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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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手相 (図解雑学)
主立った線をメインと特殊な相を解説したもの。図解になっているので、照らし合わせながら見ることができる。感じとしては基礎的なこと、みたいに思えた。結構分かりやすい気がする。
ただ、やっぱり専門家に見てもらった方がはっきりするよなあと思うのは、他人の目での断定が、占いには心地いいからなのかもしれない。
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鳥籠荘の今日も眠たい住人たち〈1〉
”ホテル・ウィリアムズチャイルドバード”、通称〈鳥籠荘〉には、普通の社会になじめない一風変わった人々が棲みついている。妄想癖の美女、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、不気味な双子の老人、そして響き続ける正体不明の金切り声。そんな〈鳥籠荘〉の住人の一人・衛藤キズナが、5階に住むひきこもり美大生・浅井有生と知りあったのは16歳の冬。そして、誘われたバイトは、絵のヌードモデル。やってみることにしたキズナは、油絵具の匂いがこもる雑然としたアトリエで浅井と一緒に過ごすうち、その時間が自分にとって次第に大切な日常の一部になっていくのを感じて……。
〈鳥籠荘〉のちょっとおかしな住人たちの、ちょっとおかしな、けれどいろいろフツーの日常をつづる物語。(カバー折り返しより)

ずっと「ぼんやり明るい」印象の物語でした。
短編連作。キズナをメインに置いて、住人たちの日常を描いたお話。
きっと〈鳥籠荘〉はちょっと薄暗いところで、昼間はぼんやり明るくて、夜もぼんやり明かりが灯っていて、というのを想像していました。
ヌードモデルと画家、という設定も大変おいしい上に、一方でほとんど甘くなくてちょっとあったかくて、というのがとても心地よかった。関係は変わるのかなあとちょっとどきどきしていました。パパと華乃子の話がとても温かでしたが(ラストの脱ぎ捨てられたあれがとてもよかった……!)、キズナの話はどうなるのかなあと続きがとても読みたくなりました。
ハナシにならん!―笑酔亭梅寿謎解噺〈2〉 (集英社文庫)
金髪トサカ頭の竜二が飲んだくれの落語家・笑酔亭梅寿の内弟子となって、はや一年。梅駆の名前はもらったものの、相も変わらずどつかれけなされの修行の日々を送っている。そんな中、師匠の梅寿が所属事務所の松茸芸能と大ゲンカ、独立する羽目に——! 東西落語対決、テレビ出演、果ては波紋騒動と、ますますヒートアップする笑いと涙の落語ミステリ第二弾!(裏表紙より)

1巻でワルだった竜二は形を潜め、時折悪態は心のなかでつくけれども、様々な問題に真剣に向き合おうとし、あらゆるモノを吸収しようとするしなやかさが見えてきているように思いました。つまりとても落ち着きを得ている。
1巻のクライマックスだったO-1グランプリの結果の後からの話が2巻の導入。竜二らしい落語を探る話で、竜二が一体どういう状況なのか自分にも分かっていないので読者にも分からず、もどかしくて、一体大丈夫なのかとハラハラした。
ミステリー成分はちょっと少なめの印象。どちらかというと落語とか人の関わりに重点を置かれている感じでした。
ころころろ
若だんなの目から光りが消えた。突然目の見えなくなった若だんなをなんとかしようと、妖たちがあちこちへ動き回る。きっかけは、若だんなが12歳の時の事件。それは、神たるお人の仕業らしく。

いつもの短編集かと思ったら、短編を繋げた長編。繋がってる感があって楽しかった!
「けじあり」がちょっとホラーで面白かった。女性問題なのに仁吉じゃなくて佐助かーとか。
「鬼はそいつらなのよ。あたしじゃない。あたしじゃない。あたしを嫌わないで。どうして分かってくれないの!」

いつもタイトルがシンプルでよく分からない言葉が使われているので、これはどういう意味なんだろう? と考えるのが楽しかったりしました。

一番好きだったのは「物語のつづき」。この騒動の原因たる生目様の問答がとても面白い。桃太郎と浦島太郎と、神様と娘の恋物語の続きは? と問答をするお話。童話(民話)キタコレ! とか思ってた。ラストの締め方には「あああ……」となってしまった。若だんながいずれ直面する問題がある。そろそろそういう方面の問題を……と思うところもあるけれど、相変わらずあったかいシリーズだなと思います。

「神は人に、時に、置き去りにされる」
空中庭園 (文春文庫)
郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。でも、本当はみんなが秘密を持っており、それぞれが違う方向へ。異質でありながら家族であるしかない、普通の家族に見える一家の光と影……ひとりひとりが閉ざす透明なドアから見える風景を描いた連作家族小説。第3回婦人公論文芸賞受賞。解説・石田衣良(裏表紙より)

