読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

姉さまが亡くなって、もう30年以上が過ぎました。お転婆な子供だった私は、お化け煙突の見える下町で、母さま、姉さまと3人でつましく暮らしていました。姉さまは病弱でしたが、本当に美しい人でした。そして、不思議な能力をもっていました。人や物がもつ「記憶」を読み取ることができたのです。その力は、難しい事件を解決したこともありましたが……。今は遠い昭和30年代を舞台に、人の優しさが胸を打つシリーズ第1作。(裏表紙より)
美人だが病弱な姉、鈴音は人や物の記憶を見ることができる不思議な力を持っていた。昭和30年代の事件などの裏で、鈴音と和歌子はその力を使って事件の謎を解いていた。鈴音が若くして亡くなっていることもそうですが、やがてくる時代の波の気配を感じて、ほんの少し悲しい感じもする連作短編集です。
テレビやら冷蔵庫やらミシンの話がすごく時代感を表しているなあ。一方で赤線の話やら凄惨な殺人事件の話もあるわけですが……。
語り口が懐かしくて切ないような気持ちにさせるシリーズ。続きも読もう。
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山奥に引きこもっていた少年・白火の下を《神獣の末裔》たるソウガの姫・グウィンが訪れる。彼女は滅亡の危機に瀕した国を救うために、様々な褒美を提案して助力を請うが白火はことごとく拒絶してしまう。だが――「ソウガの一族に協力し、この地よりカースの魔の手を完全に退けることができたなら──妾を好きにしてよい。貴殿の奴隷にしようが、素材にしようが、煮ようが焼こうが構わぬ」彼女自身を対価に契約は成立。敵国の圧倒的兵力に対して白火は《変幻流転》――超常の力を持つ武具を創る力を用いて対抗し、たった一人で戦局を打開していくのだが――? 必敗必死を逆転し、新たなる王道を斬り拓く大スケール無双戦記ファンタジー、ここに開幕!(裏表紙より)
《封命具》と呼ばれる自動的に動く道具を作ることができる少年、白火。山奥に一人きり《封命具》を作って暮らしていた少年が、神獣の末裔であるソウガ一族の姫グウィンに連れられて戦うことに。戦いの始まりといった感じで、まだまだいっぱい謎があるよ! という感じです。
グウィンは猫系の異種族なんですがとってもかわいい。気高くってでも弱いところもあって、主人公を信じてくれる正統派なヒロイン姫。彼女に仕える侍女のダナは主人公を敵視しながらも手を貸してくれる明るく元気なしっかり者ヒロイン。カナリア一族のアミラは儚くて可愛らしい、主人公一途に思うヒロイン。いいヒロイン揃ってます!
白火が《封命具》を作ることしか頭にない完全なる社会不適合者なんですが、そのまっすぐな気質が時には救いになることもあって……いい主人公だなあ本当に。
敵側に《封命具》に関する秘密があるようなので気になります。《十二刃》の何人かと共闘するっていう展開があったりしないかなあ。
![新しい人生のはじめかた [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51ns9zruYVL._SL160_.jpg)
離婚して独り身のハーヴェイは、娘の結婚式でイギリスに渡る。だが娘からバージンロードを義父と歩きたいと言われ、人生最悪の日だと自棄酒を煽る。その場に居合わせたケイトは、気難しくしょっちゅう電話をかけてくる母親の相手をする窮屈な日々を過ごしていた。そんな二人が出会い……。
恋愛や結婚に失敗したことのある男女が偶然出会い、恋をするけれど少しのすれ違いで別れそうになり……というべたべたのロマンス。お互いの存在が良い方向に作用して、ケイトは母親との付き合い方を少し楽に感じられるようになったり、ハーヴェイは疎遠だった前妻と娘との仲を修復し……と、人との出会いは運命を良い方向に回すなあ。
「私たち幸せになれると思う?」「見当もつかない。でも頑張るよ」っていうラストの会話が、大人な台詞だなあと思いました。娘の結婚式のシーンが中盤にあるから余計に。若いと「幸せにするよ」って多分言うんだろうけど、失敗を知っている大人だからこそ「頑張る」って言うんだよな。
![ビッグ・アイズ [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51gs8badMZL._SL160_.jpg)
大きな目が特徴的な子どもの絵を描くマーガレット。だが女性であることと描く絵が芸術的ではないということで絵が売れない。同じ絵描きのウォルターと再婚したが、とあることから彼はマーガレットの絵を「自分が描いた」と偽ってしまう。しかし絵が爆発的に売れ、生活は豊かになっていくが、次第に二人の関係は破綻。マーガレットはあの絵はすべて自分が描いたと裁判を始める。
