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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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オタクで女の子な国のモノづくり (講談社BIZ)
日本製品のオタクなところ、細やかなところを女の子的と表現して、たくさんの日本製品を分析する一冊。乗り物とかロボット、日本製品で有名な音姫とか携帯電話についてもあります。2007年の本なので、もうちょっと古くなっているところがちらほら。
タイトルだけ見たらもうちょっとオタクで女の子が好きな製品について語っているのかなーと思ったら全然そんなことはなかった。
日本製品のオタク性・10の法則として「擬人化」「個人カスタマイズ」「病みつき」「寸止め」「かすがい」「恥ずかしさ対策」「健康長寿」「生活の劇場化」「地球環境」「ダウンサイジング」をあげているのが面白い。特に個人カスタマイズと劇場化というのは、意識している身としてはオタクっぽいところだなあと思っていたので。
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名探偵に薔薇を (創元推理文庫)
むかしむかし、それはわるい、とてもわるい博士がいました。悪行の限りをつくしたあげくあっさり死んでしまいましたので、仲間を殺された小人たちはうらみのはけ口がありません。話しあいのけっか、ハンナ、ニコラス、フローラの三人をやりだまにあげることにきめました。つもりつもったうらみをはらすと、村にへいわがもどりました。めでたしめでたし。〜『メルヘン小人地獄』より〜(裏表紙より)

表紙裏の紹介文だけ読むと何がなんだか。
ガンガンで連載されていた『スパイラル〜推理の絆』の原作者さん、城平さんの本業の方。私は城平さんをスパイラルで知ったので、ミステリを読むのは初めて。
謎の怪文書「メルヘン小人地獄」の通りに人が殺される事件が起こり、「小人地獄」という必殺の毒薬の存在がちらついていた。最初の被害者に関係する藤田家の家庭教師だった三橋は、名探偵を呼ぶことにする。瀬川みゆきという名探偵は、ある真実を見抜いて……という「メルヘン小人地獄」と「毒杯パズル」の二部構成の物語。
「メルヘン〜」の方は普通に面白いなーと思っただけだったんですが、「毒杯パズル」のくるくる回る真相がすごかった! 最初に「もしかして真相ってアレか?」と思った自分を褒めてやりたいぜ! でも予測がついていても、やっぱり翻弄されてしまったわけですが。
名探偵側の視点から事件を解いて、しかもその名探偵も揺れ動く人間だというのが面白かったです。名探偵という存在がどんな苦悩を抱えているか。けれど安易な物語として終わらないところも、名探偵という存在は孤高なのだと寂しくも気高く感じられました。
オンタロスの剣―クラッシュ・ブレイズ (C・NOVELSファンタジア)
「ベティ・マーティンか?」
「いいえ。わたしはフレイアよ。あなたはどなた?」
ヴァンツァーの表情が初めて変化した。彼の美貌を目の当たりにして何の感動も覚えない少女はまずいない。
「ヴァンツァー・ファロット。レティシアの知人だ。奴に頼まれておまえを護衛しに来た」
ベティは訝しむような、ゆっくりした口調で質問した。「なぜ?」
「おまえの身に危険が迫る恐れがある。王妃が——ヴィッキー・ヴァレンタインがそう判断した」
ベティはにっこり微笑んだ。
「そう、ヴィッキーのお友達なら喜んで歓迎するわ。来てくれてありがとう」
リィとルウの周囲が華やかで騒がしい。だが華やかな見かけには必ず裏がある。真の陰謀が幕を開けた時、そこに——(裏表紙より)

長編読みたいといった次の巻は、お話の続きになっていた。前巻『パンドラの檻』が続いている感じが強い巻。『パンドラの檻』でケリーを手に入れようとしたストリンガーは、何故ケリーのことを知り得たのか? ということから、その事件はリィとルウとシェラにまで及ぶ。
相変わらずとんでもの連続でしたが、ちょっとはらはらして面白かったです。しかし特別なかれらを追いかける人たちの存在がそろそろうっとうしいんですけれども、それを根元からたたき潰す展開はないですか。
星海社カレンダー小説2012(下) (星海社FICTIONS)
“1年の記念日”をテーマにWebサイト「最前線」にて期間限定公開されたカレンダー小説を満を持して星海社FICTIONS化。
ご存じ「とある飛空士」シリーズ・犬村小六の初短編『月のかわいい一側面』(十五夜(9月13日))。
短編小説の名手・渡辺浩弐の『親愛なるお母さまへ』(敬老の日(9月17日))。
ひきこもり世代のトップランナー・滝本竜彦の『おじいちゃんの小説塾』(塾の日(10月9日))。
恋愛小説の次代を担う、紅玉いづきの『青春離婚』(いい夫婦の日(11月22日))。
現代SF小説界の新鋭・泉和良の『下界のヒカリ』(大晦日(12月31日))。
全5篇を収録した下巻。(裏表紙より)

