読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「ブラックホール」「ビッグバン」「ニュートリノ」……
誰でも一度は聞いたことがある、宇宙の話によく出てくる名前。
だけど……それってものすごく遠くで起こっていることの話でしょ?
“それを知ったからっていったい何になるの?”
そんなあなたの日常に、今、宇宙が舞い降りる!(カバー折り返しより)
宇宙というものを身近に感じさせられるよう、日常のことに例えながら宇宙のいろいろな現象などについて解説した一冊。
宇宙を体感してみる前半、宇宙の◯◯を言い換えるならという後半に分かれています。「超新星爆発を体感してみよう」→「ストレスを発散せずにずーっと溜め込んでみよう」っておかしいわ! でもなんかすごくよくわかる!! 星が爆発するくらいってことね!!! みたいな。そういう振り切り方が面白く、すごく上手いこと言ってる一冊でした。「新婚旅行中に喧嘩してしまったら?」→「それがビッグバンだ! 爆発が終わったあと新たなものを生み出していくのです」ってやかましいわ! でもよくわかるわ! の連続でした。
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公爵の嫡子として生まれたものの、母親の保身のために女であることを隠して爵位を継いだエリーアスは、秘密がバレないようにひっそりと暮らしていた。しかし皇妃が懐妊したため、護衛役として公の場に引きずり出されてしまう。さらには見舞いにやってきた皇妃の兄、モダーヴ王国の王太子をスパイしろと命令される。だが王太子に女だとバレてしまったエリーアスは!?(裏表紙より)
欧州でがつがつ戦争していて、それぞれの国が国力を蓄えながら、睨み合っているような時代を参考にしたような世界観。性別を隠しながら公爵として皇帝に仕え、しかし病弱を理由に田舎に引っ込んでいたヒロインが、皇妃の護衛役に命じられたことから始まる物語。
これ、すっごく好みでした……。
男装ものって、ライトなものの方が多い気がするんですけれども、これは舞台となる国や、皇帝との関係、貴族の立場なども結構しっかり設定してあって「皇帝を裏切ることはできない」「公爵として騎士としてお仕えするのみ」という価値観が、ヒロインのエリーアスにばっちり刷り込まれているわけですよ。そして、周囲もごつごつした男ばかりで、男尊女卑の風潮が強い。
価値観と文化が違うんだと気づくのが、皇妃アデリーヌの存在であり、その兄、ヒーローであるアルベールの存在なわけです。後から気づいたんですが、これ、前の巻はアデリーヌと皇帝ジークヴァルトの話なんですねそれすっごく読みたいんですが!?
ともかく、優雅な王太子様、アルベールの、喋り方、に、私は顔を覆って崩れ落ちました。私、喋り方フェチなところがちょっとあって、アルベールの「悪いようにはせぬ」とか「我の婚約者ぞ」とか、今まで読んだことのないヒーローの喋り方に、何故かときめきで呼吸困難になるという……。
TL小説なのに、そういうシーンはほとんどカットされていたのも、なかなか大胆だったなあ、と。というか、エリーアスとアルベールの初夜のやりとりに噴きました。この先大丈夫かなあこれ。男として育つって大変だ。
後半急になんだか雑になって誤字が増えてたのが気になりましたし、名前と人物がちょっと複雑というか分かりにくいところがあるような気もしましたが、しかしすごく好みでした。面白かった。

アシュリーは女だけど男装して伯爵家に仕える召使い。お世話するシルヴァン様はスキンシップ大好き。気さくに抱きしめられたり、髪を撫でられたり毎日がドキドキの連続。男装がばれそうになった時「女なのは前から知ってた」と甘く唇を奪われ……。男装を一枚ずつ脱がされ高鳴る鼓動。胸いっぱいで純潔を捧げ——。「可愛い人、一生大切にするよ」と告げられ、寵愛の歓びは最高潮に!(裏表紙より)
あらすじからは絶対に分からないプリンセスストーリーです。
天涯孤独のアシュリーは、幼い頃、行き倒れたところを名門伯爵家の令息シルヴァンに助けられる。命を救ってくれた彼に一生仕えることがアシュリーの望み。けれどシルヴァンには婚約の日が近づいていた。彼のお供として、短い旅行に出たアシュリーは、そこで自分のルーツを知ることに……という、よくある話ではあるんですけど、たいっへんかわいい話でした。
行方不明の王女の存在や、一生お仕えしようという少女の無垢な願いとかもそうなんですけど、何よりシルヴァンがとっても紳士。言葉遣いも優しいし、アシュリーに対して無理やりとか自分のものにしようという欲求を、すごく上手に隠してる感じ(なのが終章を読むとよくわかります)。
そこからヒロインがプリンセスになるところも、彼と結ばれることになるところも、さらっとすぱっと簡単に進むんですが、分かりやすくて面白かった。かわいい物語でした。

