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さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)
「お前ら、いつか結婚するぜ」そんな未来を予言されたのは小学生のころ。それきり僕は彼女と眼を合わせることができなくなった。しかし、やりたいことが見つからず、高校を出ても迷走するばかりの僕にとって、彼女を思う時間だけが灯火になった…<未来予報>。
ちょっとした金を盗むため、旅館の壁に穴を開けて手を入れた男は、とんでもないものを掴んでしまう<手を握る泥棒の話>。他2篇を収録した、短篇の名手・乙一の傑作集。(裏表紙より)

晴れというテーマで本を探した時にこれが出てきたので、久しぶりに読み返してみた。何回目かの再読。
乙一さんの書く愛が好きなので、「未来予報」はかなり好きな作品。未来の予言に捕らわれて、未来を違えてしまったのかもしれないけれど、いつでも未来は不確定という古寺の『予報』の言葉が染みる。
「手を握る泥棒の話」もいいなあと思いながら。最初に読んだ時は、もっと不安定な気持ちだったのだけれど、今読んでいると、なんだか登場人物がみんな身近に感じられて、それでいて頑張ろうと思えるようになっているのが不思議。
「フィルムの中の少女」「失はれた物語」は乙一節全開だなと思った。
羽住都さんの絵がまた好きでたまらなくて、カラーページをずっと眺めてしまう。
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