読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
片想いをしていた“愛しの君”に振られてしまった、平凡なOLの愛歩。どん底な気分をまぎらわせるために、人生初のネットゲームにトライしてみたのだけれど……どういうわけだか、ゲーム世界にトリップしちゃった!? その上、自分の姿がキャラクターの男の子「ポチ」になっている。まさかの事態に途方に暮れる愛歩だったが、彼女の他にもゲーム世界に入りこんだ人たちがいるようで——
現実世界に帰るため、泣き虫なポチの大冒険がはじまる!(カバー折り返しより)
人生初のネットゲームでトリップ。ネトゲどころRPGの知識もおぼつかない。そんな愛歩ことポチのお話です。
愛歩が、けっこう思い込みの激しいうっかりさんというのが最初は読んでいてつらかったのですが、だんだんその一生懸命さやひたむきさ、苦労したところなんかが見えて来ると、がんばれーと応援する気持ちになっていました。彼女はゲームの知識のない初心者なので、オンラインゲームの解説としても面白いかもしれないなあなどとも思いました。
他に五人の仲間がいるのですが、それぞれ個性豊かで、ゲームあるあるネタも混じって面白かった。下巻はオフ会らしいので、キャラと実物の性別の違いとかに驚いてくれるんだろうなあと期待して読みます。
PR
何となく誰ともつきあわないまま、26歳になってしまっためい子は、親友・後藤ちゃんの同棲話を知り、突然焦りを覚える。その上、母親からは、てんで冴えない男のお見合い写真が送られてきて……。「あんな人と初めてのセックスするってこと?」。追いつめられためい子は、出会いを求めてとんでもない迷走をはじめるが――。痛くて沁みる異色マンガ。(裏表紙より)
能町さんはエッセイしか読んだことがなかったので、マンガ、それも喪女かあと思って読み進めたんですが、胸がひりひりするよ! 不倫がどうのこうのとか、男の人の「こいつ何考えてんの?」的行動とか、めんどくさい! すっごくめんどくさい! そして何より自分の思考回路がめんどくさい! というふうに読んでしまいました。
少女達が織り成す《友情》ミステリ
周りのみんなより、ちょっとだけ頭がよい小学四年生の理桜。担任の千里子線絵師からも一目置かれている彼女は、不登校の少女「さなか」の家を訪ねるようにお願いされる。
能天気少女のややや(注:「ややや」で名前)や、引っ込み思案の柊子とともに理桜は彼女の家に向かうが、姿を現したさなかは、早々に大学の勉学を身につけ、学校に行く価値を感じていない超・早熟天才少女であった。そんな彼女に理桜は、学校と友達がいかに大切であるかということを説くのだったが……?(裏表紙より)
担任からも頼りにされ、クラス委員長を歴任し、自分が周りよりも賢いという自覚のある少女、理桜(りざくら)。そんな彼女が、不登校のさなかを訪ねた。だが、さなかの素性を聞くうちに、彼女が自分より賢いという事実に打ちのめされた理桜は、相手より優位に立つべく「友達が必要だ」ということをまくしたてる。
達観した子どもって不自然で嫌味っぽく感じられることがあって、実はあんまり好きではないのですが、この作品の子たちは読んでて楽しかったなあ! ちゃんと前を見据えて、現実を捉えている感じの理桜と、達観しすぎるあまり友達方程式を生み出し友達というものを数字で表してしまうさなか(さなかは数学者でもある)。この二人の、噛み合っているようなそうでないような、一緒にいて心地いいようなそうでないような、みたいな関係が楽しくて。だから、終盤の展開にはえーって言ったし、どきどきしたけれど、すごく面白かったです。
王立学校に編入することになった公爵令嬢のユキハは、「死にたがり姫」と呼ばれる変わった少女だった。何せいつも首から短剣を下げている。今回も、編入初日に出会ったジンに対し、いきなり「私を殺してくれぬか」と迫る。だが彼女には彼女なりの事情があったのだ…ユキハは校内と身辺に起こる不可解な事件に目もくれず、ジンを追いかけ回す。しかしやがて事態は深刻なものになり…!? ブラック・ラブコメディ・コージーミステリ登場!!(裏表紙より)
風変わりすぎる公爵令嬢ユキハは、自分を殺してくれる相手を探していた。そこで目をつけたのは、学園の問題児であ少年ジン。かくして、ユキハがジンを追いかけ回す学園生活が始まった。
学園ものというよりは、ユキハがいかにして歪んでしまったか、「殺してほしい」という言葉が含む真実、そしてアウトローであるジンの過去など、少しずついびつになってしまった少年少女たちの話かなあと思いました。お前の猫になるうんぬん言われても、甘さとかまったく感じなかったし不穏で不健全な感じしかしない……笑
異界の遊郭『華壇』で、自らの願いを叶える対価として人の抱える不安や痛みを癒す『華枕』として働くことをしいられる少女たち。
願い事を記憶を持たないまま華壇に迷いこんだ少女「タンポポ」はなしくずしで華枕として働くことになる。タンポポの世話係に選ばれた「キンモクセイ」は極めて美しい容姿と極めてひねくれた性格の持ち主で、タンポポはそんなキンモクセイと同衾することになり……。(裏表紙より)
あらすじからすると、遊郭で少女が働かされるんだ! という読み方を迫られている気がするんですが、実際は、添い寝して相手の夢の中に入り込み、原因を取り除くというお仕事をやっています。登場するのはみんな女の子ばかり。軽く百合です。
自らの願いを叶える代わりに、というわりに、そんな切羽詰まった悲壮感はなく、みんなそれぞれの仕事をしながら、共同生活を送っているという雰囲気。女子寮みたい? 部屋の領分で揉めるのかわいいなあ!
