読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

借金と引き替えにヤクザと取り引きをし、豪華客船に乗り込むことになったディーラーの浅葱。指令は「中国人事業家・蔡文狼に近づくこと」。ところがカジノで出会った蔡は、数ヶ月前にたった一度だけ、彼女に振られた浅葱が酔った勢いで抱かれた相手だったのだ。「賭けをしないか? お前が負けたら命令を一つ聞くんだ」と蔡にけしかけられた浅葱だが…? 「俺はアナタを騙すために近づいた。そうだ、それだけだったのに……」中国系マフィア(!?)×ディーラーで贈る、貴方にも(多分)出来る豪華客船ラブゲームをどうぞ!(裏表紙より)
本格的にBLを読まんとして、友人から貸してもらいました。ルビー文庫は初めてではないのですが(茅田砂胡さんの『桐原家の人々』を読んだので)、お、面白かったよ!? とちょっとうろたえてしまうくらい、まとまっているお話だったと思います。ちょっとBLに対してのイメージが払拭された。
お話としては、紹介を読んで大体予測できる展開の範囲でかなり軽いと思ったのですが、こういうものなんだろうと思います。でも主人公の一人称でなんだか受け(というのかな)が可愛らしかったし、攻めの方はかっこよかった。その分、攻めの弱い部分(家族が仲良くないところとか)をもっと見てみたかった気もします。蔡の行動で謎だった部分が最後でぽろぽろっと明かされていくところが面白かったです。
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絵のヌードモデル、引きこもり新鋭画家、女装の麗人、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、妄想癖の美女、不気味な双子の老人たち——〈鳥籠荘〉に棲みついたちょっとおかしな住人たちの、ちょっとおかしな、けれどいろいろフツーの日常をつづる物語第3弾。——今回のお話は、〈鳥籠荘〉の奇妙な嵐の一夜をめぐるちょっとしたホラー&ミステリイ。誰も素顔を見たことがない管理人さんの正体は? 着ぐるみパパの中身がついに暴かれる? さらにその晩、〈鳥籠荘〉で殺人事件が発声。住民の惨殺死体が発見され、浅井が殺人容疑をかけられてしまう。事件の真相を追うキズナの身にも危険が——!? 着ぐるみパパのデートをめぐるこぼれ話も収録。(カバー折り返しより)
鳥籠荘の住民たちの奇妙な日常を追っていくお話。メインのお話がちょっとずつ動いている印象。キズナと浅井の行方は、一巻では殺伐としていたような気がしていたんですが、二巻、三巻と読んでいたら、なんだか不器用な二人なりにちょっとずつ歩み寄っていてきゅんとしました。キズナの葛藤の色々が本当にかわいいんだよなあ。一巻のときはそんなにきゅんとしなかったのに。
——どうしてわたしじゃないんだろう。
(中略)
……好きになんてならない。
この葛藤がね、胸キュンなんだよね!

母国のブラーナ帝国から遠く離れたゲオルグ公国で、女でありながら君主の地位についたエリスセレナ。婚約者であるイシュトファルに支えられ、女公としての一歩を踏み出した。だが、次々に問題が起こる。ラインヘルドの領主から突然の求婚、ときを同じくして隣国から進軍の報せが…! 最も危険な場所へ、愛する人を送り出すエリスセレナ。思いがけない陰謀が待ち構えているとも知らずに——。(裏表紙より)
緑の森を拓く姫の後日譚。女公となったエリスセレナが直面した問題の数々が今回。前回はまだ迷える姫君だったのか、この巻ではもうすで為政者になっていておおっと思う。もう前巻で抱いていた葛藤はなくなってしまったのかな、と、もうちょっと「私が何故ここにいるのか」という迷いも見てみたかった気もしますが、たった十六歳で臣下たちと渡り合うエリスセレナは本当にかっこいい。
毎巻陰謀渦巻くところに姫たちが巻き込まれていくお話なので、ラブロマンスとははっきり言えないし、政略結婚ものを求める人には甘さが足りないと思われるかもしれないけれど、こういう少女向け小説があるのは面白いなあと思う。
![空を見上げる少女の瞳に映る世界 1巻 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51-jGPK-g4L._SL160_.jpg)
「空を見上げる少女の瞳に映る世界」を全話鑑賞。このお話、好きなんですが、好きなんですが……もったいない! 明らかにお話が足りていないし、視聴者に想像させるところが多すぎて置いてけぼりだし、全9話では無理! この世界観は9話では無理! でもよくまとまったな……という印象ではありました。ユメミのかわいさと最終話の啖呵切るところでなんとか保った感じがある……。
でも意味が分からないのが映画で、全編通してこれはテレビ版とどう違うの? 最初と最後のカットだけじゃないの? というしょんぼり感があります。たぶんOVAの前二作に関係して作ったのかなと思うのですが。
テレビ版映画版ともに空中戦はとてもかっこよかったですけれども!
テレビ版は続きを連想させる終わり方をしたので、続編期待!

