読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

この作品は、フィクションです。
僕の夢は小説家だ。そのための努力もしてるし、誰よりもその思いは強い。お話をつくることを覚えた子供の頃のあの日から、僕には小説しかなかった。けれど僕は天才じゃなかった。小説家になりたくて、でも夢が迷子になりそうで。苦悩する僕のもとにやってきたのは、全裸のバカだった。大学の新歓コンパ。そこにバカが全裸でやってきた。そしてこれが僕の夢を叶えるきっかけになった。こんなこと、誰が想像できた? 現実は、僕の夢である『小説家』が描く物語よりも奇妙だった。(裏表紙より)
小説家になりたいと思っている『僕』。新歓コンパに乱入してきた全裸の『バカ』と関わるようになって、大学生活を放り出して執筆し始める。同級生の売れっ子作家、辛辣な甲斐抄子に近付き、やがて……という話から、いつの間にか創作なのか現実なのか分からない挿話が挟まって、あとがきを読んで悔しくなりました。第一章読み返したくなったわ!
全裸=自分の作品、さらけ出したもの。バカ=小説にとりつかれた者なんですね。バカはバカでも、愛すべきバカだなあなんて最後に思ってしまったのは、私自身もやっぱりバカだからなんでしょうかね。

認定特異災害「ノイズ」の襲撃により、ツヴァイウィングのライブ会場にて重傷を負った立花響。二年後、再び街中でノイズに襲われた響が記憶にあった歌を口ずさんだ時、シンフォギアシステムが作動する。二年前の重傷の折、命を賭して自分を救ってくれたツヴァイウィングの片割れ、天羽奏の力の一部が響の体内に残っていたのだった。かくして、響はツヴァイウィングのもう一方であった風鳴翼とともに、ノイズと戦うことになるが……。
大事な片翼が命と引き換えに救った響に憎しみを抱きながらも、やがて彼女の強さを認めて共に戦う翼。親友に本当のことが言えずすれ違いながらも生きようと決意する響。そんな響の真実を知りながら自分に出来ることをやろうとする未来。なんのために戦うか、迷いながらも心を強く固めていくクリス。少女たちの熱さが詰まってて、歌と戦闘と学園(ちょっとだけアイドルも?)ロマンに溢れた作品でした……。
歌からのエンドロールへの移動の仕方がかっこよかったなあ! ベタな展開ほど熱く感じられて、うおおおって思ってました(単純)。


グリーンヴァリー王国の姫として生まれた白雪姫。母親である王妃をなくしたコンラッド王は、白雪姫のために新しい妃、レディ・クリスタルを迎える。しかし直後コンラッド王は戦況悪化の知らせを聞いて戦場へ。残された白雪姫は継母とともに国を守ろうと考えるが、豹変したクリスタルは王国を乗っ取って、自らを女王と名乗り始めた。
童話の白雪姫をモチーフに、だいぶと話を膨らませてファンタジー要素を入れて子ども向けにした作品です。全52話。
白雪姫の誕生から狩人に見逃されて森へ逃げ込むまでの序盤、七人のドワーフたちとの生活をする中盤(白雪姫の生活力が上がる家事編、ドワーフのジョリーとの冒険編など)、白雪姫が王女としての自覚を持ち始める終盤直前、そして不思議な力をもってして様々な種族と協力し悪魔を打ち倒す終盤、となっています。
王子様であるリチャードと出会って別れてから、なかなか再会しないのがじれったかったです笑 ドワーフとの生活で家事力が上がっていく白雪を見るのは面白かったんですが、いかんせん長かった。多分実際に二年から四年くらい月日が経っているんじゃないかと思うんですが。
愛されて育った少女らしい白雪姫が、家事力を身につけて冒険の旅にも出て、王女の自覚を持って自分に何ができるかを考え始め、もって生まれた愛嬌と優しさをもっていろんなゲスト敵キャラを退けるという成長を、非常に面白く見守りました。教育が行き届いていない村に、仮設だけれど子どもたちの遊び場兼学びの場を作るという展開は、おおーっと思いました。
火地風水の力と、ドワーフ、妖精、ゴブリンなどの種族と協力し合うというのもメルヘンならではという感じがしたり。リチャードとの別れも、彼がナイトの称号を得るための修行に行くためだというのだったり、父王が連合軍を率いて戦った経験があったりと外側では結構大人の事情が絡んでそうなところも面白いなあと思ったんですが、自国がたいへん(後妻と娘が決別して、娘はドワーフの森へ、後妻が権力を握って好き勝手放題、実際は悪魔に魂を奪われていて)という状況をまったく知らないのは、ちょっと可哀想だな……と思いました。
この白雪姫なら、純粋で人を疑わない部分と、しっかり者で意外とちゃっかりしているところをうまく使って国を治められそうです。子どもの頃、少しだけ見ていた記憶があったのですが、OPとED以外まったく覚えていなかったので新鮮な気持ちで見ました。面白かったです。
![スタンド・バイ・ミー コレクターズエディション [SPE BEST] [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51hHRViFtFL._SL160_.jpg)
12歳のゴーディ、クリス、テディ、バーンの四人は、それぞれに問題や歪みを抱えながらも、いつも一緒に遊んでいた。ある日、行方不明になっていた同級生の少年ブラワーの死体を見つけたというバーンの兄たちの会話から、「死体を見つければ英雄になれる」と考えた四人は、死体が置かれている場所に向けて線路沿いを歩く旅を始める。
家庭環境に問題を抱え、心に傷を持ち、それでも12歳のあの時四人で一緒に冒険をした、という過去を、大人になって作家になったゴーディが回想する。
少年時代、言い合いをしては殴り合いをして喧嘩をしても四人でいた不思議とか、口汚いところとか、年上の不良たちにやられてしまうとか、見ているとこう言いようのない閉塞感と一瞬のきらめきみたいなものを覚えて、苦しい。そしてクリスがこの街を脱出したはずなのに、最後に死んでしまったのが悲しくてやりきれない。取り戻せないものがたくさんあるなあ……。

