読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
アメリカの代表的な作家、レイ・ブラッドベリの自選SF短編集。
「アンリ・マチスのポーカー・チップの目」「草原」「歓迎と別離」「メランコリイの妙薬」「鉢の底の果物」「イラ」「小ねずみ夫婦」「小さな殺人者」「国家短距離ランナー」「すると岩が叫んだ」「見えない少年」「夜の邂逅」「狐と森」「骨」「たんぽぽのお酒」「万華鏡」「日と影」「刺青の男」「霧笛」「こびと」「熱にうかされて」「すばらしき白服」「優しく雨ぞ降りしきる」
先生が「たんぽぽのお酒がいいよ」と仰ったので借りてみた。
言い回しがとても素敵。
さあ、典型的なガーベイのだんまりが始まった。そこに坐っているのは世界一の沈黙の生産者であり配給業者である。彼に注文すればたちどころに沈黙をパッケージし、咳払いとささやきで紐をかけ配送してくれるのだ。沈黙の品数も豊富だ。当惑、苦痛、平静、平穏、無関心、幸福、金色、神経過敏などいろいろある。これらの沈黙の山のなかにガーベイ氏は坐っているのだ。
「アンリ・マチスのポーカー・チップの目」
話の終わり方も、どきっとするもの、ほうっと息を吐くものがあって、とても好きだった。
「たんぽぽのお酒」は連作で、その中の表題作「たんぽぽのお酒」が好き。たんぽぽのお酒の描写がとても綺麗。
「国家短距離走ランナー」はこれこそ映画みたいで面白かった。
この本の中で一番好きだったのが「万華鏡」!
ロケットが爆発して宇宙に散り散りになった船員たちは、かろうじて電話で繋がれるものの、向かう先は宇宙の塵だった。感情が暴走し、最後の瞬間誰かを傷付けたり、無気力になったりする船員たち。そしてホリスは……。
「願いごとをするのよ」母親がいった。「願いごとを」
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