうのは、とても辛い。特に今回は実際に考えるとかなり辛いものがあるのでは、と思いました。
動物がかわいいなあ! 今回はケンゾウがかわいかったです。すがさんが猫好きというシーンがなんだかほんわかしてしまった……。

編集長の仕事にも恋愛にも行き詰った梨央、30歳。ある日、酔った勢いで建設現場の足場に登り、降りられなくなったところをトビ職の徹男に助けられる。徹男に一目ぼれした梨央は、勢いで工務店に飛び込み就職。だがそこは、亭主に逃げられやむなく社長になった郷子がキレる寸前で大混乱中だった。女ふたりの行く末はいかに!?(裏表紙より)
面白かった! 30歳女性と、ずっと専業主婦だったのに工務店の社長をやることになった女性が、それぞれ仕事に向けて何かを見いだしていく話。
文章が小気味よくて好き! 梨央は途中くらいまで恋愛脳なのかなと心配になったけれど、段々と仕事にやりがいを感じていくところはかっこいい。すごくきらきらしてる。
お話もあんまり恋愛しているわけじゃなくて、とことん自分磨きというか、自分がどれだけできるのかを探していくものだったので、そういう自立心の強いところがある女性陣は本当にいい。仕事をすることに付随する人間関係の摩擦や仕事のやりくり、悩みなんかも、彼女たちなりに付き合っていくところとか、爽快! というわけではないのに、しみじみ、いい話だな! と思う。一言で言い表すなら楽しかった、かな。
オススメされた本でした。ありがとうございました!

(助けて。助けて、颯音——!)
遠雷の咆哮を響かせ、牙を剥いた獣が鳴に襲いかかる。鳴の意識は、闇へと落ちていく。
——二人でともに生きる
颯音と交わした約束を何度も繰り返しながら。
激しく地が震えた。
春惜月の出来事から一月。城下町で「狐」の情報を集める鳴と颯音。しかし、青津野の巧妙な罠により鳴は敵の手に落ちてしまう。鳴を救い出すため、そして自らの過去に決着をつけるため、颯音は青津野に反旗を翻した領民らと共に町へ突入する。そして、遂に宿敵・青津野刑部がその本性を現す——!
大いなる戦の前触れに揺れる、時は五百年の昔。異能の力故に“業多姫”と呼ばれ恐れられた少女と、心を持たない間者として育てられた少年。孤独な二つの魂が出会い、全ての運命は動き出した——。
第二回富士見ヤングミステリー大賞準入選作「業多姫」シリーズ、遂に完結! これは、戦乱の世を駆け抜けた、少年と少女の物語——。(カバー折り返しより)
業多姫シリーズ完結巻。ほぼ一年くらいかけて本編と外伝七冊を読んだ。長かった。
青津野との決着、颯音の過去、そしてすべての秘密が明かされる六乃帖。ページをめくるたびに謎は解けず深まるばかりで、鳴と颯音は離ればなれになってしまうし、本当にこれは完結するのだろうかと別の意味でもどきどきしました。
一年の長くも短い二人の旅路は、困難の方が多く、それでもささやかな幸せやお互いの結びつきを見いだしていく鳴と颯音が切なくも愛おしく、最後のページはとても幸せな気持ちで読みました。
ありがとうございました。

温かかった。
春の陽射しも、寄り添う互いの体温も。
憶えている? と、鳴は颯音に問いかける。
「この『故郷への旅』に出ようとあなたが告げた日の約束」
明るい浅藍の空と、それよりも深い色をした水。颯音の故郷の海を見つめながら、鳴は訊ねる。
颯音は、頷く。
傍らの鳴の温もりを感じながら。憶えている、と。
赤く色づき始めた楓の葉が舞う中で交わした約束。小さな命が、その腕の中にあった日。
夏と秋と初冬——巡る季節を二人は思い出す。
幾つかの出会いと別れを。
再び出会うであろう、懐かしく優しい人々のことを。
鳴と颯音、二人の軌跡を綴る、初の短編集。(カバー折り返しより)
これの前に伍之帖を読んでしまっていたので、この短編集のほのぼの感が嬉しいやら切ないやら。
本編そのものは鳴と颯音の一人称の交代で進むので、他の登場人物の視点でお話が語られるのが面白いなあ。他人の視点から見る鳴と颯音が好きだ。なので「撫子色の約束」が好きだし、ちょっと不思議なお話でもある「早緑月を待つ冬陽」が好きだな。