かつて高度な知能を持った竜が支配し、魔素を利用した文明に支えられた世界。
十年の間、戦争を繰り広げてきたメフィウスとガーベラは王族同士の政略結婚により、その長い戦いに終止符を打とうとしていた。
幼い頃、戦争により故郷を追われ剣闘士となったオルバは、瓜ふたつの容姿をしていることから、婚礼を控えた、うつけと噂されるメフィウスの皇子とすり替わることになる。一方、勝気なガーベラの姫、ビリーナは皇子を籠絡して自国の利益を図ろうとひそかに決意する。そんな二人の婚礼の途中、何者かの襲撃があり——!? 二人の思惑と和平の行方は?
杉原智則が贈るファンタジー登場!(カバー折り返しより)
一時たくさん出ていたような気がする、身代わり、入れ替わりものであり、戦記ものです。そういうものって結構主人公が振り回されるんですけど、この作品の主人公オルバは、したたかに生きる手段を講じて策を巡らし、足場を固めていく。その確かさが面白い!
剣闘士仲間ときっぱり縁を切って、知らないふりをするのかなと思っていたら、そうではなく、正体を明かして一緒に戦うという、熱い展開。ビリーナとの関係も、これからがすごく楽しみだし、誘惑する役らしいイネーリがすごく気になる。そしてどういう結末を迎えるのか、最後まで読みたい。

夢の映像を記録した「夢札」、それを解析する「夢判断」を職業とする浩章のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する、集団白昼夢。浩章はパニックに陥った子供たちの面談に向かうが、一方で亡くなったはずの女の影に悩まされていた。日本で初めて予知夢を見ていると認められた、結衣子。災厄の夢を見た彼女は——。悪夢が現実に起こるのを、止めることはできるのか?戦慄と驚愕の新感覚サスペンス!(裏表紙より)
ドラマの「悪夢ちゃん」の原案だということですが、そうでした、あの時間帯のドラマは、原作小説から結構かけ離れた改変をするんだった(という思い込みが私にはあります……)。
時間と場所は特定できないけれど、予知夢をみることができる結衣子。彼女が見た大事故の夢が、彼女自身の最期だった。結衣子が死んでから十二年。夢判断をする職についていた浩章は、結衣子がまるで生きているかのような幻をみる。けれどそれは本当に幻か? 折しも、とある学校で集団白昼夢事件が起こっており……。
どこかのエッセイで「無意識をめぐる冒険」を書きたいということを書いておられたような気がするのを、読み進めていて「無意識をめぐる」というワードが出てきてはっと思い出しました。
現実と夢と、科学では解明しきれない不可思議の出来事が入り混じった、恩田陸作品ならではのもので、終わり方もオープンエンドで投げるといういつものでした。私は現実と夢が融合しきって別世界を構築したのかなあと思ったのですが、「夢違というタイトルから、夢によって未来が変わって、パラレルワールドに移行したんじゃないか」という意見を読んで、なるほどーと思いました。だとすると結衣子は死なず、浩章と一緒にいる未来に、夢が変わり、結衣子は自分の願いを叶えることができたわけだ。
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崩壊後の地球。砂漠化した世界を、マックスはフラッシュバックに悩まされながら、愛車でひた走っていた。その途中、襲撃にあったマックスは、シタデルという砦に囚われる。そこは、イモータン・ジョーを王といただく場所であり、水と緑は彼に独占される独裁社会だった。ジョーの部隊の一員であるフュリオサが裏切ったという知らせを受けて、ジョーは出陣するが、マックスはジョーの兵士であるウォーボーイズ、ニュークスの「血液袋」として繋がれて……。
中盤まで砂漠をひた走り、車を爆破させる、というシーンが繰り返されます。疲れる! 景色が変わらないからちょっと退屈!
話が動いてくる中盤以降は、かっこいい女の人たち(鉄馬の女の一族)が出てきて「うおおおおばーちゃーーーん!」ってなるのではらはらどきどきでした。酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃんと、悩める若くて麗な女の子の語らいのシーンは、すごくいい……。
後半の、誰が生き残って誰が死んでしまうか、を考えながら見ていると、やっぱりはらはらしました。結構どっかーん! ぐっしゃー! ばっきー! っていうシーンが多くて疲れるんですけど、見せるところは見せてくれる、というのがよかったです。ニュークスはいい子……。
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学園祭を明日に控えた友引高校で、ラムたちは準備に勤しんでいた。しかし、大騒ぎの結果、担任教師の温泉マークが精神的に参ってしまい、保健医のサクラは彼に休むよう勧める。しかし、彼らが口にする「明日が文化祭」という言葉が、何度も何度も繰り返されていることに気づいたサクラは、文化祭前日を繰り返す友引町から脱出しようとするが……。
タイムループものであり、終末世界ものであり、夢をモチーフにした作品でもある。前半は、文化祭前日を繰り返す世界とそこから脱出するための話、後半はループを抜け出したけれど限られた人間に都合のいい終末世界を過ごすもの、そして、オチである夢世界にまつわる話。
すごくよくできた脚本だなー、と思いつつ、終わり方の余韻もよく、いろいろな解釈ができる話で面白かった。ループに気付いたところから脱出しようと足掻くところは怖くてぞわぞわしたし、後半の終末世界の様相と真相に辿りつこうするところは手に汗握ったし、そこから現実世界に戻ろうとする悪夢の連続は息を詰めて見守りました。あたるの気持ちについては「ん? そうだったっけ?」と思いはしたものの、この作品のオチとしてはいいものだったと思いました。面白かった!
![ミルク [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/515LmPJCtcL._SL160_.jpg)
1970年代のアメリカ、サンフランシスコ。市長と市会議員ハーヴェイ・ミルク氏が射殺された。ミルクは、同性愛者であることを公表し、彼らのための政治家として活動した人物だった。彼は、「自分が暗殺によって死んだ場合に再生すること」と、自身の言葉をテープに吹き込んでいた。
2008年の映画。同性愛者であることをカミングアウトし、なおかつ当時風当たりのきつかったアメリカで、公人となって働き、マイノリティの人々のために尽力したハーヴェイ・ミルク氏の活動を、実際の映像を用いながらストーリーとして仕上げた作品です。
見終わった後、すごく胸にくるものがあって、うまく言葉で言い表せない……。マイノリティとされる人々が集まって声を上げること、時代が変化すること、そしてその結果、今の自分の意識や考え方があるということに、とても胸を動かされるというか、こういう人たちがいるから、自分自身はリベラルな考え方を持つことができる(とされる)社会に生きていられるんだな、と感謝するというか……。
私自身は、それが誰かを傷つけることがないかぎり、嗜好は自由であってほしいと思うし、そういう社会であってほしいと思う人なので、そうでない人が多いであろう世界で生きている人たちの息苦しさはどれほどのものなんだろうと思うと、なんとも言い切れない苦しさを覚えます。「異性愛が普通なんだ」とされるものだと、つい思ってしまう育ち方をしているけれど、普通ってなんなんだと。人の愛し方は一種類じゃないだろうと、ぐるぐると考えています。
ドキュメンタリーの方の映画もあるので、見ようと思いました。