「ビッグ・アイズ」を検索すると出てくる、人形のような大きな目の子どもの絵。キーンの絵の本当の作者の話。史実のようです。
自分が描いた絵を他人に「俺が描いた」と言われるときの心情を思うとだいぶと胸が痛いんですが、そんな絵を描くと思っていた彼が最初の絵すら他人のものだったと知ったときの絶望が半端なかった。
女性だから絵が売れない。でもウォルターが描いたと言って絵が認められたことで、マーガレット自身も本当のことが言いにくくなったんじゃないかなあ……。そういうどうしようもない壁にぶち当たると、物を作る人ってしんどいよな……。
マーガレットはちゃんと自分の画家としての権利を取り戻せたようでよかった。
![はじまりのうた BEGIN AGAIN [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51eqwv6TiFL._SL160_.jpg)
シンガーソングライターのグレタは、友人のスティーヴに連れられてとあるバーで歌う。グレタは恋人のデイヴとともにニューヨークにやってきていたが、デイヴの浮気が発覚したところだったのだ。その歌に目を留めたのは落ちぶれた音楽プロデューサーのダン。ダンには弾き語りをするグレタの歌に様々な楽器パートを重ねた曲が聞こえていた。そうして二人はアルバムを作ることにするが……。
家族から見放された落ち目のプロデューサー、ダン。デビューし忙しい恋人に浮気され才能を燻らせるグレタ。二人が出会い、音楽を作る。不思議なんだけれど人が集まって音楽を作っちゃうのがなんだかいい。落ちぶれているように見えて奏でられるべき音楽がわかっているダンがかっこいいし、スタジオじゃなくて街中で収録するのが楽しい。音楽が好きだという人が集まったレコーディングだっていうのが、娘のレイチェルの参加でわかるなあ。
恋愛がきっかけではあるんだけれども、決してグレタとダンはわかりやすい恋に落ちたりはしない、恋愛映画じゃないところもいいなあと思いました。でも「音楽を共有する」っていうモチーフ(作るなり、ケーブルなり)が非常にロマンティックで美しかった。
日々のどうしようもない思いを音楽に託して奏でる人たちのお話だった。このアルバムをきっかけにいろんな人が新しいスタートを切ったのかもしれない。「はじまりのうた」だなと思いました。
![告白 【DVD特別価格版】 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41ejnBpx00L._SL160_.jpg)
とある中学校のクラスの終業式、担任は自分の娘が死んだことについて「このクラスの生徒に殺されたのだ」と告発する。このことをきっかけにクラスは内部崩壊し、新しい担任教師を迎えながら生徒たちは病んでいく。
湊かなえさんの『告白』が原作。原作は読了済。
映像が非常に美しくてカットなども素晴らしく、台詞も青春ものっぽいのですが、本当に心の底から嫌な話だ……。子どもだからというところもあるし、子どもだけどというところもあって、言いようのないいやあな感じが最初から最後まで続く。決していい気分で見終わることはできないんですが、見入ってしまって、思い出した時にもう一度見たくなってしまうような作品だと思いました。
内容は原作に忠実なんですけれども、原作の行間を丁寧にすくい取っているような感じがします(原作文庫版の監督のインタビューにもそんな感じのことが書いてあったような気がする)。登場人物が語ることはすべて本当とは限らない、というのをしっかり映像と語りで見せてくれる。そして役者さんたちの演技力が凄まじかった。最後の「なーんてね」でぶわっと鳥肌がたった。

魔法の素質は本物でも、女の子ゆえに魔術の道に進ませてもらえず、かといって持参金不足で結婚もできずに悩む、年頃のフィアメッタ。父親は大魔術師にして公爵に仕える金細工師。だがその父はいまや息絶え、その強力な霊は邪悪な者のもつ“死霊の指輪”に囚われようとしていた! 黒魔術から父を守るために、炎の乙女が立ち上がる。時代はルネサンス、恋と冒険の歴史ファンタジイ。(裏表紙より)
ルネサンス時代の少女と少年の、指輪と霊をめぐるファンタジー。
女の子ゆえに魔術の道に進めないながらも、才能を発揮するフィアメッタは炎の性質を持つ。憧れの近衛隊長ウーリの弟トゥールはスイスで鉱夫をやっており、地精(コボルト)を見ることができる。モンテフォーリア領を奪おうとしているロジモ公フィランテと書記官ウィテルリは、霊を捉えて指輪に閉じ込める死霊の指輪を作ろうとしていた。そんな彼らから、父親の霊、兄の霊、モンテフォーリアを救出する。
序盤で語られているウーリの像うんぬんが、最後にこう生きてくるとは!
