読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

元士族・橋本家のおてんば娘、有栖は怒っていた。ある日突然、縁談を決められてしまったからだ! 相手は年上の従兄、春日要——。富豪の両親のもと、何不自由なく育った要は、知的で優しい美貌とは裏腹に、悪戯好きでキザ、おまけに素人探偵気取り…と大変な問題児! どうやら、彼との(強引な)縁談には、ある人形の紛失事件が絡んでいるらしく…!? レトロモダンなロマンティックミステリー(裏表紙より)
大正もの。短編連作です。おてんば娘な主人公以上に曲者な、口が上手くて有栖を口説いてばかりいるけれど冗談なのか本気なのかわからない、従兄のお兄様がお相手。女学校のシーンは少なかったのが残念だったのですが(大正の女学生大好き)、さらりと登場する当時の風俗が面白くて楽しかった。
口説いてくるお兄様のずるさがなんとも言えずにやにや。義堂氏とのやりとりは結構焦っていたし本気で張り合ってたんだろうなあ、なんて思うとふふっとなる。
最後のお話「おうちに帰るまでが誘拐です」のラストの清々しさ、かっこよさ、センスのよさにはにやにやにやにやしてました。こういうハッピーエンド! なラスト大好きだ。
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竜田メグムは高校一年生。大学生の姉と、小学生の妹がいる三人姉妹。穏やかな父としっかり者の母の五人家族は、明るく平凡に暮らしている。だが、近頃メグムの心は晴れない。理由は進路に関わることなのだが……。そんな時、長いこと空き家だった近所の洋館に、不思議な人物が引っ越してくる。そしてそれは、思いもかけない形で、メグムの「家族」と関わってきて…!?(裏表紙より)
表紙の感じと家族構成から、姉妹の話かなと思っていたんですが、家族の話でした。しかもかなり込み入っている。普通に生活している、でもちょっとだけ込み入った家族がいる高校生の女の子の日常を、ちょっとだけ切り取ってみたという話でした。
主人公は高校一年生、美大受験をしたいと言えないでいるメグム。今野さんの文章って柔らかくってふんわりしていて読み心地が好きなんですよね。一人称の感じがすごくいい。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな——二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。房総の富豪、織作家創設の女学校に拠る美貌の堕天使と、血塗られた鑿をふるう目潰し魔。連続殺人は八方に張り巡らされた蜘蛛の巣となって刑事・木場らを眩惑し、搦め捕る。中心に陣取るのは誰か? シリーズ第五弾。(裏表紙より)
そばに置いていた小型版の国語辞書よりも分厚く、漢語辞典よりも分厚い文庫版。
目潰し魔の事件に、ミッション系女子校での黒ミサと少女売春の事件が重なっていき、棚機つ女の話や夜這いの話などからぐるぐると回って中心(真相)にたどり着くという構成だなあなんて思いながら読み終わりました。最後まで読んで最初に戻って読みたくなってしまったのもお見事としか言いようがない。そしてこのシリーズに出てくるうんちくは無駄なものが一つもないのがすごいなあと思う。
真相が意外というか、なるほどー! というものだったり、かと思ったらちょっとオカルティックだったり、それは生きづらい……と思うものだったりして、雰囲気とか共感部分の塩梅がとても面白いなあ。面白く読みましたが、いかんせん長いし分厚いのでなかなか読めないんだ……。
![初音ミク マジカルミライ2013 通常版 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51qGc7jpFKL._SL160_.jpg)
横浜アリーナで行われた初音ミクのライブイベント「マジカルミライ」の2013年公演。
知っている曲がほとんどない! ということに自分の歳を感じました……笑 この頃にはもうほとんどボカロ聞いてなかったんだなあ。今でも時々聞きますが、ほぼ決まったPの曲ばかりになっています。
それはともかく。
踊るミクたちがかわいいのなんの! KAITOやMEIKO、リンレン、ルカもいるのですが、全員がそれぞれ微妙にモーションや仕草に差があってすごいなあと思いました。途中から実在しているように見えた……。くるくる踊る、手振りをするのに見入ってしまった。あとカメラワークがすごかったです。めちゃめちゃ狙ってやってるな! って激しい曲に入るとわかって。
バーチャルアイドルのライブにいくってすごく近未来だなあ。すごかった。他の公演も観たいなー。

初陣で勝利を飾り帝都へ凱旋したオルバ。都では皇帝の専横が目立ちはじめていた。反皇帝派の不穏な噂を耳にしたオルバは、真相を探るため建国祭の大剣闘大会に出場することになる。反皇室派のほかにも、ガーベラからの使者ノウェ、ビリーナに敵意を燃やす皇太子の義妹イネーリ、オルバを操ろうとするフェドムなど、帝都は様々な思惑の坩堝と化す。
そんな中、オルバは皇太子と剣闘士、二つの役割の間で揺れ動く。一方、ビリーナはオルバへの複雑な想いと、異国の姫という立場の間で思い悩む。はたして二人の関係と帝都を舞台にした政争の行きつく先は——!?
電撃文庫は読みづらいと感じる時があって、1巻を読んでからちょっと間が空いてしまいました。2巻目です。
うつけ皇子の身代わりになったオルバが、ギル皇子として戦ったことで評判をあげてしまい、加えて周囲もものすごい勢いで変わっていこうとする不穏な状態。メフィウス皇国と他国の情勢、皇帝の専横、奴隷たちの反乱などなど。オルバは、剣闘士としての自分と身代わりであるギル皇子としての自分、どちらにいるべきなのか悩み始める。またギル皇子の死の真相にも近付きつつあり。
オルバがどんどん戻れないところに行ってしまっていく感じがして、なあ……。立場や環境が違えばこうも見えるものが違うのかという気がする。できれば彼には国を変えてほしいけれども、そうするとオルバがいなくなってしまうんだろうという予感がして。
あとビリーナとの関係もちょっと進展したようで微笑ましい。この二人が共闘することがあれば嬉しいな。

