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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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女神の花嫁(前編) 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)
女神の定めにより、ザカールの長老の子は代々男児であるはず。だが、九九九番目の子として生まれたラクリゼはなぜか女だった。“呪われた子”だとして父親の愛も受けられず、男と偽わって育てられた彼女は、その苦しさを学問の習得や武術の鍛練にぶつける。そして彼女が十二歳になった年のある夜、一人の少年が結界を破り村を訪れた。少年の名はサルベーン。ラクリゼとの運命の出会いだった。(カバー折り返しより)

ラクリゼの過去編開始。謎めいた美女で女神の僕であるザカール族のラクリゼが、どうしてカリエの運命に関わるようになったのか。本編でのラクリゼが、めちゃめちゃ強くて、綺麗で優しい女の人なだけに、この女だとばれてはいけない、長老の子として立っていなければならないと、重圧に押しつぶさそうになっている彼女は、案外普通の人なのだなあと思いました。だからこそ、何度も傷ついて立ち上がってきた強い人になるんだろう。
サルベーンがここでも謎なので、まじうさんくせーと思う。ラクリゼは痛い目を見せられるんだろうか。心配。
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白竜の花嫁 隻眼の黒竜と永遠を望むもの (一迅社文庫アイリス)
「君は——私に触れられるのがいやか?」
竜の“花嫁”として捧げられた山城国の姫、澄白とその夫となった白竜のシュトラール。奪われた始種の骨を取り返すため、黒竜の領地に向かった澄白たちは、略奪者たちが既に離反していたことを知る。その帰路、突如現われた隻眼の黒竜に澄白は攫われてしまい…。
孤高の竜と彼を伴侶に選んだ女性との出会いが、澄白に竜を愛すること、その《永久》となることを意識させて——。人気作第三弾!(裏表紙より)

澄白とシュトラールのいちゃらぶあり、竜同士の戦闘もりもり、異種婚ゆえの愛と別離の切なさありと、盛りだくさんな感でした。前半のにやにやにや具合からの、竜戦闘の熱さから、更に涙滂沱する展開への落差がやばかったです。
前半は、壁ドンごちそうさまでした。まごうことなき壁ドンでしたね! ゴルトの地での澄白とシュトラールの優しく穏やかな生活でにやにやしました。竜と戯れる美少女いいですねうふふ。竜たちがまたかわいいんだー。ヘルツの「いい息子」具合もよかった。いい子だなー。
大型異形バトルがたいへん盛りだくさんでとても嬉しかったです。そうだよ、怪獣のバトルってこうだよ! みたいな感じで鼻息が荒くなりました。飛行生物がくるくる戦っているシーンはロマンである。
もう一組の異種婚夫婦、沙久羅とアクダルの出会いは、澄白とシュトラールの関係に大きな影響を及ぼしたようで。沙久羅とアクダルは、本当に、やさしくかなしい二人だった……。竜と人を結びつける思いは、狂おしいほどの愛なのか、と思うと、ラストがもう胸に迫って。そこでめくった著者近影やめてー!! 涙が。
澄白の出身が分かりそうになったり、黒竜離反組がまだまだ謎が多そうだったり、続きを楽しみに待ちます。
今回特に旦那様の言動がたいへんときめきフル回転させてくれたんですが、中でも最大にもえたところがシュトラールのここ。

『私は止めない。アクダルが正しい』
「ですが……っ」
『私がアクダルの立場でも同じことをする』


冷徹っていいよね……と思った。
そして花嫁は恋を知る 黄金の都を受け継ぐ姫 (コバルト文庫)
軍事力によって拡大し続けるブラーナ帝国。皇帝とは誰よりも優れた軍人、つまり男子でなければならない。したがって皇帝の一人娘であるエウノミアを娶る人物が、次期皇帝になると思われていた。エウノミア自身もそう考えていたのだが——。戦争を終わらせたいという強い思いと、ある青年との出逢いが、彼女と帝国の歴史を変えてゆく。帝国史上の女皇帝となる少女の、運命の恋とは……!?(裏表紙より)

ブラーナ帝国の高名な女帝エウノミアの物語「黄金の都を受け継ぐ姫」と、エウノミアの父母の物語「緑の森からきた王女」の二編収録。そろそろ本気で歴史年表と世界地図が必要な感じになってきたぞ。
聡明なエウノミアと秀才で大学教授のリフィニクスの恋物語は、歴史に名を刻まれるとは思えないくらい普通で頭のいい女の子エウノミア。その父母、レオンとアマリエは政略結婚の身の上。政略結婚とは思えない相思相愛、でもまだ知り合って間もないゆえのすれ違いが、可愛らしくてにこにこしました。このシリーズはヒロインみんな頭がいい上に、他の人にも悪役はいても愚か者はいないので、もっと波瀾万丈してもいいのよ! と思ったりもします。でもこの安定好きです。絶対ハッピーエンドだから!
洪水前夜(あふるるみずのよせぬまに) (新書館ウィングス文庫)
「バビロニアの都、シュメールのたまもの」
——そう謳われるウルの都に不可避の運命がやって来る。
勇士アダイアトゥムは、それを予知していた。
天使の子にして、バビロンの不死身の勇士・アダ。
〈堕ちた天使〉を殺しに向かう少年の姿のアダを、
親友の息子トバルカインが執拗につけ狙う。
そして、怪物化した〈半天使〉が。
ともに力を合わせて戦う中、
アダとバルの間に芽生えたものは……!?
伝説の洪水が近づく古代バビロニアを舞台におくる、
胸をうつ愛と生命の物語!!(裏表紙より)

