読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

恋だ! 仕事だ! 婚活だ! 彼氏いない歴二年の鑓水。年上社長と同棲中の朝日。遠距離恋愛に焦る壺井。DV男にハマる桶川。果てなき不倫に溺れる横山。彼女たちは悩めるアラサー女子「野良女」。今宵もお酒片手にあけすけなガールズトークに花咲かす。飲んで笑って、ちょっぴり泣いて——。アラサー女子のおかしくも切ない日々を軽快に描く連作小説。(裏表紙より)
宮木さんのいわゆるA面に属する話。あけすけに性生活とかそういう話をするアラサー女子五人の連作。
馬鹿馬鹿しくって、とても真剣で、ちょっと可哀想ですごく楽しかった。女子が集まってどうでもいいことをだらだら話しているのが好きだったりするのですが、もう本人たちは至って真剣な食べて飲んでいるシーンは欲求だだ漏れでおかしかった。
結局みんなそれぞれに何かしらに諦めをつけたり、変化してみたりするのですが、こう、だらだらと続いていられる友達っていいなあと思いました。
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画面に現れたのは共和宇宙でも五指に入る大手保険会社キャピタル・ジェネシスの役員、ビル・ロギンスである。
「マクスウェル船長。——実はガリアナ星系へ跳んでもらいたいのです」
ダンの表情が少し変化した。
ガリアナ星系は年間数十万隻が通行する航路だが、海賊が跳梁跋扈することで有名な宙域でもある。
「海賊被害を減らす切り札となるかもしれないものを、なるべく速く届けていただきたいのです」
断ろうにも既に断れない雰囲気だ。
「おばさん、えらい人はどこ?」
ジャスミンはそれが自分に対する問いかけとは思わなかった。幼い少女の声だったからだ。
——ダンへの緊急依頼とジャスミンに声をかけた少女。この二点が重なる時、とても恐ろしい事件が……(裏表紙より)
この時代にはすでに旧式となっている《門》を用いた航海が行われているガリアナ星系。《門》を使う海賊が横行し、人質を取って身代金を要求するのだが、人質三人が帰ってこない。ジャスミンは偶然出会った少女とその家族に事情を聞き、ケリーとともに自ら救出に乗り出すが……という怪獣夫妻の話。
相変わらずジャスミン最強。なのになんだかんだ言いながら、ジャスミンもケリーも夫婦として相手のことを愛しているっていうのがにやにやです! しれっとのろけるから、ちょ、ちょっと詳しく! ってなりながらもそれが怪獣夫妻のいいところですね。
面白かった。

時は幕末、処は江戸。貧乏御家人の別所彦四郎は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、霊験あらたかにも神様があらわれた。だが、この神様は、神は神でも、なんと貧乏神だった! とことん運に見放されながらも懸命に生きる男の姿は、抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。傑作時代長篇。(裏表紙より)
作業の合間のちょっとずつ読もう、と思って手元においていたんですが、これが段々と面白くなってきて!
時代物はあんまり読まないので、倒幕やら志士やらという話は一般的に坂本龍馬、勝海舟サイコー! みたいなものが刷り込みされているのですが、この作品の武士側から見ると、武士とはこういう存在だったのだな……と染みるような感慨がありました。いちいち、彦四郎が哀れ、かつ、かっこよすぎる。不運でいるところに頼んでしまった神が、貧乏神、疫病神、そして死神。死神をどうするのかと思いきや……貫いた彦四郎は強い心の持ち主だ。最後がもう粋って感じ。
そしてまた、この神々の人間臭いこと。涙もろくて、情に流されやすくて、だから人間の近くにいるのかなと思ったりする。
面白かった!