エグかったです……。血がどろぐちゃーじゃなくて、精神的な意味合いで。
包み隠さずというモットーの元にいるのに、本当はみんな秘密を抱えている。それはいい。けれど、これはちょっとと思うような無茶苦茶な家族であることが、視点を変え、読み進めていく度に、ものすごく、気持ちの悪いものになっている。歪なんかじゃなくて、腐敗に似ているような。
親子の視点、絵里子と母親の視点は特にしんどかった。絵里子の行動は計算されたものだったこと、頭を回しすぎてうるさいくらいの母親の口調、それぞれが相手をそれぞれの目線で見てそれが実際と食い違っていること。
でも、確かに家族は本音をとことん話し合うっていうのはないなあと。みんなそれぞれ生活しているわけだし、男女だし、年齢も違うし、まったく違うコミュティに属しているのに、家っていう建物では家族っていう宿命づけられたコミュティに押し込められる。本当は、みんなそれぞれの立場があって全然別のものなんだ、というのをこの小説で思い知らされた感じがしました。
夏休みマイ課題図書。

文豪部門
・芥川龍之介「地獄変」
・小川未明「小川未明童話集」
・梶井基次郎「檸檬」
・志賀直哉「清兵衛と瓢簞 小僧の神様」
・夏目漱石「坊っちゃん」
・樋口一葉「にごりえ・たけくらべ」

一般文芸部門
・飛鳥井千砂「はるがいったら」
・荻原規子「ファンタジーのDNA」
     「RDG」
     「RDG2」
・恩田陸「不連続の世界」
    「訪問者」
・桜庭一樹「少女には向かない職業」
・佐々木丸美「雪の断章」
      「忘れな草」
      「花嫁人形」
      「風花の里」
・小路幸也「そこへ届くのは僕たちの声」
・辻村深月「冷たい校舎の時は止まる」上・中・下
     「ロードムービー」
・豊島ミホ「日傘のお兄さん」
     「夜の朝顔」
・三浦しをん「格闘する者に○」
      「光」
・森見登美彦「太陽の塔」
・山本渚「吉野北高校図書委員会」

ライトノベル部門
・冲方丁「カオス レギオン0 招魔六陣篇」
    「カオス レギオン01 聖双去来篇」
    「カオス レギオン02 魔天行進篇」
    「カオス レギオン03 夢幻彷徨篇」
    「カオス レギオン04 天路哀憧篇 」
    「カオス レギオン05 聖魔飛翔篇」
・瑞山いつき「マギの魔法使い エメラルドは逃亡中!」
      「マギの魔法使い 国王は求婚中!」
      「マギの魔法使い 科学者は誘惑中!」
      「マギの魔法使い 魔女たちは恋愛中!」
      「マギの魔法使い 若獅子は片恋中!」
      「マギの魔法使い 魔法使いは決断中!」

外国作品部門
・アンデルセン「人魚の姫」
・ベルンハルト・シュリンク「朗読者」
・ボストン・テラン「神は銃弾」
・ライマン・フランク・ボーム「オズの魔法使い」
・アラン・ラッセル「ホテル・カリフォルニア」


以上!
にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)
落ちぶれた愛人の源七とも自由に逢えず、自暴自棄の日を送る銘酒屋のお力を通して、社会の底辺で悶える女を描いた『にごりえ』。今を盛りの遊女を姉に持つ14歳の美登利と、ゆくゆくは僧侶となる定めの信如との思春期の淡く密やかな恋を描いた『たけくらべ』。他に『十三夜』『大つごもり』等、明治文壇を彩る天才女流作家一葉の、人生への哀歌と美しい夢を織り込んだ短編全8編を収録する。(裏表紙より)

難しかった、です! だめだーこの文体合わないーと思いながら苦しく読みました。
一番好きだったのは「大つごもり」かなあと。「たけくらべ」もいいと言えばいいのですが(雨のシーンとか!)でもやっぱり私には読みにくかったです。だから感想が書きにくい。
解説には写実性を賛美されているようですが、その時代のことを知らないのであまり理解がなかったりするので、各々の作品に登場する未来性が決定されている者たちについては、なるほどなあと思ったり。
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
「お母さん、これは、ひどい」都会でフリーライターとして活躍するみずほ。地元で契約社員として生活するチエミ。かつて友人関係にあった二人の人生は、チエミの母が殺害されたことで再び重なる。逃亡するチエミを追い、突き動かされて聞き取りを始めるみずほ。何故チエミは姿を現さないのか? 二人の女性と母の物語。

