読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
大地震による津波で家族を亡くした花は、親戚にあたる腐野淳吾に引き取られ、暮らし始める。結びついた二人はどこへ至るのか。
桜庭一樹『私の男』が原作。原作は未来から過去へさかのぼる形での連作でしたが、映画は時系列順。
文章で読むのも艶っぽかったですが、映像も艶っぽい……というか、背徳感満載で陰鬱で息苦しくてエロス満載でした。花と淳吾のセックスシーン、おそらく背徳とか汚れの意味なんでしょうけれども、血の雨が降り注いですごかった……。こんなに露骨に『背徳』を見せられるとは思わなくて見入ってしまった。
かと思えば、ちょっと壊れているけれど無邪気な中学生、高校生の花が、可愛くてあやしい。
最終的にもつれあうように深みに落ちてしまう二人だけれども、淳吾の方がどんどん奥底にいって、花はそれよりも上の方にいるような気配がなんとも暗い。まるで花の方が淳吾を押し込めているみたい。疲れ果てた男になっていく淳吾が、結婚を前にして美しく花開く花に、机の下で足で撫ぜられるラストシーンは、吸い取られるという言葉を想像しました。
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