読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「共犯者になるなら、守ってやる——婚約者なら当然だろう?」バイオリニストの伯爵令嬢・ミレアは、気が進まない婚約話に困っていた。そんな時、宮廷楽団指揮者で公爵令息・アルベルトから〈嘘の婚約〉を提案される。「で、でも私、お付き合いとかしたことないし」「僕の言う通りにすればいい。この総譜を片付けろ」「下僕扱いじゃない!」かくして、互いに望まぬ婚約よけで熱愛中ということに!? 宮廷ラブ・ストーリー!(裏表紙より)
はああああ面白かったー!! なんて元気で楽しい話なんだろう!
聖夜の夜に天使からもらったバイオリンを弾き続け、生き別れた伯爵家の令嬢として引き取られたミレア。その特殊な経歴を利用したい楽団の運営側に「バイオリンの妖精」として売り出すことを押し付けられるが、有名になって今でもバイオリンを弾き続けていることが伝われば、きっと聖夜の天使ともう一度会えると信じている。
果たして聖夜の天使は誰だ? というのはもうべったべたでわかりやすくって、だからこそにやにやが止まらない。皮肉屋で厳しいアルベルトの優しさが染み渡るシーンもあり、ずっとにやにやしっぱなしで、けれどバイオリンが壊れてミレアが押しつぶされそうになっているシーンではいろんな人の救いの手が泣けて仕方がなかった。
脇役たちもいい味を出していて、レベッカとフェリクスの恋模様が気になります。フェリクスもぜったい溺愛系だよね!笑
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カラ・ブライ王国の後妻になることが決まっていたブラーナ皇女のリュビア。だが、王の急死により、その息子アレグとの結婚に変更されてしまう。おまけにブラーナ皇帝である兄は面倒な「持参金」を追加していた。紛争の火種となる聖地ハバト峡谷を押しつけられたのだ。ある理由から、夫となるアレグを警戒していたリュビアだったが、結婚する前から彼に頼らざるを得ない状況に陥って……!?(裏表紙より)
嫁恋シリーズ12巻、かな? 時期は1巻と2巻の間くらいだそうです(あとがきより)
ブラーナ帝国の皇女リュビアは、亡くなった姉の夫と結婚することになったが、その夫になるはずの王が急死し、その息子アレグと婚約することになる。またその持参金に、世界二大宗教ルシアン教、シャリフ教の聖地ハバトが加わったことで、リュビアとアレグの結婚はすんなりいかないものになってしまった。
リュビアがまさしく家族という世界で育った品のいい皇女様という感じで、自分の大事なものは家族だという彼女が、アレグと関わることによって少しずつ王族としての自覚を持つのがいいなあ。そのせいでどんどん色気がなくなるのがこのシリーズの醍醐味という感じなんですが、この巻はアレグが結構柔らかい上にリュビアに好意を持ってくれるので、ふたりのやりとりにもにやにやしました。

沙漠の聖地カヴルで天真爛漫に育った男装の少女ラビサは、“シムシムの使者”として旅立つことに。シムシムは水をもたらす奇跡の樹で、その種子を植えるに相応しい町を広大な沙漠からひとつだけ探すのだ。旅立ち直前、カヴルが盗賊“砂嵐旅団”に襲われ、ラビサは突如現れた少年ジゼットに救われる。そして二人は逃れるようにカヴルを離れ、運命の旅に出た! 沙漠を舞台にドラマチックな物語が始まる!(裏表紙より)
丈夫に育つようにということで男装して育ったラビサは活発な女の子。兄に続いて使者に選ばれたラビサは、シムシムを植える街を選ぶための旅に出ることになるが、旅立ちの日、砂嵐旅団に襲われ、窮地に陥ったところを夜色の髪の少年ジゼットに救われる。ふたりの沙漠と真実をめぐる冒険が始まった。
まっすぐな少女と、闇を抱えながらそのまっすぐさに感化されていく少年。ふたりの旅は簡単なものではないけれど、困難にぶつかったときの一生懸命さがいいなあと思いました。このふたり、今後どんな風に成長していくんだろう。

