読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

2010年1月から2011年8月まで「本とも」に収録された20編のエッセイと、書き下ろし1編を加えた、動物物語とファンタジーに関するエッセイ。
荻原さんの子ども時代や読書体験、動物に関する思い出を交えて、動物物語について語られています。興味深かった! 何編かはネットで読んだような気がするのですが、全部通して読むともっとずっと面白かった。
書き下ろしである「もの言うけものたち――ファンタジーの水脈」が非常に印象的。荻原さんの生涯のテーマなのかなあ。
何気なく菅野よう子さんの話が出てくるのが好きだ。菅野さんの創作感覚の話がちらっと出ているのですが、ファンとしてははああああ……! と震えてしまうくらいどきどきしてしまった。言葉と音楽。コミュニケーション。感覚が全然違うんだあ……! と。
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たそがれ屋敷には儚げな奥様と二人の娘、二人のお手伝いさんがいる。スゥとルゥルゥの姉妹は、新しくやってきたお手伝いのルチアさんが、自分たちが宝物にしている水色の宝石に似ていると思い、更にルチアさんが光って見えることに気付く。ルチアさんがどうして光っているのか知りたい二人は……。
挿絵がいいなーと思いながら読む。幼い姉妹が光るルチアさんの謎を解きたいと行動する物語で、がっつり分厚いわけではないのですが、暗示的で面白いなあと思って読みました。姉妹と出会うルチアさんの娘・ボビーと、三人がそれぞれに幼い時代を過ぎて新しい世界に一歩踏み出すお話でもある。そして、ここではないどこかに思いを馳せる物語でもある。


コミックス全8巻。
平成×年、16歳の相馬光也は、過保護な母親にうんざりしながらも、曾祖父・慶光と慶光が教えてくれたヴァイオリンを心の支えとして日々を送っていた。しかしその慶光が危篤状態になり、駆けつけた病院で地震に遭った光也は、階段から落下するその時、曾祖父の声を聞く。気がついた光也の目の前に広がっていたのは、平成の世とは思えない東京の風景。そこは、大正10年、曾祖父がまだ16歳だった時代であり、光也は、曾祖父が大事に持っていた写真に写っていた少年・春日仁と出会う。
タイムスリップ大正もの。現代からやってきた光也は、曾祖父・慶光の少年期と瓜二つであるために、春日仁に「お前は慶光だ」と言われ、保護される。果たして自分は光也なのか、それとも慶光の身体に宿ったもう一つの人格なのかと悩みながらも、危篤状態だった曾祖父の声に従って、「あいつを救う」ことを成そうとする……。
後半から一気に事件が起こり、その勢いにうおおおおと言っているとお話が終わるのですが、それまでの日々も、あたたかく優しい日々で、登場人物みんなが好きになってしまう。若く、駆けていける子たちの物語で、だからこそエピローグは込み上げるものがありました。
幸せになれ、という言葉を、ああいう風に言うというのが、もうたまらん。
大好きな漫画です。オススメ、ありがとうございました!

終戦直後の東京。華族の娘、咲智子は父親からある文書が入った〈箱〉を託される。それを狙う敵から彼女の窮地を救ったのは、堀田勘一という青年だった。古本屋「東京バンドワゴン」を営む堀田家で、咲智子はひと癖もふた癖もある仲間たちと出会い、敵に連れ去られた両親の行方と〈箱〉の謎を探るため奮闘する。いつも皆を温かく見守るおばあちゃん・サチの娘時代を描く人気シリーズ感動の番外編!!(裏表紙より)
東京バンドワゴンシリーズ番外編。本編の語り手、堀田家のおばあちゃん・サチが十八歳の時のお話。今回はミステリーというよりも、家族小説っぽい雰囲気が強かったです。たくさんの出自、民族、素性を持った人々が、家という場所に集って力を合わせるというお話で、全編を通してとても優しく、じんわりとしました。
今回、勘一さんがちょうかっこよかったー!! がらっぱちな江戸っ子なくせに、キングズイングリッシュを使いこなせるとかどやねん! 男前ー! できればもっと寄り添ってくれてよかったのよ! お嬢さんをくださいのシーンがほしかったよ!
面白かったです!

