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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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黄金旋律  旅立ちの荒野 (カドカワ銀のさじシリーズ)
医者を夢見る少年・臨は、数百年後の廃墟と化した病院で目が覚めた。
ファンタジーの世界に迷い込んでしまったかのような未来に戸惑いながらも、優しい看護師ロボットたちと共に生活をはじめる。しかし人との触れあいを求め、病院を飛び出した臨は、地図にない街に手紙を届ける野性的な少年・ソウタと、どこか懐かしさを感じさせる黒い翼のはえた猫のアルファと出会い……!?(カバー折り返しより)

あらすじから、さっさと冒険に出るものだと思っていたのに、意外と進みが遅かった。この話は隠れ風早街シリーズらしい。(風早街シリーズは、村山さんの作品に登場する街とそれに関係する人々のお話)
出来る子と出来ない子のどちらが本当に強いか、の話はとても良かった。優がとても良い子。彼の大人になった後のメッセージはじんわりした。
近未来ファンタジーということで、たくさんSF要素とファンタジー要素が出てきて、登場人物も謎を抱えた人が出てくるけれど、解決していないし、続きが想定されたお話だと思うので、進みが遅いのが耐えられない人には向かないと思う。はるそらより文章量も多いと思うしページ数も多いと思うのに、終わっていないのが切なかったです……続きが気になります。
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春のオルガン (新潮文庫)
小学校を卒業した春休み、私は弟のテツと河原に放置されたバスで眠った——。大人たちのトラブル、自分もまた子供から大人に変わってゆくことへの戸惑いの中で、トモミは少しずつまだ見ぬ世界に足を踏み出してゆく。ガラクタ、野良猫たち、雷の音……ばらばらだったすべてが、いつかひとつでも欠けてはらないものになっていた。少女の揺れ動く季節を瑞々しく描いた珠玉の物語。

この物語で始終漂っている空気は、きっと卵の中にいるような、羊水の中みたいな感じでぬるくて重い。世界はどこか遠くて暗くて、トモミは手探りで世界の形を確かめている。
家族や隣人がどこか奇妙に映っている気がして、胸が重たくなった。それが変身前の少女の風景だとすると、すごくリアルに描かれているなあと思った。
この話ではトモミが学校でどんな子かは描かれていないし(多分成績優秀で気の強い子だったんだろう)、おばさんの息子がどうなったかは分からないし(亡くなったか成長して家を出たか)、お母さんとお父さんはどうなったかは分からない(これが一番どうなったか分からない)、色々なことが解決していないけれど、でも私は気にならなかった。いつか知るときが来る、という感覚があるからかもしれない。ラスト、手探りで進む人のようなトモミとテツがいたから。
少女って薄暗い部分もあるな、と思った一冊。
盗神伝〈2〉アトリアの女王(前篇)―復讐盗神伝〈3〉アトリアの女王(後篇)―告白
「神よ、やめてくれ!」
アトリアの女王にとらえられた盗人ジェンはあまりにも残酷な刑を受けなければならなかった——。
アトリア、エディス、ソウニスの三国間の緊張が高まるなかは以後からせまりくる強大な帝国メデアの影……!?
戦いの渦は、それぞれの思惑を巻きこみ、さらに大きくなっていく——。(前編、折り返しより)

アトリアに侵入したジェンが、惨い刑を受けるところから物語開始。
わくわく冒険ものっていう児童文学おなじみな感じがあんまりなくて、政略がメインな感じがした。1の一人称から、2は三人称へ変わっているけれど、相変わらずしっかりした足取りで進む物語。
もし子どもから大人になることへの物語だとしたら、これほどきつい話はないなあと思う。右手を切り落とすのは、主人公としてはあまりに過酷だ。前編ラスト「……いかせてくれ」の辺りは、なんか暗く笑っているジェンが浮かんだ。
後編ではアトリアの女王を盗むと決めたジェン。ジェンのアトリアの女王に対する思いが告白されて、ぶっ飛んだ。でもなんとなく、ジェンは寂しいと感じている人、自分が不足していると思っている人などに感情を寄せている気がする。つまり放っとけない感じ。
アトリアの女王が『ひとり』である、ということをうまく使っているオチだったなと思った。そんな気はしていたのだけれど、もしこれでアトリアの女王に信頼される家臣がたくさんいたなら、このオチはあっというものになっていなかったかも。
アトリアの女王とエディスの女王の、名前呼びの周辺がとても好きだ。女王の仲良しは良い。
不思議な印象の物語だなあ、本当に。軽い感じはしないし、とことんファンタジーなわけではないし、冒険でもない。でも輪郭が濃く太い感じがした。
ハチミツとクローバー [DVD]
「ハチミツとクローバー」映画の方を見ました。……青春ばんざーい! ですね! 仲良しいいなあ。片思い切ないなあ。いちいち笑いながら見てました。見終わって気分さわやか。終わり方が好きだなあ。三角関係は決着がつかないことが多い気がするのですが、これはあんまり気にならなかった。楽しかったです。
死神姫の再婚 -薔薇園の時計公爵- (B’s‐LOG文庫)
『死神姫』と噂の天然系・アリシアの再婚相手は、悪名高くて誇り高い《強》公爵のカシュヴァーン・ライセン。一風変わった新婚生活(愛人メイドつき!?)は相変わらず甘いムードとは無関係……の、ように見えて微妙に進行中? ある日、夫婦揃って結婚報告をするためアズベルグの全領主・ディネロのお屋敷を訪れることに。初のお泊りに嬉々とするアリシアだが、その訪問には複数人の陰謀と、意外にも暴君夫の”焼きもち”が絡み合い——!? 第9回えんため大賞ガールズ部門受賞者作、会心の第2弾!!(裏表紙より)

