読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
凱帝国の三人いる公主のうち、今まで一度も縁談が来たことのない長女・鳳姫を見初めたのは、野蛮な国と名高い鬼淵国の若き王・神狼。周囲が同情を寄せるなか、鳳姫は父王の命令ならば従います、と覚悟を決めていた。というのも、鳳姫は母妃の不実によって生を受けたにもかかわらず、父王の慈悲により真公主として育てられた負い目があったから…。そんな鳳姫が見つけた、真実の愛とは!?
そんなふうに愛してくださるのですね…わらわを。(裏表紙より)
後宮シリーズ第4巻。皇帝と皇后は「饗華伝」の二人ですかね。主役だった二人が時代が変わり、視点が変わると、なんともいえない振る舞いをしているっぽいのがわかるのが面白いなあと思います。そう、後宮ものとして皇帝が一人だけを寵愛するのはちょっとよろしくない……。
この巻の主人公はそんな皇帝の長女。しかも皇帝の実子ではない不義の子で、父帝の温情により限られた一部の人間しか真実を知らないまま、本当の娘として育てられたという、あああこれぞ後宮うううみたいな設定の少女です。
実子ではないという後ろめたさから父のため国のために身を尽くすと決め、異国の王の求婚にも頷くつもりなんですが、普通ならここで嫁がされるものが父が娘を愛しているため、求婚の駆け引きが自国で行われるのがとても面白い! 今回の文化、蘊蓄に当たるのが陶磁器なのも面白かったですし、求婚する神狼が自らの力を見せつけるためにそうした繊細な文化を理解して勝つ展開もすごくよかった。甘い言葉で口説くだけではないっていうのがね!
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