読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
![魔法使いの弟子 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UXNvnwBoL._SL160_.jpg)
「魔法使いの弟子」を見ました。どこか足りない頼りないへたれの愛すべきばかである主人公と、完全あほである敵方の少年が出てきて、千年近くジェラシーのせいで喧嘩してる師匠たちに振り回されるお話でしたよ!(間違ってるけど間違ってない)。こういうのがアメリカ的ハッピーなお話なのかななどと思いました。頭空っぽにしてみた方がツッコミどころがたくさんあって面白い。とにかく、師匠と弟子のコンビが双方ともにかんわいいんですよね! ニューヨークという都市を舞台にして、現代の要素をたっぷり取り入れたお話の作り方がすごく好き。でもちょっと物足りないので、続きがあるだろうし続きを見てみたいなと思いました。
でも親父スキーの私にとっては、ニコラス・ケイジ演じるバルサザールにときめく映画。あのよれよれ具合のつかれ具合、たまんないよね! 弟子に余裕たっぷりで愛情が感じられるというのもときめきポイントだよ! みんな、バルサザールにときめこうよ!
……と間違った布教をする。これで興味を持ってくれたあなたと私は友達かもしれない!
PR

イギリスに来て半年。寄宿学校生活に慣れてきたエリカは、ガイ・フォークス・デイの祭りに参加したいと思いつき、外出許可を得るため、万聖節のバザーへの出品を計画する。しかし協力をたのんだ男子寮の監督生ジェラルドはいい顔をしない。おりしもエリカは、男嫌いの新入生キャロルが起こす騒動に巻き込まれる。グレイ校長は、これらの解決策としてエリカを女子寮の監督生に指名するが!?(カバー折り返しより)
男子校と女子校が隣り合った寄宿学校を舞台にした、準男爵の血を引くイギリスと日本のハーフの少女エリカと、レディズ・カレッジの友人たち、男子校の生徒たちの学園もの。一巻と変わらず乙女できゅんきゅんしました……! かなりときめきのシリーズです。「カエルはいつか王子様になる?」って! かわいすぎて! もう!
前回は三人だったカレッジにも、わけありな新入生が三人入ってきた。女子同士身分差の諍いがあり、男嫌いの下級生がいたりと、少女たちの関係性も大変おいしい。男子は男子で、エリカに対するロジャーとジェラルドの位置も一巻に比べてはっきりしています。ジェラルドが本当に不器用な俺様でかわいいな!

温泉町にある老舗旅館「ほたる館」の孫娘・一子は、物怖じしないはっきりとした性格の小学五年生。昔ながらの旅館に集う個性豊かな人々や親友の雪美ちゃんに囲まれ、さまざまな経験を重ね少しずつ成長していく。
家族や友達を思いやり、ときには反発しながらも、まっすぐに向き合っていく少女たちの純粋さが眩しい物語2編を収録。著者デビュー作シリーズ第一弾。
〈解説・佐藤多佳子〉
(裏表紙より)
最近ピュアフル文庫がお気に入りなので、見つけて読んでみる。
続きが読みたいと思いました。
老舗旅館のひとり娘、小学五年生の一子が主人公。近隣に大きなホテルが出来て、そちらにお客を取られている現状、個性豊かな旅館の人々と、わけありげなお客さんの話と芸妓さんの話がこの巻です。こんなことを言っては偉そうなんですが、すごくぶれがなくて、楽しい。
わけありげなお客さんを本人に内緒で高価な部屋に案内したり、学校の先生のひいきの話があったり、小学生はこういう話がすごく響くんだろうなあというシーンがいくつもあって、この年になって読むとすごく懐かしいような気持ちになりました。
残念なのはすごくページが薄いところ……続きがあるようなので、できれば一冊にまとめてほしかったかも。

姉をさしおいて結婚が決まったプラーナ帝国の皇女エリスセレナ。嫁ぎ先は古い価値観に縛られたヴァルス帝国。政略結婚は覚悟していたものの、なぜ姉ではなく自分なのか——。複雑な思いを抱きながら輿入れする道中で、エリスセレナは金髪の聖騎士イシュトファルと出会う。彼は、婚約者であるゲオルグ公の異母弟だった。そしてゲオルグ公にはすでに愛人がいて、しかも妊娠していると知り…!?(裏表紙より)
嫁恋シリーズ第四巻。続く五巻で前後編になるのかな。
赤毛を持ち、知性に恵まれた皇女エリスセレナが主人公。美しく優しいのではなく、頭の良い女性は一般的に嫌われているけれど、主人公はそれが魅力、という設定がツボです。ただそれだけに不用意な言葉を言ってしまうという失敗も多く、その度に反省して、素直に謝罪できるエリスセレナはすごくかわいい。そればかりではなくて、「ここにいる私には意味があるはずだ」と前向きになっていき、継承権主張を始めるところはすごくかっこよかった。嫁恋シリーズは政略結婚ものシリーズだけれど、エリスセレナはその中でも一際輝いて、かっこいいヒロインだな!
ヒーローとなるイシュトファルは穏やかな騎士そのもので、エリスセレナも一般的なかわいげというものを持っていないという風に描かれているだけに、二人の歩み寄りがじれったくてもだもだしました。