武見志郎が手にした曰くありげな簪には、黒い蛇のような影が絡みついていた。一方、神島桐子はに二人の鬼・戸倉聖と志島弓生を連れて東京に入り、悪夢騒ぎを追っていた。二つの出来事をつなげる鍵は、簪に覚えがあると語る記憶喪失の「しゃべる達磨」で……? 大人気シリーズ、待望の新作が登場! 周囲から結婚を迫られつつある桐子と、彼女を憎からず思う志郎の関係にも進展が!?(裏表紙より)
鵺子ドリより一年後。十五歳になっている桐子が再び東京入り。というのも京都の実宅から、そろそろ結婚をと見合いを迫られているのから逃げ出したようで。
全体としては嵐の前の静けさという感じで、桐子と志郎の仲にも進展あり。というかだいぶといったな! 志郎の自覚が早かったのは当然かとも思ったんですが、桐子も動き出すとは思わなかった! なんだか変だという自覚はあったのね! ありがとう!
そうして悩む志郎に啖呵を切った桐子のかっこいいこと。そうだったこの子そういう子だった! というのが感じられてうれしかったです。

『人喰い』の予告が届いた。「見せ物としては最後の『人喰い』でこれからは本来の目的に使う」との知らせであった。西洋魔術でいう錬金術が完成し、バケモノを兵士として使う目処がたったというのか? なんとしても阻止せねばならない、そのためにまずは魔人を倒す。しかし相手が軍部と組んでいる以上、軍部と衝突は避けたい。そこで魔との最終決戦を前に桐子が考えた手段とは?! シリーズ完結編。(裏表紙より)
鵺子ドリ鳴イタの完結巻。犬養毅暗殺の時期と絡めて、この国がどんどん混沌としていく予感を覚えた最終巻でした。
乙夜と真明が二人で一つの錬金術師(魔術師)であるというのとか、人体実験とか、軍部とか、昭和初期のオカルト要素を味わえて楽しかったです。主人公側も影の側に属しているので、裏で動いているっていうだけがもったいないくらい。光の部分ももう少し味わいたいなあなんて欲が出てしまう。だからか、聖の言動が楽しくって仕方がないです笑
志郎がどんどん優しくて広いいい男になっていくので、桐子との恋模様が見たいなあ! ということで、次のシリーズを読みたくなりました。

魔人・乙夜に案内された地下室で桐子達が見たものは、『人喰い』の実験体として横たわる血まみれの聖だった! 鬼の本性を現し、再び襲いかかる鵺・真明と対峙する聖の姿に弓生は…? 一方、乙夜が新たに仕掛けてきた勝負に自らとび込み、自分の心の奥底へ入っていった桐子。心の中はいくつもの部屋に分かれ、桐子が捨てた過去の思い出が再現されていた。桐子を案じ心の中まで迎えにきた志郎だったが…!?(裏表紙より)
乙夜と真明との戦闘一回目。宇和野ミキの魂は、桐子の中にあると言われ、自らの心の奥底へ入っていった桐子。そこへ現れたのは志郎。目覚めない桐子の夢の中へ入っていくこと。
自分のトラウマと冷静に向き合う、というか淡々としている桐子がかっこいい。そして、もう一度兄の呪いを打ち返そうとしたのを、二度も殺すなといって割って入った志郎はもっとかっこいい! 志郎はここで覚悟を決めましたね。さあどうなるだろうなあ。
乙女小説を弓生に朗読させる桐子も面白いですが、その朗読を聴きながら悶絶しかける桐子を淡々と見ている弓生も面白い笑 弓生、やっぱり君面白い奴だな!?

神島の屋敷で、突如桐子の前に現れた刺客。その者が気になる言葉を残したことから、桐子は敵の情報を探るべくある試みを思いつく。その為に必要な人物は武見勇太——。しかし、弟に代わり志郎が桐子の前に現れて…!? 思わぬ展開ながら試みは成功し、明らかになる衝撃の事実と、青い目の魔人乙夜の存在。様々な断片が結びつき、見えてくる真実とは? 錯綜する思惑の中、ついに桐子と鬼達が動き出す!(裏表紙より)
守ると覚悟を決めた桐子。彼女と「友達」になった志郎。屋敷の結界が破られた結果、犠牲者の幽霊から、真術会が人体実験を行っていることを知る。
そろそろ真相と黒幕が見えてきたかな? というところですが、まだまだ話が終わらないし、この巻も引きがひどい!!(褒めてる) どうなっちゃうの!? ってところで終わる小説ってずいぶん久しぶりに読んでいる……というか、近頃はあんまりないですよね多分。
乙夜と真明が悲しい過去を秘めているのではと薄々思いつつ、どこに決着するのか楽しみです。