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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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リングリング 英雄騎士と異世界の乙女 (アイリス文庫)
光に導かれて異世界にトリップしてしまった梅本詩職。そこは3年前わけあって同居していた青年騎士クラストの住む世界ルティーリアだった。助けてくれた薬屋の青年ロッシェのもとで働きながらクラストに会おうとするが、彼は英雄になっていて——!? 出会うための作戦はことごとく裏目に出て前途多難!
「小説家になろう」で大人気のすれ違いっぷりが痛快な召喚ラブコメ、堂々書籍化!!(裏表紙より)

3年前異世界から現代の地球にやってきた騎士と同居生活を送った過去がある詩織。今度は詩織が彼の世界へ召喚されるも、見知った顔はおらず路頭に迷いそうになる。しかも騎士クラストはいまや英雄と呼ばれて雲の上の存在。果たして再会することはできるのか!
いやーもだもだしました! すれ違うのにじれじれもだもだ。再会できてほっとしました。
散りばめられている設定を膨らませるとすごく壮大なファンタジーになりそうなのに、ほんわりとした優しさがあって、ハッピーエンドでよかったです。
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この部屋で君と (新潮文庫nex)
同じ鍵を持つ、ふたり。
だけど心は——。
誰かと一緒に暮らすのはきっとすごく楽しくて、すごく面倒だ。「いつかあの人と同じ家に住めたらいいのに」「いずれこの二人暮らしは終わってしまうんだろうか」それぞれに想いを抱えた腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕……気鋭の作家8名がさまざまなシチュエーションを詰め込んだひとつ屋根の下アンソロジー。(裏表紙より)

朝井リョウ「それでは二人組を作ってください」飛鳥井千砂「隣の空も青い」越谷オサム「ジャンピングニー」坂木司「女子的生活」徳永圭「鳥かごの中身」似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」三上延「月の沙漠を」吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」の八作品が収録されています。
作家さんの特色が出ていて面白いなあ! あんまりアンソロジーは読まないんですが、たまに読むとほうほう! と発見があって楽しい。
人間関係のいたたまれなさが突き刺さる朝井リョウさんの「それでは〜」がすごい。胸がいがいがするような居心地の悪さがさすがです。
好きだなあと思ったのは三上延さんの「月の沙漠を」。舞台が現代ばかりの中で時代がちょっと古い。誰かと一緒に暮らすということは一緒に生きていくということ、その戸惑いや不安を感じられて好きだなあと思いました。
恋をしたら死ぬとか、つらたんです!
イケメンと恋に落ちるのを楽しむはずの乙女ゲーム。しかし、ヒナが閉じ込められた乙女ゲームの世界は…トキめいたら即死! ポッとなったら即死! キュンとしたら即死! というまさかの恋をしたら死ぬキケンな世界!
人類史上最高に惚れっぽい女の子・ヒナは、ゲーム開始10分で死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死にまくってしまう。
彼女の終わらない1日が幕をあける!!!(帯より)

乙女ゲームものの皮を被ったサイコパスのお話でした……強烈だった。
主人公のヒナは老若男女、無機物有機物問わず(?)すぐに惚れてしまう性格。小学校二年生までに四百人と付き合ったことがある。友達のお父さんと恋仲になったり、分刻みでデートしたりしていた歴戦の強者。恋愛に関する理性がぶっ壊れたヒロインです。
そんな彼女にかかればごく普通の恋愛乙女ゲーム(でも恋をしたら死ぬ)がめちゃめちゃ無理ゲーに思えてくるのが面白い。彼女に関わったばかりにトラウマを与えられる登場キャラたちが不憫すぎる……笑
ロスト・グレイの静かな夜明け (コバルト文庫)
不慮の事故に巻き込まれて亡くなった15歳の少女・アズサは、見知らぬ場所で目を覚ました。傍らにはカーゴと名乗る少年。そこは、心残りを抱えて亡くなった者がたどり着く“霧の壁”の向こうだという。知る人もいない世界で、再び“生きる”こととなったアズサ。しかし、そこは武器商人が権力を握る退廃的な町で? 2011年度ノベル大賞受賞作家が贈る、世界と再生の物語——。(裏表紙より)

