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(骨牌使い)の鏡 (3) (富士見ファンタジア文庫)
 アトリは〈異言〉のものによって連れ去られ、ロナーは苦悩していた。
 兄であり、〈骨牌〉の王国・ハイランドの偉大なる王フロワサールは刻一刻と死に近づいており、さらには王を補佐すべき〈骨牌〉たちの相次ぐ離叛……。
 ついに東の蛮族が侵攻を始める。〈詞〉の世界は〈異言〉によって侵されていく。
 アトリは、考えていた。〈十三〉たる自分がいまなすべきこと、向き合わなければならないもの……。
 そして、いまここに真実の物語が語られ尽くす。
 〈骨牌〉に翻弄されるアトリの成長、冒険、恋を描いた日本ハイ・ファンタジーの金字塔が奇跡の幕を閉じる!!
 物語には常に最善の結末を——。(カバー折り返しより)

三巻にして完結巻。〈十三〉と〈骨牌〉の始まりの物語と、世界が伝説の区切りを終えて歩み出すまでの物語が語られる。あとがきを読んでなるほどと思ったのは、この世界には神秘があるけれども、神の存在はなく、魔法はなく、けれどそれに代わる〈骨牌〉というものがあるところ。別のところで私はこの話を神話だというようなことを言ったのですが、この場合、私が言いたかったのは、いずれ後世の人々が、世界の秘密に触れ合っていた時代だったと語る人々の転機と始まりの物語、ということです。いずれ人々が憧れと畏怖を持って語るであろう始まり、ということ。
しかし物語の中で、明確に〈骨牌〉〈詞〉と世界の離反は描かれず、まだ長く続いていくことが予感されます。ロナー自身の、王は誰でもいいという思いは、新たな時代の始まりを感じさせるけれども、エレミヤやドリリスは健在である。しかし、それら過去のものとすべて切り離すがごとく決別しないというのがこの話の結論なのかもしれません。アトリと手を取ったことで、ロナーは物語の外で、何らかの選択をするのかもしれない。この作品という鏡を通して、読者は望む結末をそこに見るのだと思う。
しっかし、ロナーの宣言はすっごくかっこよかった!! 涙出た。王が王たる様、難しい道を選ぶ瞬間は感動だ。
真の〈骨牌〉の正体の話もぞくぞくしました。すべての終わりに〈十二〉の札が出てくることろがにくい!
面白かったです! 面白かったです!
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