読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

中3のみかげは、亡くなったママのことを忘れられない。父親の再婚で兄妹になった同い年の瞬とはソリが合わない。でも、「ぶっきらぼうなやつ」としか思っていなかった瞬の存在が、だんだんと心の中で大きくなり始めて——。
少女の揺れ動く感情を縦糸に、じれったい「初恋」と家族の再生を横糸に織りなされた、純粋すぎるほどの青春模様。文庫書き下ろし。〈解説・小手鞠るい〉(裏表紙より)
思ったほど血のつながらない兄妹ものではなく、思った以上に家族の再生が描かれた話でした。
みかげの視点から語られる物語。みかげは、中学二年生にしてはちょっとだけ大人びていて、けれどママに執着する様は幼くて。その奇妙なギャップというのか、すんなりと納得して、周囲に対応したかと思えば、思いもがけないところで反発したりむっとしたり声を荒げたり。不思議な感じでした。
元々児童文学として書かれたものを下敷きにしているとあとがきにあったので、この純粋さはそうなのだろうなあと思いました。
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もうすぐクリスマス。少年トーマスは父親から突然、引っ越しを告げられた。任務を終え、遠い故郷の星へ帰らなければならない。優しいお隣のおばさんや友達ともお別れだ。ところが、いよいよ出発というときに思わぬ事故に巻きこまれ、父子は離れ離れになってしまった! はたして、トーマスは一人大好きな地球に残ることを選ぶのか? 父子の愛と、二人を取り巻く優しい人々との別れを描くちょっぴりほろ苦いファンタジイ(裏表紙より)
異星人の少年と、父親の物語でした。少年の選択、というのが丁寧に描かれているように感じました。もうちょっと異星人っぽいのかと思ったら、特にエイリアン的な出来事で周囲に影響を及ぼすことはなかったので、少々残念。
でも、ラストがとてもよかった。じわっときてしまった。ステラはきっと分かってるんだろうなあ……。確かではなくとも、そうであるかもしれない、と微笑んでいるようなのが感じ取れて。

「変身できない」狼男、月森冬馬は人狼族であることを除けば、いたって平凡な大学生……のはずが、ある朝目覚めた冬馬を待っていたのは、彼の妻と名乗る見知らぬ美少女・深雪だった。
とまどいながらも次第に深雪にひかれていく冬馬。しかし、かつて冬馬に重大な悲劇をもたらした妖術士・御堂巽が現れ、二人は否応もなく戦いの渦へと巻き込まれてゆくことに……。
第5回電撃ゲーム小説大賞 選考委員特別賞受賞の話題作、堂々の登場!!(カバー折り返しより)
昔読んだものを、おすすめされていたこともあって、引っ張り出してきました。持っているのはこの一巻だけなのですが、非常にライトノベル! な作品だなあという印象を再読で思いました。色々な設定が王道で、展開は読めるけれど、でもみんな一生懸命でかわいいなーと、この年になって思ったり。
冬馬が大学生という設定にちょっとだけびっくりする。そうか、年齢そんなだったか。彼の苦悩や一生懸命さが、すごく光っていて、深雪がいることで落ち着くところがすごくいいなあと思う。
でも一番最強なのはやっぱり深雪なんだなー。かわいい女の子が最強なのはすっごく好きだー! 小さい頃の性格から、今の状態にどうしてなったのかというのを知りたいなと思う。
続きを読みたいかもしれない……と思いました。
オススメありがとうございました!

「赤い鳥」により芸術性を獲得した童話は、昭和に入ると、「少年倶楽部」に代表される大衆化の道を辿った。一方、子どものリアルな現実をとらえる生活童話が書かれ、宮沢賢治、新美南吉など童話作家も登場、独創的な日本のファンタジーが誕生した。お伽噺から文芸の豊かな一ジャンルに変貌をとげる時代の、川端康成、林芙美子、太宰治、坪田譲治、室生犀星、壺井栄など十九作家の名品を収録する。(裏表紙より)
必要にかられて読んだ。時代と照らし合わせつつ読むと、理解が深まる。
個人的に好きなのは、やっぱりファンタジーのジャンルなんだなあと実感しました。宮沢賢治、坪田譲治の「サバクの虹」、すごく好き。「スイッチョねこ」もかわいい。うまいなあ! と思ったのは新美南吉。
子どもの頃、読んでいた童話をもう一度読めるのは面白かったです。

