読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「俺様が嫌いなのか?」聖都マギに向かって旅を続けるエメラルドは、野性的なラグナから寄せられる熱い視線に、心とまどう日々。そんな中彼女は、新たなウィザード候補のコウと、その恋人マリンと仲良くなるが、仲間のウォレスを待ち受けるある残酷な運命を知らされ、激しく動揺する。「愛してると言ったら、ぼくから離れてくれるの?」ウィザード候補になることをかたくなに拒絶するウォレスに隠された秘密とは!? 激情の第4巻!!(裏表紙より)
きた。
きました。あらすじから分かる通り、デレです。
実は挿絵をぱらっとめくってしまって「あwせdrftg」となったので急いで読みました。挿絵はめくっちゃだめだよ! 約束だ!
糖度急上昇でどうしようかと思いました。にやにやにやにy(略)してたんですが、よく考える母上が確か先に読んでいた気がするので、どういう気持ちで読んでいたのか気になりました。
その後のラグナの慰めも、ほのぼのとしていてちょっと切なくてよかった。
マリンの指摘に、「まさか、険悪化!?」と思ったんですが、……エメラルドらしくてよかったと思います。やっぱりエメラルドかっこいい。
コウとマリンは、いい起爆剤になったっぽくて、このさき魔女たちはどうなるんだろうと思いつつ。
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「この森を抜けたら別れましょう」追っ手を避けて密林地帯に逃げ込んでエメラルド達一行。エメラルドに惹かれながらもわざと冷たくあたるウォレスに、彼女はついにそう宣言するが直後、聖都マギから派遣された美しきマッドサイエンティストのラドに捕らわれてしまう。「きみの思考を。ひいてはその心をもらうつもりだ」謎の遺跡《巨人(スリサズ)》の力で彼女を操ろうとするラドの魔手が迫る!? 新たなウィザード候補も出現。緊迫の第3巻!(裏表紙より)
色んな決着が見られる巻、かな。
ハルベルトとのやり取りは、エメラルドらしいなと思うと同時にすかっとした。彼女は恋するときもこうであってほしいなあという理想が、やっぱりちょっとはあったみたいだ。エメラルドが治療する辺りもかっこよかったなあ!
アルフェッカとの決着は、こちらもやっぱりエメラルドらしかった。アルフェッカとアトラスとの会話が一番染みた。

美貌の青年ウォレスらと共に旅を続ける見習い魔女のエメラルドは、並の男よりオトコ前な正義感あふれる現実主義者(リアリスト)。だがウォレスはどこかエメラルドには冷たい態度で、二人は気まずい雰囲気に。そんな中、若き国王クリストバルが、ウィザートの特別な加護を受ける《宝石》である彼女を手に入れようと部下を差し向けてきたうえ、なんと結婚を迫ってきて——!?「わたしは君を逃がすつもりはないよ」加速する恋と陰謀の争奪戦!(裏表紙より)
国王に求婚されて囚われるエメラルド、というおいしい展開なわけですが、エメラルドが男前過ぎてわくわくしました。どきどきじゃなくて。どういうかっ飛ばし方で脱するんだろう! という。でもアルフェッカが出るとエメラルドが弱くなるので、そのギャップもおいしいなと思います。ウォレスと同じ顔というところが重要だったりするんだろうか。
この本は1巻だけで読むのを止めると損するなあとこの辺で分かりかけてきた。
![エバー・アフター [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/516QVTXhDAL._SL160_.jpg)
今日は映画「エバーアフター」を見ていました。シンデレラの再話です。
あるところに元気な女の子がいましたが、大好きな父からトマス・モアの「ユートピア」をもらった次の朝、父は後妻と二人の継子と、女の子を残して死んでしまうのです。数年の時を経て成長した女の子は、召使いとして働かされていました。一方、皇太子殿下は政略結婚に反発して城を抜け出して。(以上あらすじ)
授業で飛ばし飛ばし見たのですが、一からしっかり観たら色々伏線があって面白かったです。綺麗ないいお伽話でした。何より乙女心が大変満足しました。登場人物もドレスも舞踏会も結婚式もお裁きも! ときめいたー!
初見の妹と見てたんですが、妹のツッコミと盛り上がり方がまるきり私と同じで、私も思わず声を上げて盛り上がっていました。
例:妹・私「レオナルドぉおおおおお!!!!!」
ちなみに、レオナルドはじっちゃんである。いいじっちゃんである。