どちらかというとトゥールがメインのお話だったように思うので、フィアメッタがこれでもかと活躍してほしかったなあと思いました。でも最後は楽しそうでよかった。
![ものすごくうるさくて、ありえないほど近い [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51TlxM3xW5L._SL160_.jpg)
9.11で父親を亡くしたオスカーは、父親の持ち物から小さな鍵を見つける。鍵の入っていた封筒に書かれていた「ブラック」が手がかりだと思ったオスカーは鍵穴を見つけるため、街中のブラック氏を訪ねることを決意する。多くのふれあいや出来事の中でオスカーは自らと、そしてあの時の後悔と向き合う。
深い悲しみにさらされた少年が、同じく取り戻せないものや悲しみを知る大人たちと出会うお話、という感じでしょうか。アスペルガー障害を持つオスカーは、普通の人以上にうまく生きられないからこそ、世の大人たちがこういうものなのだ、仕方ないのだと諦めて受け入れることに「何故だ」と問えたのかもしれない。オスカーがアスペルガー障害を持っているというのは最初あんまり強くは感じなかったのですが、数字に強いこだわりを持っていたり、音に対して敏感で両耳をふさいだりという仕草でああなるほどと思いました。
ブラックさんたちの反応は、「あなたの悲しみを共有している」というメッセージなのかなという気がしました。好意的な反応は悲しみを、否定的な反応はそれでも許せない怒りを。母親のリンダに対してハグをしてくれるブラックさんを見た時、ふとそう思いました。
![レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語<スペシャル・エディション> [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/613d5S7btyL._SL160_.jpg)
ヴァイオレット、クラウス、サニーの三兄弟は、火事によって家と両親を失う。孤児となった三人はオラフ伯爵に預けられるが、こき使われた挙句、遺産を手に入れようと目論む伯爵から命を狙われてしまう。兄弟は自分たちの特技でなんとか窮地を脱するが……。
ヴァイオレットが素晴らしい美人さんできゅんきゅんしてました。
手を替え品を替え、兄弟たちの遺産を狙うオラフ伯爵。この「何度も何度も」というところが面白いところですね。その度に子どもたちは「こいつの言っていることは嘘だ!」と主張するんですけれども、その主張が聞き入れられないというのが子どもだからであり孤児だからであり……っていうような部分が、お約束なんだけれど胸に痛い。
今は不幸かもしれないけれどそれは旅の始まりであり、君には幸福が待っている、というメッセージが伝わってきてじんとしました。そのために何かを作ったり本を読んだり、噛んだり(というのは周りから見れば風変わりだけれど自分の個性ということかな)して試行錯誤するんだってことなんだろうな。

殺し屋の街・博多で生き残るのは誰だ!?
福岡は一見平和な町だが、裏では犯罪が蔓延っている。今や殺し屋業の激戦区で、殺し屋専門の殺し屋がいるという都市伝説まであった。
福岡市長のお抱え殺し屋、崖っぷちの新人社員、博多を愛する私立探偵、天才ハッカーの情報屋、美しすぎる復讐屋、闇組織に囚われた殺し屋。そんなアクの強い彼らが巻き込まれ、縺れ合い紡がれていく市長選。その背後に潜む政治的な対立と黒い陰謀が蠢く事件の真相とは——。
そして悪行が過ぎた時、『殺し屋殺し』は現れる——。(裏表紙より0
アニメ化と聞いて積んであった一巻を読みました。読みやすくてわかりやすい群像劇。
福岡、博多がとても危険な街だというのを逆手にとって、殺し屋がたくさんいるという物騒な街として描いているので、しょっちゅう人が死んでいく中で馬場さんの博多弁がとても癒しでした。豚骨ラーメンが食べたくなる。
馬場さんと林くんはこれからも一緒にいるのかな? 危なっかしい林くん(斎藤くんよりも彼が好きだ)の今後が気になります。