読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

長崎県の五島列島にあるとある中学校では、合唱部の顧問だった松山先生が産休に入るため、臨時教師として松山の友人で同校の卒業生である柏木がやってくることになった。美人でピアニストだったという柏木目当てに合唱部に男子生徒が入部してくる中、ナズナや、なし崩しに入部することになったサトルたちの、それぞれの思いや傷が明らかになって……。
原作は読了済。映画は映画でわかりやすい形にしているなあと思いながら見てました。
中学生ってどこも同じだなあと思いつつも、彼らの素朴さに微笑ましい気持ちになったり、いまは大人として松山先生や柏木先生、その他教師に感情移入したりその言動に注目したりなどして、自分の状況で見方って変わるなあというのをしみじみ感じました。
全然先生っぽくないけれど、都会からこういう人がふらっと赴任してくるのってなんかリアリティあるなあと思った新垣さん、ツンツンしつつも本来優しい人であるのがにじみ出ていてすごく好きでした。主題歌でもある「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」の歌詞にもある「大人の僕も傷ついて眠れない夜はあるけど」っていうのが、15の自分と大人の自分が地続きになっている同じ人間であるというのが伝わってきました。柏木先生も「負けそう」「泣きそう」「誰の言葉を信じて歩けばいいの?」って思ってここにきたんだなあって思ったんですよね。
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300年続くイタコの一族である乾家。節、宗和、海は、相続税が払えず家を追い出され、家を取り戻すためにイタコを始めることにする。ギャンブル好きで強い能力者である節と、霊を信じない宗和を中心に、霊にまつわる事件を解決する、オカルトコメディ。
元々漫画作品なんですね。この世ならざるものと関わる現代物を、イケメンたちが真面目に演じていると、こう、言いようのないもぞもぞ感があるんですが、それはまあ置いておいて……。
兄弟と仲間たちのドタバタな日常です。イタコってこういうものじゃないと思うので、とってもファンタジーだと思います。
深夜ドラマの面白さって、懐かしさを感じるストーリーやキャラ付けだったりとか、深夜感あふるる風景や小道具など、頑張って作ってあるなあという感じだと思っているんですが、まさにそんな感じです。
ファッションとか言動に注目しつつ、こういうのをイケメンっていうんだなあというのを楽しみました。
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第二次世界大戦、ドイツ軍が無条件降伏文書に調印し、終戦に沸く英国。国民とともに祝いたいという王女エリザベスと妹王女マーガレットは、お忍びで街に出ることに。だがそこから抜け出したマーガレットと、それを追ったエリザベスは、狂乱に沸く人々にもみくちゃにされ、はぐれてしまう。エリザベスは偶然出会った兵士のジャックに、妹を探してくれと頼むのだが……。
終戦に沸く街で、王女様二人がお忍び外出。次期女王エリザベスは、とある空軍士官ジャックと出会い、短い非日常を過ごす。
実際にエリザベス王女とマーガレット王女が街に繰り出して勝利を祝った、という史実に着想を得たお話です。実際の人物を元にするのは……という気持ちはあるものの、こういうことが起こっていたのだとしたらとてもロマンティックだよなあという、夢あふれるフィクションでした。
護衛たちを出し抜いて、若い士官と街を駆け回り、他愛もない夢を叶え、彼の母親(もちろん王位継承者の重責や王女の立場を深く理解している、思慮深い賢女)と話し、そして最後に彼と別れる……という展開は、王道で素晴らしいものだと思います。単にめちゃめちゃ好きだってことなんですがね!
こうした非日常を経て、王女が王位継承者としての自覚を得る展開は、やっぱりすごくよかった。
歴史上には何も残らないけれど、確実に彼女たちには何かが起こって、また新しい一日が始まる。とても素敵な作品でした。
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ごく普通に円満な家庭を築いてきたサラリーマンの鈴木だったが、ある日娘が他校の男子生徒に殴られるという事件が起こる。傷ついて心を閉ざした娘を見ていられず、復讐を果たそうと包丁を手に学校に乗り込むも、それは別の高校であり、しかも喧嘩に強い一生徒のスンシンにのされてしまう。しかし訳を聞いたスンシンたちは鈴木を鍛えることを提案し……。
原作は未読。
冴えなくて何の取り柄もない普通の中年男が、家族を守るために、年下の高校生たちととも精神的にも強くなっていく。社会的に立場が弱い人間はなんとかして強くならざるを得ないけれど、肉体的にも精神的も、そして知識も得て強くなろうと己を磨いているスンシンは、ぎらぎらしていながらもなんだかかっこいい。
平凡な鈴木氏が、娘を傷付けた高校生の学校まで仲間と乗り込んでいくのは非日常なんだけれども、立場とか年齢なんかは関係のない大きな壁が人にはそれぞれあって、それに立ち向かおうとするのは象徴的だなあ。多分人には何もかも振り捨てて大事なものと戦わなくちゃならない瞬間があるんだよな。

