読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
グラナダに辿り着いた錆丸一行は、無事砂鉄たちと合流を果たす。あとは金星特急の到着を待つばかり。根城にしたアルハンブラ宮殿で、錆丸たちはイェニツェリの追撃を避けつつ列車に乗り込む作戦を練る。一方その頃、兄の砂鉄に恋する彗星含む“許されない恋をしている少女たち”が、金星の庭に集められていた。時空を超えたその場所で、錆丸の蜥蜴ウェルの目を通して旅の一部始終を見せられていたのだ―—。いよいよクライマックスへカウントダウン、人気シリーズ第6弾!!(裏表紙より)
状況が状況なのですが、みんながやることをやって生活しているのがなんだかほっこりします。さんざんおかしい人たちだと感想に書いてきたけれど、過去の話などを読むと、みんなちゃんと傷ついて少しずつ強くなっていた人たちなんだなあと思う。
錆丸が、本当にいい男になってきた! 最後はぞくぞくっと震えが走った。かああっこいいいいい!!! あんな風にプロポーズされたら落ちるよなあ……。ちゃんと欲しい答えが手に入るのだろうか。伊織兄ちゃんはちゃんと応援してくれそうだし、これからきっといい未来が手に入ることを願いつつも、不穏な気配があってどきどきする。
砂鉄とかユースタスのあれそれにはきゃー! ってなったんですが……前半の、金星の庭にいる少女たちの視点が後半になるとまったくなかったのがほんと恐い。がくぶるするほど恐い。これ死人出るのと違うか……。みんな、死ぬことを覚悟して乗ってきた人たちだもんなあ……。
残り一冊!
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夏草と三月を雇い金星特急を追う錆丸。だがイスタンブールで戦闘集団イェニツェリに捕まり、純国語普及委員会に監禁されてしまう。狙いは錆丸の持つ金星の情報。正しい世界語の普及を推進する団体である純国普が、なぜ金星について知りたがるのか? 疑問を覚えつつも錆丸は独力での脱出を試みる。一方、特急内の砂鉄は無事一命を取り留める。ところがその直後、突然列車が乗客たちを降ろして走り去ってしまい!? 物語はいよいよ核心へ——。人気シリーズ第五弾!!(裏表紙より)
今回もあわわわという。女の子組のちょっと不思議な楽園世界(っぽい)シーンはほのぼとしていたんですが(カラーイラストもすごく綺麗でかわいくて)なのに、最後にひえええと悲鳴。
錆丸は乗り込んだ時より、かなり度胸もついたし考えることもできるようになっていて、成長したなあと思います。はったりかますところすごくかっこいい! こういう子っていいなあ。好き。でも、ユースタスと砂鉄についてはそれなりに情報が開示されたものの、まだ明かしていないことがあるらしいので、もう本当に心臓ばくばくだ。
夏草と三月のあれそれに心臓がぎゅんぎゅん言いました。こうさー殺し殺されることで生きている人が、ちょっとずつ目を見開かされていくのに弱いというか。結局何にも勝るのは純粋な温もりや絆なんだなっていうのがさー……。
あとはあとがきに噴いたんですが、それよりもすごく爆弾が投下されましたよね。なんだ。なんだあれ……。なんて、なんて男前が……!
