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春になったら苺を摘みに (新潮文庫)
「理解はできないが、受け容れる」それがウェスト夫人の生き方だった。「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウェスト夫人と、さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。ウェスト夫人の強靭な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分に問い続ける——物語の生れる場所からの、著者初めてのエッセイ。(裏表紙より)

梨木さんの「村田エフェンディ滞土録」を思い出させるエッセイだった。こういう基盤があったから、梨木さんはあの物語を書くことができたのだな。
受容することと意見すること。素敵な人物にはそれが備わっているんだ、と確認した気がする。
「夜行列車」でさっと過る人種差別を前に、はっきりと意思を述べた梨木さんの「——私は本当に悲しかった」と伝えるシーンが胸に迫った。こう言えて、また言われた人はそれを自分の中で受け入れて、別れる際に「いいご旅行を、ma'am!」と言う。それに答える梨木さんの「ありがとう、あなたもいい週末を!」と別れるところがとてもいい。すごくいい。
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