姫とともに文字を回収する旅も終わりが近づく。しかし世界の滅亡を望むレッドはバニストンに災厄の種をまき散らした。懐かしい街、恩ある人々の危機に必死に闘うアンガスに彼は言い残す。「オレを殺す覚悟が出来たら第七聖域まで来い」追い詰められていくアンガスは「希望」を捨ててしまうのか? そして〈俺〉という語り手によって紡がれたもう一つの物語が交錯する時—―! 多崎礼の手で緻密に織られた世界がここに完結する。(裏表紙より)
二巻、三巻で、だんだんとこれは「巡る」物語なんだと分かっていましたが、分かっていただけに、辛さも喜びもひとしおでした。みんな、「希望」のもとに寄り集まって、再びこうして手を貸してくれたんだと思うと、光ってすごいなあ。
バニストンで起こった災厄、しかしそれは絶望への一歩でしかなかった。結果、大切な人が失われ、憎しみに取り憑かれるアンガス。しかし、そんな彼を救ったのは、セラを始めとした、希望を求めた人々の存在。アザゼルの物語もまた終局を迎えていき、アンガスという存在が何者であったのかが明かされる。
世界の運命の観測、という実はすごく壮大な設定があるんですが、そういう大層なものではなくて、アンガスが、アザゼルが、足掻いてもがいて旅をしたり何かを得たりする、多分希望を見つけるための話だったと思います。
最後は、どうせだったらみんなと未来を語り合っているアンガスが見たかったなー! と思いながらも、ハッピーエンドを観測するアンガスとセラを見ることができて本当によかった。私も彼らの世界が希望に溢れていることを祈る。
面白かったです。

声と記憶を取り戻したセラと、文字の呪縛から解かれたウォルターを加え、旅を続けるアンガス一行。歌姫だったセラの無事を伝えるべく、彼女の故郷カネレクラビスへ向かう彼らだが、ついにそこにも文字禍が及んでしまっていたのだった!! いっぽう、文字の回収が進み、記憶が戻るにつれ、姫の表情は曇る—―この私が文字を撒いた張本人なのか、だとすれば、私は何者なのだろう、なぜ世界の滅亡を望んだりしたのだろう―—(裏表紙より)
文字回収の旅は仲間も増え、できることも増えてきて、アンガスは本当に楽しそう。けれど、アザゼルの物語は次第に、天使と地上の戦争、そして世界への滅亡へと歩み始めていく。
段々とアンガスとアザゼルが重なってきたような気がします。彼の周りにいる人たちは、みんな彼を目指して集まってきたのではないかと感じ始めると、「来世で」という言葉に涙腺が大打撃を受けてしまうんですが!
文字の災厄は、ついにアンガスの大切な人たちがいるバニストンにまで及ぶ、ところで終わったので、四巻早く!

病に倒れた母のため、一度は捨てたはずの故郷へ、七年ぶりに〈姫〉と帰るアンガス。記憶を失い、やがては死に至るという〈忘れ病〉は、母だけでなく、すでに町全体を蝕んでいた。初めて見る不吉な病に文字の気配を感じる二人だが―—!? 一方、バニストンで彼の帰りを待つセラに、エイドリアンは語り始める。アンガスの過去を、そしてその背負う運命を……。シリーズ急展開!(裏表紙より)
本格的に文字回収の旅となってきて、呪われた大地と人の、悲しい欲や絶望を次々に取り戻していくアンガスと姫。その一方で聖域から落ちてきた「俺」はアザゼルという名を貰って、大地の民として暮らし、運命の恋をする。
アンガスと姫の文字回収が、何者かの意志が働いているのではという疑惑がはっきりし始めてくる第2巻ですが、気になることを言い残していきやがりましたので、まだ何かありそう。
しかし、美少女セラはすごかった。ド肝を抜かれた。そのせいで声優がかないみかさんになってしまった……笑

