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海鳴の花嫁 玻璃暗涙 (講談社X文庫―ホワイトハート)
 亥国の第一公主巴璃は、幼い頃母親とも離れ離れにさせられ、嫌々神に仕える巫女になった。
 そんな彼女の寂しい心を唯一慰めてくれたのは、第三公子の海鵬。彼への思いを募らせる巴璃だが、結ばれると相手を滅ぼすという予言が重くのしかかる。
 一方、第二公子の紫陽は異国で暮らす妻子を捨て、初恋の相手との愛を成就させてしまう。
 運命に翻弄される二つの愛。衝撃的な結末は!?(裏表紙より)

二つの恋が語られるわけですが、ヒロインの巴璃の影が薄くてちょっぴり残念……。もうちょっと葛藤があったらなあと思ったんですが、彼女の幼い頃からの教えや、星を見て運命を知る能力から考えると、彼女の予言が国を動かしてきたことがあるのだから、すぐに大人になってしまうのは仕方のないことだなと思って、とても寂しい。海鵬を傷付けたこともあるからなあ……。
紫陽は愚かすぎて腹の立つ人物ですが、結末の付け方は、正直に言ってものすごく好みでした……。因果応報。狂気ごちそうさまでした。
なんだかこの子気になるなあと思っていた子があの人で、わああああ! となりました。これに全部持ってかれたというか。予言が切ない。あの人よりももっと大きな人がいて、道を指し示したんだと思うと、鳥肌を立ててうるうるしました。
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