読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
声と記憶を取り戻したセラと、文字の呪縛から解かれたウォルターを加え、旅を続けるアンガス一行。歌姫だったセラの無事を伝えるべく、彼女の故郷カネレクラビスへ向かう彼らだが、ついにそこにも文字禍が及んでしまっていたのだった!! いっぽう、文字の回収が進み、記憶が戻るにつれ、姫の表情は曇る—―この私が文字を撒いた張本人なのか、だとすれば、私は何者なのだろう、なぜ世界の滅亡を望んだりしたのだろう―—(裏表紙より)
文字回収の旅は仲間も増え、できることも増えてきて、アンガスは本当に楽しそう。けれど、アザゼルの物語は次第に、天使と地上の戦争、そして世界への滅亡へと歩み始めていく。
段々とアンガスとアザゼルが重なってきたような気がします。彼の周りにいる人たちは、みんな彼を目指して集まってきたのではないかと感じ始めると、「来世で」という言葉に涙腺が大打撃を受けてしまうんですが!
文字の災厄は、ついにアンガスの大切な人たちがいるバニストンにまで及ぶ、ところで終わったので、四巻早く!
PR
病に倒れた母のため、一度は捨てたはずの故郷へ、七年ぶりに〈姫〉と帰るアンガス。記憶を失い、やがては死に至るという〈忘れ病〉は、母だけでなく、すでに町全体を蝕んでいた。初めて見る不吉な病に文字の気配を感じる二人だが―—!? 一方、バニストンで彼の帰りを待つセラに、エイドリアンは語り始める。アンガスの過去を、そしてその背負う運命を……。シリーズ急展開!(裏表紙より)
本格的に文字回収の旅となってきて、呪われた大地と人の、悲しい欲や絶望を次々に取り戻していくアンガスと姫。その一方で聖域から落ちてきた「俺」はアザゼルという名を貰って、大地の民として暮らし、運命の恋をする。
アンガスと姫の文字回収が、何者かの意志が働いているのではという疑惑がはっきりし始めてくる第2巻ですが、気になることを言い残していきやがりましたので、まだ何かありそう。
しかし、美少女セラはすごかった。ド肝を抜かれた。そのせいで声優がかないみかさんになってしまった……笑
「滅日」によって大陸中に散らばった、世界を蝕む邪悪な存在——文字。天使の遺跡を巡り、本を修繕する少年アンガスは、文字を探し回収するために、〈本の姫〉と旅を続けている。ある日、無法者たちから救い出した少女に、文字の気配を感じた彼は―—。圧倒的な筆力と緻密な世界観を持ち、第2回C★NOVELS大賞受賞作『煌夜祭』で話題騒然の多崎礼が満を持して放つ新シリーズ、堂々開幕!!
『煌夜祭』を読んだと思っていたんですが、どうやら記憶違いらしく(なんでだろう……? すっごい面白かった記憶があるんですが記憶だけねつ造……?)初、多崎さん。『〈本の姫〉は謳う』の中には、堅実で、風や土や空と海を感じる世界が広がっていました。
天使族が存在していた世界が一度滅んで、文字(スペル)という魔法の言葉が散り散りになり、人間に悪影響を及ぼしているソリディアス大陸。銃と鉄道、新聞が存在している世界で旅をする、隻眼の少年と本の中の住人である〈本の姫〉。その旅の合間に、過去らしき、ある天使の墜落までが挟み込まれる。
とりあえず文字を集めようという第1巻なので、謎といえば何故世界がそうなったのかということと、主人公アンガスや少女セラの過去や〈本の姫〉の謎なのですが、こういう謎がすごく均等に配置されていてとてもわくわくさせてくれる。すごい。文章が巧みすぎてするする読んでしまった。いいなあこういう文章書きたい。
十九世紀末、パリ。華やかなオペラ座の舞台裏では奇怪な事件が続発していた。首吊り死体、シャンデリアの落下。そして、その闇に跳梁する人影……“オペラ座の怪人”と噂されるこの妖しい男は一体何者なのか? オペラ座の歌姫クリスティーヌに恋をしたために、ラウルは、この怪異に巻き込まれる。そしてその運命の夜、歌姫とラウルは、まるで導かれるように、恐ろしい事件に飲み込まれてゆく。オペラ座の地下で、闇を支配する怪人と対峙したラウルが目にした、想像を絶する光景とは? そして怪人と歌姫の真実とは? 不朽の名作『オペラ座の怪人』の新訳決定版、ついに刊行!(裏表紙より)
アンドリュー・ロイド=ウェバーは罪深い……というのが読了時の感想でした。あんな華やかでロマンチックでファンタジーなミュージカルを作ったのは誰だ! あなたか!
