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王女コクランと願いの悪魔 (富士見L文庫)
「さあ、願いを言うがいい」
「なら言うわ。とっとと帰って」
 王女コクランのもとに現れた、なんでもひとつだけ願いを叶えてくれるという伝説のランプの悪魔。しかしコクランは、願うことなど何もないと、にべもなく悪魔を追い払おうとする。
 なんとか願いを聞き出そうと付きまとう悪魔。しかし、“すべてを与えられた者”と謳われるコクランを取り巻く王族と後宮の現実を知ることになり……。
 物語を一人演じ続ける王女と、悠久の時を彷徨う悪魔の、真実の願いを求める恋物語。(裏表紙より)

巨大国家の第一皇女コクランは、優れた資質を持っていたり身分が高かったりする女性たちを集めた箱庭のような後宮で、影のように暮らしている。ある日ランプから現れた悪魔と出会ったことで、「人」としての自分を取り戻すようになっていき、やがてそれがある悲劇を呼んで。
箱庭めいた少女たちのやりとり、思惑や願いが絡んだそれらを遠くから見ている印象でしたが、コクランが次第に人らしくなっていくことで物語が段々熱を帯び始める。だからこそレクスの悲劇はもう、水を浴びせられたような気になりました。ここはそういう場所だったんだということがわかって、どうにもならないことがわかって絶望した……。
レクスは最後にそばにいてくれたけれど、これからどう戦っていくのかな……。
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Author:月子
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