爆笑した。やっぱり好きだこれー! これだけすっとぼけられると、あまーい時がものすごーくニヤニヤしてしまう。
複数人の陰謀のせいで、ただの訪問が色々慌ただしいものに。そこには普通の嫉妬があったりするんだけれど、それがまた面白い。ディネロとのシーンは早く来いカシュヴァーン! と思いながら、その後の「俺は、腹は、痛くならない」「……なんの話だ」に思わず声を出して笑った。
甘ーい一番のシーンはふたりきりの部屋かな! アリシアの反応かなり面白い。思わずニヤニヤ止まらない。
これ続きも読むー!
死神姫の再婚 (B’s‐LOG文庫)
没落貴族の娘で14歳のアリシアは、後見人の叔父により家名が欲しい金持ちへ嫁がされるが、なんと結婚式の途中新郎が急死してしまう! この「事件」がもとで『死神姫』と呼ばれるようになってしまったアリシアに、再婚話が持ち上がった。相手が新興貴族の成り上がり者でとかく噂のある〈強公爵〉ライセン。馬車に揺られて着いた先は、怪しい装飾を施された屋敷とライセンの愛人と主張するメイドのノーラ!?
第9回えんため大賞ガールズ部門奨励賞受賞! の軽快コメディ!!(裏表紙より)

感想書くの忘れてたので今更ながら。
これかなり好きになってしまった。没落貴族の天然娘が、俺様な新興貴族に嫁がされるというコメディ。コメディでとても気持ちいい感じだった。ときめきポイントはきっちり押さえてあると思う! 夫になるカシュヴァーンとのちょっとのずれ具合とか、彼の影の部分とか、幼妻! とか、俺様が実はどっぷり……、とか!
なによりもオチがすごいと思った。すっごく良いシーンなのに、ゴッと転けた。
とてもオススメ! 続きも読む!
盗神伝〈1〉ハミアテスの約束
「なんだって盗める」
代々、盗人の家系に生まれついたジェンは町中で、そういいふらしていた。
彼にはある重要な目的があったのだ——。
アメリカで話題の冒険ファンタジー、日本初上陸!(カバー折り返しより)

主人公ジェンの一人称で語られる。でも、子どもらしい浮ついた感じはなくて、ものすごく頭の良い落ち着いた、それ故に生意気の少年、という感じ。
旅の途中のちょっとした小競り合いは、普通の物語だったらもっと大げさに書かれていたように思うんだけれど、基本あっさりと終わる。なんだかすっきりしないなあと思うところもほんの少しあったんだけれど、読み終わった今思うと、読者に考えさせるためなんだなあと思った。
ラストもそういうラスト。淡々とした語り口としっかりした足取りの不思議な印象の物語でした。なんだか好きです。神話とか絡めてあるのも素敵だけれど、物語の形がとても。
漱石先生の事件簿―猫の巻 (ミステリーYA!)
ひょんなことから、英語の先生の家で書生として暮らすことになった探偵小説好きの少年。
癇癪もちで、世間知らず。その上、はた迷惑な癖をたくさんもつ先生の〈変人〉っぷりには辟易するが、居候生活は刺激でいっぱいだ。なんせ、先生のまわりには、先生以上の〈超変人〉と、奇妙奇天烈な事件があふれているのだから……。
夏目漱石の『吾輩は猫である』の物語世界がよみがえる、抱腹絶倒の連作ミステリー短編集。(カバー折り返しより)

連作ミステリー短編集は大好物。探偵役は書生の少年、パートナーは変人の先生。
こういう小説でコンビを組む場合、どちらかが率先して情報を集めて、もう一方が解決策を提示するというのが筋だと思うのだけれど、この小説はそのどちらも主人公一人でやってしまう。
でもこの主人公、どうにも格好よさが足りなくて、へたれな印象が拭えないなあ! 笑ってしまった。そして先生が変人すぎて愛しいです。「春風影裏に猫が家出する」で「あれ」を言った先生、すべてを持っていってそっぽを向いた先生の愛しいこと!
スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングズは、到着早々事件に巻き込まれた。屋敷の女主人が毒殺されたのだ。難事件調査に乗り出したのは、ヘイスティングズの親友で、ベルギーから亡命して間もない、エルキュール・ポアロだった。不朽の名探偵の出発点となった著者の記念すべきデビュー作が新訳で登場!(裏表紙より)

綺麗な印象のミステリー。なんだかとてもシュッとしているのに、じっくり読まされた。
視点は名探偵ポアロではなく、親友のヘイスティングズ。彼の私感が入るのが面白いなあと思った。犯人指摘はとてもびっくりした。色々疑いつつ読んでいたのに、ええそうなの!? という。
ラストはとても素敵だなーという感じだった。誰かと誰かがくっつくのってとてもチャーミングでかわいいなあと思った。
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、正確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はうzが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!(裏表紙より)

面白かった! 元気出るなあというテンポの良さと気持ちいいストーリー!
ひとつひとつが綺麗にはまっていくのがいいなあ。最後、本当にだめなの、だまされちゃうの、とどきどきしてしまったけれど、気持ちのいい終わり方をした。
楽しくて、なんかちょっと壊れてる人たち。というのは、素晴らしい才能を持っていたり、特に銀行強盗に罪悪を抱いていない様子だったりするから。そのネジの抜け具合が、読んでいて楽しいのかも。雪子さんが一番弱そうに見えてキレるとすごかった。あとの三人はなんとなく自分でやっていける感じがするけど、文中にもある通り、安定感の良い四角であることがとてもいいなと思った!
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Author:月子
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