身のうちに病を飼い、未来を望まぬヤクザ「藤堂」、記憶を喪い、未来の鍵となる美少年「穂」、未来を手にせんとする男「沖」、沖と宿命で結ばれた異能の女「蛭雪」、未来を望まずにはいられぬ少年「誠」、誠と偶然で結ばれた異能の女「戊」——縁は結ばれ、賽は投げられた。世界は、未来は変わるのか?
本屋大賞作家、冲方丁が若き日の情熱と才能をフル投入した、いまだかつてない異形のエンタテインメント!!(裏表紙より)
ヤクザと異能もの。伝奇というのかな。ヤクザの抗争に、異能を持つ集団が関わって、この世界の裏側に存在する不可思議な力を交えて戦うことに。
主人公たちの中でメインの藤堂。刑務所に行ったこともあるヤクザで、ずっしりした大人かと思いきや、作品全体がすごく若々しい雰囲気になっていて、重くもなく軽くもなく、っていうバランスが不思議だ。穂が無垢というか、まっさらゆえに最強っていうところがすごく好きです。
この作品が原点として、これ以降の冲方丁作品をみていくと、いろいろ要素が見えて面白いなあ。

物心ついた頃から“ブス”だったわたし。子供の時に参列した結婚式に憧れて、せめて誰かの幸せな瞬間を演出したいと、ウェディングプランナーの職に就いた。様々なお客様が人生の門出を祝おうとホテルを訪れる。そんなわたしが、やり手の美形上司・久世課長に求婚された!?「香澄さん、ずっと探していました。あなたのような…絶世のブスを」「はぁ!?(怒)」
ここでは、誰もが人生の主人公になれる。
受賞後、コバルト文庫の公式サイトで公開されていた試し読みを読んで「なんだこれめっちゃ面白い」と思って買いました。読みやすくて面白くて、でもちょっと痛くて、泣き笑いになってしまう物語だった。
何せヒーローがひどい。「あなたはブスだ」とことあるごとに言う。ギャグかと思ったら周りの反応から香澄が本当に、お化粧でも変身させることができない絶世の不美人だということが分かる。それが読んでいて常に刺さるので、痛いような泣きたいようななんとも言い難い気持ちになる……。お話としては、ウェディングプランナーというお仕事ものなので、成功や大きな失敗を経て「この仕事が好きだ」と感じるものになっています。絶世の不美人っていう言葉が嘘だと思うくらい、もう本当に香澄が性格がよくて仕事ができるいい子なので。頑張れ、私も頑張る、という気持ちになりました。

