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少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)
「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竃は、
群がる男達を軽蔑し、鉄道模型と幼馴染みの雪風だけを友として
孤高の青春を送っていた。
だが、可愛そうな大人たちは彼女を放っておいてくれない。
実父を名乗る東堂、芸能マネージャーの梅木、
そして出奔を繰り返す母の優奈——誰もが七竃に、
抱えきれない何かを置いてゆく。
そんな中、雪風と七竃の間柄にも変化が——
雪の街旭川を舞台に繰り広げられる、痛切でやさしい愛の物語。
解説・古川日出男(裏表紙より)

オンナ、の物語。語り手は、たいへん遺憾ながら美しく生まれてしまった七竃がメインだけれど、彼女に性のにおいはなくて、彼女を取り巻く女性たち(語り手になるオンナたち)が、みんなオンナとして生きている印象でした。
それだけに、七竃と雪風の清らかさがとても綺麗。
でもどうしてこうも、重苦しい影が立ちこめているんだろう。冬という季節のせいかな。影が濃くて深い。この本は、白雪姫のように白と赤と黒が鮮やかな気がする。あとはすべて灰色、のような。
可愛そうな大人と銘打ってはいるけれど、物語の終わりに七竃も少女時代から抜け出して青春時代を終える、というのが、もう、言葉にならないくらい鬱々としていて好きです。
本当に、世界を物語るような文体だなといつも思います。
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