読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
自らの罪で詩人を死に至らしめたことを悔い、「真実の恋」を諦めたまま、詩と音楽に慰められて大人になってゆくシェプシ。神の言葉が解明され、禁囲区域であった紫の砂漠は解放されて、世界は混沌をきわめてゆく。天変地異、政変、急激な変化の中で、優秀な書記としてのぞまれながらも、詩人になることを選んだシェプシの運命は……。名作『紫の砂漠』の待望の続篇、書き下ろしにて登場。(裏表紙より)
旅を終えたシェプシは、書記になるための教育を受けながらも詩人になることを諦めないでいた。周囲の反対をおして詩人になったシェプシだったが、砂漠の禁忌が解かれたことで世界は急速に変革していく。書記、巫祝、祈祷師という三つの派閥と、「神の箱」によって生まれた親を持たない三人の子どもたちを巡って、天変地異や政変に巻き込まれていくシェプシ。
異星でのSFファンタジー。シェプシのその後がわかります。
神々の手によって閉ざされていた世界が開く様が、恐ろしいようで悲しいようで。翻弄されるシェプシの悲痛な思いが胸に痛い。けれどその結末は「欲しいのは子どもじゃない。あなただ、シェプシ。なぜ、わからない?」という、運命の恋ではないかもしれないけれど、片割れを見つけたという幸福だった。
遠い世界の物語、堪能しました。
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