読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

ナンシー・ドルー18歳。金持ちの老人の遺産を、強欲な親戚一家がむりやり独り占めし、これまで老人から援助の手を差し伸べてもらっていた人々が困っているらしい。みんなに遺産がいきわたるようにすべく、ナンシーは遺言書捜しに奔走する。正義感が強く好奇心旺盛なナンシーが、大人顔負けの活躍で事件を解決する。長年にわたり人々に愛されてきたシリーズの、記念すべき第一作!(裏表紙より)
ミステリーかと思ったら、さっぱりとした子ども向けのお話だった。児童文学で、勧善懲悪ものなんですね。あんまりうまくいきすぎるからびっくりした。
ナンシーが、とてもかわいい。みんなに愛されるヒロインなんだなあと読みながら思う。みんなに好かれて、正義感があって、冒険心が強くて。彼女がこれまで色んな出来事を解決してきたんだろうなあ、という、長い彼女の物語の中の、ある期間が書かれているのがこの第一作のようでした。
うまくいきすぎる、と書きましたが、それでもわくわく感がすごくて。こういう展開なんだろうと読めても、本当にうまくいくのかなと考えたり、うまくいった場合、悪者たちはどうやって泡を吹かせられるんだろうと考えると、楽しかった。
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会計検査院の松平、鳥居、ゲーンズブールの男女が降り立ったのは大阪の地。三権分立のどこにも属さない彼らの仕事は、大阪の秘密を暴くことに。
一方、大阪は空堀中学校の大輔は幼馴染みの茶子と共に、ある決意を秘めて登校する。
これは、三人の大人と、二人の中学生と、大阪の人々の、五月三十一日に至る物語。
これは、すごい。
分厚さもさることながら、世界観とか色々な伏線がすごい。大阪国って! 大人の、男たちのロマンと一致団結がすごい。更に更に、女性の存在も、直接関係ないのにこれほど鮮烈に印象に残るのか! という。人の力ってすごい、を強く感じる物語でした。
みんなが一斉に動き出したところで、読むのが止められなくなって、ぞわぞわしてきて。人々が、長く長くこれほどまでに大切に繋いで受け継いできたものが、こうした形でも確かに現れたことにめちゃくちゃ感動して、うるうるしながら読みました。思い出しても、すごい、と思って、なんでか泣けてくる。
登場する空堀辺りが、結構知っていることもあって、それも楽しかったです。
タイトルのつけかたが秀逸です。もうこの話はこれ以外のタイトルはないと思います。

「僕があなたの式神となりましょう」
死者の魂を現世に呼び戻し、式神として使役する《式使い》。式使いの少女・彰は、最愛の式神・司を取り戻し、幸せな日々を送っていた。しかし『司をまた失ってしまうかもしれない』という不安は消えない。司をつなぎとめる方法を探すため、式術を学び直す彰。そんな彼女の元にやってきたのは、式神が降ろせないはずの彰の新たな式神で…!?
彰と司、すれ違う2人の心の行方は——?(裏表紙より)
式使い三巻。お話としては最終巻、なんでしょうか。
ごちそうさまでした! すれ違いやら、吹き込まれやら、ライバル登場やら、心理戦的ならぶ要素が盛りだくさんでおいしゅうございました。でも、バトルがもうちょっと! 見たかったです!(永野さんのバトル描写大好きなので!)
彰も司も、自分のことを他人に頼らずに解決しようという性質なので、すれ違う度に「がんばれええええ!」と応援していました。応援せずにはいられない、まっすぐな登場人物たち。この二人に限らず、式使いの登場する人物はみんな自立心が強くて。だから、終章の、みんなが爽やかに、どっぷり支え合うわけではなく、お互いを思い合っているようなかたちは、やっぱり「支え合い」に感じられてすごく幸せでした。
この物語は、きょうだいが美味しいです。彰姉妹も、司兄弟も。特に姉妹が非常にかわいかった……。きょうだい仲良しがすっごく見てみたいです。
もちろん、彰と司のらぶもすっごくときめきでした。待つ、と言った司にこの人完璧攻めに回ったな、と珍しくオタク的に考えたのでした。絶対振り回されるに違いない。彰、ガンバレ……!
そうだ、無料配布されているというペーパーの所在が分からなくて、しょんぼりでした。田舎めええええ!〇| ̄|_