すごかったです。いつもの辻村さんじゃない……とか思いながら、ごくごく読みました。
逃亡する友人を追うために聞き取り調査をする、というところから、その人物が「どう見られていたか」が描かれるので、そういう視点の向け方や描き方がすごいと思いました。一定じゃないけれど、何か罪深いものとして見られているのが分かるので、チエミが追い詰められていたように感じた。
母親がその娘にどう関わるか、という問題作でもあったように思います。ちなみ我が家は、私は若干チエミ入ってる。妹はもう関わらないでと反発して離れていくタイプ。うわーやべーと思いながら読みました。
チエミの逃亡理由は大体察せられるし、それが結局どうなったかも想像がついていたんですが、その中で母殺害の真相がすごかった。
S学院は多分青南学院(冷たい校舎の学校)だろうなあと思いながら読む。全然話の筋に関係ないけど。
ロードムービー
些細なことがきっかけでいじめられるようになったトシちゃんとワタルの逃避行「ロードムービー」彼と塾の問題児の少女の「道の先」ヒロとみーちゃんが冬の冷たい校舎に至るまでの一幕「雪の降る道」。『冷たい校舎のときは止まる』から生まれた短編集。

表題作「ロードムービー」が、辻村さんらしいトリックでとても面白かった。いじめの結果がそういうものになったのも、素晴らしくかっこよかった。直前まで冷たい校舎を読んでいたので、トシちゃんが誰の子どもかと考えたり、タカノのおじさんと、綺麗なおねえさんににやっとしたり。結末でようやくお前らは! となったり。とてもおいしゅうございました。
「道の先」は冷たい校舎で最初に消えた彼の話。若干彼女も出てきます。大人になった彼がどんな風に希望を指し示すのかという話だったのかなと。多分、冷たい校舎での出来事と、彼女の存在がなければだめだっただろうなあという、彼の成長ぶりが分かる話でした。
「雪の降る道」は幼い二人と兄ちゃんの話。みーちゃんは相変わらず人の痛みに一生懸命で、意外にもヒロがわがままというか自分勝手なのがびっくりしました。冷たい校舎の方では大人しい印象だったので。でもわがままも仕方がなかったのかな、と思う背景があるので、きっとこれをきっかけに、ヒロはみーちゃんを大切に思うようになったんだなと考えると、正直にやにやします。
せっかくなのでノベルス版。
冷たい校舎の時は止まる (上) (講談社ノベルズ)冷たい校舎の時は止まる (中) (講談社ノベルズ)冷たい校舎の時は止まる  (下) (講談社ノベルス)
文庫版も貼っちゃえ。
冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)
 ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生。どうしても開かない玄関の扉、そして他には誰も登校してこない、時が止まった校舎。不可解な現象の謎を追ううちに彼らは2ヶ月前に起きた学園祭での自殺事件を思い出す。しかし8人は死んだ級友(クラスメート)の名前が思い出せない。死んだのは誰!? 誰もが過ぎる青春という一時代をリアルに切なく描いた長編傑作!(上巻・裏表紙より)

何度目かの再読。高校生の時に読んで、辻村さん大好き! と叫ぶきっかけになった作品。以降辻村さんを追いかけるようになりました。
上巻は、疑心暗鬼に陥って混乱しながらも冷静に推理をする人々と、充の話。
充の自己分析は、結構身に痛かった。優しいのは誰にも興味がないからだという。だからみんなに都合がいいし、頼られもする。傷を負った人を引き寄せもする。
ホストが誰か分かっているので、そういうのを考えながら読むのがやっぱり楽しい。

中巻は、清水、梨香、昭彦の話。一人一人の視点や悩みが、少しずつ自分と重なっていくのが分かってやっぱり好きだーと思う。なんで私の考えてることが分かるんだろうというのが、辻村作品が好きな理由なんだー。
今のところみんな恐怖を抱きながら消えていくけれど、消えた後、みんなはホストに対してどう思ったんだろう。こういうことになった原因がそうだから、仕方がないと思ったんだろうか、と考えたりする。

下巻は、菅原、景子、鷹野、深月の話。痛さが段々と増してきていて苦しかった。ただ、その中で、唯一自分から立ち向かうものを選んだ景子の話はかっこよかった。それだけに、鷹野が回避しようとした際の裕二との会話は、あれだけ短いのに痺れるほど素敵だった。
菅原の話はぼろぼろ泣いた。菅原の、何故『ひまわり』に来たくないのか、っていうのは、その通りだと私も思ってた。長編の一エピソードなのに、辻村さんらしいトリックや描き方で感動した。
鷹野の、深月に対する台詞。過去形かー!!! と思って泣いた。
ラストのまとまり方は、苦しいところを乗り越えた先に希望を見せてくれたようで、ほっとした。やっぱり好きだと思った。
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Author:月子
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