「滅日」によって大陸中に散らばった、世界を蝕む邪悪な存在——文字。天使の遺跡を巡り、本を修繕する少年アンガスは、文字を探し回収するために、〈本の姫〉と旅を続けている。ある日、無法者たちから救い出した少女に、文字の気配を感じた彼は―—。圧倒的な筆力と緻密な世界観を持ち、第2回C★NOVELS大賞受賞作『煌夜祭』で話題騒然の多崎礼が満を持して放つ新シリーズ、堂々開幕!!
『煌夜祭』を読んだと思っていたんですが、どうやら記憶違いらしく(なんでだろう……? すっごい面白かった記憶があるんですが記憶だけねつ造……?)初、多崎さん。『〈本の姫〉は謳う』の中には、堅実で、風や土や空と海を感じる世界が広がっていました。
天使族が存在していた世界が一度滅んで、文字(スペル)という魔法の言葉が散り散りになり、人間に悪影響を及ぼしているソリディアス大陸。銃と鉄道、新聞が存在している世界で旅をする、隻眼の少年と本の中の住人である〈本の姫〉。その旅の合間に、過去らしき、ある天使の墜落までが挟み込まれる。
とりあえず文字を集めようという第1巻なので、謎といえば何故世界がそうなったのかということと、主人公アンガスや少女セラの過去や〈本の姫〉の謎なのですが、こういう謎がすごく均等に配置されていてとてもわくわくさせてくれる。すごい。文章が巧みすぎてするする読んでしまった。いいなあこういう文章書きたい。

十九世紀末、パリ。華やかなオペラ座の舞台裏では奇怪な事件が続発していた。首吊り死体、シャンデリアの落下。そして、その闇に跳梁する人影……“オペラ座の怪人”と噂されるこの妖しい男は一体何者なのか? オペラ座の歌姫クリスティーヌに恋をしたために、ラウルは、この怪異に巻き込まれる。そしてその運命の夜、歌姫とラウルは、まるで導かれるように、恐ろしい事件に飲み込まれてゆく。オペラ座の地下で、闇を支配する怪人と対峙したラウルが目にした、想像を絶する光景とは? そして怪人と歌姫の真実とは? 不朽の名作『オペラ座の怪人』の新訳決定版、ついに刊行!(裏表紙より)
アンドリュー・ロイド=ウェバーは罪深い……というのが読了時の感想でした。あんな華やかでロマンチックでファンタジーなミュージカルを作ったのは誰だ! あなたか!
原作は奇怪な事件と不幸せな男の物語という印象でした。記者がかつてオペラ座とその関係者で起こった事件を探っていく。手記や人から聞いた話を元に構成されています。登場人物はみんな偏った見方しかできない神経質すぎる人たちばかりで、特にラウルとクリスティーヌの夢見がち具合はすごかった……。泣くか叫ぶかでした。そしてやっぱりオペラ座の怪人は可哀想だった……。
終盤の畳み掛けがすごかった! ファントムが語る、クリスティーヌとの最後の触れ合いが、もう胸に突き刺さってきて、身も蓋もない言い方をすれば音楽の天使を崇めていたクリスティーヌこそ最後に天使になったんだ……という。すすり泣くファントムがどれだけ嬉しかったのかと思うと、胸が苦しい。

僕の役割は本の解説や批評ではありません。(略)自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思いました——(本書はじめにより)。お笑い界きっての本読みピース又吉が尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介を通して自身を綴る、胸を揺さぶられるパーソナル・エッセイ集。巻末には芥川賞作家・中村文則氏との対談も収載。(裏表紙より)
本の紹介というより、過去話を中心にしたエッセイ。本の内容も気になるんですが、又吉さんの過去の話をもうちょっと詳しく! なんだその子ども時代は。
アホなことしたなあという子ども時代があるあるすぎて身につまされる。よく考えればおかしいな、変だな、理不尽だなって感じることを普通に流していた自分の子ども時代を思い出す。
好きなのは、古井由吉の「杳子(『杳子・妻隠』)より」のエッセイ。短編を読んだ気持ちになった。
どれもちょっと笑いのエッセンスがあったり、寂寥感や、シニカルな感じがあるんだけれど、又吉さんで文章のセンスがすごい人なんだな。面白かった。