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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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レッド・アドミラル  羅針盤は運命を示す (角川ビーンズ文庫)
「私が軍服を着ているのは、戦うためだ」伝説のオルディアス艦長に憧れ海軍を目指すロディアは、男より強く女にもてるクールな麗人。海軍学校も首席で卒業にもかかわらず、転属願いを却下され続けていた。しかし金銀妖眼(オッド・アイ)を持つレーン号の艦長・ランセに強さを見込まれ、憧れの海軍に配属される。実力主義で曲者揃いのレーン号は、マディス王国の切り札で——!?
紺碧の海に気高く赤い薔薇が咲き乱れる、海軍出世物語!!(裏表紙より)

あらすじの名前が間違っている……正しくはオルディアレス。
男装の麗人と海軍もの+ファンタジーです。すごーく面白かった! メインの登場人物である士官たちはくせ者ばっかりで、その中でヒロインとしてどう認められていくのか、が焦点かなと思っていたんですが、……めっちゃめちゃ好みのファンタジー要素が介入してきて、嬉しさのあまりにやにやしてしまいました。
主人公ロディアのたらしっぷりもさることながら、それの更に上を行くランセの口説き文句と見まごうストレートな言動の数々。楽しませていただきました。更に剣での戦いあり、船同士の戦いあり、ファンタジーな戦闘もありで、こちらもとても楽しみました。
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本と雑誌のデザインがわかる本
エディトリアルデザイナーのインタビュー、およびそのデザイン作品を収録した一冊。
インタビューには、岡本一宣、久住欣也、尾原史和、木継則幸、荒金大典、宇田俊彦、福田正典、寄藤文平、高橋千裕。

雑誌、書籍などのデザインをする人のことを、エディトリアルデザイナーというのかしら、と曖昧なくらいに素人です。しかし、書籍デザインはとても好きで関心のある分野です。
2005年刊。古いです。
主に雑誌のデザインの紹介が多かったような気がします。エディトリアルデザイナーになる人へ、というメッセージが、インタビューを受けたデザイナーさんからそれぞれあります。本当に紹介という感じですが、デザインをするにあたっての、それぞれのデザイナーさんの基本姿勢や信念が読めて面白かったです。
アリーテ姫の冒険
宝石を愛する王様の娘であるアリーテ姫は、本を読み、絵を描き、縫い物をし、乗馬もダンスも大好きな女の子。そんな「かしこい」娘では結婚できないと、王様は結婚相手を探し始めるが、宝石に目がくらみ、悪い魔法使いボックスに姫を売り渡してしまった。

ずいぶん昔から好きで読んでいた児童書を、少し前に自分で手にしたので、懐かしくなって読んでみた。短い物語です。
うまくいきすぎて乱暴だなあという展開は、今読むと目につくとしても、この話がとても好きです。主人公のアリーテ姫が、全然お姫様らしくなくて、かっこいいのです。女性の自立や、男性に対する目が厳しい話で、大きくなってから、この話からジェンダーを感じたりもしました。
天気晴朗なれど波高し。 2 (コバルト文庫)
士官になったランゾットの乗る艦船が入港を間近に控えたある日、彼に衝撃の課題が課せられた。次の南洋への航海の際、洗礼の儀式を受ける他に、何か芸をしなければならないというのだ。それを聞いた彼に蘇った幼い頃の恐ろしい記憶——兄・ウェインが、腰に派手な布を巻いて、世にも奇妙な踊りの練習をしていた姿。”まさか、あれと同じことを自分がしなければならないというのか!?”(カバー折り返しより)