原作は奇怪な事件と不幸せな男の物語という印象でした。記者がかつてオペラ座とその関係者で起こった事件を探っていく。手記や人から聞いた話を元に構成されています。登場人物はみんな偏った見方しかできない神経質すぎる人たちばかりで、特にラウルとクリスティーヌの夢見がち具合はすごかった……。泣くか叫ぶかでした。そしてやっぱりオペラ座の怪人は可哀想だった……。
終盤の畳み掛けがすごかった! ファントムが語る、クリスティーヌとの最後の触れ合いが、もう胸に突き刺さってきて、身も蓋もない言い方をすれば音楽の天使を崇めていたクリスティーヌこそ最後に天使になったんだ……という。すすり泣くファントムがどれだけ嬉しかったのかと思うと、胸が苦しい。
僕の役割は本の解説や批評ではありません。(略)自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思いました——(本書はじめにより)。お笑い界きっての本読みピース又吉が尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介を通して自身を綴る、胸を揺さぶられるパーソナル・エッセイ集。巻末には芥川賞作家・中村文則氏との対談も収載。(裏表紙より)
本の紹介というより、過去話を中心にしたエッセイ。本の内容も気になるんですが、又吉さんの過去の話をもうちょっと詳しく! なんだその子ども時代は。
アホなことしたなあという子ども時代があるあるすぎて身につまされる。よく考えればおかしいな、変だな、理不尽だなって感じることを普通に流していた自分の子ども時代を思い出す。
好きなのは、古井由吉の「杳子(『杳子・妻隠』)より」のエッセイ。短編を読んだ気持ちになった。
どれもちょっと笑いのエッセンスがあったり、寂寥感や、シニカルな感じがあるんだけれど、又吉さんで文章のセンスがすごい人なんだな。面白かった。
美由紀は幼稚園以来9年間、理世にずっと片思い。別の小中学校に通う理世とは384,403km――月と地球の距離のように遠いと思っていた。念願かなって女子高で再会するも、傷つくのを恐れる美由紀は理世への想いを告白できず悶々とする毎日。理世が先輩とHしているのを目撃! 殺意を覚えるほどの嫉妬が燃え上がり、理世を奪おうと決意する。玄鉄絢巻頭コミック&イラスト収録!(裏表紙より)
ついにこの感想記録にも百合が進出してきまして。同性ものも割といける口なのね、と自己確認しました。ティアラ文庫では珍しい、現代もので百合ものです。
見た目とは裏腹にネガティブ思考の美由紀。一方、気ままで人から好かれる性質の理世。ずっと理世を思い続けて、やっと会えると思ったら、自分の臆病さや理世の気ままさに傷つく美由紀。女の子が自分はおかしい、自分は変なんだ、こんな風に想像するのはおかしいんだ、と思いながらも好きでいることを止められないじれじれ感が可愛くて! 好きっていうのは自分も傷つくよねーましてや相手が女の子だもんねーと。晴れて恋人同士になった二人の、夢を見ているような浮遊感がまたいい。現実を遠くにして恋をしている女の子たち。
「ef - a tale of memories.」を見てました。ゲームのムービーに新海誠さんが携わってたなーと思って、ゲームではなくアニメの方を引っ張り出してきました。
復興し、西洋風の建物が集まる音羽の街。漫画家の高校生と孤独な少女、幼馴染みの少女と輝く一瞬を切り取りたいとカメラを持っている少年、夢がないことに悩む少年と十三時間しか記憶が続かない少女、の三組の物語。
映像の作り方が独特で有名だとは知っていたのですが、MAD向きとか思っててすみませんでした。