一条シンは、ある夜出会った如月ルヰからペンダントを託され、Over The Rainbowのライブに行ってほしいと言われる。承諾したシンは初めてプリズムショーを見て感動し、プリズムスター養成校エーデルローズの氷室聖に入学を勧められる。かくしてエーデルローズの一員となったシンは、エーデルローズと所属する生徒、プリズムスターを取り巻く状況を知っていき……。
噂のキンプリ。冒頭から置いていかれてぽかーんとしました。どんな話かと思ったら結構力技で話を進めていくので、お、おう……ってなりましたが、なるほど、これは応援上映をするのが楽しそうだ。
もともと女児向けゲームである「プリティーリズム」に登場した、男性アイドル(正しくはプリズムスター)側を描いた番外編作品なんですね。ちょこちょこヒロインと思しき存在をちらつかされるのでかなり気になりました。彼女居てんのかーい!笑
お話は次作へ続く! という感じで、とにかく何も考えずに歌やパフォーマンスやファンサを楽しめばいいんだなと理解しました。
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フランス、パリ。スラム街出身の黒人のドリスは、失業保険をもらいたいがために介護職の面接を受け、事故で首から下が麻痺し車椅子に乗る富豪のフィリップに雇われることになる。介護の経験もなく、粗暴な振る舞いで周囲を困惑させるドリスだったが、フィリップを病人扱いせず対等に接することで彼と友情を育んでいく。
黒人と障害者、社会的に生きづらい立場にいるふたりが、ごく当たり前に友人になる。台詞にひやっとするところもありましたが、上品な会話と下ネタなど、ふたりのユーモア溢れるやり取りが楽しい。
自分の狭い世界に、相手の世界の言葉や常識を取り込んでいくっていうのは、奇跡みたいな出来事なんだよなあと改めて思う。一番いいなあと思ったのは、フィリップが半年間文通していたことを知ったドリスが、なんで会わないんだっていうところ。会いに行こうって考えることはすごいことで、会いに行けることってすごいことだと思いました。
またラストがなーーー。荒みきったフィリップが最後に見せた泣きそうなほどの喜びと感謝の表情がいいし、去っていくドリスの姿がまたぐっとくる。
素敵な作品でした。
![めぐりあう時間たち [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51dCiZZpOdL._SL160_.jpg)
「花は私が買って来るわ、とダロウェイ夫人が言った」小説の冒頭を書き記すヴァージニア。時を経て、二人目の子どもを妊娠しているローラはそれを愛読している。さらに時が過ぎ、編集者のクラリッサはエイズを患う作家の友人のために花を買いにいく。『ダロウェイ夫人』を中心に据えた三人の女性の物語。
三人の女性の一日が『ダロウェイ夫人』の、「花を買う」「この人生が正しいか自問自答する」「誰かが死ぬ」などの出来事が共通する。そのほかにもマイノリティとしての許されない恋も絡んで、輪を描くような構造。この輪を思い浮かべた時、死者に送る花輪を想像してしまった。
共通する三人の一日だけれども、少しずつ状況は違う。それは多分時代もあるし、そうした積み重ねで生きてきたそれぞれの精神状態や気力にも由来するのかな。まるでばらばらだった三人の時間は終わりに向けて重なっていく。クラリッサの時間がローラと重なった瞬間息を呑みました。リチャードってそういうことか!
終わり方としては、自分を押し殺して生き続ける苦しみが人生の終わりまで続くことと、やっぱりマイノリティであるっていう辛さを描いていたのかなあと思いました。三人とも女性相手に親愛の情よりも強い感情を持つキスをするんですが、彼女たちが性的マイノリティであることを描くんじゃなく、「女性として苦しい」ことの強調だったように思ったり。
静かで苦しい作品でした。
![エスター [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51JovvhSlPL._SL160_.jpg)
三人目の子どもを死産したケイトとジョンは、その子の代わりに養子を迎えることにする。女子孤児院を訪ねた先で出会ったエスターという名の少女を引き取ることにしたが、エスターの言動は徐々におかしなものになっていき……。
魅力的な子どもと関わったことによるホラー、サスペンスが好きなんだなあと最近気づく。
ケイトとジョンには二人の子どもがいる。生意気盛りの長男ダニエル。難聴の妹マックス。そこに三人目の子どもとしてエスターがやってくる。エスターはジョンの愛情を勝ち取り、すぐに手話を覚えてマックスと仲良くなる。だが徐々に普通の子どもらしからぬ言動にケイトは気づく。
最後の最後までケイトのことを「ママ」と呼ばないこととか、異常なほど賢いとか、どういうオチなんだろうとどきどきしていたんですが、ああーなるほどーああー! ちょっと都合が良すぎる気がしましたが、どう考えてもジョンをロックオンしている様子からして精神的には大人なんだろうと思ったことを考えると、かなり納得がいきました。
エスター役の女優さんが、あまりにも上手で。最後は本当に大人に見えたし。
とても面白いサスペンスものでした。