ランゾットとコーアの物語の二巻目。ランゾットが娼婦であるオーリアの元に通うようになる経緯や理由は、ランゾットらしすぎて笑ってしまいました。本当に、いい人物だよなあ、ランゾットって。
士官となったランゾットの航海は、前回よりも血なまぐさくなく、コメディという感じだったのですが(あれの挿絵がついてるとは思わなかった!)、シリアスな本編に関わってくる人たちのようで、彼の活躍がなんだったのか知りたいなあと思ったのでした。
天気晴朗なれど波高し。 (コバルト文庫)
ルトヴィア帝国で代々海軍提督を輩出する名門ギアス家の三男として生まれたランゾット。一見ひ弱そうに見えながら頭脳明晰の彼は小説家志望だったが、海軍への入隊は本人の意志に関係なく決められていた。士官候補生としてジュリエンド号に乗る前夜、彼は酒場で乱闘に巻き込まれる。そこで出会った同じ海軍士官候補生の男とは!? 流血女神伝の姉妹編は、愛と笑いと冒険の青春海軍コメディ!(カバー折り返しより)

頭脳明晰で小説家志望なランゾットと、同じ士官候補生のコーアの物語。ランゾットが海軍に入ることになった、最初の船での大事件。女神伝をまだ読んでいないので、彼らが何者かは知らないのですが、面白かった!
外界と隔絶された、男ばっかりが詰め込まれた場所での事件。殴ったり体罰が横行している世界で、男同士の信頼や、仕事、上下関係、人柄のバラエティ、軍に属する者ならではの思考など、読み応えがあって面白かった。
ネイがいい女すぎて! 登場する女性は彼女だけだけど、男どもの魅力がありすぎて困りつつ、紅一点の彼女の輝きが眩しかった。
月は幽咽のデバイス (講談社文庫)
薔薇屋敷あるいは月夜邸と呼ばれるその屋敷には、オオカミ男が出るという奇妙な噂があった。瀬在丸紅子たちが出席したパーティの最中、衣服も引き裂かれた凄惨な死体が、オーディオ・ルームで発見された。現場は内側から施錠された密室で、床一面に血が飛散していた。紅子が看破した事件の意外な真相とは!?(裏表紙より)

保呂草と紅子さんの関係がどうなるのか気になるVシリーズ。今回練ちゃんの活躍は薄め。しこさんは若干空気読めてないけど、それがいいのかもしれない。森川君がメンバーの中に入って、大学生組は楽しそうだ。
殺人事件のトリックは、多分そういうことなんだろうと、具体的とはいかなくてもどこに仕掛けがあるのかはなんとなく分かってた。お屋敷なんてものが登場したら、やっぱりそう考えるよね! と。
殺人事件から周囲の人間の心理が浮き彫りになるんじゃなくて、あくまで紅子たちの普段の生活から、くだらない話や、女同士の張り合い(?)や、怒りなんかが見えてくるのが楽しいなあと思う。
白いへび眠る島
高校最後の夏、悟史が久しぶりに帰省したのは、今も因習が残る拝島だった。
十三年ぶりの大祭をひかえ高揚する空気の中、悟史は大人たちの噂を耳にする。言うのもはばかられる怪物『あれ』が出た、と。不思議な胸のざわめきを覚えながら、悟史は「持念兄弟」とよばれる幼なじみの光市とともに『あれ』の正体を探り始めるが——。
十八の夏休み、少年が知るのは本当の自由の意味か——。
文庫用書き下ろし掌篇、掲載。
(『白蛇島』改題作品)(裏表紙より)

同じ因習の残る場所の、大祭に関わる話でも、『神去なあなあ日常』とこの『白いへび眠る島』では受ける印象が全然違いました。ちょっとぞくぞく、恐かった。
十八歳の少年の夏休みの冒険、なのですが、こう、どろっとした感じというか。読んでいて印象に残った言葉が「とろける」という表現。闇や海や空気が、「とろけ」ている、という書き方をされていたと思うのですが、その肌にまとわりつく感じが、とても恐かった。
その中で清涼剤というか、なんかいいな、とにやっとしてしまうのが、荒太と犬丸なのです。これはオタク的な見方をするとBで始まるあれなんだろうなあとか考えてました。文庫書き下ろしの掌編はまさにその典型っぽい。彼らの存在がなんだか綺麗で、ちょっと救われた気分になりました。荒太と犬丸の掌編で描かれたそういうネタはおいしいです。ごちそうさまでした。
面白かった!
神去なあなあ日常
高校卒業後の進路を親に勝手に決められた勇気は、新幹線や電車を乗り継ぎ、辿り着いたのは山奥深い神去村。就職させられた職とは林業だった。「なあなあ」という独特の言葉を使う、おっとりした人々。神様の領域である山に触れていく日々が始まった。