様々な人々、それぞれ立場、様々な場所の話なのですっごく振り回されるんですが、それがすごく楽しくて。いい本だなあ。読んでいてすごく楽しい。
心臓を貫かれながらも一命を取り留めた錆丸だが、目覚めると月氏の幕営地からも遠く離れた草原の彼方にいた。スクープ目当てのマスコミに攫われたのだ。捜索にやって来た黒曜によって自由は取り戻すものの、期限内に金星特急に戻ることはかなわない。自身が樹に変わる瞬間を静かに待つ錆丸の運命は……!? 一方、特急は定刻通り発車する。不本意ながらもアルベルトの護衛に雇われた砂鉄は、錆丸のいない車内でユースタスと殿下を守りつつ旅を続けることになるが……?(裏表紙より)
いろんなところにいろんな情報を持った人が散ってしまっているので、まだまだ謎の解明に辿り着くまでは長いようですが、何が起こるかどきどきしながら読んでいる。金星の目的が本当にはっきりしないんだよなあ。世界の成り立ちに関係するんだろうか。伊織兄ちゃんは錆丸じゃなくて金星に追いつこうとしてるんじゃないかなーとかもあるけど、純国語普及委員会の目的が分からん。
ユースタスの理由が分かりましたが、更なる謎が関係するのかと! お前もかと! アルベルト殿下はちょー恐いし、金星特急に乗った人間はやっぱりみんなどこかしらおかしいのだなあ……と思わずにはいられない。しかし、ユースタスがまじ少女小説の人っぽくてなんだかどきどきしてきた。うまくいくといいけど、どうなるかなあ。
錆丸達の車両に新たに言語学者のアルベルトが加わった。頭の回転が早く口が達者な彼は、早速砂鉄と犬猿の仲になる。そんな中、金星特急が停車したのは草原のど真ん中、砂鉄の属する傭兵集団・月氏の幕営地。傭兵の入れ替わりの祭《羊追い祭》の開催期に居合わせた花婿候補達は、強制的に祭に参加させられることになる。傭兵の一人に挑戦しこれを倒せなければ、草原の彼方に追放され列車の出発に間に合わない。腕に覚えのない錆丸、この危機をどう乗り越える……?(カバー折り返しより)
何とも思わずにつるつる読んでいたんですが、三巻目になってはっと「私……はまってる……!」と気付く恐ろしいシリーズ。夜中に読んでいたんですが、三巻を置きながら「寝たくないよう……読みたいよう……」と言いながら眠る深夜二時。
二巻目が冒険ものっぽかったので、つい忘れていたんですが、そうですこれはサバイバルでした……というのをアルベルトの行いで思い知る。ひいっ! と悲鳴をあげました。面白いけどひどい! 何人か脱落しそうなのがいるなと思いながら、錆丸は大丈夫かなとどきどきしていたんですがここにきて「さび……まる……?」とおっかなびっくり名前を読んでしまう事件が発生。金星にまつわる過去については予想通りとしても、もしかして錆丸、永遠に子どもでいたいとか願ってないよね……? と恐ろしくて震える。
それぞれの思惑で協力関係を結んだ三人が、なんとなく別の感情でも繋がり始めたことが感じられてきました。一番予測不能っぽかった砂鉄にまつわることが明かされましたが、ユースタス、錆丸の謎がまだまだありそう。続きを読む!
神霊の存在や自分の力と向き合うため、生まれ育った紀伊山地の玉倉神社を出て、東京の鳳城学園に入学した鈴原泉水子。学園では、山伏修行中の相楽深行と再会するも、二人の間には縮まらない距離があった。弱気になる泉水子だったが、寮で同室の宗田真響と、その弟の真夏と親しくなり、なんとか新生活を送り始める。しかし、泉水子が、クラスメイトの正体を見抜いたことから、事態は急転する。生徒たちはある特殊な理由から学園に集められていたのだった…!!(カバー折り返しより)
二巻。まだ怯えている泉水子ですが、一巻よりだいぶとましになってきたなあ。十五歳から十六歳くらいが一番いろんなものが恐い時期だよねと思いながら、相変わらず深行は余裕がないですが、真響や真夏が結構余裕がありそうなので、四人集まるとなんとか支えられているという感じ。本当に、ちょっと特殊な生まれ育ちをしているだけで、普通の子どもたちなんだなあと思う。二巻目はまだほとんどのことが分からないままなので、余計に普通の中で頑張っているように思える。
深行はなー。ヒーローとしてちょっとまだ子どもっぽくて。どっちかというと、真夏の方が泉水子と組んでいると安心するんですが! 真夏は少しだけ人と距離を置く子だし、真理をつく子だから相性はいいと思うんですよ! いやでも深行の成長をもっと見たい!