幼馴染の丈と忍び込んだ雪の邸で、三人の幼児を目撃した星玲子は、その時川に落ちた愛猫とらを救ってくれた優しい少年に思いを寄せる。父母を失い一人札幌に向かう道にも、彼は現れた。丈ととらに護られて成長する星玲子は、一途にかつての少年を思い続けるが、祖父の”遺産”を巡る策謀と、三人の幼児に繋がる縁が彼女を翻弄する。『雪の断章』『忘れな草』『花嫁人形』姉妹編。(裏表紙より)
三人の運命の子どもたちには直接関係ないけれど、それを取り囲む複雑な糸に絡まれ、自らもその運命を持つ少女の物語。
他の姉妹編と比べて、どうしても振り回される感が大きくて、そこが可哀想だなと思いました。孤児だけれど、ある意味とても満ちて過ごしている。でもやはり、欠けたところは存在する。でも星玲子は、何かを求めようとしたり、切望したりする気持ちが、他の孤児たちと比べて弱い気がしたので、だからこそ振り回される印象が強くなってしまったのかも。
同じ作者の館三部作にも関連しているようなので、また読もうと思っています。

仕事も一段落。自由な日が作れたから、旅に出よう。テントや寝袋を詰め込んで……。気がつくとなぜか海に向かっている。そこで出会う人たちとの熱い交流、そして別れ。友が言った。「なんだか船の別れっていいけど少しかなしいですね」。幸せな風景が心にしみてくるのはなぜだろう。旅人シーナの感動物語。(裏表紙より)
ウン年前、買って読んだけれど、いまいちぴんと来なくてほったらかしにしていた、という本。ティーンだったから、この本がいまいち分からなかったのだ。紹介の「感動物語」というところで、小説だと思い込んでいたこともあったと思う。
旅行記である。解説にもあるように「もう少しむこうの空の下(の海)へ」という、海に向かった旅の記録。出会う人々や過去の話を交えつつ、いくつかの旅のことが書かれている。一冊が一つの旅の記録じゃないのです。一冊に複数の旅の記録があって、どうやら、頻繁に旅に出ていらっしゃるよう。その記録がまた、短編小説のような懐かしさや温かさや不思議さを漂わせています。
好きだったのは「木の踊り」。沖縄の小島の出来事。この一冊には女性のことがよく出てくるのでなんとなく、もやもやしてしまうんだけれど(何故だろう……)、「木の踊り」の女性は子どもみたいで可愛かった。

父と母、そして四人の姉妹。幸福な家庭の中で、血の繋がらない昭菜だけは教育も与えられず、孤独に育った。叔父の壮嗣は陰で時々優しくしてくれるが、皆の前では末娘の織ばかりを可愛がる。孤児という境遇と許されぬ恋に苦しむ昭菜は、ある事件をきっかけに、新たな秘密と罪を背負うことになる。血縁と企業が絡んだ宿命に翻弄される人々を描く、『雪の断章』『忘れな草』姉妹編。(裏表紙より)
孤児四部作の三作目。長らく積んでいたのを読んだ。
久しぶりに読んで、この、しっとりした綺麗な文章にうっとりする。一人称で、リリカルな文章が挟まったりするけれど、暗闇を抱えた少女たちの物語は、読んでいると心のなかに文字が降り積もる。
昭菜は孤児として一番、形としては幸福な場所にいるのかもしれない。ただ、人間として必要であろう教育を奪われたことは、孤児たちの中で一番不幸だった。
三作目まで読んだけれど、この三作目も好きかもしれない。好きだというのは、これが家族の物語であるということ。もちろん最大のテーマである少女の恋は描かれるわけで、その上で、この美しいけれどうまくいかない家族は、不幸であるだけによりいっそう綺麗に見えてしまうんだよなあ。

