読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

勉強が楽しいはずない。特に子供が勉強しないのは「勉強は楽しい」という大人の偽善を見透かしているからである。まず教育者は誤魔化さずこれを認識すべきだ。でなければ子供が教師の演技を馬鹿馬鹿しく思い両者の信頼関係が損なわれる。僕は子供の頃あまりに美化された「勉強」に人生の大事な時間を捧げる必要があるか疑った。が、現在(正確には21歳から)は人は基本的に勉強すべきだと考える。そう至ったのは何故か? 人に勝つため、社会的な成功者になるためではない。ただ一点「個人的な願望」からそう考える理由を、本書で開陳する。(Amazonより)
どうして勉強しなくちゃいけないの? 勉強する意味があるの? にできるだけ答えを出してみようという内容。すごくまっとうなことを言っているので、逆に反論してくる人が現れそうだと思いながら読んでいました。
結論として、勉強は楽しくない。何ができるのか、ということを考えるために勉強するのが楽しいことである。というところでしょうか。
子どもの頃はそういうことは全然わかっていなくて、ただ詰め込み教育を受けて疲れていただけでしたが、学びたいことを学べる大学は楽しかったなあなんてことを思い出していました。外国人の俳優やアイドルのために言語を習得する人も「推しが何を言っているのかわかる!」と思うから積極的に勉強できるんだろうなあ。
森さんの子育ての話がちらっと出ていましたが、ものすごく極端な感じでびっくりした。もっと詳しく聞いてみたい。
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人ならざるものを目にしてきた天涯孤独の夏目は、心優しい藤原夫妻と、妖怪のニャンコ先生、同じ妖を見たり身近にする人たちと少しずつ絆を深めている。そこにはかつて物別れに終わった人々との交流もありながら、新しい出会いもあって……。
第1話から泣かせにくるやつ!!! 無力な子どもだった夏目が剥き出して、それを一生懸命に守ろうとする田沼と多軌に泣かされる……。二人とも優しくしようとかいうんじゃなくて、友達だから、困っているから手を貸そうとしてくれているだけなんだよ、それが夏目にとってどれだけ価値のあるものか、と見ている側は大号泣でした。
そんな友達エピソード、柴田の話や、西村と北本の話もあるのが第6シーズン。普通の高校生が、普通じゃない夏目とちょっと普通じゃない田沼を振り回すところにほっこりしました。西村と北本もなあ……不思議なところのある夏目を「そういうやつ」と受け入れて付き合っているところが、なんともいいよなあ……。
さて、これで新シーズンが始まっても大丈夫になったぞ! 新作楽しみに待っていよう。
「マチルダ ザ・ミュージカル」
子どもを望まない母と男の子を望む父のもとに生まれた少女マチルダ。親の自覚のない両親のもとで生まれ育ったマチルダの楽しみはフェルプスの移動図書館の本と、即興で考えた物語をフェルプスに話して聞かせること。だが学校に行っていないことが問題になり、両親が罰金を嫌がったため、ようやく学校に通えるようになるが、そこは校長と上級生に支配された監獄のようなところで……。
原作未読。『マチルダは小さな大天才』が原作。教育を奪われながらも読書好きで、想像力豊かな賢い少女が、監獄のような学校に囚われたあらゆるものを解放し、悪者をこらしめる、子どものための楽しいお話。
こういう荒唐無稽なハッピーエンドはロアルド・ダールらしくてすごく楽しい。ミュージカルとの相性もばっちりで、いろいろな人が入れ替わり立ち代わりしながら歌ったり、大勢で踊ったりしているシーンはとても綺麗で賑やかで楽しくて大好き。
しかしまさか念動力が発現するとは……。子どもが「もし私にその力があったら」と想像する代表的なものが備わるなんて、読者をきちんと想定した設定だなあと感心しました。
子どもを望まない母と男の子を望む父のもとに生まれた少女マチルダ。親の自覚のない両親のもとで生まれ育ったマチルダの楽しみはフェルプスの移動図書館の本と、即興で考えた物語をフェルプスに話して聞かせること。だが学校に行っていないことが問題になり、両親が罰金を嫌がったため、ようやく学校に通えるようになるが、そこは校長と上級生に支配された監獄のようなところで……。
原作未読。『マチルダは小さな大天才』が原作。教育を奪われながらも読書好きで、想像力豊かな賢い少女が、監獄のような学校に囚われたあらゆるものを解放し、悪者をこらしめる、子どものための楽しいお話。
こういう荒唐無稽なハッピーエンドはロアルド・ダールらしくてすごく楽しい。ミュージカルとの相性もばっちりで、いろいろな人が入れ替わり立ち代わりしながら歌ったり、大勢で踊ったりしているシーンはとても綺麗で賑やかで楽しくて大好き。
しかしまさか念動力が発現するとは……。子どもが「もし私にその力があったら」と想像する代表的なものが備わるなんて、読者をきちんと想定した設定だなあと感心しました。

