読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
あやかしたちと遊ぶ、ジャパネスク・ファンタジー
南都。京の都のごとく栄えるこの都市に、遥か異国の血を引く青年妖術師・天竺ムスルがいた。
緑色の瞳を持ち、喋る紅い鳥を友とする彼には、表の仕事である金貸し以外にもうひとつ裏の顔がある。不思議な力を秘めた彼のもとには、あやかしに関わる刀剣をはじめ、物騒な事物が次々と舞い込んでくるのだ。
ムスルの構えた通称『天竺屋敷』に奉公に来た少女・葉月は、仕え女として働くうちに、彼とともにあやかしと関わってゆくことになり――。(裏表紙より)
足利将軍の時代、興福寺の食客であり金貸しである天竺ムスル。武士の娘である葉月は、借金を減らしてもらいたい父親によって、ムスルの元で働くことになる。
あらすじにみられるようなお店もの(事件や謎が主人公たちの元に持ち込まれる)という要素は少ない? ような気がします。この時代においての異国(唐国やペルシア、さらにヨーロッパ)への少しの恐れと憧れみたいなものを強く感じました。なんだかちょっと不思議な印象の話だったなあ。
ムスルと葉月が結局どうなるのかは第一話でざっくり語られるので、その過程をもうちょっと見たかったかもしれません。
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小さな洋裁店の店主・市江は、オーダーメイドの服を作っている。ある日、百貨店に勤務する藤井は、市江の服を仕入れたいと告げるが、市江はそれを断る。諦めきれない藤井は市江のもとを何度も訪ね、彼女や彼女の祖母が築いてきたもの、そしてお客が生み出す空気を感じていき……。
お店の雰囲気、小道具、そして何より市江や街の人たちが着ている服の素敵なこと! こんな服を着て毎日過ごしたいなあ……。
その人だけの服、その人がお墓まで着ていける服を愛している、っていうことから、自分は何を、どんなものを作りたいかっていうのがだんだん見えてくる。何者にも乱されない、やることやるだけだという生活は確かに平穏かもしれないけれど、作り変えるみたいに新しいことを始めるのは、大変だけれど確かに楽しいことだよなあ。やりたいって自分自身が心から思うことが大事ですけれども。
好きなことを、自分以外の誰かが大事にしてくれてもっと大事にできるようになる。そんな風に感じた作品でした。
ヴィアゴ、ディーコン、ヴラド、ピーターはヴァンパイア。ウェリントンでシェアハウス生活をしている。現代のヴァンパイアらしく夜の生活を謳歌していたが、ある日、ピーターが人間をうっかり甘噛みし、ヴァンパイアに変化させてしまった。
ドキュメンタリー形式でヴァンパイアたちのシェアハウス生活が語られます。ホラーでサスペンスでコメディ? 血がぶしゃーってなるわりにアホだ(褒めてます)。陽気なのにシュール。屋敷に閉じ込められて追い回されるって怖いはずなのに、笑しか出ない。なんだあの人面猫(褒めてます)
そんなヴァンパイアたちが、気が弱いけれどイイ奴な人間スチューと友人になったことから、ヴァンパイアのパーティに参加した彼を守ったりなんだりする。仲間のヴァンパイアを殺したのに、その帰り道にしゃべってる感じが完全に「俺ら最強」の粋がってる若者みたいで笑ってしまう。かわいいなあこいつら。
ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。(裏表紙より)
「うつくしい墓」「エトワール」「タンギー爺さん」「ジヴェルニーの食卓」の四つの短編が収録されています。画家のギスギスした話かと思っていたんですが、どれも画家本人ではなく別の人物の視点から描いたもので、柔らかい光を感じるものもあれば、影が残る話も、寂しいような気がすることもありました。
表題作の「ジヴェルニーの食卓」が一番好きかなあ。食卓が象徴するもの、家族、平穏といったものがじわじわと感じられて。絵画や彫刻など芸術作品を愛することはもちろん、語り手であるブランシュはモネその人と彼のつくる空間を愛しているのが伝わってくる。そして料理をする自分はその一部であることを感じているのではないかなあ、とか。
「決してこの扉を開けては駄目よ」
先輩からの忠告が頭に浮かぶ。
メイドの仕事を始めてから5年。シャーロットは主人のフレデリックに対する想いを日増しに募らせていた。彼は人形作家という仕事以上に人形を偏愛していたが、気にならなかった。
だがフレデリックには愛する妻ミリアムがいた。しかし彼女とは一度も会った事がなく、生活している様子もまったく感じられない。
人形への偏愛……姿を見せない奥方……。
とある疑問をもったシャーロットは、好奇心とフレデリックへの想いを抑えられず、ミリアムの部屋の扉に手をかけた。それが恐怖の事件への扉とも知らずに——。
一つの屋敷で起きる三つの時代にまたがる愛と憎しみの物語。最後まで読み終えた時、貴方ばどこまでも暗く深い悪意の存在に震撼する!(カバー折り返しより)
蓬色の漆喰、白い化粧瓦の屋敷。人形師の主人フレデリックと、部屋から出ない奥方のミリアム。唯一のメイドであるシャーロットは、奥方は人形でないかと疑う。
そして別の時代。日光を嫌う妹のために、蓬色の漆喰と白い化粧瓦の屋敷に家族で引っ越してきたルシアラは、以前の住人のものと思しき手記を手にする。
読み進めていく中で、だいぶと思い込みが強い言い回しが使われているので、かなりミスリードを誘われているなあとは思ったんですが、ラストが近付くといろんなブロックがすごい速さで組み替えられていって、ああそういうことなのか! という結末になるミステリーでした。読み終えてなお、何もかもが報われなくていやあな感じが残る……。救いになるような人が誰もいないせいだったのかな。
