読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
モンタナの田舎の牧場で暮らす10歳のスピヴェット。家族は生まれるのが百年遅かったカウボーイの父、昆虫学者の母、アイドルを夢見てやかましい姉に、二卵性双生児のレイトン。けれどレイトンは銃の事故で死んでしまった。頭脳明晰で研究熱心なスピヴェットの発明が、ある日優れた発明に贈られるベアード賞を受賞することに。居場所がないと思ったスピヴェットは授賞式に出席するため、ワシントンまでの家出を決意する。
家族の理解を得られない言動をし、独自の世界を生きるスピヴェット。自由に生きているように思えて、ずっと窮屈な思いをしていた彼が、認められた喜びでワシントンへ。10歳の天才というだけで注目を浴びる彼だったけれど、本当の居場所を見つける。
きっかけは弟レイトンの死。このとき本当は何があったか、が大きな鍵を握ります。カウボーイの父親は、天才であるスピヴェットよりも年相応に無邪気なレイトンを愛していると、スピヴェットは思っている。母は昆虫に夢中で、姉はそもそも理解すらしてくれない。けれどそんなばらばらな家族が、やはり家族であった弟の死を同じように悼み悲しんでいることがわかったとき、それぞれの生き方をする家族がひとつであったことに気付く。
心に穴を抱えてしまった少年の大きな冒険、というにはとても小さな、温かみのある世界を描いてくれたなあという印象の作品でした。
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