堺雅人は鞄に原稿を書くための道具を入れて、持ち歩いている。撮影の合間に楽屋で、休みの日に喫茶店で、「演じる」ことについて考え、文章にするのだ。そうして生まれた54作の本格エッセイに加え、作家の宮尾登美子氏、長嶋有氏との対談やインタビュー、写真を掘り起こして収録。役者の思考や日常が垣間見える一冊。出演作品リスト付き。(裏表紙より)
めっちゃくちゃ頭のいい人だなあというのと、その静かな思考が文章が伝わってきて、すごいなあと思いました。現在何を撮影しているのかちらっと何を演じているのかが書かれているのですが、あまり詳しくない私でも読んだだけで何の作品がわかる。個人的に「ヒミツの花園」のことがちらっと書かれていて嬉しかったり。撮影風景がちらっと覗けた気がするのも面白い。
すごーく気を抜いていてマイペースな人に見えるけれど、内側にあるものが深くてすごいなあと。思考を文章に落とし込むってすごく難しいと思うので、このエッセイ集が読みやすいのもすごいと思いました。

携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り、何があっても生活はつづいていく。ならば、そんな素晴らしくない日常を、つまらない生活をおもしろがろう! 音楽家で俳優の星野源、初めてのエッセイ集。巻末に俳優・きたろうとの文庫版特別対談「く…そして生活はつづく」も収録。(裏表紙より)
『働く男』よりもこっちのエッセイ集の方が好きだなあと読み終わって思いました。だいたいがお腹痛いとうんこときんたまの話でじわじわくる。
というかお母さんのようこさんが面白くてお腹つるかと思った。楽しい人だなあ。いたずらを仕掛けられた子どもの側としてはたまったものじゃないかもしれませんが、学校に行くたびに落ち込んでいく息子のために(でも恐らくはその場の思いつきだろう)いたずらを仕掛けるお母さん楽しい。

不思議な縁でつながる、三つの時代を生き抜いた女性たち。聡明さとしなやかさを兼ね備え、自然体で激動の時代を生き抜く彼女らをドラマチックに描き出した、壮大な大河ロマン!(帯より)
加賀藩大聖寺藩主前田利之の次男と結婚した勇。加賀藩の分家小松藩の子孫である万里子。瀟洒な洋館で生まれ育った花音子。江戸時代末期、明治半ば、そして昭和。三つの時代に生きた三人の女性たちの物語が一人称で語られる。
形は違うけれど三代の女の物語として先ごろ桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』を読んだところだったので、語り口などの違いがまた面白かったです。
タイトルは『政略結婚』だけれども、『結婚』にまつわる家の話でもあり、最初の「てんさいの君」は顔も知らないまま嫁ぎ、義母や養母がいて、大人も子どもも簡単に死んでしまう時代に養子縁組も普通に行われている、という、女性が家である時代の話。続く「プリンセス・クタニ」は家というものから飛び出し、新しい世界で新しい自分の形を作る時代の話。そして「華族女優」は血縁というもの家族というものが一つ終わりを迎え、女性が一人の人間として歩き始める時代の話。このお話の中で脈々と受け継がれる一族の血なのですが、「てんさいの絵が描かれた九谷焼の皿」もまた時代を経て登場する。これが最後焼け落ちた家の中から見つけ出されるっていうのが象徴的。
時代や状況によって女性のあり方っていうのは本当に違っていて、自分にふさわしい生き方を見つけたなら、誰がなんと言おうとそれを貫けばいい、と教えてくれたような作品だったと思います。それを押し付けてはいけないというのも含まれている。家を守る女もいれば、仕事に生きる女もいて、新しい世界へ自由に羽ばたく者もあれば、これまで連綿と続いた血よりも自分を選んで生きる者もある。
とても面白かったです。