三人の怪盗キャッツ・アイ。犬鳴署の内海俊夫は彼女たちを捕まえることに執念を燃やす。行きつけの喫茶店「キャッツ・アイ」の三姉妹、次女・瞳と交際しているが、その三姉妹こそ、俊夫が追う怪盗キャッツ・アイで……。
見たのは一期。
セクシーなお姉さん、健康的な美人、可愛い末っ子美少女、という三姉妹の、女性らしさや魅力を引き出すエピソードや台詞が非常に面白いなあと思って見ていました。ちょっと時代を感じるので、女性の描き方が古くはあるんですけれども。ただ、そうした時代の流行り物、センスがいいと思われていたものを話に取り込んでいるのはうまいなあとも思ったり。アバンにカットが入るんですけれども、三姉妹の性格をつかみつつ、女性らしいポーズやファッションを描いているのがめちゃめちゃ好きです。
話としては無理があるところがいろいろあるんですが、それは怪盗もののお約束ということで(せめて手袋はしようと思いました笑)そして私はそういうお約束が嫌いじゃないんだ笑
前半は警察を翻弄する話が多かったんですが、後半になるにつれてキャッツそのものが狙われることになったり、俊夫に正体がばれそうになる展開が多くなったりと微妙に変化しているのがにくいわあ。イイ女(時代の風潮も含まれてますが)のエッセンスがいっぱいにつまった作品だなあと改めて思いました。
ドームふじ基地。南極にある観測基地で越冬する隊員たち。通常の娯楽とは程遠いその場所で、隊員の西村は限られた食材と水、特殊な状況での調理に奮闘する。
雪以外何もない、ある意味閉鎖的な場所で、八人が仕事をしながら好き勝手する。もうそれがおかしいやら何やらで。まとめるのは大変だなあ。みんな普通に美味しいご飯を食べているけれど、それはすごく貴重なことなんだぞ……と思う。家族や恋人と遠く離れた場所で自由にしているかと思えば、実はすごく寂しくて。家族もまた元気にして見えるけれど寂しくて。
実は原案になった本も一応読んでいて、そのエピソードをうまいこと加工して使ってあるなあという点でもとても面白かったです。
「ご飯が美味しいと元気になる」という言葉が実感できる作品でした。
春に生まれ、しかしお乳にありつけない小さな身体だったため、殺される運命だった子豚のウィルバー。しかし自分が世話をするといった少女ファーンに救われ、大きくなるからとおじさん一家に売られるも、たくさんの動物たちがいる納屋で暮らすことに。しかし、冬には燻製小屋に連れて行かれる運命だと知ったウィルバーは、友達になった蜘蛛のシャーロットに「必ずあなたを助ける」と約束される。
子豚と蜘蛛、そして他の動物たちとの友情。季節と生と死と。とても暖かくて優しいお話なのに、じんわり沁みる切なさと暖かさがあるなあと思いました。陰鬱な納屋がどんな風に明るく変わったのかというのをもうちょっと見たかった気もしましたが、最後にみんなが新入りを迎えて楽しそうに笑っているのを見て、ああやっぱり変わったんだなあ、というのを感じられてよかった。
カラスたちがすごく好きでした笑 結構みんな真面目にやってるのに、この二羽だけすっとぼけてる感じで。
シャーロットが優しくて大きくてあったかいのも本当によかったなあ。声を聞いているだけでほっと落ち着く……。
エンディングがまた素敵な作品でした。
鎖国が五百年続いたとある国。暗殺集団により育てられた雪だったが、母を殺した張本人が自ら所属する暗殺一族の首領だと知り、組織を逃亡する。偶然出会った青年の元に転がり込んだ雪だが、組織は追っ手を放っていた。
2001年のもの。ストーリーがあってないような感じもしつつ……刀を使ったアクションがすごくかっこいい作品でした。土ぼこりにまみれながら戦うヒロインの図は、たいへんかっこいいです。ぶっきらぼうで淡々とした雪なのに、そうした表情でもかわいいなと感じるのは女優さんがかわいいからなのかな。
五百年続いた鎖国というわりには、大勢の人が住んでいる場所のシーンがないので、なんだか終末世界みたいだなあと思ったりもしました。
1973年のものも機会があったら見てみたいなあ。
ウェル博士の野望を砕き、聖遺物ネフィリムをバビロニアの宝物庫に封じた響たち。そのフロンティア事件よりしばらく。マリアはフロンティア事変の英雄として偶像を演じ、翼とロンドンでライブを行う。響、クリスは、下級生に切歌と調を迎え、学園生活を送っていた。しかし、謎の集団に襲われ戦闘になってしまう。かくして、錬金術師キャロルと自動人形たちとの戦いが始まるが……。
第1話の翼とマリアの歌がめっちゃくちゃいい! というのから始まって、今回の敵は数百年を生きるロリ錬金術師と、美しく凶悪な自動人形たちです。この錬金術師のキャロル、変身する時はある程度の女性の姿になってそれがまあ美人で……。
シンフォギア、三期まで一気に見てしまいましたが、どの話も少女たちが何かを乗り越えて強くなるというもので、とてもわかりやすくて面白かったです。ちょっと突っ込みどころが多いのも楽しかった。人数が多くなってきたのをすごく上手に整理しているように感じます。私のお気に入りのマリアは、今回も迷うに迷ってもうちょっと頑張れ! って感じでしたが、次のシーズンの制作が決まっているみたいなので頑張ってほしいです。
しかしウェル博士。そこで出てくる!? みたいな。しかもちょっといいキャラで終わったし! しかしぶっ飛んだ彼が出てきたから終盤の流れがちょっと変わったなあとも思いました。
響が聖母(拳)なら、未来は聖母(慈愛)って感じだなあとか思ってました。未来はほんといい子だ……。