旧制高等女学校の生徒たちは、戦前期の女性教養層を代表する存在だった。同世代の女性の大多数とはいえない人数であったにもかかわらず、明治・大正・昭和史の一面を象徴するものだったことは疑いない。本書は、彼女たちの学校教育、家庭環境、対人関係の実態を検証する試みである。五〇年弱しか存在しなかったにもかかわらず、消滅後も、卒業生たちの思想と行動をコントロールし続けた特異な文化の再発見。(カバー折り返しより)
1910年代から20年代の女学校について特にページが割かれている印象。当時の女学生の日記を引いてきて、どんな生活をしていたかの話があり、「S」の関係や手紙のやりとりを本文を引いてきていたり。「文学少女」の章を一番面白く読みました。また「堕落少女・不良少女・モダンガール」の章でも、文学少女が不良少女に当たると書かれてあって、それも興味深かった。ローマンチックなのはいけないらしい。
新書は滅多に読まないけれど、これは知識としてすごく面白かったなと思いました。
![魔法使いの弟子 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UXNvnwBoL._SL160_.jpg)
「魔法使いの弟子」を見ました。どこか足りない頼りないへたれの愛すべきばかである主人公と、完全あほである敵方の少年が出てきて、千年近くジェラシーのせいで喧嘩してる師匠たちに振り回されるお話でしたよ!(間違ってるけど間違ってない)。こういうのがアメリカ的ハッピーなお話なのかななどと思いました。頭空っぽにしてみた方がツッコミどころがたくさんあって面白い。とにかく、師匠と弟子のコンビが双方ともにかんわいいんですよね! ニューヨークという都市を舞台にして、現代の要素をたっぷり取り入れたお話の作り方がすごく好き。でもちょっと物足りないので、続きがあるだろうし続きを見てみたいなと思いました。
でも親父スキーの私にとっては、ニコラス・ケイジ演じるバルサザールにときめく映画。あのよれよれ具合のつかれ具合、たまんないよね! 弟子に余裕たっぷりで愛情が感じられるというのもときめきポイントだよ! みんな、バルサザールにときめこうよ!
……と間違った布教をする。これで興味を持ってくれたあなたと私は友達かもしれない!

イギリスに来て半年。寄宿学校生活に慣れてきたエリカは、ガイ・フォークス・デイの祭りに参加したいと思いつき、外出許可を得るため、万聖節のバザーへの出品を計画する。しかし協力をたのんだ男子寮の監督生ジェラルドはいい顔をしない。おりしもエリカは、男嫌いの新入生キャロルが起こす騒動に巻き込まれる。グレイ校長は、これらの解決策としてエリカを女子寮の監督生に指名するが!?(カバー折り返しより)
男子校と女子校が隣り合った寄宿学校を舞台にした、準男爵の血を引くイギリスと日本のハーフの少女エリカと、レディズ・カレッジの友人たち、男子校の生徒たちの学園もの。一巻と変わらず乙女できゅんきゅんしました……! かなりときめきのシリーズです。「カエルはいつか王子様になる?」って! かわいすぎて! もう!
前回は三人だったカレッジにも、わけありな新入生が三人入ってきた。女子同士身分差の諍いがあり、男嫌いの下級生がいたりと、少女たちの関係性も大変おいしい。男子は男子で、エリカに対するロジャーとジェラルドの位置も一巻に比べてはっきりしています。ジェラルドが本当に不器用な俺様でかわいいな!

