読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
六年生に進級したさくらたち。夏に催される街のお祭りで、さくらたち6年2組の生徒は劇を披露することになっていた。そこへ香港に帰っていたはずの小狼と苺鈴がやってくる。小狼に告白の返事をしようとするさくらだが、その頃街では不思議な出来事が起こっていた。
ふたりの恋の行方は? ということと、一番大事な気持ちを犠牲にすることを引き換えにカードを封印できるのか? というじれじれもだもだなお話です。クリアカード編を見ていると、この頃の小狼の少年らしい真っ直ぐさと真剣さが眩しくて、クリアカード編は何を隠しているんだ……大丈夫か……と心配になってしまう。
あと見ていると知世ちゃんの変わらない気持ちが尊く感じられて、ふたりの仲良しをもっと見たい! ってなります。
この作品を見ていて、カードたちに心があるのが好きだったなあというのを思い出しました。カードたちが無のカードのところを離れるところ、けれどさくらを無のカードのところに繋ごうとするところ、さくらとカードたちの絆が見えるようでいいなあと思いました。
じれじれきゅんきゅん、可愛らしい作品でした。
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神王国から帰国して以来、不自然な事故が多発! 犯人探しを始めたイヴだったが、突如現れた<神王>によって連れ去られてしまう。イヴを取り戻すには、彼女の力が注がれたオリヴィエの左目を差し出さなければならない。だがそれは、<楽師>の力を喪うことを意味し……? 一方、囚われても変わらぬ態度のイヴに、神がとある賭けをもちかけて——!? 強き絆が奇跡を呼ぶ、大感動の最終巻!(裏表紙より)
最終巻。上記内容紹介の話はほぼ終盤での出来事で、おおよそは文化祭と、イヴリーンがいかにオリヴィエから逃げるかとか口説かれるかとか、砂糖吐くような言い争いをするのかという話です。
とことん自分を貫いたイヴリーンにとにかく拍手! どこにいても彼女が彼女らしくあるのが楽しくて、リュクシオルじゃないけど彼女の台詞を勝手に変換して楽しんでました。
未来のことが知れてよかったなあ。自分にできることまで上り詰めたイヴリーンがとにかくかっこいい。ただ最後のまとめのところに「若くして〜」とあったので、何があったのかなあ……というのがすごく気になりました。神に愛されすぎた存在だったということかな……。
そういう寂しさも含めて、いいお話でした。
再び“楽師”になるため、音痴の矯正に励む元・歌姫のイヴリーン。最近の日課はカタブツ優等生・オリヴィエからの逃亡!「俺が嫌いなのか?」——違う。彼の声を聞くだけで、甘く痺れておかしくなるのだ。そんな折、消えたはずの精霊・ひばりと自分の偽者の噂を聞いたイヴは楽院を抜け出すが、なぜかオリヴィエがついてきて!?逃亡どころか二人旅決定! えんため大賞受賞作、待望の第2弾!!(裏表紙より)
だいぶと歪んでいるけれどまっすぐな愛情を持つ人たちのお話二巻目。
魔王を退け、次期最高司祭の座も蹴り、ただのイヴリーン・シラクとして生きることを決めたエルネスティーヌことイヴリーン。そんな中、自分の偽物と消えた精霊のひばりのことを聞いて、いてもたってもいられず楽院を抜け出した。
学園物なのは冒頭だけで、あとはイヴリーンの気持ちいいくらい唯我独尊な啖呵と、ただの恋する乙女の言動を楽しむお話でした。ひばりのことはよかったねえ。なんだかんだですごく逆ハーで愛されているイヴが楽しい。あとサブキャラクターがだいぶ気持ち悪い(褒めてる)のが楽しかったです。
ドア越しに聞こえる絶頂の喘ぎ声なんて序の口。浴槽にぶちまけられた納豆の異臭、来ると必ずバイブを三本頼む若い女性、ベッドの脇で首輪をつけてたたずむ裸の中年男性、尋常ではない唸り声、入れ歯の忘れ物……ラブホテル女性従業員が見てきた仰天カップル達の実態と裏稼業のじーんとくる話満載の、まさに「裏物語」。(裏表紙より)
ラブホテル従業員が見たいろんなお客さんや、部屋の様子、出来事のお話。すっきり謎が解けるわけではなくて、「どうしてこんなものが……?」というものもありますが(上記の納豆もそう)、本当にラブホテルを利用する人にはいろんな人がいるんだなあと思って、おかしみを感じました。本当に、いろんな性癖の人がいるもんだ。
創刊40年を迎え、発刊総数は約4500冊になるコバルト文庫。
昭和から平成にかけて、時にはちょっと大胆に、若者たちの心に寄り添い続けています。
ラノベの元祖とも言われるその全貌を、正確な記録としてまとめました。
少女文化研究の基礎資料となるように……
なんて大義名分はともかく、コバルト・ワールドをいっしょに楽しみましょう!(カバー折り返しより)
コバルト文庫創刊40年の公式記録。今まで刊行された作品の表紙、タイトル一覧や、著者の小さな対談がいくつかと、ざっくりと歴史を解説したものが収録。
表紙一覧の刊行作品やイラストの変遷を見るのも楽しいですが、タイトル一覧、ある時期を境にサブタイトルがつくものがかなり増えてきて面白いなあと思いました。やっぱりタイトル、サブタイトルを見てどんな内容かわかるように工夫してるのかなあ。
読んだ、持ってる、というタイトルが見られて楽しかった。
才色兼備な大貴族の令嬢メアリ・アルバート。彼女は始業式で前世の記憶を思い出す。この世界は前世でプレイしていた乙女ゲームと同じで、自分は主人公をいじめて最後に没落する悪役令嬢だったことを——となれば、ここは「そんな人生、冗談じゃない!」と没落を回避……しない! 従者のアディ(口が悪い)を巻き込んで没落コースを突き進もうとするけれど、なぜか主人公になつかれて!? 人気沸騰WEB小説、ビーンズ文庫に登場!!(裏表紙より)
楽しかったー! もしかして初めて読んだ悪役令嬢ものかな……?
