読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
畑仕事をして暮らす没落王女のユーラが命じられた〈流血王〉カエルムとの政略結婚。冷酷と恐れられるカエルムの不機嫌な態度におののくユーラだったが、夫に怯えてちゃ幸せになれない!と、農作業で鍛えたド根性でカエルムを観察することに。彼の強引な態度にはワケがあると気づいたユーラは、彼の極悪イメージを変える「婚前イチャラブ作戦」を開始! するとカエルムは極悪ならぬ極甘な色気を発散しだして…!? 糖度200%ラブロマンス!(裏表紙より)
あっまーーーーーーーーい!! ラブコメでした。ごちそうさまでした!
生母の一族が没落したために、辺境の領地で領民たちと畑仕事をしながら暮らす庶民派王女、ユーラ。ユーラたちを憎む正妃の娘、異母姉ピリスが嫌がったために、姉の結婚相手になるはずだった流血王カエルムとの婚姻を承諾しなければならなくなった。だが、カエルムの本質的な優しさに気付いたユーラが対話を試みたところ、〈流血王〉の態度が染み付いてしまった演技だと聞く。
ユーラが素朴ながらたいへん賢い女の子で、物言いも率直なので「あなたを好きになり始めています」とか、「私だけを見て欲しい」とか言ってしまうんですよ! そしてそれを聞いたカエルムも、自分がユーラを可愛いと思っていること、大事だと思っていると伝えてくれるんです。もーそれが甘くて甘くて甘くて! かわいいなおまえらとっとと幸せになれよ! と思いました。
いちゃらぶを楽しむ話だと思ったので、悪役の異母姉ピリスは、悪の格が低いのですが、わがままを言うなら、もうちょっとこてんぱんにやってほしかったかもなーと思いました。あと他の家族も成敗して欲しかったですね。あんまりにも、故国にいたユーラが不憫でならないので……その分、嫁ぎ先ではたいへん幸せになるんでしょうけれども!
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偶然、僕が拾った1冊の文庫本。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった——(帯より)
クラスの誰とも関わらずに日々を過ごす僕は、病院にて偶然、人気者のクラスメイト、桜良の忘れ物を手にする。桜良は膵臓に疾患があり、余命いくばくもないというのだ。秘密を知ったことで、桜良に振り回されるようになる僕は、彼女と残り僅かな日々を過ごす。そして、別れの時がきて……。
俯瞰する立場の男子高校生が、自由奔放なクラスメイトの女子と、くだらないけれど楽しい日々を過ごしたり、喧嘩をしたりなど、青春を過ごすんですが、ラストの仕掛けは、なんとなく察してはいたんですが、その瞬間がきたらあっと声を上げてしまいました。
それから、主人公の僕の仕掛けが素敵だなーと思って読んでました。少しずつ変化する呼び名がいい。
「モラハラ」は今、「セクハラ」前夜
新種のハラスメントがやってきた!
職場や家庭でのいじめや嫌がらせを表すことばとして新たに登場したのが、モラル・ハラスメント(モラハラ)だ。
加害者は、言葉や態度によって巧妙に相手を傷つけることによって、相手を支配し、隷属させようとする。被害者は気づかないうちに相手の術中に陥り、「悪いのは自分のほう」という意識にまでなるという。職場においてモラハラがはびこると、社員のメンタル・ヘルスに悪影響を及ぼし、企業の生産性が低下するのはいうまでもない。
モラハラは病気なのか、モラハラをなくすにはどうしたらいいか。また、モラハラをしないようにするには何に気をつけるべきか。(カバー折り返しより)
2007年の発行。モラハラの入門というところでしょうか。ネットではもう少し詳しくなっているし、本も今はまた新しいものが出ているのかな?
