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有頂天家族
京都の地に天狗と狸と人間あり。人間の秘密結社金曜倶楽部によって狸鍋にされた、狸界を治める「偽右衛門」だった総一郎を父に持つ、三男矢三郎は、名高い天狗であった赤玉先生の世話をしぶしぶしたり、人間だった天狗弁天に振り回されたり。そのうち新しい偽右衛門を決めるため、自家下鴨家と叔父の夷川家の争いに巻き込まれることになり。

すっとぼけ具合が楽しい小説だった。
狸がいて天狗がいて、彼ら現代風に暮らしているというのが面白い。狸に言わせると金曜倶楽部の狸鍋と交通事故だけが不慮の死に値するとのことで、平和だなあとぽかぽかした。よく考えたら食うか食われるか(人間に)というどろどろした争いをしているのに、これが狸であるっていう辺りがとぼけていてくすくす笑ってしまう。
海星がとてもかわいいなー! 姿を現さなくて、口が悪くて、でも心優しい。でも優しかったのは後ろめたかったからなのかな……。それだけじゃないといいなあ。
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