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大好評のブログ日記『今朝子の晩ごはん』の文庫化第二弾!
のんびり過ごすつもりで、ガラパゴス旅行から帰ってきたら『吉原手引草』で直木賞を受賞! 嵐のような取材と怒涛の出来事が続く、2007年下半期の日々の出来事と「晩ごはん」の記録。 解説/松岡和子
最近物語を読んでいたので、そろそろ人の日記を読みたいと思い。
いろんな人と会い、見たり、感じたりする内容なので、ふむふむと読む。乗馬楽しそうだなーと最近習い事をしてみたい自分は思うのだった。
これを読みながら思い出したのは、確か大学四年生の時に一冊目を読んだことで、卒業論文を何にするかと考えながら読んでいたら、ちょうど悩んでいたうち片方であった方のことがでてきたので、「呼ばれてる!」と思ってそちらを選んだのだった。
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二度の結婚に失敗した没落貴族の娘アイナは、今度は「トカゲの王子様」と噂される第二王子のもとへ嫁ぐことに決めた。覚悟を決めて辺境の地へ赴くアイナだったが、妻としてではなく、なんと客人として迎えられてしまう。最初は最惑ったけれど、第二王子エドウィンをはじめ、腹黒執事や怪しげな薬屋のおばばなど、少し変わったメンツに囲まれて、新しい生活を楽しみ始めるアイナ。だが、エドウィンの兄が国王に即位したことで、二人の運命は大きく動き出すことになる——
没落貴族の娘とトカゲの半身を持つ王子が織り成す感動の恋愛ファンタジー!(カバー折り返しより)
ドラゴン! と思って読みました。想像以上に庶民的で、どちらかというとほのぼのしていました。主人公のアイナが、没落貴族といえどごくごく普通の女の子だったのと、ヒーローであるエドウィン王子が、まったく王子らしくない引きこもりだったせいか。トカゲの半身を持つ王子様の趣味が、庭いじりと森の散歩だという!
最初の一話完結っぽい短い話が続いているときは、ほのぼのものなのかと思いながら読んでいたのですが、二人の「子ども」レグザスが出てきた辺りから面白くなってきました。王様に喧嘩売りにいくって、やっぱり面白い! 後半になって急に登場人物がどっと増えたのでもうちょっと長いものを読んでみたい気がしましたが、二人とも幸せそうで何よりでした。
近未来都市ウィーン——ミリオポリスと呼ばれるその都には、たくさんの言語とたくさんの神とたくさんの闘争があって、混沌の中で人々はあがき、生きていた。
機械化された身体を持ち、治安を司る組織MSSに所属する三人の少女がいる。
「死にませんわ、あたくし」鳳/アゲハ。
「坊主じゃねーし」乙/ツバメ。
「ボク、独りはやだ」雛/ヒビナ。
国連ビル内での内務大臣暗殺から始まるテロを前に、少女たちは立ち向かい、立ちすくむ——組織の内部崩壊を目の当たりにして。
互いの絆をもって戦いへと身を投じる少女たちに襲いかかる、大いなる雷鳴。
MSSの長く、熱い二十四時間が今、幕を開ける!!(カバー折り返しより)
書き下ろしじゃないからとっても話がコンパクト、かつ分かりやすかった。骨太な書き下ろしもいいんだけれど、まとまっているのも面白くてすごいなあ。
要人警護の任務に着く妖精たち。国連ビル内で発生した一人の暗殺によって用いられた細菌兵器に立ち向かうMSS。無力なただ人である冬真ががんばる回でもあります。
鳳たちのことを応援する気持ちもあるんですが、冬真の悩みがすごく等身大というか、戦っている人、に向ける思いがすごく身近に感じられて、自分もきっとこういう風に悩むんじゃないか、というものになっている。今度、彼はどんな風に成長しているんだろう。楽しみだ。
サマーアの空を覆う神の呪いは砕け散る。
天空に広がるは深く抜けるような蒼穹。
その中心で輝く黄金の太陽。
人々は驚喜した。
しかし。
夢売りと夜の王の元には、まだ二つの彩輝晶「光輝晶」と「闇輝晶」が残されていた——(裏表紙より)
夢の上、三巻め。本編最終巻。二巻の最後で起こった出来事から、真実へ、そして未来へ続く。
アライスの物語「光輝晶」、ツェドカの物語「闇輝晶」。知りたい! と思っていた二人のことを読むことができて、すごく嬉しかった。そして、いい結末でした。両面になったこの二人の物語で閉じられて、すごくよかった!