ウェブで「青春離婚」を読んで、やっぱり手元に欲しくなったので。
「月のかわいい一側面」は、そうか現代でいうとやっぱり彼らはフリーターになってしまうのかと噴き出しつつも、現代の十五夜という話でかわいらしくて面白かった。
「親愛なるお母さまへ」はこのダークさがたまらん。むくいをうけろ! という話が好きなのかもしれない。親も人、子も人だ。
「おじいちゃんの小説塾」。引きこもりの祖父(誕生日の推定がちょうど私ら世代)というのがリアリティありすぎてうっとなる。どこに落とすのかなーと思ったらそうきたか!
「青春離婚」。離婚しよう? と言う女の子が最初に印象的すぎて、ウェブ公開時に一気読みしました。高校生として優しい部分と苦しい部分が描かれていて、読んでいてたくさんぎゅうっとなって、このお話の空気が本当に好きです。HEROさんのコミカライズも毎月楽しみで読んでいて、やっぱりコミックスを買ってしまった。
「下界のヒカリ」の、大晦日でもやっぱりだめ人間であるところに共感を覚えました! そうして立ち上がるときのかっこよさがいいなあ! 大晦日らしい出発の話でした。なんだかこの話に出てくる人みんなを応援したくなる。
時の旅人クレア〈2〉―アウトランダー〈2〉 (ヴィレッジブックス)
「……死が二人を分かつまで」クレアの誓いの言葉が静かなチャペルに響いた。
奇しくも、そこは200年後に彼女とフランクが結婚式を挙げるチャペルだった。
こうしてクレアは、18世紀のスコットランドで若き戦士ジェイミーの妻となった。
極悪非道なイングランド軍大尉ランダルから逃れる手段としての結婚だったが、ジェイミーの魅力には抗しがたいものがあり、クレアにとっては心安らぐ日々がつづいた。だが、ある日ジェイミーの言いつけにそむいてストーン・サークルへ向かったばかりに、彼女はとうとうランダルの掌中に!(裏表紙より)

アウトランダーシリーズの二巻目。クレアが結婚式前日に呑んだくれてブラックアウト、というところからの続き。
やりすぎです!笑 この本の半分くらいいちゃこらしている。一巻は状況に慣れるまでが大変で色恋沙汰なんて二の次だったのに、二巻はこれでもかと夫婦のシーンがありすぎで笑ってしまった。仲睦まじいのは何よりなんですが、鞭打ちのシーンがあるとは思わず(性的な意味ではなくておしおき)、ただヒロインが甘やかされて大事にされて持ち上げられて……という話ではないところが面白いなあ!
このままどう展開するのかなーと思っていたら、最後に「えーっ!!」という秘密を持った人がいて、これからどうなるんだろう!
女子の国はいつも内戦 (14歳の世渡り術)
14歳の女子たちの学校生活における処世術を、実際の学生にインタビューやアンケートしながらまとめてみた読み物。この前『くすぶれ! モテない系』(能町みね子)という本を読んだのですが、この本は女子学生(あるいは女子)におけるヒエラルキーとかカテゴライズとかの話をしています。本気なのか冗談なのかちょっと分からないところもあったけれど笑 面白く読みました。
女子高生のあるある感がぱねえっす。そう、何故かヒエラルキー上位の女子はディズニーグッズが好きなのだ……。私の地元が大阪なので109系の文房具を持っている子は私の知っている人にはいなかったように思うのですが、制服の着こなし方とか、あるある……。女子校と公立で多少の違いがあるというのを初めて知りました。
日本の学校はこんな感じ、という話が主でしたが、中にアメリカとドイツの学校の話がちょっとだけあって興味深かったです。面白かった。
ほかの誰も薦めなかったとしても今のうちに読んでおくべきだと思う本を紹介します。 (14歳の世渡り術)
作家、学者、芸術家といった人たちが、14歳に勧める本を紹介する。14歳の世渡り術というシリーズで、読者対象が絞られているからか全体的に読みやすくて、このシリーズいい本だなあと思った。
みんな大人だから、自分の14歳はこうだったからという体験を交えたり、14歳の悩みはいつかきっと些細なものになってしまうよという励ましだったりして、本の紹介といいながらも、大体の人は14歳の人たちに向けてメッセージを発信している。
私がこの紹介で一番読みたいと思ったのは、森絵都さんが紹介した『冒険者カストロ』でした。
妖精が舞い下りる夜 (角川文庫)
人が生まれながらに持つ純粋な哀しみ、生きることそのものの哀しみを心の奥から引き出すことが小説の役割りではないだろうか。
書きたいと強く願った少女が成長しやがて母になり、芥川賞を受賞した日々を卒直にひたむきに綴り、作家の原点を明らかにしていく、珠玉の一冊。
繊細な強さと静かなる情熱を合わせ持つ著者の、人と作品の全貌がみえてくる唯一のエッセイ集。(裏表紙より)

