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妖精王の月
 そなたの答えがノーでも、彼女の答えはイエスだ。わたしは〈人質の墳墓〉から花嫁を連れていく。フィンダファーの寝袋もろともさらいあげると、妖精王は塚山から去った。
 タラの丘の〈人質の墳墓〉でキャンプした夜、別の世界にあこがれるいとこ、フィンダファーが妖精王にさらわれる。翌朝からグウェンのいとこを連れもどす旅がはじまる。妖精たちとの絶妙な出会いに助けられながら。だがケルトのフェアリーランドは、グウェンにとっても魅力ある世界だった。
 カナダの青少年がその年、一番おもしかった本を選ぶルース・シュワッツ章の1994年受賞作。(カバー折り返しより)

黒い服のよく似合うフィンダファーが、美しい青年に出会うところから物語は始まる。フィンダファーのあれこれがあるのかなあと思ったら、そのいとこグウェニヴァーの冒険譚だった。寝物語に語るお話という感じであっさり読めた。フィンダファーを取り返すというのが物語なのかなと思ったら、いきなりRPGな世界に入っていくのでびっくりした。最後の戦い辺りは聖書関係なのかな。
ひとつひとつの表現がフェアリーテイル的でいいなあ! バンシーめいた声でむせびなく、とか。短い草の草原とか石舞台とかなんだろうなあと勝手に想像するのが楽しかった。
冒頭のある言葉に感動したので、ラストの締め方はものすごく背筋がぞくっとして感動した。
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