二巻から、絶対に幸福な終わりではない、と思ったけれど、やっぱり犠牲はあったけれど。それでも、夢を見た人々がとても綺麗で、苦しくて、胸がいっぱいになりました。
最後の一文に震えました。本当に面白かった! よかったしか言えないけれど、本当によかった。番外編集もぜひ読もう。イズガータやアーディンの話をもっと読みたい!
夢売りは三つ目の彩輝品を手に取った。
「心の炎——その情念がかくも美しい紅輝品を生む」
夢売りの声が広間に響く。
「これは身を焦がす炎。
成し遂げられぬ夢。
誰よりも熱く、
激しい夢に身を焦がした
『復讐者の遺言』」
その生涯を賭して挑んだ夢が語られる。(裏表紙より)
王妃ハウファ、騎士見習いダカールの物語。
一つの出来事を様々な人の目を通して見ていく、まさに結晶のような物語だなあ……。
少しずつ、物語の全体が見える(話が未来へ進んでいく)のですが、最後にええええって叫びました。確かに、幸せな未来は予感できない状況だったけれど、やっぱり辛い。
その出来事に至るまでに何があったのか。太陽姫の奇跡ではなく、誰が何を成し遂げたのか、三巻で見届けたいと思います。
いやでも、ハウファの話も、かなり衝撃だった……。復習に身を焦がした女の物語ですが、なんだろう、この人は最初からちょっと歪つだったのかな……。この話に出てくる女性陣、みんなどこかしら変わってる、と言えるくらい、精神的にすごく強い人が多いな。
夢売りは請う。
「私は、夜明けを所望します」
夜の王は答えた。
「ならば、見せて貰おう」
夢売りが取り出したのは夢の結晶。
その中心が淡い緑の光を放ち——
「これは結晶化した女の『夢のような人生』」
地方領主の娘として平凡に生きるはずだったアイナの物語。(裏表紙より)
面白いと噂になっていた、『夢の上』シリーズをようやく読みました。
噂に違わぬ面白さ! ほんっと多崎さんの話素敵だなあ! 独特な世界観なのに読みやすいし、何よりお話がすっごくいい。登場人物の明るさと取っ付きやすさに、緻密な物語が隠されている構成が好きすぎてたまらない。
時空晶と呼ばれる結晶体が存在する世界。彩輝晶は、人の夢が形になったもの。叶わなかった夢の形。夢売りと呼ばれる者が、夜の王にその夢をきかせる。夢の持ち主たちが、その人生を語り始める。叶わなかった夢とともに。やがてそれは、サマーア神聖教国と、王と、影にまつわる出来事に結びついていく。
死影と呼ばれる魔の者と、それに取り付かれた者たちを邪教として迫害してきた歴史をもつサマーア。光神王は無能、騎士団もまた、人を守らない。外の世界では太陽が輝くというのに、サマーアの空は時空晶に覆われている……つまり、影が曖昧。だからこそ、影使いたちは、太陽の輝く外つ国に居場所を見いだせるんでしょうね。
翠輝晶は、領主の一族に生まれた少女アイナが、請われて嫁ぎ、夫と共に影使いとしての人生をまっとうする物語。
蒼輝晶は、有能で器用だからこそ、退屈を抱えたと騎士アーディンの、一途な思いの物語。
アイナの物語もすっごくとっても素敵でしたが、アーディンがやばい! いいよなー器用でなんでもできるのに、一番大切なもの、望んでいるものをどうしても手に入れることができない人って! のらくらして、女遊びも派手で、と言われているのに、ひたむきなところがある男の人っていいです。
面白かった! 続き続き!
夢のような日々は、思いも寄らない形で終幕を迎えた。忽然と姿を消したアンブローシアを求めて、セドリックは親友ティモシーを頼り、再び旅に出る。しかし、灰海戦でセドリックは魔力槽に深刻なダメージを受け、まったく魔法が使えない身体になってしまっていた。ただの人間に戻った彼は、それでも“絶対信仰中枢”へ向かおうとする。そのころ、暁帝国の皇帝ベルトリーゼは、十万の艦隊を編成し、御代をかけての大親征を行おうとしていたのだった。はたして、竜王アスコリド=ミトとの結婚式へ向かうアンブローシアの真意は。そして、本当の“銃姫”の正体とは!?
銃と魔法の本格異世界ファンタジー、ここに堂々完結!!(裏表紙より)
銃姫完結巻。銃姫の正体。そう来たかー……。パルメニアシリーズ、銃姫にとってはその後の時代ですけれども、初期作である遠征王シリーズから読んでいると、銃姫の真実というのは納得ができるかな、と思いました。
闇の物語、だったなあ……。銃姫で書かれた、人が最初から心に宿しているのは闇だ、というのと、遠征王で書かれた、お前の足下には常に闇があるではないか、というのと。最後に、人のために人が選んだものは……というのが、闇でありながらすべてを生きることへと押し出す選択だったということにつながって、本当にすごい物語だった。
世界を救う勇者は光の戦士という王道を、闇の属性王として、人の闇を描きつつも、きちんと救世を目指す長編になっていて、すごく面白かった!
