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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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儚い羊たちの祝宴
とある大学に存在する読書クラブ『バベルの会』に所属する人々は現実と幻想の境の壁が脆い。そんな彼女ら儚い者たちの、本と関わり家をめぐる連作短編集。

ひいっ! と声をあげてしまうような恐ろしい話が多かったです。誰が殺して、誰か殺されて、あるいは誰が食って、という話ばかりでした。ダークさにぐらぐらしましたが、こういう暗黒成分はどんとこいでもあるので、面白く読みました。主に令嬢と使用人という話だったのも、好きな理由のひとつだ。
「身内に不幸がありまして」の最後の一文が、恐ろしい。同じく、一言が効いているのが「玉野五十鈴の誉れ」だ。ぞわっとした。
羊というとのんびり、うつらうつらしている夢見がちな、無害な生き物を想像してしまうので、そんな羊たちが夢見ているのがこういう悪夢のような、悪趣味な幻想だと思うと、なんだか言いようのないもやもやと、興奮みたいなぞくぞくを覚える。
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グリム童話―メルヘンの深層 (講談社現代新書)
グリム童話の新しい面白さ——たとえば、「いつの日か、白馬にまたがったハンサムな王子さまが迎えにくる」という夢を抱いている若い女性は多い。若い女性が理想の男性を夢みるのは当然だとしても、その男性が「白馬にまたがった王子」としてイメージされるのは、メルヘンの影響を抜きにしては考えられない。さらに、そうした理想の男性を自分のほうから探しにゆくのだとは考えず、王子さまが迎えにくることを夢みるのは、やはりメルヘンの影響だろう。問題は、白馬の王子が迎えにくるというイメージが、大古の昔から伝えられた、人間の本質を象徴するイメージなのか、それとも、ほんの二百年前にメルヘンに盛り込まれたメッセージなのかということである。ヴィルヘルムがなぜ、どんなふうにメルヘンを書き換えたのかを細かく見ていくことによって、右のような疑問に対する答えを見つけることができるだろう。——本書より(カバー折り返しより)

グリム童話について調べようと思って買っておいたもの。1991年1月の刊行なので、もう古いだろうとは思うけれど、なかなか面白かった。
グリム兄弟の略歴、グリム童話の加筆について、また採集した人物について。歴史学、神話学、心理学のフロイト派、ユング派それぞれから見たグリム童話など、様々なところからグリム童話を見る、まさに大人のために入門書だなと思う。
神様のカルテ
夏目漱石の『草枕』を愛読書とする、風変わりな医者と評判の栗原一止。内科医として本庄病院に勤務して五年目。結婚して一年。圧倒的に医者の数が足りない地域の病院に勤務する一止の受け持つ患者は、救急外来からインフルエンザ患者、余命幾ばくもない人も。この治療で正しいのか……最先端の治療技術を学ぶべきか……命と向き合う一止の目線で書かれる、人々の物語。

作者の夏川さんはお医者さんなんですね。一止の語りで進むお話で、この文体が心地いいなあと思う。病院の話が、自分に覚えがあって込み上げてくるものがありました。最期の治療というのは、家族はもちろん、お医者さんにも難しいものなのだなあと感じます。この一止は、読者として読んでいてとてもいいお医者さんだなと思う。
御嶽荘の話もいいなあと思う。風変わりな人たちがいるというところですでにわくわくする。文人の服薬自殺未遂は、この話にとても合っている……。学士さんを送り出すところがすごく好きだ。
的を射る言葉 Gathering the Pointed Wits (講談社文庫)
「大人になっても遊んでほしい人は多い。特に会議のとき、それがわかる。」「天は二物を与えず、はそのとおり。三物以上与えるのが普通。」「最も期待値の大きいギャンブルは、勉強である。(その次は、仕事)」——人気作家・森博嗣が毎日つぶやいた切れ味鋭い箴言集。何度も読み返したくなる、無二の言葉たち。(裏表紙より)

後輩さんからお借りした本。サイトの日記の最初に掲げられていた毎日の一言から抜粋した箴言集。この言葉というのが、あとがきにあるように「いかに的を外すか」という「ぎりぎりかすっている」言葉にしてあるというのが、さすが森先生だなあ! と思う。言われてみれば確かにそうなのに、こうして目の前に示されないと気付いていないなあと、あとがきを読みながら感じる。

いっぱい抜粋したいところがあるけれど、ひとつだけ。

方角はどちらであれ、向いている方へ進めば、その人にとっては「前進」だ。
レッド・アドミラル  英雄は夜明けを招く (角川ビーンズ文庫)
「死ぬな、ロディア。俺のために生きていろ。これは命令だ」
上層部に啖呵を切ったロディアは、軍規違反の罪で投獄される。しかしランセの友人・カザルス提督の協力も得て、釈放されることに。その後ロディアは、密かに敵国の皇子誘拐を続行するため、再び仲間たちと海へ出た!! マディス王国軍の敗戦が色濃くなる中、人々は切り礼となるランセとロディアが率いるレーン号の帰還を待ちわびるが——!? 海軍出世物語、第3弾!!(裏表紙より)

男装軍人海軍ものの第三巻。この巻も非常ににやにや巻でした! 面白かった! レーン号の面々は基本的にランセとロディアが好きすぎだ。
ランセとロディアのストレートな会話が、噛み合っているようで噛み合っていなくて、にやにやにやとする。お互いが大切で、二人ともそれぞれ「愛」について主張しているのに、お互いのことになると根本的な理由(愛だと思う)に気付いていないという。最後にランセはなんとなく気付いたようですが、それでも淡い感じなのでじれじれします。
決戦のロディアの台詞は普通ヒーローが言うのではないかなあ! と楽しく読みました。かっこよすぎです。多いにときめいた巻でした。一段落しているけれど、続きもある、とあとがきにあるので、これからも楽しみだ!
海馬が耳から駆けてゆく〈3〉 (ウィングス文庫)
「交際許可届け」を知っていますか?
菅野 彰のペンネームの由来は……?