自己愛って言葉の違和感が、ちょっと分かりました。そうなんですよ、自己愛って聞くと、ナルシスト、自分大好きってイメージがあって、なんかちょっと違うなーって思ってたんですよね。自己愛じゃなく、「他者は自分のためにいる」って言葉に変えると、なるほどと思いました。
「高校生のときに恋人に監禁されたことがあるの——」
法科大学院生の笠井修吾は同級生の館林景織子に、衝撃の過去を告白される。いまでもその彼らしき人物から執拗なメールが届くと怯える景織子を修吾は守ると誓った。交際を始めた二人だったが幸せな日々は突然終わりを告げる。元彼の高橋が景織子の弟に暴行を働き、彼女を連れ去ったのだ。だが実は、景織子は自ら高橋の車に乗り込んでいた。なぜ彼女はストーカーまがいの男と行動をともにするのか? 彼女の真意とは? 東京から日本最南端の島・波照間島へ、修吾は彼らを追うが……。
著者が初めて挑む極限の恋愛サスペンス!(帯より)
なんだか、ふわふわと、夢を見ているような話だったなあ……なんて、不思議な読了感でした。
法科大学院の、ごく普通、ちょっと面白みのない、真面目が取り柄、という感じの笠井が、少し変わった同級生の景織子と親しくなり、恋人関係になるも、高校生の時に恋人に監禁されたことがあるという過去、そしてその男によって再び連れ去られた現場を目撃する。だが、連れ去りというよりも自らついていったように見えたことによって、笠井は、同じく同級生の七澤と波照間島まで追いかけていく。
なんだか、笠井含めて全員嘘つきって感じがするんですよ……。ある程度、登場人物の過去は語られるんですけど、その語り方が絶妙に中途半端というか、さほど親しくない人間が知れる程度のことしか語られないっていう気持ち悪さがすごい。読者が傍観者って感じがしました。
……ところですごくどうでもいい話なんですけど、この笠井に同行するのが、根暗そうに見えて案外付き合いがいい、家庭環境が微妙に複雑で、何でも屋の叔父さんがいるっていう七澤くんなんですけど、この七澤くんに引っ張られる感じで笠井が旅してる感じが……すごく……BLです……。
すみません! 穿った読み方をしてすみません! いや、七澤の台詞、そうだとしか思えないんですよ! 七澤くん、好きだなあ……と思って読みました。
両親を事故で失い、田舎の一軒家で独り暮らしをすることになった高校生・海波大地。他人との関わりを避けていた彼だったが、その家には、つくも神を名乗る少女・リリィが住んでいた。
彼女は、絵本作家だった大地の両親が書いていた物語に登場する少女だという。だが、その物語は未完のまま。リリィは、大地に続きを書くよう頼むのだが……?
リリィをはじめ、掛軸の少女やしゃもじの爺さん、ティーカップの新婚夫婦など、賑やかなつくも神たちに囲まれた、大地の不思議な毎日が始まる——。(裏表紙より)
海と山がある田舎。両親が亡くなるまで暮らしていた家に、高校生になってから戻ってきた大地。「大事なものほど勝手にどこかへいってしまう」という、ものをなくしてしまう癖のために、一緒に暮らしていた叔父夫婦と従妹とうまくいかなくなってしまったからだ。両親が遺してくれた家に戻ってきた大地は、そこで何故か、先住の者たちと遭遇する。それは、大地と大地の両親たちが持つ力によって動き回るようになった、つくも神たちだった。
心を閉ざしてそつなくなんでもこなせるようになった大地少年が、つくも神であるリリィたちによって、少しずつ本来の素直な感情を取り戻していく。すごく日常に沿った物語、かつ青春、そして非日常という、読んでいて心地いい物語だと思いました。ほのぼのします。
できれば、もっと見える人との交流もあってほしいなー。大変そうだけど、楽しそう!
アラゴン沖の小島・ヨルカに逗留していたボニーとディアス海賊団。ファドの怪我も回復し出立を明日に控えた夜、ボニーとファドは船上に2人きりに! 甘い時間が流れ、ファドに身をゆだねた瞬間……突然船が動き出した!! 2人を尾行していた(!)リロイも乗せ、操縦不能の船が行きついた先は難破船が折り重なる「船の墓場」で!? 霧に包まれた脱出不能の島でボニーを巡るファドvsリロイ勃発? さらには、まさかの男も復活!? それぞれの想いに胸が熱くなる、恋と冒険のファンタジー第4弾!(裏表紙より)
ボニー、ファド、リロイの三人で、いわゆるバミューダトライアングルな海域に流れ着いてしまった巻。海賊として生きていたファドが、普通の人間らしい望みを抱くようになったこと、そしてリロイもまた成長したことが感じられる話でした。
っていうか、カレル! カレルー!! 生きててよかったああ! しぶといというか、らしいというか……恋の行方が気になります。大丈夫なのか、ちゃんと家族になれるのか!?