表紙がとても美しいので手に取りました。
海の上に「霧の壁」と呼ばれる謎の領域が存在していて、調査に行った者たちは帰ってこない。いつしか死者は皆、水葬という形でその霧の向こうへ流される、という世の中。アズサは大火災に巻き込まれて15歳で亡くなり、霧の壁へと流されて、新しい世界で目覚める。
異世界にトリップしたかのような雰囲気だなあ、と街の様子を想像しながら読んでいました。いろんなものがきっとごたまぜになっていて、不思議も存在していて。このお話で起こる出来事を、アズサは巻き込まれる形で、傍観者のようにして見ることになるんですが、少し寂しい雰囲気がある話だなあと思いました。
旧貴族のエッドは核獣を狩る滅核獣師になるため、相棒のラッセと共にスノリ準軍学校で日々を過ごす。ある日、特別教練中に出現した核獣を倒したエッドは、短期留学生のレギの命を救う。それをきっかけに、レギは馴れ馴れしい態度でエッドに近づいてきて……。ラッセの兄であるフォルクは、仲間たちの目の前でエッドに口づけてレギを牽制する。
——女としてみられたいわけではない。ラッセの相棒でいたい。でも彼が何を思ったのか知りたい。
エッドの葛藤をよそに、ラッセを《王》にしようとする計画が、再び動きはじめていた!(裏表紙より)

三笠書房のf-Clan文庫から出た『相棒とわたし』の続編にあたる作品。作者の瑞山いつきさんが同人誌として発行したものです。
エッドに急接近する謎の短期留学生レギの存在により、フォルクが行動。エッドにすれすれのキスをして、女の子として好きだと告白する。思い悩むエッド、揺れるラッセ。果たしてエッドが選ぶのは? というお話で、文庫一冊を思うと短めです。
結果的にエッドもラッセもちゃんと自覚した上に、エッドが、ラッセの相棒でいたいから好きにならないと宣言というもだもだな結末。ああー続きが読みたいなー!! ラッセにどきどきするエッドが見たいよー! 不器用な女の子かわいいよー!
ユリイカ2010年10月臨時増刊号 総特集=冲方丁 『マルドゥック・スクランブル』『蒼穹のファフナー』『オイレンシュピーゲル』『天地明察』・・・ジャンルを越えて躍動する若き物語作家の冒険
ユリイカの冲方丁特集。2010年の本で、『天地明察』『テスタメントシュピーゲル』が最新、という頃のものです。書き下ろしとして「OUT OF CONTROL」が収録。のちに文庫で出た同名の短編集と同じものかと思います。
対談として養老孟司さん、夢枕獏さん、篠房六郎さんを相手にした三本が収録されていて、これを面白く読みました。
夢・出逢い・魔性 (講談社文庫)
20年前に死んだ恋人の夢に怯えていたN放送プロデューサが殺害された。犯行時響いた炸裂音は一つ、だが遺体には二つの弾痕。番組出演のためテレビ局にいた小鳥遊練無は、事件の核心に位置するアイドルの少女と行方不明に……。繊細な心の揺らぎと、瀬在丸紅子の論理的な推理が際立つ、Vシリーズ第4作!(裏表紙より)