それぞれにキャンプを楽しむ女子高生たち。ソロキャンが趣味のリンは、のんびり年越しをしたその日道路の凍結で帰宅することができなくなってしまう。そんなとき、同じキャンプ仲間のなでしこから、浜松の祖母の家に行かないかと誘われる。みんなでキャンプをする楽しみを知るなでしこは、リンからソロキャンの魅力を聞き……。
実写ドラマのシーズン2。アニメで見た話ですが、実写がそのままなのでびっくりします。再現度高すぎ。
初めてのソロキャンでなでしこがホイル焼きを食べているシーンがめちゃくちゃ好きでね! 子どもたちと分け合って食べているところ、見ていて幸せな気持ちになります。コンビニ飯を作る姉弟に、いいねって言えるなでしこが尊い。
実写で見ているとより、それぞれのキャンプの楽しみ方があるんだって思えていいなー。それを尊重し会える空気が見ていて心地いい作品で、好きです。
「バクラウ 地図から消された村」
ブラジル北東部にある小さな村、バクラウ。村の長老の葬儀に参列するために村に戻ってきたテレサだが、バクラウでは水を巡る争いが続いており、市長と対立状態にあった。やがていくつかの不穏な出来事とともにこの村に惨劇が訪れ……。
ホラーかと思いきや、スプラッタでサスペンスでした。何故村が消えるのか? についてはとても現実的な理由で、そのミスリードがなかなか面白い。
つまり、ここは当たり前に戦闘を行う人々が暮らす土地であり、傭兵部隊が存在し、土地の住民と政府(権力者)との諍いが絶えないということ。それが「地図から消された」を意味しているという、ほほう? な部分が多い作品で面白かったです。しかし全裸で銃をぶっ放した後、瀕死の人間に、翻訳アプリを使いながら話しかけるのはなんか怖かったな。
ブラジル北東部にある小さな村、バクラウ。村の長老の葬儀に参列するために村に戻ってきたテレサだが、バクラウでは水を巡る争いが続いており、市長と対立状態にあった。やがていくつかの不穏な出来事とともにこの村に惨劇が訪れ……。
ホラーかと思いきや、スプラッタでサスペンスでした。何故村が消えるのか? についてはとても現実的な理由で、そのミスリードがなかなか面白い。
つまり、ここは当たり前に戦闘を行う人々が暮らす土地であり、傭兵部隊が存在し、土地の住民と政府(権力者)との諍いが絶えないということ。それが「地図から消された」を意味しているという、ほほう? な部分が多い作品で面白かったです。しかし全裸で銃をぶっ放した後、瀕死の人間に、翻訳アプリを使いながら話しかけるのはなんか怖かったな。

人気講師の「コミュニケーション講座」を書籍化! 「コミュ力」(コミュニケーション力)がアップする方法をイラストと実例で紹介。心理学をベースにしたメソッドで誰とでも話が弾むように。仕事にも日常生活にも役立ちます。コミュ力が上がれば、人生が明るく開ける!(Amazonより)
人と話すのが苦手だなあ……という人に向けた、できるだけこうやってみたらいいですよ、こういうことをちょっと覚えて実践してみるのをおすすめしますよ、という内容の一冊。初めての場所、知らない人との会話など緊張してしまう人こそ、そういう場面に向かう前におさらいしておくと落ち着きそうだなあ、なんて思いながら読んでいました。実際は書いてある内容のような会話の流れにはならないとは思いますけれどね!
ただ、最後にあった著者の方と苦手だったという先輩とのやりとり。これ、どちらもめちゃくちゃ有能で頭がいいからこそ上手くいった例じゃん! っていうのが面白かったな。頭のいい人ほど同じレベルで向かってくる人には対等に接してくれるんだなあと思った。

正史の裏に後宮あり——。国家の安定に不可欠なお世継ぎ輩出の専門機関として、古今東西あらゆる王政の影に必ず存在してきた女だけの(ときには男だけの)世界=後宮。日本の宮中内裏と大奥、トルコのハレムにフランスのヴェルサイユ、中国皇帝の後宮からロシアの女帝が作った男のハレムまで、禁断の花園の内側を人物に沿ってドラマチックに紹介します。寵愛をめぐる際限なきバトルの中で生まれた純愛・悲恋の物語、背徳のエロスに残酷きわまりない事件、そして贅沢こそが生みうる薫り高き宮廷文化まで、「愛」と「政治」と「文化」のスリリングな三角関係があらわとなる歴史の裏舞台をこっそりとご覧ください。(裏表紙より)
日本の大奥、中国の後宮、トルコのハレム、イタリアのローマの色恋、フランスの宮廷、ドイツとオーストリア、そしてロシアの帝位に絡めた、歴史的に有名な女性たちのいろいろなエピソードをまとめたもの。ざっくり入門編で、大奥とフランスの話が多い印象です。
大奥やマリー・アントワットなどの逸話はそれなりに知っているので、それとはちょっと関係のない人や世相のことを読むのが楽しかったな。
大奥入りした踊りの名手の人生、めちゃくちゃすごいな!? この人に焦点を当てた話が読みたい。
フランスの、結婚した後からお手つきになるべく、家族総出で成り上がろうとするのが常識だったっぽい雰囲気。家族が喜ぶって相当すごいと思いました。