古代オリエント世界が舞台の、神話的世界。書き出しからふおおおと鼻息が荒くなりました。

 この世へ生まれ出るために、彼は母親の内蔵を食らった。


そこから続く誕生の描写がもう生々しくってえぐくって好き! と思ってしまいましたすみません。
両性具有の天使の子、アダ。いつか人から隠れるほどの巨人となってしまう運命を持つバル。バルの家族を殺した過去を持つアダを、バルは憎しみを持って付けねらうが、アダが口にするのはこの世の終末の大洪水のこと。天使殺しを繰り返すアダは、怪物化した半天使ネピリムをバルとともに追うことに。
双方の不器用具合がたまらない。アダはもうずいぶん長く生きているし、バルは青臭すぎるし、すぐに素直にはなれないけれど、お互いを受け止める存在として実感したときの繋がり合いがもうね! 愛を確かめ合うシーンの壮大さが好きすぎる。世界の終わりを予期しながら、相手の存在を確かめ合うというこの、ね!
アダとバルの旅のその後「残照、あるいはアダイアトゥムの遺言」ではまた新しい始まりの予感があって、雄々しくたくましくなったバルがとてもよかったです。
パートタイム・ナニー (3) (ウィングス文庫)
ほほえみ二丁目商店街に、砂男現る。
子供たちを恐怖のどん底に陥れた噂の真相を探るべく、
さっそく砂男捕獲に乗り出す坊ちゃま。
だが不気味なだけで意外に無害な、その男の正体は……!?
そして「決めた。剛を解雇する」——坊ちゃまの言葉の真意は?

ドヲタにドMにドS、キワモノキャラも続々登場♪
最強のトラブルメーカーお坊ちゃま、バーソロミュー(通称バブー)と、現役男子高校生の乳母、剛が繰り広げる荒唐無稽コメディ、
ちょっぴりシリアスありつつも、やっぱり爆笑必至の最終巻!!(裏表紙より)

たーのしかったあああ! 今回笑いは薄めでシリアスでしたが、大団円という感じで最後まで本当に楽しかった。都市伝説とかネトゲとか現実の世界なのに、登場人物のありえなさっぷりがもう楽しかった。楽しかったしか言ってないですが、全三巻読んでたのしーい! と言えるコメディだったんですよ!
シリアスありつつと紹介文にありますが、天才ゆえの葛藤にも向き合ってくれて満足でした。あまりにもコメディで忘れてしまいがちだけれど、やっぱりバブーは異端なのであって……。二人とも幸せにな!
エピローグ的な「極楽ロスト」ではさらっとその後が語られますが、その辺りもうちょっと詳しく! と思いながらも、みんな楽しそうで本当によかったです。面白かった!
黄蝶舞う黄蝶舞う (PHP文芸文庫)
源頼朝の娘・大姫。その今際「空蝉」。因縁は巡る頼朝と呪詛の物語「されこうべ」。一度死して戻ってきた頼家の最期「双樹」。三代将軍実朝と不思議な女童の正邪と裏表の物語「黄蝶舞う」、実朝を暗殺した頼家の嫡男・公暁の物語「悲鬼の娘」。呪詛と因業の時代短編集。

私が読んだのは単行本版。
うおお、すごかったー! 歴史物はほとんど読んだことがないのですが、『君の名残を』の浅倉さんだったので手に取ってみたけれど、この一冊、五編の流れいいなあ! 面白かった。
一貫して、呪いは巡り、人を苛み、因縁は断たれず、悲しみと死をもって巡るという一冊になっていて、清盛と頼朝から始まったものがお家断絶まで続くとは、なんとも言えない嫌な感じながらも、この生温いほど狂おしい情念が嫌いではない私です。
大姫と義高の物語はいわばプロローグで、「されこうべ」から黒々とした冷たい話が始まっていく。物の怪とか怨霊とかそういったものが入れ替わり立ち替わり現れて、呪詛のありかを源家の者たちに囁いていく。それにそそのかされるものもあれば、救いを見出す者もいる。「黄蝶舞う」の最後はよかったなあ……。何もかも悟ったような清々しさが現れていて、源家の最後、という感じが重く染みました。
水のしろたえ
亡くなった母が残した“水のしろたえ”とは?
真実を知る父はエミシ討伐に旅立ってしまった。
水の屋敷が燃えて以来、真玉の運命は大きく動き出す……。(カバー折り返しより)