異界であっても、自分の居場所を探して、友達を作る、かわいい女の子たちの話でした。
「潮時、か」田中庸は電車の中で独りごちた。出版社で働き始めて6年目。大御所作家を怒らせ、スランプ中の若き女流作家・些々浦空野に担当替えとなったのだ。
一度は編集者としての未来に見切りをつけようとした庸だが、空野のデビュー作に衝撃を受け、新作企画を持ちかける。しかし空野は“書いたことが現実になるため執筆できない”と言い出して……。そんなある日、庸は空野が描いた物語をなぞるように、奇妙な事件に巻き込まれる。
若き小説家をめぐるビブリオ・ファンタジー、開幕!(裏表紙より)
面白かった! 大家族で育ち、剣道をやりながら弟妹たちの面倒を見ていた学生時代を持つ、顔がいいけれど真面目を絵に描いたような硬派な編集者、田中庸が、めんどくさくなったら食べなかったり、適当な服を着てごろごろしたり、得意なことは寝ることと豪語する作家、些々浦空野から原稿を取ろうとしながら、ご飯作ったり取材旅行行ったりお世話する話。
田中くんが、非常に面倒見のいいオカン体質の男の人で、ああもうこりゃいい人だな……と。愛が深くて熱いタイプで、実際に行動できる人って稀有だなーと思って読んでました。テント張る、って言った時、多分彼は大真面目で本気だったんだろうなあと。
そして、ダメ人間空野さん。このぐうたらな感じが、とってもリアルです。
物語は「書いたことが現実になる」という怪奇現象を交えつつ、田中と空野が編集と作家として信頼関係を結んでいくようになっています。この、田中くんの熱さがじいんとするんだよなあ……。自分以上に、自分の書いたものを大事にしてくれる人がいるって、救いになるように思いました。
実験衛星打ち上げに失敗し、宇宙工学研究から手を引いて、実家である製作所を継いで社長となった佃。だが、取引停止、銀行からの融資の断り、大企業から言いがかりで特許侵害を訴えられ、会社は危機に瀕していた。だが、とある企業が進めている新型水素エンジンの特許を持っていたことによって、運命は大きく回り始める。中小企業と佃の夢をかけた物語は……。
今更ながら読みました、『下町ロケット』。困難に次ぐ困難、どうやって切り抜ける!? 大事なものはなんだ! というお話だったかなあと思いました。
すごく展開がわかりやすくて、だから勝負に勝った! という爽快感が気持ちよかった。そして、続きが読みたいなあ! と思わせる感じでした。こうなったら、佃たちがどこまで行けるのかが知りたい!
若手社員たちの「会社は社長の私物じゃない」っていうのもわかるし、夢を追いかけたい佃の気持ちも分かるなあ……。でも、夢を追いかけるって言える大人でありたいと読みながら思いました。
遠い昔、はるか彼方の銀河系で……。
銀河帝国軍の残党から組織されたファースト・オーダーが台頭し、再び暗黒面が銀河を覆い始める頃。レイア率いるレジスタンスは、姿を消したルークを探し、彼の居場所を示すという地図を収集していた。レジスタンスのパイロットのひとりであるポーは、その任務の最中、ファースト・オーダーに捕らえられるも、ストームトルーパーの青年の協力を得て脱出する。「正しいことをしたい」という彼にフィンという呼び名を与えたポーだったが、脱出に使ったTIEファイターを撃墜されてしまう。フィンが目覚めたとき、ポーの姿はなかった。フィンは、惑星ジャクーで、ファースト・オーダーから逃げるための術を探そうとする。そしてそのジャクーには、ごみ漁りをして暮らす少女レイがいた。
適当なリンクが見つからなかったので、いろいろ入っているもののリンクを貼っています。
世代が移ったスター・ウォーズ、多くの謎をちりばめた新世代一作目です。
とにかく、レイが、かっこいい! かわいいしかっこいいし、可能性のかたまりって感じがすごくよかった。彼女と出会うことになる元ストームトルーパーのフィンもいい。「正しいことをしたいんだ」と、彼は暗黒面ではなく光の導きに従って、レイと協力してレジスタンスの元へ行こうとします。そしてもう一人の新世代。ファースト・オーダーにてカイロ・レンと名乗る、ダークサイドに堕ちてしまったジェダイ(騎士とまではいかない? けれどフォースが使える)、ベン。
もうこのベンがねー! フォースの導きを得るものとして、圧倒的にレイに敵わないって感じがにじみ出てるのがすごくいい……笑 ものすごいコンプレックスの塊なんだなっていうのがすごく見える。だから、ハン・ソロとはああなってしまったわけですが……。
果たしてレイはルークの娘なのか? ルークが疾走する原因になったらしい、弟子たちの裏切り? とは? 次なるジェダイ、最後の騎士になるのは? めちゃくちゃ面白かったので、続きがすごく気になります。