面白かった! こういう人知を超えた「なにか」に好かれる話はものすごく好き! 愛されるとも表現するだろうけれども、愛されるよりも「好かれる」がぴったりくると思う。
林業の現場に放り込まれた勇気は、先輩となるヨキや五十歳くらいの巌さん、矍鑠たる老人三郎さん、山の持ち主である清一さんなど、山と木の職人たちに教えられて成長していく。この成長ぶりが、とてもいい。清々しい。最初逃げるところからもう(心が)捕まった! という感じ。
神去村での日々が、現実とあちらとの境目に近くて、神隠しがあったり、神様が霧として降りてきたり、ちらっと目に映ったりするんですが、それがとても自然に人間の生活に溶け込んでいて、読んでいて感じられる空気がとても綺麗。
かと思うと、祭りはすごかった。興奮した。
すごく楽しい本だった!
天使ズ。 (角川ビーンズ文庫)
「俺たちと組まないか?」ある日クロゼットの扉がいきなり開いて二人組の天使が現れた。
いじめられっこの高校生・奈々は、つまらない毎日をやり過ごしていた。今日も誰とも話してないし。あの子みたいにかわいくないし……。でも。——奈々はもうひとつの世界「霧王町」では選ばれた存在だった。翼も、頭に輪もない天使たちが奈々を戦いに連れ出した! 異世界アクション・ファンタジー。(裏表紙より)

アクションファンタジーというか、青春、成長ものでした。野梨原さんの「口の悪い」女の子炸裂で楽しかった。
天使によって、あちらとこちらの世界を行き来するけれども、かといって重たいわけでもなく、ちょっとゲームっぽい感覚で読みました。天使、悪魔の謎は深く追求されませんが、主人公の女の子が生きることを見出していくのは、凛としていてかっこよかった。変に説教臭くもないし、教訓じみてもいなくて、清々しかった。
奈々が実は○○していて、とあるから、それまでの出来事が都合のいい出来事だったのかと一瞬絶望したのも束の間。そういえば、奈々は天使ズと出会って変わったのでした。だから彼女が望むように世界は動き始めて、新しい日々を見出していけるんだ。そう思うと、にやっとしてしまう。
妄想炸裂 (新書館ウィングス文庫)
話題の爆笑エッセイが、文庫になって帰って来た!!
東に西におもしろいマンガを小説を探し続け、
心からホモ漫(ホモ漫画)を愛する。
ある時は愛するバンドを追っかけ、
またある時は、盆栽と戯れる。
日常の中、炸裂し暴走する妄想は、留まることを知らない!!
さすらうマンガハンター・三浦しをんが、
書を求めて、今日も街をさまよう!!(裏表紙より)

見つけて思わず手に取ったエッセイ集。笑った笑った。
「防人のうた」というタイトルの、バクチクのライブに行くために福岡へ飛んだしをんさんは、公園でコーチと厳しく走らされている教え子たちという光景を見る。
「軟弱者は県民として認められん土地柄なのやろか」
「九州男児でいるのもつらいわねえ」
「この人ら、敵襲に備えとるんかもしれん」
「ああ……防人なのか……」

噴いた。
あと中に駅伝妄想の話があって、まんま『風が強く吹いている』の内容で噴きました。本当に書いちゃったんですね。『風が強く吹いている』は男ばっかりですがほもじゃないはずなので、こちらもおすすめ。
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Author:月子
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