東京のテレビ局までやってきた一行はそこで殺人事件に行きあう。
「私はだれ?」というお話だったのかなあ。テレビにまつわる人たちが、自分でない何かを「かぶる」というのに絡めてあるのか。Vシリーズは結構はちゃめちゃになるイメージがあったのですが、久しぶりに読んだからか、この巻がおとなしかったのか、静かだった気がします。その分、合間に挿入される犯人の独白が、読み終わった後非常に不気味でぞくっとしました。
即興ワルツ 青遼競技ダンス部の軌跡 (富士見L文庫)
 成島拓海は同大学の橋本秋帆に狙われていた。彼女は拓海の長身を頼みに——共に“競技ダンス”で日本一を目指そうというのだ。さる事情から人付き合いを避けてきた拓海に、よりによって女子の手を取り笑顔で踊れだなんて! 当然断るものの、諦めようとしない秋帆の真剣さに屈し、拓海は期間限定で入部する契約を交わす。
 優雅なイメージとは裏腹、体育会系な活動に絞られる日々を送る拓海。やがて応援に訪れた大会で、予期せず出場することとなり……。
 ダンスにかけるふたりたちが描く、青春と人生の心躍る軌跡。(裏表紙より)

めちゃくちゃ面白かったんですが続き出てないのかー! 残念……。
大学に入学した拓海は、その長身と身体能力ゆえに、女子にしては長身の秋帆に競技ダンス部に誘われる。彼女の真剣さにほだされて、夏が終わるまで部活に付き合うことにしたけれど……という話で、この拓海くんが非常に優しくて、ちゃんとアツい部分がある素敵な主人公なんですよね!
父親から逃げるようにして一人暮らしの大学生活を始めた、という部分はあまり語られていないんですが、誰かの熱に誘われるようにして段々と自分も真剣になっていく素直さがすごくいい。
ダンス部の同級生や先輩たちもすごくいいキャラしてて、みんなで切磋琢磨する部活っていいなあと思いました。
不動カリンは一切動ぜず (ハヤカワ文庫JA)
すべての子どもたちが人工授精で誕生し、掌にノードを埋め込まれて生活する時代。人々はノードを介して情報や思念を交換する。中2の少女、不動火輪と滝口兎譚は授業の自由課題で小学校の遠足バス転落事故を調査し、死亡前の生徒の思念記録を偶然手に入れた。その記録に関わる大きな陰謀と、二人の家庭の事情が複雑に絡み、遂に事件は勃発する——大人世界の不条理に抗う少女たちの絆を描く、俊英作家の新世代青春小説。(裏表紙より)

HRVというウイルスの存在によって性交渉が不可能になり、子どもを持つのは人工授精によるものとなった。そのため性交渉は不可能となったが、とある事情で子どもを持つ親もおり……という世界観。冒頭からだいぶと「うわああ」という始まりをした割には、女の子ががむしゃらに頑張る話でした。
結婚という制度もないために家族は基本的に血が繋がらない者同士が暮らしている状態なので、火輪を始めとする少女たちの思う相手は同性なんですが、そのあたりが全然いやらしくもない百合でした。清々しささえ感じられる。
時代設定はSFですが話は宗教に絡むのも面白いなあと興味深く読みました。実に不思議な読書体験でした……。
小説の神様 (講談社タイガ)
 僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!(裏表紙より)

すべての台詞がぐさぐさ胸を突き刺す。一也と詩凪の語ることは、相反しているけれどどちらも正しくて、結局は「自分は何を信じて書くか」ということしかないんだろうなあ。
この作品の願いはきっと、作家はみんな、作品を愛してくれる人のために書いてほしいということなんだろう。悪評や言いがかりに負けず、それでもあなたの書く物語が好きだと言ってくれる人の存在がどれだけ尊いかということを伝えたいってことなんだ。
言葉の強さというのも感じました。作中ではある二人が、他者からの言葉で語るための言葉を失うんですが、小説に力なんてないかもしれないけれど言葉はあっさりと胸をえぐるんですよね。シンプルだからこそ、そしてそれをまっすぐに受け止めてしまうからこそ再起不能に近いところまで陥ってしまう。
すごく考えさせられる作品だったのですが、祈りと願いと希望に満ちていて、頑張ろうと思えました。
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Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
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