チャーリーが住んでいる町に、チョコレート工場がある。
世界一広大で、世界一有名なワンカの工場。
働く人たちの姿をだれも見たことがない、ナゾの工場!
そこへ、五人の子供たちが招待されることになった。
招待状の入ったチョコレートは、世界にたったの五枚。
大騒ぎになったけれど、チャーリーには望みがない。
貧しいチャーリーがチョコレートを口にするのは、
一年に一度、誕生日に、一枚だけなのだから……。(カバー折り返しより)
映画の方の印象が強すぎて、脳内ビジュアルがハリウッドスターだけれど、映画は結構忠実に作ってあったんだなあと思いました。
貧乏なチャーリーが誕生日のチョコレート一枚だけというのもどきどきしましたが、おじいちゃんのへそくりでもだめ、でも空腹に耐えかねて拾ったお金で買ったら、見事招待状を引き当てた。拾った、というところがちょっと「ん?」と思いましたが、父親の働いていた工場が閉鎖し、食べるものにも困っていたのだから仕方ないのかな。この辺り、拾ったお金の行く末は外国ではどうなんだろう。日本と価値観が違うのかな。
ワンカの工場はすごい。楽しいなあ! 子どもたちが次々と懲らしめられていくところが気分がいい。訳がものすごく素敵で、ウンパッパ・ルンパッパの歌の詞が、韻を踏んでいて面白い。
チャーリーの大逆転も楽しかった一冊でした。

江戸から明治に入って二十年。時が時ならば若様と呼ばれていたはずの長瀬たちは、これからの暮らしのため、巡査となるべく、教習所で訓練を受けることを決意する。その学舎では、長瀬たち若様組、薩摩組、静岡組、平民組と様々な派閥が生まれていた。果たして若様たちは無事に巡査となることができるのか。
面白かった! 『アイスクリン強し』の前日譚で、真次郎から離れて若様組が巡査になるまでのお話。明治の警察学校を舞台にした学園もの、という表現でいいのかな。
時代が変わり、人の身分が代わり、士族と平民など派閥が教習所にも生まれている。それぞれの身の上から巡査を目指す青年たち。若様組の個性も光っているけれど、教習所の同窓たちや、教師陣まで個性的で面白い。特に無能な所長や、理解のある教師、嫌味で贔屓があるくせに底知れないナンバー2の存在が楽しい。派閥を越えて訓練生たちが結束するところもすごくよかった。最後の大乱闘はすごく楽しかったし、学園ものとしてすごく楽しかったと思う。
個人的に沙羅ちゃんが好きなので、もっと出て! と思ったんですが、若様組もすごく楽しくて、続きがあれば読みたいなあと思いました。

彼の妻は小説家だった。彼は妻の最初の読者だった。しかし妻はある日「思考すると寿命を削る」原因不明の奇病にかかる[Side:A]。彼女は小説家だった。夫は彼女の読者だった。しかし夫はある日交通事故に遭ったことで膵臓に腫瘍が見つかり、寿命がわずかだと判明する[Side:B]。
ものすごい話だった……。読み終わった後、ため息をついてしまった。凄まじかった。
二種類の夫婦を追っているだけなのに、ものすごいドラマとストーリーが詰まっていて、すごかった。小説家と読者を執拗に描いていて、その二つが結びついた(恋愛や男女という関係で)瞬間すごく嬉しいんだけど、一気に一方の喪失という形で落ちていく(もしくは高みに登っていくのか?)のが面白いけど怖い。容赦ない。けどすごく面白いというアンビバレンスが。
自分が書き手であるということを考えると、AもBもなんだか親身に感じてしまう。受け入れてほしいし、丸ごと受け入れてくれる人が欲しい、とよく感じているなあと確認した。