スターク家の子らはダイアウルフの子を手に入れた。ラニスター家の王妃は不貞を働き、これが王の死と裏切りにつながる。ターガリエン家の妹姫は異民族であるドスラクの族長と政略結婚をした。七王国の玉座と、北の冬、ドラゴンの炎をめぐる物語。
面白いと噂のゲースロ、見始めました。デナーリスが好きです!!!(どこまでも少女小説脳)
国を取り戻すため、兄の手駒となってドスラク族の長に嫁ぐデナーリス姫。言葉も異なれば習慣も違う、血なまぐさい一族でどのように生きればいいのか。でも彼女は言葉を覚え、夫となる人の優しさを見つけ、彼の子を身ごもり……という血と泥と涙が溢れる少女小説みを感じるストーリー展開。
スターク家のアリアも少女小説的展開としてたいへん美味しい。大人の汚さを認められず、少年のような心を持っているようなまだ子どもの女の子なんですが、剣術を習い、父を殺したラニスター家に属することで命を長らえた姉と違い、命を狙われ逃亡しながら強くなっていくヒロインの気配をびんびん感じます。
あとはその弟であるブランも、主人公的な立ち位置でめちゃくちゃ今後が楽しみです。彼がラニスター家、ひいてはサーセイに一矢報いる日が楽しみだ。
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親友のローラを亡くしたクレールは、彼女の夫だったダヴィッドが女装姿で赤ん坊をあやしているところを偶然見てしまう。彼には元々女装癖があったが、結婚によって収まっていたはずのそれがローラの死で表に出たのだ。ローラの匂いが染み付いた品物を身につけると安心するというダヴィッドは、次第に自分は女であるという意識を持ちながらクレールを愛し始め、クレールもまた「彼/彼女」への好意を高めていくが……。
「一目惚れだった」と語る親友を亡くしたクレール。女装癖があり、自分は女だと実感していくダヴィッド。性愛の嗜好や性自認が普通の人とは異なる二人の、秘密の交流。
これは浮気かどうかっていうのが気になったんですが、多分浮気……かなあ。クレールは同性愛的な嗜好があると思うんですが、その意識のもとにヴィルジニアと会ってホテルで一夜を過ごしかけてしまうのは、浮気、だと思う。だから多分、同性同士で普通に出かけていたとしても間違いが起こらない(浮気しない)とは限らないし、人間の愛情や友情はお互いの信頼関係のもとに成り立つんだと思う。
ダヴィッドが事故にあって、ヴィルジニアへ呼びかけると目覚めるというのは、とても象徴的だなあ。本当の自分はなんなのか、彼/彼女はダヴィッドなのかヴィルジニアなのかっていう。
ラストシーンがとても印象的かつ暗示的で、結局クレールは誰の子を身ごもってるのかなあ。リュシーが見つけられていないときのクレールとヴィルジニアの手の繋ぎ方が必要以上に親密だった気がして、もしかしたらヴィルジニアの子どもかな、と思ったりする。