第14回スニーカー大賞《大賞》受賞!!
えん罪により逮捕された少年ムオルは、人里離れた共同霊園に送られ墓穴を掘る毎日を送っていた。そんなある夜、自らを墓守りと名乗る少女メリアと出逢う。彼女に惹かれていくムオル。だが謎の子供カラスから、ムオルが掘っている墓穴は、人類の天敵・死なずの怪物”ザ・ダーク”を埋葬するものだと聞かされる! 混乱するムオルは、さらにダークに殺されるメリアを目撃してしまい——!?(裏表紙より)
暗闇の中の少年と少女の物語といった印象のお話でした。墓守からダークな話を連想しがちでしたが、そんなことは全然なくて、年頃の少年と純粋な少女の出会いと希望の話。ちょっと優しくて、ちょっとだけ残酷でグロテスクで、最後は明るく終わる物語。
場所が動かないので、ライトノベルっぽくないなあと思いました。でも、すごく引き込まれました。現実のどこかにあるのに、それを感じさせないメルヘン感というか。読み終えてふわふわとしている。

「仏には惚れる。神には擦り寄る。妖怪とはちょっと親しくなりたい」自他ともに認めるミーハー・オカルトオタクの著者が、北は東北、南は沖縄・台北まで、謎と不思議を求めて、数々の「聖地」に出発。パートIよりもさらにパワーアップした突撃精神、無謀ともいえる行動力! 果たして道中はドジとトホホの連続、よくぞ無事に戻って来た…。神仏やお化けにたっぷり接近遭遇できる、類まれな紀行エッセイ。(裏表紙より)
前回は考察っぽかったですが、今回は実際に訪れた紀行エッセイでした。ちょっとぞくり、でも面白かった。この世にはまだ、こういうところがあるんだなあと思うと、ちょっとだけ嬉しい気もする。
取材先の神様に好かれているか否か、の考えがとても好きです。悪いことがあったら「気に入られてない……」とか、いいことがあったら「好かれたかな?」という。
わくわくしてしまったのが、台湾台北の占い紀行。行ってみたい。

想いが通じ合ったレクスとジャスティン。しかしレクスの寿命が残りわずかな事を知ったジャスティンは葛藤する。また魔界の双方の王・キュリオスによって、レクスは瀕死の重傷を負い、魔界へと連れ去られてしまう。その隙に退魔庁が魔界の植民地化を企てクーデターを起こし、魔界でも人間との全面戦争に動きが出始める!! ジャスティンはレクスが不在の中、このピンチに立ち向かうが!? ゴシックファンタジー感動の完結巻!!(裏表紙より)
面白かったー! コメディとラブ、楽しかったです。前巻が心配なところで終わったので、どきどきしながら読んだら、ジャスティンは最後までジャスティンらしく、自分の出来ることをやる女の子だったなー。
思いがけずレクスがあっさり戻ってこられたのに、もうちょっとだけどきどきしたかった! と思いつつ、最後は人間側を止めるために、という戦いがとても燃えました。一番恐ろしいのは人間なんだろうなあ。
ベネットとアンドレアは、大人なのにあまりにも幼いので心配になりました。決着の付け方もやるせない。
やるせないと言ったらキュリオス。彼は最後非常にいい役で、うっかりうるっとしてしまった。彼は結局何を得ることができたんだろう……と考えると、何故かきゅんとします。
ルーナエは最後の最後でもぐーんと成長し、エルデンは最後までかっこよかった! エルデンが戻ってきたところ、彼が男前過ぎてきゅんとしました。
伯爵がやっぱり『お父さん』なのに噴き出し、悪魔のノリが非常に軽いのに噴き出し、あとがきの「硫黄の煙の代わりにバラをまけ!」に撃沈。そうだよなーやたらとバラまいてたなーと思ったらだめでした。
非常に楽しいシリーズでした。