温泉町にある老舗旅館「ほたる館」の孫娘・一子は、物怖じしないはっきりとした性格の小学五年生。昔ながらの旅館に集う個性豊かな人々や親友の雪美ちゃんに囲まれ、さまざまな経験を重ね少しずつ成長していく。
家族や友達を思いやり、ときには反発しながらも、まっすぐに向き合っていく少女たちの純粋さが眩しい物語2編を収録。著者デビュー作シリーズ第一弾。
〈解説・佐藤多佳子〉
(裏表紙より)
最近ピュアフル文庫がお気に入りなので、見つけて読んでみる。
続きが読みたいと思いました。
老舗旅館のひとり娘、小学五年生の一子が主人公。近隣に大きなホテルが出来て、そちらにお客を取られている現状、個性豊かな旅館の人々と、わけありげなお客さんの話と芸妓さんの話がこの巻です。こんなことを言っては偉そうなんですが、すごくぶれがなくて、楽しい。
わけありげなお客さんを本人に内緒で高価な部屋に案内したり、学校の先生のひいきの話があったり、小学生はこういう話がすごく響くんだろうなあというシーンがいくつもあって、この年になって読むとすごく懐かしいような気持ちになりました。
残念なのはすごくページが薄いところ……続きがあるようなので、できれば一冊にまとめてほしかったかも。

姉をさしおいて結婚が決まったプラーナ帝国の皇女エリスセレナ。嫁ぎ先は古い価値観に縛られたヴァルス帝国。政略結婚は覚悟していたものの、なぜ姉ではなく自分なのか——。複雑な思いを抱きながら輿入れする道中で、エリスセレナは金髪の聖騎士イシュトファルと出会う。彼は、婚約者であるゲオルグ公の異母弟だった。そしてゲオルグ公にはすでに愛人がいて、しかも妊娠していると知り…!?(裏表紙より)
嫁恋シリーズ第四巻。続く五巻で前後編になるのかな。
赤毛を持ち、知性に恵まれた皇女エリスセレナが主人公。美しく優しいのではなく、頭の良い女性は一般的に嫌われているけれど、主人公はそれが魅力、という設定がツボです。ただそれだけに不用意な言葉を言ってしまうという失敗も多く、その度に反省して、素直に謝罪できるエリスセレナはすごくかわいい。そればかりではなくて、「ここにいる私には意味があるはずだ」と前向きになっていき、継承権主張を始めるところはすごくかっこよかった。嫁恋シリーズは政略結婚ものシリーズだけれど、エリスセレナはその中でも一際輝いて、かっこいいヒロインだな!
ヒーローとなるイシュトファルは穏やかな騎士そのもので、エリスセレナも一般的なかわいげというものを持っていないという風に描かれているだけに、二人の歩み寄りがじれったくてもだもだしました。

チャーリーが住んでいる町に、チョコレート工場がある。
世界一広大で、世界一有名なワンカの工場。
働く人たちの姿をだれも見たことがない、ナゾの工場!
そこへ、五人の子供たちが招待されることになった。
招待状の入ったチョコレートは、世界にたったの五枚。
大騒ぎになったけれど、チャーリーには望みがない。
貧しいチャーリーがチョコレートを口にするのは、
一年に一度、誕生日に、一枚だけなのだから……。(カバー折り返しより)
映画の方の印象が強すぎて、脳内ビジュアルがハリウッドスターだけれど、映画は結構忠実に作ってあったんだなあと思いました。
貧乏なチャーリーが誕生日のチョコレート一枚だけというのもどきどきしましたが、おじいちゃんのへそくりでもだめ、でも空腹に耐えかねて拾ったお金で買ったら、見事招待状を引き当てた。拾った、というところがちょっと「ん?」と思いましたが、父親の働いていた工場が閉鎖し、食べるものにも困っていたのだから仕方ないのかな。この辺り、拾ったお金の行く末は外国ではどうなんだろう。日本と価値観が違うのかな。
ワンカの工場はすごい。楽しいなあ! 子どもたちが次々と懲らしめられていくところが気分がいい。訳がものすごく素敵で、ウンパッパ・ルンパッパの歌の詞が、韻を踏んでいて面白い。
チャーリーの大逆転も楽しかった一冊でした。