婚約破棄され前世の記憶が甦り、乙女ゲーム世界へ転生したと自覚した令嬢アイリーン。でも前世の記憶は不完全で、破滅フラグが立ったのに、回避方法がわからない。確実なのは、全ての破滅フラグの起点が、ラスボスの魔王クロードだということ。「ではクロード様をわたくしのものにすれば死なないわよね?」かくして魔王の愛を得るために、求婚したり、魔物を助けたり、起業したり……悪役令嬢が狙う、一発逆転ハッピーエンド!?(裏表紙より)
高位貴族に生まれ、皇太子と婚約していたにも関わらず、ヒロインであるリリアの登場によって、転落を迎えるアイリーン。転生だと自覚はありながらも現世の記憶はほとんどなく、大事な記憶は妙なときに思い出される始末だけれど、アイリーンは自分らしく仲間とともに魔王攻略に励む。
ヒロインのリリアと皇太子のセドリックが、そりゃもう見事なクズで、清々しいほどアイリーンが正しいざまあな展開。必要な立場を取り戻したクロードとアイリーンの今後がめちゃめちゃ大変だろうなあと思わせる、馬鹿っぷりに盲目ぶりなので、あんま邪魔すんなよ……と哀れなものを見る気持ちでいます。
クロードがこれからアイリーンを溺愛してくれそうなのが楽しみだ。結構独占欲強いよね、魔王様。

「君が好きだ。コクラン。……愛しているんだ」
悠久の時を彷徨い続けた悪魔と、孤独の運命を受け入れ続けた王女。奇跡によって逃れられぬ虚無から解き放たれたレクスとコクランは、あらためて出逢った。
しかしレクスは捕らえられ、コクランの知らぬ間に後宮から追放されてしまう。離ればなれになっても、三度出逢おうとする二人。それを阻むのは、どこまでも深い後宮の闇と、初めて知る後宮の外の世界だった——。
「めでたし、めでたし」のその先に、真の恋物語は始まる。(裏表紙より)
第二巻、なんですが、一巻の分厚さを思うと、だいぶと物足りないよー! もうちょっと読みたかったよー!
人間となったレクスと離れ離れになったコクラン。それぞれの場所で相手に会おうとするも……どちらも「人間未満」な生き方をしてきたので、そううまくいくわけがない。特にコクランのシーンはだいぶきつかったなあ……。間違えているって、そりゃそうだよなあ、大切な人ってレクス以外にいないもんなあ……そりゃそういう風に人を動かしちゃうよな……。
二人が再会できてよかったんですが、二人寄り添って生きる道はあるんだろうかと考えてしまった。切ない……。

「さあ、願いを言うがいい」
「なら言うわ。とっとと帰って」
王女コクランのもとに現れた、なんでもひとつだけ願いを叶えてくれるという伝説のランプの悪魔。しかしコクランは、願うことなど何もないと、にべもなく悪魔を追い払おうとする。
なんとか願いを聞き出そうと付きまとう悪魔。しかし、“すべてを与えられた者”と謳われるコクランを取り巻く王族と後宮の現実を知ることになり……。
物語を一人演じ続ける王女と、悠久の時を彷徨う悪魔の、真実の願いを求める恋物語。(裏表紙より)
巨大国家の第一皇女コクランは、優れた資質を持っていたり身分が高かったりする女性たちを集めた箱庭のような後宮で、影のように暮らしている。ある日ランプから現れた悪魔と出会ったことで、「人」としての自分を取り戻すようになっていき、やがてそれがある悲劇を呼んで。
箱庭めいた少女たちのやりとり、思惑や願いが絡んだそれらを遠くから見ている印象でしたが、コクランが次第に人らしくなっていくことで物語が段々熱を帯び始める。だからこそレクスの悲劇はもう、水を浴びせられたような気になりました。ここはそういう場所だったんだということがわかって、どうにもならないことがわかって絶望した……。
レクスは最後にそばにいてくれたけれど、これからどう戦っていくのかな……。