安渓村の水華は、紡ぎ場で働く一介の紡ぎ女。繊維産業を誇る白国では、少女たちが天蚕の糸引きに従事する。検番に怒鳴られながら過酷な作業を繰り返す日々のなか、墜死をとげた友の真相を探るかのように水華に接触してくる謎の青年。だが運命の日は突然やってきた。千人を超す紡ぎ女が集められた広場に現れたのは、この国の若き王。機織りの腕を買われた水華は、神に仕え、王のために布を織る巫女に任ぜられる。(裏表紙より)
貧しい村の家の出身で、真面目で決して器用ではない性格だけれど、友人を大事にし、しかし時には揺れることもある、本当にごく普通の少女、水華が主人公。普通というのは正しくは違うかもしれないんですけれども(家族が冷たいとか、贅沢を知らないとか)この子は正しく、まっすぐだけれど危うい、強いヒロインだよなあと思いました。
糸紡ぎに関するいろいろなところが分かりやすく書き込まれていて、糸引きや機織りというモチーフにどきどきしました。いやあ、機織りの巫女姫っていいなあ。そこに王様がふらっとやってくるっていうのもときめきです。
その王様は第一印象が最悪なんですが笑 ここから男前なところが見られるはずなのに、続きが出てないのが悲しい……。友人の死の真相を握っているらしい人物が出てきたところで引きなので、じれじれします。
面白かったです! 続きが読みたいー!

同じ学校に通う、ケイト、ローズ、レイチェル、クレア。それまで接点のなかった彼女たちは、前日の記憶がないことに気付く。彼女たちを繋ぐのは、死んでしまった友人リーズ。そしてルーラと名乗る女が現れ、告げたのは、彼女たち四人がすでに死者であり、その命はかりそめのもので、戦わなければならないということだった。
体温が低く、傷を受けてもすぐに治癒する、生者と死者の中間の存在になった四人の少女たちが、共通の友人の死の真相と、自分たちがいる島に続く呪いと戦いに身を投じていく物語。舞台は合衆国の島、ルーズベルト島。アニムスと呼ばれるよみがえりの女性たちと、死ぬと狂人と化して獣のようになる一族ドロルが存在しています。ゾンビものかと思いきや、さほどゾンビしているわけではなく、死者でありながらも学校や恋や家族、友人をどう大事にしていけばいいのか、と思い悩む少女たちの心の動きがメインかなあ。
接点のなかった四人が、自分の死を乗り越えて戦って、仲たがいしたり思いやったりしながら仲良くなる、っておいしすぎます。その中でそれぞれ大事なものがあるっていう描き方もすごくいい。彼女たちのかりそめの命は、戦いの終わりとともに永遠の命となり、それまでの記憶を失うという真実が明らかになるのですが、それでも生きていたいと願う彼女たちが尊すぎる。女の子の、生き汚いかもしれないけれども強い願いを持って戦う姿は、かっこよくて素敵だ。「何度でも殺してやる」と言われて「何度でも生き返ってやる」の台詞は熱かった……。
作中、登場人物たちが突然歌い始めるのにはびっくりしましたが笑 群像劇って感じで面白かった。

自ら体験した不可思議な話、求む。高額報酬進呈。ただし審査あり。——新聞の募集広告を目にして酒場を訪れた客は、奇談蒐集家を名乗る男と美貌の助手に、怪奇と謎に満ちた体験談を披露する。鏡に宿る美しい姫君との恋、運命を予見できる魔術師との出会い……。しかし、不可思議な謎は、助手によって見事なまでに解き明かされてしまう。安楽椅子探偵の推理が冴える、連作短編集。(裏表紙より)
「自分の影に刺された男」「古道具屋の姫君」「不器用な魔術師」「水色の魔人」「冬薔薇の館」「金眼銀眼邪眼」「すべては奇談のために」の七つの短編が連作になっています。
奇談、と呼ばれるような不思議な話をしたら、男とその助手に真相を解き明かされる、という流れなのですが、語り手が違うとこうも、文体から見るものから印象から違うものになるのだなあ、というのがよくわかって勉強になりました。
謎自体は読んでいて結構簡単に解けるのですが、最後の最後、「すべては奇談のために」で謎が解けてすっきり、という気持ちをひっくり返されるのが意外で、えーって思ったんですけど、なんというか、オチと一緒に、そういう不思議があってもいいかなあ、なんて思いながら読み終わりました。

音楽家、俳優、文筆家とさまざまな顔を持つ星野源が、過剰に働いていた時期の自らの仕事を解説した一冊。映画連載エッセイ、自作曲解説、手書きコード付き歌詞、出演作の裏側ほか、「ものづくり=仕事」への想いをぶちまける。文庫化にあたり、書き下ろしのまえがき、ピース又吉直樹との「働く男」同士対談を特別収録。(裏表紙より)
星野源さんのエッセイ集。自作解説などもあり、この人全力で仕事を楽しんでいる人だなあと思いました。読んだのは文庫で、2015年の発売なんですけれども、この後めっちゃ忙しくなるんだよなあ。楽しすぎて振り切れるんだろうか……。
欲望丸出しというわけではなく、淡々と自らの願望をしたためる、そのテンポが好きです。
というか、自筆の字がかわいいな!? 絶妙なヘタレ字です。