夢の中と現実の落差を嘆いたのび太。頼ったドラえもんにはもっと現実で頑張るように叱責されるも、結局ひみつ道具を出してくれ、好きな夢が見られるカセットを使った「気ままに夢見る機」を使わせてくれる。しかしそんなのび太に怪しい老人が近付き『夢幻三剣士』のカセットがあることを教えていく。それはある企みがあってのことで……。
のび太たちにとっては夢の世界ではあるけれど、その世界の住人にとっては本当の、もう一つの世界とも言える場所での冒険。いかにもRPGっぽいので騙されそうですが、だいぶ深いぞこの話。一回死んでるし。ラスボス戦でメンバーが全員揃っていないのも珍しいし、謎めいたキャラクターもいるし、色々と挑戦的な感じもしたなあ。
のび太というキャラクターの人間性を本編以外でよく描いた作品だったように思います。弱っちくて甘っちょろい、なんてことを言われがちだけれど、本当に心の優しい子なんだという。

幼い頃から人ならざるものを目にしてきた夏目貴志。天涯孤独の夏目は、人には見えないそれらを見るために気味悪がられ、親戚のもとを転々とする日々だった。心優しい藤原夫妻のもと、大妖だという斑ことニャンコ先生とともに、祖母レイコの遺品である「友人帳」を手にして妖と人と繋がっていく夏目だが、一方で妖怪たちを利用しようとする祓い屋たちと対立することもあり……。
祓い屋関係を交えつつ、ちょっとほっこりする妖たちとのいい話が多い印象の第5シーズン。
朱遠のエピソードに泣き、塔子さんと滋さんのカラスの話で泣き……やっぱり好きなエピソードには涙が溢れてしまいます。一生懸命なものには手を貸したくなる、優しい人たちを大切にしたいと思う、そんな夏目のことがもっと愛おしくなるんですよね。
ここまでくると夏目もだいぶ落ち着いたかなあという感じがしてくるな。いつも所在なさげに、ここにいていいんだろうか、と思っていた夏目が「守らなくちゃ」と走れるのはそこを居場所にしたいからだと思うんですよね。
「ボクたちはみんな大人になれなかった」
46歳。つまらない大人になってしまった。テレビ番組の制作会社で働く佐藤は、ある日Facebookに初めて付き合った彼女のアカウントが表示されていることに気付く。そこには家族と「フツー」の幸せな日々を送る姿があった。結婚を決めておきながらそうはならなかった彼女、その前の、売春をしていた外国人の彼女、そして初めての彼女……現在と過去を思いながら佐藤がたどり着いたのは。
全員が未熟で、何かが足りずにいた。そうして何も変えられないまま日々を続けていく、どうしようもなさを感じる作品だったなあ。「フツー」という言葉への、嘲りと、どうしようもない羨望。そうなりたいけれどそうなりたくないという相反する気持ち。子どもにも戻れないし大人にもなりきれないのって苦しい。仕事をし、結婚して家庭を作り、子どもを育てるという「フツー」、すなわち大人になれずにいる佐藤なので「ボクたち」で括っちゃいけないんじゃないかな、なんて思っていたので、最後の「ボクたちはみんな」で止まる一文の余韻がよかった。私ならこの文章を「ボクたちはみんな大人になりたかった」と書くだろうな。
46歳。つまらない大人になってしまった。テレビ番組の制作会社で働く佐藤は、ある日Facebookに初めて付き合った彼女のアカウントが表示されていることに気付く。そこには家族と「フツー」の幸せな日々を送る姿があった。結婚を決めておきながらそうはならなかった彼女、その前の、売春をしていた外国人の彼女、そして初めての彼女……現在と過去を思いながら佐藤がたどり着いたのは。
全員が未熟で、何かが足りずにいた。そうして何も変えられないまま日々を続けていく、どうしようもなさを感じる作品だったなあ。「フツー」という言葉への、嘲りと、どうしようもない羨望。そうなりたいけれどそうなりたくないという相反する気持ち。子どもにも戻れないし大人にもなりきれないのって苦しい。仕事をし、結婚して家庭を作り、子どもを育てるという「フツー」、すなわち大人になれずにいる佐藤なので「ボクたち」で括っちゃいけないんじゃないかな、なんて思っていたので、最後の「ボクたちはみんな」で止まる一文の余韻がよかった。私ならこの文章を「ボクたちはみんな大人になりたかった」と書くだろうな。