フランダースの貧しい少年ネロは、村人たちから迫害を受けながらもルーベンスの絵に憧れ、老犬パトラシエを友として一心に絵を描きつづける。しかし、クリスマスの朝アントワープの大伽藍に見いだされたものは、この不幸な天才少年と愛犬との相いだいた亡骸だった。虐げられた者への同情を率直素朴な表現でつづった少年文学の傑作。他に「ニュールンベルクのストーブ」を併録。(裏表紙より)
ちゃんと読んだことがないので読んでみようと思って。ネロが十五歳の少年である。パトラシエ視点の文章もあって、人間と同じように考えているのに、犬ということが強調されているので、西洋圏のお話だなあとぼんやり思う。
「フランダースの犬」の話の流れはみんなに認知されている話の流れのままだと思う。
面白いなあ! と思ったのが「ニュールンベルクのストーブ」。偶然家にあったある芸術家の傑作のストーブが父のせいで売られることになり、その中に潜り込んで一緒についていく少年の話。行方にどきどきしたり、幻想的なシーンがあったりして、最後に少年オーガストが出会ったストーブの買い手……! その他にも、二編とも芸術家というものを掘り下げようとしたり、畏敬していたりして、すごく好きだった。


友衛遊馬、18歳。弓道、剣道、茶道を伝える武家茶道坂東巴流の嫡男でありながら、「これからは自分らしく生きることにしたんだ。黒々した髪七三に分けてあんこ喰っててもしょうがないだろ」と捨て台詞を残して出奔。向かった先は、大嫌いなはずの茶道の本場、京都だった——。
個性豊かな茶人たちにやりこめられつつ成長する主人公を描く、青春エンターテイメント前編。
〈解説・北上次郎〉
(上巻・裏表紙より)
マイナー茶道お家元の長男が、茶道が嫌いだと言って家出し、しかし何故か本場京都に行って、なんだかんだと茶道をやっているお話、というのが上巻。なんだか独特の文体というか語り口な印象でした。人が喋って説明することを、地の文で説明するというのが多かったり、過去の話を現実の時点でのことのように書いていたり。ちょっとめずらしかったので気になった。
家出したもののお金もない、何の夢も持たない遊馬が、それでも少しずつ頑張っていくところがいい。自然と出てしまう茶道の作法のシーンがちらほらあって、思わずにやっとしてしまいます。遊馬はだめな子だけど、ちゃんと持っているものがあるんだなあ。いいなあ。
解説があるのですが、解説が下巻の内容にちょっと触れているので注意が必要。
下巻はお話の収束で、何かを見出しつつある遊馬が眩しい。自分を受けいれたというか、落ち着きが出たので安心して読めました。お茶をしたり、剣を持ったり、弓を引いたり。志乃さんの遊馬評である「身体で覚えるタイプ」というのがしっくり来て、最後の最後でおおっと思いました。弟・行馬の出来過ぎっぷりにはなんだか可哀想な気もしましたが、遊馬はちゃんと何かを見出そうとする気持ちが出たみたいだし、大団円でとてもよかった!

“ホテル・ウィリアムズチャイルドバード”、通称〈鳥籠荘〉には、普通の社会になじめない一風変わった人々が棲みついている。衛藤キズナ(17歳の少女。バイト・絵のモデル)、浅井有生(新鋭画家。ほぼ外出しない)、井上由起(有生のイトコ。超美形で女装癖あり)。彼らを中心に、妄想癖の美女、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、不気味な双子の老人たちも加わり、繰り広げられる——ちょっとおかしな、けれどいろいろフツーの日常がつづられた物語。今回は、キズナを慕う後輩の女子高校生の話、浅井有生と井上由起の子供の頃のキュートなヒ・ミ・ツのお話、キズナと由起のハプニングな1日の話を収録。(カバー折り返しより)
1を読んでからかなり間が空きましたが、2巻を読んでもさほど違和感はなく、2話目の有生と由起の話が新鮮で面白かったと思いました。変人ばっかりだけれど、なんだか童話めいていて愛おしい。
「ザリガニ/万引き/スケッチブック」は、オチと、その次の「彼女と彼の気まずい日曜、彼女と彼女?のハプニングな土曜」で明かされる由起の台詞に、そういうことか! と噴き出した。そうか、だからどちらも一生懸命だったわけだな!
でも「ザリガニ〜」で気持ち悪いところがあるのは変わらないな……とそこだけ後味が悪いと思いつつ。
「ザリガニ〜」で登場した、海の底から謎の巨大甲殻類が云々は、きっと有川浩さんの『海の底』だろうと思ってにやっとしました。