ロランの乙女をめぐる、海の者たちのこともちょっと分かってきましたが、どう決着がつくのかなあ。楽しみだ。
玉櫻女学院の『櫻の君』こと早乙女夢子は、容姿端麗で文武にも秀でた麗しき乙女——というのは表向きで、本性は可愛い女の子が大好きなちょっとアブナイお嬢様。そんな夢子が、偶然入ったカフェでしたオーダー。それは、人の精気を食べる淫魔との彼氏契約だった!「骨の髄まで誑かしてやる!」セクシーな俺様淫魔と、過去のトラウマから男が大嫌いな夢子とのドキドキ恋愛攻防戦の行方は!? 抱腹絶倒のトキメキ・ラブコメディ!(裏表紙より)
めっちゃくちゃ面白くて、にやにやして、笑いました。これぞラブコメ。読んでいて元気になる。
女子高の麗しき生徒として君臨する夢子。その実は、乙女を愛でる乙女。女の子を天使ちゃんたちと呼び、男を汚物と呼んではばからない。そんな夢子が、偶然入った喫茶店で淫魔と契約したことによって、男性を克服しようとする話。
常にテンション高め、かつ恋愛関係でもだもだしていて、楽しくって、たっぷり甘かった!
——こいつら全員、ボコボコにした後で社会的に殺す……!っていうのが敵に対しての台詞なんですけど、これが女子高の頂点に立つお嬢様の台詞だとは思えない男前っぷりです。笑った笑った。
面白かった!
互いの想いを交わし、ついに恋人同士となった修道女のボニーと海賊ファド。甘く幸せな日々が続く……と思っていたある日のこと、輸送船を襲撃したことで事態は一変! そこに隠れていたのは、肌も露わな美しき女海賊・エブリン率いる“ローズ一家”だった!! 色仕掛けでファドに迫るエブリンの登場にボニーはヤキモキしっぱなし。その翌朝、超衝撃的な光景を目撃してしまい!? 一方、女嫌いのデリックも彼女たちと過去に何やら因縁があるようで……。波乱含みの第3弾! 大好評にお応えしていざ出航!!(裏表紙より)
大英帝国を思わせる女王ジュディス登場の巻です。女たちの怨念だとか、ロンドン塔を思わせる処刑塔だとか、なかなかぶっこんできて面白いなー! しっかり下敷きがあって美味しい。ボニーやファドは海賊としての立場を守って、あくまで国どうしの揉め事には関わらないスタンスがなんだか好きです。
いやしかし、ジュディスとドレークがほんと……ほんといいカップルすぎて……。この二人がもっと幸せになる形で関わってこないかなあ、なんて思います。
明慧の葬儀も終わり、無情にも日常が戻ってきた。悲しみの冬が過ぎ、春が訪れようとする頃、文林は一冊の帳簿を小玉に示す。帳簿に不自然に出てくる「維山」という地名。それが鄒王の死、さらには明慧の死につながるものだと見た文林は、現地調査を小玉に託す。
小玉は皇后の行啓として維山に向かい、維山に入ると陳校尉として調査を開始するのだが、街の様子に違和感を感じて――?
――このままでは終わらせない。終わらせてなるものか。関小玉、伝説に残る覚悟の戦い。(裏表紙より)
明慧の死の原因となった、鄒王にまつわる陰謀の尻尾をつかんだ。目立たない地方に、皇后として(そして身代わりを立てた上で、自分は身分を偽って)向かった小玉。
小玉が相変わらず小玉で、軍を率いるところがめちゃくちゃかっこよかった。すごいところがすごーくあっさり書かれているのに面白い! そして、結構えぐいところをさらっと書かれているので、えぐられる……。
信仰、カルトといったものは、やっぱり強大な敵だよなあという感想を抱きつつ、ひとまず話はひと段落した様子。次は隣国との戦いか? 大目的も見えてきたので、ますますシリーズが楽しみです。……脱落する人がいっぱい出てきそうでひやひやしているんですけれどもね!