少し前に一斉を風靡した「東大ノート」のまとめ本、の二冊目。デザインの勉強のつもりで読んでみたんですが、ノートって個性が出るんですねえ! 自分がそういう勉強から遠ざかってもうだいぶと立つので、頭のいい人のノートを見る機会がなく、今回初めて見ました。みんな綺麗に書くなー。
私は授業ノートとテスト勉強用のノートを作る人間で、それは社会に出てからも、殴り書きのようにばばばっと素早くとるメモ用のノートと、まとめノートを作るようにしていますが、このまとめノート、綺麗に書けないんですよね……。そして綺麗に書くのを諦めるという。
この本は東大ノートに加えて、京大ノートも特集しており。東と西の文化というわけではないでしょうが、やっぱりちょっと地域性が出るものなのかもしれませんね。そう、何故かやたらとカラーペンを使いたがる気がするんだ関西は……。

春夏秋冬それぞれの娘たち。季節の名を冠するように私たちも色鮮かに。私は冬都。寒さに凍るものたちは時として割れる。自らが割れるとき、相手を割るとき。血が流れるまもない瞬間的に。<本文より>(帯より)
とあるわがままなお嬢様の取り巻きを、楽しいから、益があるからという思惑で寄り集まっていた、春都、夏都、秋都、冬都の高校生四人。しかし、そのお嬢様が、スケートリンクとなった湖の氷を踏み割り、落ちて亡くなってしまう。果たしてこの死は、事故なのか、故意なのか。……というような、人の死にまつわってしまう話を、四人それぞれでやりますという作品です。謎の解き手は、他のシリーズ作品に登場する男性陣。主人公それぞれも思いを寄せつつ、自らの心を脱皮させていくわけですが……。
この、心理ミステリーというのか、人の心のちょっとした作用を用いて謎解きをするのが、うまいなあ、と最近読んでいたいくつかの作品を見て感じるのでした。最後に収録されている「通訳」、面白かった。最後のオチもくすっと笑えて。