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雪蟷螂 (電撃文庫)
 涙も凍る冬の山脈に雪蟷螂の女が起つ。この婚礼に永遠の祝福を——。
 長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦に終止符を打つため、ひとつの約束がなされた。それは、想い人を喰らう”雪蟷螂”とも言われるフェルビエ族の女族長アルテシアと、永遠生を信仰する敵族ミルデ族長オウガとの政略結婚だった。しかし、その約束の儀は、世代を超えて交錯する人々の想いにより阻まれる。
 果たして、山脈の地に平和は訪れるのか。そして、極寒の地に舞う恋の行方は……。
『ミミズクと夜の王』『MAMA』に続く”人喰い物語”最終譚。(カバー折り返しより)

人喰い物語三部作の最終譚。主人公は、愛した者を喰らうと例えられる情熱を秘める強い女たちのいるフェルビエ族族長アルテシア。冒頭から凄まじい寒さと吹雪が感じられて、同時にとても熱かった。世代を超えて交錯する想い、というのがとても素晴らしく冷たく熱く描かれていたように思う。見開きの挿絵はぞくぞくした。
恋というと抱きしめあったり隣り合ったり、背中を合わせたりするイメージがあるけれど、誰の姿も見えないような吹雪の中で隣にあることを信じている恋、みたいだったこの話。
これ一気に読んで正解だった。風みたいに駆け抜けるように読まなきゃならない気がした。
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