「いや、単なる親切な人ですね」でもう絶対面白いわと思いました。
とある理由ゆえに、自ら没落を目指すメアリ。彼女の考え方、スタンスがすごく好感の持てるもので、主人公よりも断然応援したくなるキャラクターでした。またアディとのやりとりがいいんだよなあ。
とにかくゲームとは違い、メアリがメアリであることが彼女の未来を救っていて、周りのキャラクターや状況もいい方向に進んでよかったよかった。メアリが望む没落ではないけれども、未来が保証されて何よりでした。
読んでいてすごーくコロッケが食べたくなりました。
「お前こそが本当の花嫁だ」中華の覇王・祥紀とその妹叔雪。支配欲に満ちた兄王は妹の唇を奪い、甘い囁きで心まで虜にする。禁じられた愛だからこそ感じる、底知れぬ愉悦。淫らな関係に溺れ、絶対に離れられないと信じる叔雪に隣国の王太子が現れ求婚を! 優しい彼との交流で初めて知る純愛。しかし策略に長けた兄は妹への独占欲を剥き出しに、逃れられない罠を仕掛けていた!?(裏表紙より)
内容紹介がほぼ本文。
近親相姦、兄妹ものです。幼くして兄に恋情(と呼ぶには少々淫靡)を抱いていた淑雪。成人となる十六歳になったその日、離れて暮らしていた兄と対面してから、狂おしい思いを抱くようになる。そしてついに、兄嫁の名を騙って寝所に忍び込み……。
だいぶと濃厚で、お話もかなり血生臭く、もろとも破滅に落ちていくような兄妹です。雰囲気がどっしりしていて読み応えがありました。
「直木賞の時に帰ってきます」
あの日、この場所で交わした約束があった——渾身の感動長編、堂々の完結。
東京會舘が建て替えられてからのお話、越路吹雪のディナーショーに居合わせたスタッフ、3月11日のあの日の出来事、東京會舘で行われる授賞式と作家のお話、そして再び建て替えられる直前の東京會舘のお話。
建物が見つめてきた時代と人の物語。積み重ねていく時間って大きくて愛おしいなあと思わせるお話ばかりでした。人がつなぐものってすごいなあ。それが東京會舘っていう場所が最初に作ってくれたものなんだと思うと、場所の力、そこに集まる人の力ってすごいんだなあと思う。そこを愛する、ということが何か一つ、お守りのような力になるのかもしれないなあなんてことも思う。
「煉瓦の壁を背に」で、結局両親の無理解へのくすぶりがはっきり解消されないままなのが、少しもやもやするけれど、仕方ないんだよな……。でも喜んでくれる気持ちは本物だといい、と思いました。
ここは夢が生まれる場所。
大正十一年、丸の内に誕生した国際社交場・東京會舘。〈建物の記憶〉が今、蘇る。
激動の時代を生きた人々を描く。
直木賞作家の傑作長編小説!(帯より)
海外ヴァイオリニストのコンサート、戦中での結婚式、GHQに占領されている最中のバーでの出来事、という東京會舘が生まれ、震災で崩れ落ち、再び再建されるも戦争が、など東京會舘という場所と時代の出来事が描かれる。
その場所を愛し、あるいは大切な思い出を持った人たち。生きているなあって感じがします。東京會舘のような場所って、生きていく上で誰しもみんな持っているんじゃないかなあ、という気がします。特に「しあわせな味の記憶」の章は、家族の光景が見えてうっかり涙腺が緩んだ……。
「そのパレードは何処からやって来たのだろうか?」
幾度も開かれる扉。廻る楽園。仮面の男が繰り返すのは果たして悲劇なのか。世界は終わり、そして始まるだろう。娘は収穫を誤り、姉は妹を犠牲にされ、女は星屑に踊らされる。
果てなき物語にもたらされる答えとは? 避けられぬ罪と、悲しき祈りが紡ぐ異なる地平線の全てが今、明かされる。
さあ、心に深い傷を負う者よ。その心に深い闇を飼う者達よ。あの仮面を被った笛吹き男が待っている。「——楽園パレードへようこそ!」(帯より)
「Yield」「エルの楽園[→ side E →]」「Sacrifice」「エルの楽園[→ side A →]」「StarDust」「笛吹き男とパレード」を収録。
あああああって頭をかきむしりたくなる絶望の話でしたが、「StarDust」でかなりひねった解釈が入ったのにびっくりしました。ああーそういう……つまり地平線というものを世界線という解釈にしたということかな……?
「Sacrifice」のむごさが想像通りだったので、ひどい……と思いながら読みました。
「永遠に繰り返す」がこうなるかあと面白かったです。