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白夜行 完全版 DVD-BOX
2005年12月24日。イルミネーションが美しい夜の街で、一人の青年が腹部を刺されて倒れていた。それを目撃した唐沢雪穂は、過去を思い出しながら涙を流す。二人の関係は、少年時代のある殺人事件から始まっていた。

子どもの頃に時々見ていて、その途中から見ても引き込まれる話に、思わず原作を手に取ったくらい記憶にあった作品。久しぶりに見返すことにしました。
原作は別の人物たちの視点から、二人の関係がどこで交わり事件の真相はどこにあるのかを追求するものになっているのですが、ドラマは亮司と雪穂に焦点を当てて、二人がどう追い詰められ、逃げていくのかという心理描写に重点を置いたものになっています。この、心理描写の凄まじさに、放送当時引き込まれたんでした。
二人が逃げ、刑事が追う。太陽の下を歩けないことを、白夜の中にいるっていうのはうまいこというなあとしみじみ思う。雪穂に尽くした亮司が、彼女の人生の中で邪魔なのは俺ともう一人(刑事)だけだっていうのは切ない……。罪を重ねた結果、彼が性的不能者になっているのに胸を突き刺されました。同時に雪穂も、妊娠が難しいっていう。この世界で本当に二人きり、どちらが光なのか影なのかわからない。一方は輝かしい階段を踏み、もう一方は幽霊になっている。
なのに最終話で亮司の子どもができていたり、過去共謀した仲間が自首して「あいつが太陽の下に戻れって言った」と告白したり、ずっと追っていた笹垣がすまなかったと言ったり……そして最後、亮司が自らの身体を刺すのは、彼が実体を持った、幽霊でなくなったということなのかもしれないと証かと思うと、苦しい。
笹掻の厳しい追及も見ていて嫌な気持ちになるときもあったのですが、図書館の司書の谷口さんも、唐沢のお母さんもいい登場人物だったなあ……。お母さんとの病院のシーン、ああどんどん堕ちていくなっていう感じがありました。
太陽の下に出て、可能性のかたまりそのものの子どもの手を握ったとき、雪穂は何を思ったんだろう。今度は自分が尽くそうと思ったのか、それともそんな苦しいことはやめて、残された生き地獄を最後まで一人で進むことにしたんだろうか。
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Author:月子
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