「あなたが胸だと思っているこれ……、これは」
————「本当は天使なの」。

菅野 彰の秘密がいっぱい……?
そしてやって来た1999年、運命の年……。
でも、恐怖の大王はやって来ませんでした——。

笑いと笑いに満ち溢れる菅野 彰の愛すべき日常!!(裏表紙より)

学校の話がすごく面白い。菅野さんって結構不真面目なんだな……。クリエイターって基本的にこういう感じなんだろうか(自分を棚に上げて我が妹を見る)。「交際許可届け」に噴く。時代錯誤だ。
全体的に家族の話と旅行の話が多かっただろうか。体育会系の家族ってすごい。親戚が集まってわーわーしている感じが好きだなと思う。
海馬が耳から駆けてゆく〈2〉 (新書館ウィングス文庫)
『あなたの今までの人生の中でしてしまった、
一番の悪いことはなんですか?』
「海馬」史上最大の話題をまいた「悪いことの話」。
『八丈島に住んでいるシカ科の哺乳類は?』の問いに即答できますか?
答えは、「二十八歳大人の話」の中に……。

体育会系一族の中で「カスケブタ」と呼ばれていた著者の、
愛(?)と友情と勘違いの日常を綴る爆笑エッセイ、文庫化第二弾!!(裏表紙より)

悪いことアンケートは非常に面白かった。私だったらなんて答えるかなあ。……色々あるけれど。
雪で止まった電車の話も、和んで面白かった。こういうのがあるから人間っていいなあと見捨てられない。
パソコンの話はすごく時代を感じた。最速56k……ダイヤルアップ……。これを書いている私は光回線だ。パソコンが分からなかった自分が懐かしい(今も分かっているとは言えないけれど)
かもめ食堂
フィンランド・ヘルシンキにかもめ食堂という食堂ができた。働いているのは日本人のサチエ。最初は学生のトンミくんしかやってこなかったけれど、そこにやってきたミドリが働くようになり、次第に客足が増え始め、またマサコという新しい女性が加わる。

紹介を書くのが難しいな……。山はあるけれど、緩やかな山で、穏やかでのんびりした一冊でした。三十八歳のサチエのところに、四十代のミドリ、五十代のマサコが集まってくるところや、トンミくんに対して「日本語お上手ですね」と言う日本人らしさやありきたりなところがたまらなく嬉しい。地元のフィンランド人たちも、かもめ食堂に興味を持っているところがかわいいな。非日常っぽいのに、とても堅実に、淡々と生きているのがとてもいいと思いました。なんだか心地いい話でした。
桐島、部活やめるってよ
バレー部のキャプテンだった桐島が部活を辞めた。彼をよく知るバレー部の生徒たち、彼をよく知らない生徒たち、派手なグループの所属する生徒、それを遠巻きに眺める生徒……些細かもしれなかった出来事は、それぞれの重さで日常に波紋を描いた。十七歳の高校生たちの連作短編。

それぞれの一人称で書かれる高校生たちの短編集。色んなところが胸に刺さって痛かったです。クラスメートや自分と属性が違う子たちに抱く劣等感。同じ属性にいる子でも、個性の違いを感じて劣等感を抱いたり。思っても言えない気持ちがあったり。
特に、なんでもかんでも口に出す子に対して抱く感情。ストレートに口に出してもいいけれど、人を馬鹿にする言動をしたり、人を貶めることを言う子っているんだよな……という。そういう価値観で生きていくんだろうと菊池は結論づけてますけれど、私もそう思う。
舞台が、どこなんだろうか。大阪っぽいけれど大阪じゃない。
色々自分のだめなところも見せつけられる気がした一冊でした。
はなうたう-淵国五皇子伝- (一迅社文庫 アイリス こ 3-3)
不思議なツタにとりつかれ、淵国につれてこられたカナンを待っていたのは、呪われた体を持つ五人の皇子たちだった。奇跡の実の力で第四皇子・善の呪いを解き彼の求婚を受け入れたカナンだったけれど、四人の皇子はいまだ絶賛呪われ中……。そんなある日、王宮で花嫁修業するカナンに第一皇子・律が急接近! 情熱的な言葉をかけてきて——!?
恋の行方は嵐の予感? 西洋乙女と皇子たちが繰り広げる、中華風王宮恋愛ファンタジー!(裏表紙より)

面白かったです! 前巻よりもパワーアップしている、というか、カナンがすごくすごくかわいくなってめろめろになりました。皇子たちのあしらい方も覚えてきて、多分王宮で最強になるんだろうなあ……。その前には皇帝を乗り越えなければならないか。
「ここ、空いてますよ」に「春日のここ空いてますよ」@○ードリーを思い出して噴く。
領主を問いつめるシーンで、こっちも暗のことを疑ってしまったところからのひっくり返しがすごかった。律かっこいい。しかし、律かわいい。ピュアすぎてかわいい。
古戸さんの作品は、本当に何気ないことにはっと気付かされることが多くて、そういう発見というところでもすごく楽しくて面白い。続きを楽しみにする!
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Author:月子
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