「立派な武将になったら……」「ふさわしい女人になって待ってる」。幼い日に結婚を約束した士蘭と華羅。
だが、心待ちにしていたその日を前に、華羅は従姉妹の身がわりで、斤王、柴蘭涼へ嫁がされる。
女は美しい政略の道具としか思っていない蘭涼に、美しい人形ではない! と華羅は反発、寵愛を拒否。
二年で斤国に利益をもたらせば、士蘭の元に返すと言う蘭涼の言葉を信じ、華羅の計略が始まる!(裏表紙より)
王の寵愛を拒否した少女のサクセスストーリー。鮮やかな、女の子が頑張るお話でした。
らぶ成分はそう多くはないのですが、ただこの人が気になる、とても好きだという人がいました。斤王、蘭涼です。幼馴染みの士蘭の影が薄いので、ずっとこの人ににやにやでした。蘭涼が段々と華羅を新鮮な目で見つめていくのが、非常においしかった。蘭涼との恋愛ものでもとても面白かったのではないかな! と思うくらい、好きになりました。冷酷と呼ばれてすべてを冷めた目で見ている人が、動揺したり段々と他人に好意を持っていくのは、それはもう大好きです。ごちそうさまでした。

オルガ女学院に転校生がやってきた!彼女の名はクリシュナ・パドマバディ=ガエクワッド。なんと大国バローダの第一王女——ほんもののプリンセスだった!! 初日からわがまま放題の彼女は、ヴェロニカから特別室を奪い取り、カーリーを自分の召使いにしてしまう。カーリーを奪われたシャーロットは大ショック! しかも新たなルームメイトはあのヴェロニカ!? 最悪な寄宿舎生活に、どうするシャーロット? 運命の初恋ストーリー、待望の第2巻。(裏表紙より)
前回は小公女、今回はローマの休日がモチーフのよう。相変わらず女の子で素敵だった! アニメで見たいよー。カーリーは本当に、世界●作劇場みたいなアニメで見たい!
わがままプリンセスが寄宿舎を引っ掻き回す、というお話。プリンセス・パティの人となりはプロローグで分かりますが、彼女の本心はラストで明らかに。だからパティ、すっごく格好良かった!
カーリーの、シャーロットへの色々がまさに「たまらん……」でした。言葉がわからないシチュエーションがたまりませんでした。カーリーは、早く本当の姿に戻って、シャーロットのことを守りたかったんだろうなあ……。
女の子がとても可愛くて、元気で、失われた過去の話だからとても哀愁があって、すごく好きな作品です。これで刊行が止まってるなんて、すごくもったいない! 続きが読みたいよー!

「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竃は、
群がる男達を軽蔑し、鉄道模型と幼馴染みの雪風だけを友として
孤高の青春を送っていた。
だが、可愛そうな大人たちは彼女を放っておいてくれない。
実父を名乗る東堂、芸能マネージャーの梅木、
そして出奔を繰り返す母の優奈——誰もが七竃に、
抱えきれない何かを置いてゆく。
そんな中、雪風と七竃の間柄にも変化が——
雪の街旭川を舞台に繰り広げられる、痛切でやさしい愛の物語。
解説・古川日出男(裏表紙より)
オンナ、の物語。語り手は、たいへん遺憾ながら美しく生まれてしまった七竃がメインだけれど、彼女に性のにおいはなくて、彼女を取り巻く女性たち(語り手になるオンナたち)が、みんなオンナとして生きている印象でした。
それだけに、七竃と雪風の清らかさがとても綺麗。
でもどうしてこうも、重苦しい影が立ちこめているんだろう。冬という季節のせいかな。影が濃くて深い。この本は、白雪姫のように白と赤と黒が鮮やかな気がする。あとはすべて灰色、のような。
可愛そうな大人と銘打ってはいるけれど、物語の終わりに七竃も少女時代から抜け出して青春時代を終える、というのが、もう、言葉にならないくらい鬱々としていて好きです。
本当に、世界を物語るような文体だなといつも思います。