金星特急には途中乗車も下車もできない。強行すれば樹に姿を変えられる。次々と困難に襲われる中、錆丸は砂鉄とユースタスに助けられてばかりの己を腑甲斐なく思い始める。強くなりたい、せめて自分を守れるくらいに—―。金星特急の次の停車地は密林のど真ん中。金星の所望する《王の火》なるものを手に入れるため、密林の奥深くに分け入った錆丸達だが…!? 三人の関係も動き出す、人気シリーズ第二弾!!(裏表紙より)
上海を出発し、今度はインドシナ周辺のジャングルへ。ジャングルサバイバルは厳しい……が、砂鉄のサバイバルスキルと、ユースタスと錆丸の組み合わせは結構安定して先を進んでいる感じ。錆丸は子どもなので力がないのは当たり前なんだけれど、金星特急に乗った時点でスキルがないと進みにくいのは不利だよなあ。
棕櫚王とのやり取りは、ほっこり、しんみりした。錆丸と棕櫚王から見た砂鉄が完全に保護者なのでなんだかちょっと嬉しくなる。
ジャングルの後は、チベットへ。すんごいあっちこっち行ってるなこの列車。ユースタスの女性疑惑が出てきたけれど、どっちにしろ、誤摩化しても誤摩化してなくても何か秘密がありそうで気になる。
絶世の美女『金星』の花婿に選ばれれば、この世の栄華は思いのまま。だが花婿候補を運ぶ特別列車『金星特急』に乗って、帰ってきた者は一人もいない——。一目惚れした『金星』に会うため、入ったばかりの高校を中退して『金星特急』に乗り込んだ錆丸。やたらと腕の立つ正体不明の無愛想男・砂鉄と、天然大喰らいの美貌の騎士・ユースタスを仲間に、錆丸の途方もない旅が幕を開ける。胸躍る本格冒険活劇スタート!!(裏表紙より)
本読みの方々がベスト10を挙げるなら確実にランクインする(と勝手に思っている)『金星特急』をようやく読み始める。
どこかしら現代を引き継ぎながら異世界になっているその場所で、謎の列車、金星特急に乗り込んだ少年の物語。まだまだ旅は始まったばかりだけれど、容赦なく人がロストする。選ばれなければはじき出される無慈悲な金星特急の旅。金星とは何だ。旅の仲間になった砂鉄とユースタスは何者なのか。錆丸も気になるなあ。一目惚れが強調されていたけれど、そんな「俺が選ばれてやるぜ!」という熱い調子ではないので、「いつ」一目惚れしたのかっていう仕掛けがありそう。
最終巻まで読んでいきます。
山伏の修験場として世界遺産に認定される、玉倉神社に生まれ育った鈴原泉水子は、宮司を務める祖父と静かな二人暮らしを送っていたが、中学三年になった春、突然東京の高校進学を薦められる。しかも、父の友人で後見人の相楽雪政が、山伏として修業を積んできた自分の息子深行を、(下僕として)泉水子に一生付き添わせ(カバー折り返しより)
読んだのは単行本。
アニメも始まったことなので、長らく読んでいなかった単行本をようやく読みました。アニメは結構色々省いているんだなあ。でもちゃんと原作に添っているみたいでよかった。
泉水子のあれこれが、思春期の、世界の何もかもに萎縮する女の子っていう感じだなあと思いました。何かにつけてびくびくして、どうしようと不安に駆られている。友達との関係にも、自分のことを下に置いていたり、去られるのが恐ろしかったり。深行でなくとも苛々する女の子だなと思います。正直読みながら(アニメも見ながら)大丈夫なのかなこの子と不安になる主人公。
けれど、和宮と向き合ったときの泉水子は、言葉や態度は子どもっぽくて拙いながらも、凛とした印象で、この子は強くなるかもしれない、と感じさせる何かがありました。
泉水子もそういう風に、ちょっと不安な子だったんですが、深行もなあ。今時の子というのか、自分のことに手一杯で、世慣れない泉水子を何とか引っ張り出してやろうとも思わないのがなあ笑 守ってやるとまでは難しくても、もうちょっとちゃんと見てやれよ少年! ここから変化が見られるのが楽しみです。
身分を隠すための仮装をして楽しむ、10年に一度の賭博祭の最中、アジェンセン公国北部のナンセで領主の継承問題が起こった。その頃ジルとルシードはお互いを思いやりながら、秘密裡に進めていることがあった。つけ込んで来たのは隣国の若き王子オース。13歳の彼は野心家で策略に富んでいて、ナンセを自分の支配下に置こうと考えたのだ。ジルとオースの知力合戦が始まった! その時ルシードは…?!(裏表紙より)
前巻「恋とお忍びは王族のたしなみの巻」からの続き。賭博祭の最中に起こった継承問題、ジルとオースの計略戦、ルシードのトーナメント戦など。勝利を捧げるという儀式の大事さ。国を治める者としての知略。ファンタジーの見所をいっぱいに詰め込んだなあという。見所がいっぱいで、めちゃめちゃかっこよくてときめきもいっぱいあって大満足でした。でも更にジルの謎が深まったなあ……。
でも本当にルシードがかっこよくて! この人はいきなり大事なところでかっこよくなるからもう好き! ってなるな。統治者としての知略は持てないけれど、彼には神様からの愛があるんだろう。多分、どんなことでも最後に物を言うのはその部分だと思うので、これから先ルシードにどんな困難が待ち受けていても、ぎりぎりのところで勝利を掴めるのではないかなと思う。
「わたしを可愛がりなさい」が可愛すぎて。それに対するルシードの答えがばか! ばかばか! ちょっとずつ距離を縮めてるのがいいなあ。可愛い。