小川洋子さんのエッセイがすごく好きなので……。
小説を書いている日々のことや、受賞までの流れとか、そういうものをずっと読んでみたいと思っていたので、どういう状況で受賞の連絡をもらったという話が面白かった。それから、作家さんが初めて書いたお話の話も面白い。
小川さんの見つめる世界と、小川さんがくみ上げる感情がとても心地いいなあ。紹介文にもあるけれど、哀しみ。哀しみは、けれどほんのすこしあたたかい気がする。感情というそのものが持つ熱みたいなもの。純粋な温度と感触。
無音の哀戀歌 〜さようなら、わたしの最愛〜 (コバルト文庫)
革命前夜のフランス、パリ。降りしきる雨の中、自由奔放で美しい高級娼婦のジャンヌと身分を偽った凛々しき死刑執行人、シャルルは出会った。互いに惹かれあいながらも、けして許されることのない恋に身を委ねる2人の未来は——!? 甘く密やかに燃え上がるヒストリカル・ラブストーリー。表題作のほか、動乱のフランス革命期に一途な愛を貫いた、『嵐の狂想曲〜暁を臨む天上の歌〜』も収録。(裏表紙より)

革命を目前にしたフランス・パリでの、死刑執行人と女性の物語。死刑執行人かあ! とその立場にスポットライトをあてたことに衝撃を受けました。なんて重い立場。しかも多くの人間が首を落とされ、ギロチンにかけられていくその時代。
しかし読みながら浮かぶのはどうしてもベルばらである私をどうかお許しください。デュ・バリー夫人とかサン・ジュストとかロベスピエールと言われてもうっかりベルばら絵で再生されてしまう。
とにかく、動乱の気配漂う街に立つ男女が切なくて、すれ違いがどうしようもなくて、いい中編集でした。特に「無音〜」からの「嵐〜」が! お父さん! ちょっと火遊びしちゃったこともあるお父さん! 不器用なお父さん!(身悶え)
神は銃弾 (文春文庫)
憤怒——それを糧に、ボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を連れ去った残虐なカルト集団を。やつらが生み出した地獄から生還した女を友に、憎悪と銃弾を手に……。鮮烈にして苛烈な文体が描き出す銃撃と復讐の宴。神なき荒野で正義を追い求めるふたつの魂の疾走。発表と同時に作家・評論家の絶賛を受けた、CWA新人賞受賞作。(裏表紙より)

まずは読め。
という感じの分厚さと最初のアレなアレ具合に、かなり時間はかかってしまったものの、最後まで読むと、解放されたような、ほっと息をつくような気持ちよさがある物語でした。そうか、こういうのがノワールというのだな……。暴力とか反社会要素がてんこもり。
主人公ボブは、カルト集団に元妻を惨殺され、娘が誘拐されてしまう。娘を取り戻すため、カルト集団の元組織員でありジャンキーの女であるケイスの助けを得て、二人は黒い世界に入り込んでいく。物語の主なところはとてもシンプルでありながら、ボブやケイス、そしてカルト集団の長サイラスといった人物の口にする言葉が読んでいてぐっとくるというか。うまい表現が出ないけれど、真理を言葉でこねくり回して遊びながらも、本質をついてくる感じ。訳が独特でそれもまた世界観を作っていて面白かったなあ。読み始めはしんどいけれど、中盤からだんだんはまってきました。
しかし文中に出てくる単語がピー音が入ってしまうアレな感じでしかも頻出するので読まれる方は気をつけてください。私はこんなにあれやそれやの単語が飛び交う小説初めて読みましたよ……。でも不思議とそんな粘っこくはなくて、重苦しいながらも抜け出せると読んでいる間に分かってしまう話ではあったなあ。訳者あとがきにもあったけれど、妙な清爽感がありました。
勧めにくいけれど、面白かった。かっこよかった。
社会と政治と宗教、すべての世界を超える神は銃弾。この話でこれほどしっくりくるものはなかった。
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Author:月子
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