お話は少年と少女が出会ったことで、何かを見出していくまで。女の争いとか、青いがゆえの台詞とか、自分の醜い感情とかが描かれているんですが、シンプルすぎて逆にびっくりした。これPCゲー(婉曲表現)って、少女漫画か携帯小説か! ってくらい分かりやすい話でした。べたがゆえに映像が綺麗で、工夫がされていて面白いなーと思いながら鑑賞しました。
紘とみやこの最後の電話のシーンは、すっごい演出だったと思いました。あれは、やばい。あれはすごい。どういう仕掛けか分かっていながらもめっちゃどきどきした。感動した。それから蓮治と千尋の最後もよかった。最初から提示されていたのに頭から抜けてて「やられたー!」と思いました。だよねーそうだよねー簡単に気持ちって消えないよねー(ぐすぐす)
ティッセとも和解し、久しぶりに訪れた平和が破られたのは突然だった。ムイの前に現れたラーシェンが告白し、それを見たフィンドルがいきなり唇を奪ってきたのだ。混乱するムイにはさらなる災厄が! グリジスの策略で、バレンとの婚約が進んでいた。しかもバレンを領主にし、ムイは領主を解任するという。今度はもう逃げられそうにもなくて…!? 人気シリーズ、ついに完結!(裏表紙より)
ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ8巻にして最終巻。ティッセとの和解と領主問題。三角関係が終わらなかったのが残念。どちらとも拮抗していた様子だったし、決着は無理かなあと思っていたらそのまま終わってしまった。私はラーシェンを推したい。
ティッセとのお出掛けがよかったなあ! 本屋さんに行く二人が可愛くて。ティッセの考えていることは策略なんだけれど、二人で選ぶというのが大事。
ムイの進路が気になる結末でした。
幻獣《巨狼》の守護を受けるヴォルフヘルト王国。十三歳より前の記憶を持たない伯爵家令嬢・シャルラハロートは、雪に閉ざされた館で婚約者である王太子の訪れを待つ日々を送っていた。結婚を間近に控えたある日、彼女は道に迷った謎めいた異国の青年を救う。炎を纏う剣をあやつる彼との出会いが、シャルラハロートの運命を大きく変えていく—―。記憶を失った姫君と彼女を愛し熱望する王太子、異国の青年が織りなす幻獣ファンタジー!(裏表紙より)
もふもふ! もふもふ! 獣要素がてんこもりでした。雪狼はきっとふっさふさもっふもふなんだろうなあうっとり。
北欧神話を彷彿とさせるヴォルフヘイト王国の、記憶をなくした姫君の物語。異常なほど自身で考えることを封じられたシャルラハロート。病的に彼女に執着する王太子グラナート。余談ですが、この時点で「これ、○○で、○された○○○は○○○○なんじゃないかなー」とネタを割ってしまった自分はただの病的なファンです本当にありがとうございました。
とにかく、静かで平穏な、けれどどこか狂的な雰囲気で暮らしているシャルラ。頭のいい人なので、どこかおかしいと感じながら窮屈そうに過ごしているのが伝わってくる冒頭。よくある『囚われの姫君』のキャラクターは、迷い込んだ青年アルと関わったことで変化していく。途中までやっぱりお姫様な子なのかなと思っていたんですが、記憶を取り戻した瞬間からすごかった。完全に一人で立ってしまった。王子様なんて必要ないくらいに。その劇的な変化におおっと思いました。アルと一緒にいる時も、しっかり者というか、お茶目なところがあったりして、思わず駆け寄って引っ付きたくなるような少女でした。
シャルラハロートの選択は、前述を踏まえるととても正しいものだったと思います。恋愛的にはもうちょっと! らぶを! と思ったんですが、もし二人がもう一度会うなら、きっとシャルラが王子様なんだぜーと想像してにやにやしました。
あと、若干『白竜の花嫁』を彷彿とさせる設定があるんですが、もしこの世界があの世界と関係するのだとしたら、この台詞は何か意味のあるものなのかな。もしそうだったらとても嬉しい。
「理想は、互いに愛し合う男女が天地にかけて夫婦になる——というものでしょうね」