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異世界旅行常習者ひなたを妹に持つ、姉で会社員のこかげは、ある日異世界の国ディーカルアで病に伏しているひなたの危機を知り、自らも異世界へ旅立った。だがそこではこかげは歓迎されず、何故かひどく敵視されて(上巻)
ザキの心を取り戻し、ひなたを取り戻す作戦を開始したこかげたち。ひなたの作った花祭りに乗じて、二十三聖女の伝説を利用したこかげたちは、闇の中ユーリアの城に正面から乗り込む。そこでユーリアが告げた心は、彼女が自身に課した二つの「賭け」。やがてすべてが終わって花祭りが始まり、それが終わる頃、こかげについに帰還の時が。(下巻)

すごくすごくすごく良かった。ラスト周辺切なくて仕方なかった。派手な戦いはないけれど、人とのつながりがとても綺麗で、下巻から段々と良い方向に進んでいくのはとても素敵だった。仲良し万歳。視点が固定されているから、とても読みやすくて感情移入した。ノリの良いこかげの内面が見られてかわいくてかっこいいなあ! とずっと思ってた。だから番外編の色々はとても面白く読みました。

上巻の見所。ひとつ目。こかげに向けられるとても痛い敵意。試される辺りがとても痛くて痛くて、泣きそうになった。この辺り、普通は歓迎されない異世界人というのが描かれていてリアルだった。そこから自分で仕事をして居場所を作ろうというこかげが素敵でかっこいい。
ディレイと一緒に寝させられる、というシーンは色々悶えた。少年と大人女性か! とか。どきどきというよりわくわくの気持ちの方が大きかったかも。
落ちた……と思ったのは、ルカナートがこかげを呼び戻す「頼むから、俺を見てくれ」のシーン。大人の二人だからこそかわせるシーンだったのではないかなと。
下巻。ユーリアの賭けから、海のシーン。「何度でもお前の存在に感謝するよ」は、エゴばかりだと自分を責めるこかげに、作り上げてこれたことがあると教えてくれて、ほろりとした。それから「薄い」の辺りは噴いた。君らずっとそのままでいいと思うよ!
ミーナたちの花吹雪から、ルカナートとのあれへの流れは切なかった。花吹雪直後は、走って! と心の中で叫んだ。「私、もうすぐ帰るから」「……ああ。聞いてる」の「……」の部分、こかげが会いに来なければ何も言うまいと思っていた隊長が、その瞬間何を思ったのかなと思うと悶える。
ああ、すごく、好きだな。そんな風に思える物語で、すごくすごく素敵でした。だいすきだー!
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