ウェブマガジンに連載したものの収録を主として、他の掲載文、エッセイを収録した、ファンタジーと荻原さんの関わりについてのエッセイ集、かな。
トールキンとルイスの話や、他の児童文学、例えば有名どころでダイアナ・ウィン・ジョーンズや、「ハリー・ポッター」などの有名どころの話も絡めて、荻原さんとファンタジーの関わりが書かれていて、非常に興味深く読んだ。
神話を取り扱った場合の恐ろしさというものを読んで、どきどきした。書くことで現れてくるものの恐ろしさに、ぞくりとした。すごい。確かにそう感じることがある。
「空色勾玉」出版までの話を読んで、確かにあれほどの長編は滅多に見なかった覚えがある。
私は中学生になって少しまでずっと児童文学を読んでいたので、思っていたことがある。それは「ハリー・ポッター」ブームによって、海外ファンタジーが多く出版されるようになったなあということ。それまで、日本の児童文学とくにファンタジーは、異世界ものというのがほとんどなく、現代ものか、本当に幼年童話の魔法ものしかないように感じられていて、すごく不満だった。そのファンタジーというのも、非常に薄暗かったり、いうなれば田舎の日本家屋のような印象があるものが多くて、今ならそれはそれで楽しく読めるのだけれど、子どもの私はやっぱり明るい話が読みたかったのだ。ディズニーが大好きだったので、まったく現実とはかけ離れた世界がとても好きだったから、どうしてファンタジーがないんだろうとずっと思っていた。
それが「ハリー・ポッター」が出版された頃に、図書館の本棚にはみるみるうちに児童文学が並ぶようになった。それらは一発で分かる。装丁が豪華なのだ。いい紙を使っているし、フォントもオシャレ、本も新品だからきらきらしている。
嬉しい、と感じるには、私はもう日本の大人の小説を読むようになっていたから、あまり手は出してこなかったけれど。逆に、一般文芸は、私には翻訳物がなかなか合わないのだった。どうも翻訳の文章に違和感を感じる。それなりに色々読んできたから今はあまり気にしないけれど。今は、古典名作を読みたいなあと思っている。

松山中学在任当時の大家員を背景とした初期の代表作。物理学校を卒業後ただちに四国の中学に数学教師として赴任した直情径行の青年”坊っちゃん”が、周囲の愚劣、無気力などに反撥し、職をなげうって東京に帰る。主人公の反俗精神に貫かれた奔放な行動は、滑稽と人情の巧みな交錯となって、漱石の作品中最も広く愛読されている。近代小説に勧善懲悪の主題を復活させた快作である。
読書が趣味と言いつつも実は近代文学はあまり読んだことのないという……なので読んでみた。
非常に文章が軽快だと感じた。読みやすい。
ただ、非常に文章と行動に齟齬を感じるというか、考えているだけで実行に移さないところがあるように思えたので、無鉄砲というわけではないんじゃないかと考えた。色んなことに苛立ちを覚えて、理不尽だと感じたりして、かといって大声を上げるわけでなし。最後の赤シャツと野だに対する成敗は、二人だからやったわけで、一人じゃやらなかったんじゃないかと思ったり。坊っちゃんは本当は臆病者なんじゃないかと。『坊っちゃんの時代』という文庫を読んだけれど、そこでは漱石の臆病さというか、神経質な面が描かれていたと思うので、そう思って重ねてみると、やっぱり本当は坊っちゃんは臆病じゃないのかと考える。

たつまきに巻き込まれたドロシーがたどりついた所は、ふしぎな美しさに満ちた魔法の国——オズ。彼女は大魔法使いオズ様の力を借りてカンサスに帰るために、愛犬トト、脳のないかかし、心臓のないブリキの木樵り、臆病なライオンたちを道連れに、オズ様の住んでいる〈エメラルドの都〉をめざして旅に出た。
オズの国で展開するドロシーたちの奇妙な冒険を描いて、世界各国の少年少女たちには多くの夢を、童心を忘れた大人たちには、ひとときの安らぎを与える幻想小説の名作!
瑞山いつきさんの「マギの魔法使い」がオズをモチーフにしているのと、授業の関係で興味を持ったので、初めてきちんと読んでみた。
オズはシリーズ、ということを、実はさっぱり知らなかったです。エメラルドの都に行く話なだけだと思ってました。この「オズの魔法使い」できちんと『行って帰る』物語になっているので一巻だけでも読めます。
児童文学において大抵の少女は、異国の地でとても礼儀正しく振る舞う、ということを事前に聞いていたので、ドロシーの言葉遣いにおしゃまな感じが現れていて微笑ましく感じた。しかし、読んでみると、本当に旅の一行は利害関係で旅をするんだな……とそこの辺りが非常にリアルで、シュールに感じました。
ひとつ気になったのは、別れのシーンで、きこりとライオンにはキスをするのに、かかしに対してはぎゅっと抱きしめるだけであること。何故その差が……? と思ったりした。ちなみに作中では主にかかしが大活躍である。
初めて読み通したけれど、とてもいい児童文学だと思った! 教訓でもないし、楽しい冒険ものという感じで。教訓ものは教訓もので面白く読むけれど、普通に不思議な国を歩く話はやっぱり好きだなと思った。

今でも、届く声がある——。少女は声を聞く。それは自分を助けてくれた天からの声。いくつかの出来事と人の出会いが重なった時、それは大きな事件へと繋がる。子どもたちが起こした奇跡、そして大人たちの物語。
優しくて、泣きたいくらいの物語でした。
二人の子どもと大人の視点から語られる物語。最初、全然話の内容に見当がつかなくて、これはどういうジャンルなんだろう? と思いながら読み進めていくと、子どもと大人のファンタジー、でした。
目線が優しいなあと思います。語り部になるかほりも、リンも、大人たちも、みんな物語る言葉が優しくて、ぎすぎすしたものや暗い感情が感じ取れない、澄んだ印象で進んでいく。物語の脇役的立場にいる人たちも、みんな綺麗な輪の中にいるような感じ。
それだけに、子どもたちが行動した結果、ああいう世論が巻き起こったということが書かれていたのがとても胸に重かった。だからこそ、大人たちが大人たちにできる方法をやったということが泣けてしまった。物語はおおよそ子どもたちの戦いで、大人たちは寄り合わせていく役目だったけれど、最後に大人たちも戦ったということが、やっぱりこの物語を優しくしてくれたんだと思う。
いい話だった。