忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[415]  [414]  [413]  [412]  [411]  [410]  [409]  [408]  [407]  [406]  [405
蒲公英草紙―常野物語 (集英社文庫)
青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。他人の記憶や感情をそのまま受け入れるちから、未来を予知するちから……、不思議な能力を持つという常野一族。槙村家の末娘聡子様とお話相手の峰子の周りには、平和で優しさにあふれた空気が満ちていたが、20世紀という新しい時代が、何かを少しずつ変えていく。今を懸命に生きる人々。懐かしい風景。待望の切なさと感動の長編。(裏表紙より)

再読。一回目は単行本で読んだ。文庫の方が表紙が綺麗で好き。常野物語のフォントが好きだ。
「にゅう・せんちゅりぃ」の訪れた日本の、ある地方での出来事を、峰子が語り手として語る。文章の穏やかさが、更に世界を穏やかに見せるのだけれど、みんながそれぞれ感じている暗闇はひたひたと、国を覆い尽くす影として膨らみ始めているのが、現代の私たちには分かる。
常野一族のテーマを、私は勝手に時間だと思っているのだけれど、これもやっぱり時間の物語かなと思う。この物語では時間というものが、美術として表現されていると思うのだ。そして、どこか、新しい未来へ向かわなければならない時代に、常野は現れている感じがする。
恩田陸さんの『少女』というと、どこか影のある西洋のにおいが漂っているのだけれど、この物語の日本の少女たちの清らかさが、とても素敵だった。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
10 2024/11 12
S M T W T F S
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]