読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

かつて神官の一族が聞いていたという神の声。しかしその記録は八十年前の火事によって失われ、今、神の声を聞く者はいない。そんな話を耳にした直後、淡雪は火事の現場だった社で、まるで誰かに操られるかのように「過去」を見、火事で亡くなった人物の身に起きたことを体感する。
数日後、塗籠にしまわれていた不思議な書画を見つけた淡雪。拙い筆による風景とともに書かれていたのは、読むことはできるがどうにも意味が通らない古歌だった。淡雪は古歌に込められた意味を探ろうとするが……。
八家に隠された謎を描く、王宮ファンタジー第五弾!(裏表紙より)
そろそろ敵味方がはっきりしてきた第5巻、なんですが、なんだろう、いろんな人の思惑が絡み合っているせいかもっと大きな視点の何者かがそれを見下ろしているような気がしてならない。神、と呼ばれるものとか。
そんな状況で香野や真照の離反フラグがびんびんでめちゃくちゃ辛い。鳴矢や淡雪の性格上、疎んじているとかそういうのではないんだろうけれど、二人がどう受け取るかは別の話で。有能でいて親身な人間が近くにいるだけに、幼馴染がどうの同族がどうのという関係性に囚われないことが、この世界の一般的常識を持つ香野と真照には通じなさそうな感じが……。
本編は終わりに向けて動き出した感じでしょうか。神の声とは何か。千和の民は何を受け取り損ねたのか。鳴矢と淡雪は王と后としてそれを取り戻す、って、大仕事だなあ。いかにも和風ファンタジーという感じでどきどきする。続きも楽しみ。
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