同人誌の「わが半身の物語」も読みました。暁帝国の面々が、すごく幸せになっていてよかった! シエラとギースがどうなるのか気になっていたので、仲良かったようで何より!
シリーズ積んでて、この一ヶ月くらいで一気に読んだのですが、一気に読んでよかった。楽しかった。興奮した。今度はプリハー集めて読もうっと!
それは、最期の戦いの始まりだった”
宝石谷を遠く眺望する丘すらも包み込む轟音——。
崩落する宝石谷の光景に、アンブローシアはセドリックの無事を案じて飛びだし、砂丘の神殿を駆け下りる。しかし、待っていたのは最悪の再会。ついに対面を果たした竜王アスコリド=ミトと王女アンブローシア。冷淡に、残酷に、嘲笑するように語られるその“罠”に、アンブローシアは戦慄を憶えてセドリックの名を呼び叫ぶ。
「生き残って!!」と…。
銃と魔法の本格異世界ファンタジー、ついに全ての弾丸が打ち尽くされる!!(裏表紙より)
生き残ったセドリックと流星軍。スラファト軍、アスコリドとプルートの思惑。そして灰海での最後の戦い。銃を使わないまま激しく魔法を使い続けるセドリックは、水の精霊王と対面する。
ええええという展開の連続の後、ルーカとのひとときにほっとし、アンとの蜜月に甘く切ない思いをする。ここになってメルメットの王女という単語が出るなあと思っていたんですが、そういう方向できたか!
アンブローシアと、アスコリド、プルートとのシーンは感動しました。
「ならば、わたしはこの灰のように降る」ヒロイン! まぶしい! ヒロインとしてのアンはなんとなく好きじゃなかったけど、ここにきて私の理想のヒロインになった!!
(中略)
「あの人の元に、たどりつくために」
流星軍とスラファト軍との最終決戦のまっただ中、瀕死の重傷を負ったセドリックは、エルを見失った心の痛みも癒えぬうちに、ミトと別れることになる。
「誰だ、貴様は」
それは、最悪の瞬間に目覚めた、彼の真の敵との出会いでもあった。
重傷を負ったまま、竜王と対峙するセドリック。一方、最果ての地で会おうと約束し、別れたアンブローシアの身にも、新たな事実がもたらされていた。
「なぜ、竜王はガリアンルードだけを執拗に滅ぼそうとしたと思いますか?」
銃と魔法が世界を律する異世界ファンタジー、ついに終局への引金が引かれる!!(裏表紙より)
アガートの過去、アスコリドとセドリックの対峙、ジュディットとチャンドラースの戦いの決着。
うおおおおお熱かったー!! チャンドラースの本心が明らかになって、涙してしまったぜ……。どこまでも臆病で、だからあらゆる分岐を予測して、英雄視されるからこそ孤独で、という人だったんだなあ……。
セドリックのデスパニックの理由も明らかに。色々とエグい。
後の世にも登場する【ルクナクス】【ミオグランデ】の名前が登場。この辺りで、あれ、もしかして銃姫は使われないで終わるのか、だとしたらどうなんだ!? と思い始める。
ついに砦を捨て、谷への撤退を迫られる流星軍。しかし谷の入り口でエルウィングの姿が見あたらないと告げられたセドリックは、彼女を捜すために砂塵の中へと飛び出していく。そしてついに彼は、エルウィングの正体を目の当たりにしてしまう——!! エルウィングとセドリックの本当の出会い、月読みのお屋敷での真実を知ることになるセドリック。 同じころ、灰海では、そんな彼等を翻弄するように、スラファト軍と流星軍の最後の戦闘が始まろうとしていたのだった!! はたして、セドリックは無事アンブローシアと再会できるのか。そして、正体を知られてしまったエルウィングは——!? 本格異世界ファンタジー、深淵に迫る第8弾!!(裏表紙より)
エルの正体バレから、アスコリドとの対峙まで。ここから一気に二巻続けて読んだので、どこからどこまでの話だったか分かっていないのですが……。
とにかく、人の命が激しく燃えて、生きている、という巻でした。戦いに次ぐ戦いで、みんながどんどん、遠くなっていく感じ……。
女性軍将校、ジュディットがかっこよくて、宿命の敵(かつて愛した男!)に燃え滾りました。チャンドラースがまだあんまり読めない人だったので(この巻では)、ジュディットの方が好きだなーと思っていたんですが、続きでもえがえらいことに。