羽衣伝説を下敷きにした、平安時代の薬子の変の頃の物語。水底の国からやってきた娘は、人間の男との間に女の子をもうけた。母の命と引き換えに生まれ、成長した真玉は、水の国のものと言葉を交わし、泳ぎも人並みはずれている。そんな真玉の父が行方不明になったことで、彼女の運命が大きく動く。
死んだ母がついに見つけられなかった「水のしろたえ」、付け火された邸、男の子の格好をして隠れたり、歴史に記される薬子や高丘親王との出会いなど、ひとつひとつの要素がおいしい。そして、みずみずしい女の子の話でした。この世で生きるか、「水のしろたえ」を見つけて水底の国へ行くか、岐路に立つ少女・真玉。たよりないようでいて、しっかりしていて、けれどやっぱり女の子というのが主人公としてはちょっと寂しい気がしつつも、挿絵の繊細で柔らかい感じがお話によくあっていて、好きだなーと思いました。
トキワ荘実録―手塚治虫と漫画家たちの青春 (小学館文庫)
 日本のまんが文化が大きく花開いた昭和三〇年代。その中心にあったのが、伝説のまんがアパート・トキワ荘だった。手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、水野英子らそこに集まったキラ星のごときまんが家たちの若き日の姿。涙あり笑いあり、ときに逃亡劇も大けがも…。その時代を編集者としてともに駆け抜けた著者が今明らかにする秘話で、まんがのもっとも熱かった日々が鮮やかによみがえる。「当時のトキワ荘をまさにありのままに描いた」(水野英子)日本まんが史料の決定版。世界を席巻する日本のまんが文化誕生の秘密がここにある。関係年表と登場人物小伝付き。(裏表紙より)

手塚治虫を中心に、トキワ荘メンバーとの日々を回想する。楽しかった! あの頃の漫画は今の漫画とは違うし、漫画家という仕事がなんだかフィクションみたいな出来事に感じられる回想だったけれど、熱い志を持って描いていた人たちがいたんだよなあ。すごいなあ。編集者の人が自分の仕事を語るものってそう読んだことがなかったので、興味深かった。言えるのは、作家も編集もみんなまんが馬鹿(いい意味で)だったんだなということかな!
タイムスリップ・ミステリー! ジャンヌ・ダルク伝説 (YA!ENTERTAINMENT)
美人女子大生・麻美は、15世紀のフランスにタイムスリップ。そこで出会った美少女は、伝説の乙女、ジャンヌ・ダルクだった! 負傷したジャンヌの身がわりとなって、戦場に立つ麻美。——「ジャンヌが、生き返ったぞ!」ここに、新しい伝説が生まれる!?(裏表紙より)

青い鳥文庫の「タイムスリップ探偵団」の姉妹編で、タイムスリップ・ミステリーの第三巻、ということを全く知らずに何気なく読んでいまい、シリーズ物で続き物か! としょぼーん。あらすじに惹かれたのですが、児童書で書くならこのくらいになってしまうのか。もうちょっとしっかりめのくらーくておもーいのが読んでみたかったかもしれない。
タイムスリップ体質(なのか、道具のせいなのかその辺りがここから読んだだけだとはっきり言えない)の女子大生が15世紀フランスにタイムスリップして、ジャンヌ・ダルクとともに行動する。タイムトリップについてはどうやらハト派とタカ派がいるらしく、彼らにちょっと狙われているらしい。
ジャンヌ・ダルクという人物について読者に余計な解釈を与えないようにしているのか、よく知られているような逸話以上の話は追加されていなくて、果たしてジャンヌは神の声を聞いたのかもはっきりしなかったです。火あぶりになってしまう絶望的なところにまで行き着かなくて、ちょっと物足りなさを感じつつも、「美人女子大生」とか「外交官の父」がいて外国語がめちゃくちゃできるとか「剣道」「柔道」「空手」「合気道」をかじったとか、その辺りの設定が実にあれだなあと楽しく読みました。
この本、講談社のYAなんですが、挿絵の数が多くて、右側のページにもあったり、本文の中にあったりして面白い作りにしてあるなあと思いました。
本のおかわりもう一冊 (桜庭一樹読書日記)
あの3・11の日も、サクラバカズキは本を抱えて避難した。どんなことがあっても、やっぱり本は手放せないのだ。動揺する心をなだめてくれた本、陽気な犬との慣れない生活を助けてくれた本、忙しない日々の一服の清涼剤となった本——
読書と執筆漬けの日々を過ごす作家の、今回のおすすめ本は?(カバー折り返しより)

この辺りからネットで読んでいるなあ。本の形で再読。巻末に座談会があります。2010年8月から2011年12月までのエッセイ。
最近は、中で紹介されている本が大体分かるようになってきた(と言っても、作者名やタイトル名くらいで呼んだわけではないけれど!)
ネットで読んだときも歯を食いしばったけれど、3・11の後のあの部分は、自分も辛かったことを思い出す。いつもの日常と、変わりない日々と、でも変わってしまってどうしようもないものたち。辛いなんて言えないけれど辛いと思っていた日々。私の日常はなんて恵まれていて幸せだったんだろうか。でもその言葉が辛くて仕方がなかった。
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Author:月子
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