幻想と叙情の詩人ブラッドベリの魔法の力で、読者はこの世には見えないものを見せられ、触れられないものに触れることができる。読者は、あるときは太古の昔に誘なわれ、またあるときは突如として未来の果てまで運ばれてゆく。「太陽の金色のりんご」「霜と炎」「霧笛」など、ブラッドベリ自身が16編を自選した珠玉の短編集!(裏表紙より)
SF短編集。宇宙や宇宙船が関わる話が多いです。
でも読みながら、家族の話が多いなあと思いました。家族の「ちょっといい話」が多い。切ない話もあるけれど。
萩尾望都さんの漫画作品の方を最初に読んでいたので、思い浮かべながら読むとまた面白かった。「霧笛」は名作だよなあ! 他に好きなのは「宇宙船乗組員」「この地には虎数匹おれり」「いちご色の窓」「霜と炎」。「霜と炎」は濃縮された人類の物語だった……。すごかった。
合わせて読みたい。
上記の本に入っていないブラッドベリの話もあります。

ドミトリアスの戴冠式で、亡国・ギウタ最後の皇女と同じ、カザリナの名で、バルアン王子の正妃として披露されたカリエ。晩餐会にも出席したカリエは、同席したヨギナ総督・シャイハンに、その素性を追及されてしまう。その場は乗り切ったが、会の後、別室に現れたサルベーンによる、聞き覚えのない言語での語りかけに、カリエは一瞬、真っ白になる。そして、彼女の口から出た答えとは……!?(カバー折り返しより)
晩餐会の後カリエの素性が問いただされ、更にラクリゼの登場によって後宮が大混乱に陥り、カリエには運命の影がちらつき……という第5巻。カリエが突然神がかったようになった巻だったなと思いました。彼女には大いなる運命があるようだ。カリエは本当に段々と綺麗になってきたなあ。男性っぽさも女性っぽさも身につけるのがカリエというキャラクターなのかな。
砂の覇王編にも去っていく者があり……。これから何が起こるのか、早く読みたい。

右足骨折で入院中の、人生に疲れ果てた中年男が、病室の衝立越しに出逢った女と不思議な一夜を過ごす。それからしばらくして彼女と再会したとき、驚くべき奇跡が起こっていた——。孤独を知り尽くした中年の男と、時間の流れに逆行して生きる女との激しい愛の日々。しかし二人で同じ夢を見ることはできない……。男と女の切ない愛と孤独を、ファンタジックに描いた感動の長編小説。(裏表紙より)
あらすじから想像しなかった話だったのでびっくりしながらも、好きな話でした! 電車の行き帰りで読んだのですが、読んでいる途中で人にこの本の説明をするとき、ネイサンの『ジェニーの肖像』みたいな話ということを喋ったら、終盤でこのタイトルが出てびっくりしました。『ジェニー〜』がすごく好きなのだ……。
作中でも語られるように、ジェニーは芸術家の霊感のような存在でしたが、『飛ぶ夢〜』のヒロイン・睦子は、主人公である中年男の性愛の対象となっている。この二人の結びつきが、物悲しく、わびしい。お互いを求めているのに絶対に共に歩むことができない二人の暗い影が常にあって寂しい雰囲気が終始漂う。何も解決していないし何の謎も明かされないけれど、淡々とした中にあるエロチックさと陰影、切なさがしんと積もる小説でした。
静かに面白かったです。オススメありがとうございました!

女の身でありながら、小姓としてバルアンに仕えることになったカリエ。彼女は、ドミトリアス皇子の戴冠式とグラーシカ王女との婚礼に出席するため、タイアークへ向かうバルアンに同行することにもなる。その出発を数日後に控えたある朝、恒例の散歩の途中で、カリエはエディアルドとしばらくぶりに再会する。その時、彼の不審な態度に訝りつつも、カリエの身体に思いがけない変調が……!?(カバー折り返しより)
砂の覇王4巻。エティカヤにやってきて一年が経った。カリエは小姓としての仕事をこなせるようになり、外歩きも慣れるようになったが……。カリエの月のもの話に嫌な予感しかしない、けどぎりぎりで回避できるって信じてる!
ドーン兄上とグラーシカの結婚式と戴冠式が行われ、そこにカリエが引っ張り出されて……という引き。
『天気晴朗〜』を読んでいるので、ランゾットとトルハーンがここで出るのかーというかあれは過去話だったのかーと今更ながら認識する。

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