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カストレーデの皇子 (角川ビーンズ文庫)
アダルシャン王弟・アレクシードは、幼な妻のユティと離宮で穏やかに暮らしている。しかし故郷カストリアに近いせいか、ユティは昔を懐かしんでいるようで、アレクはちょっと複雑だ。
そんなある日、王都から衝撃的な報が届く。そこにはユティの兄・皇太子ルシウスの名が。やがて離宮の二人に魔の手が伸びて!? アレクはユティを守れるか!? 二人を想う人々も登場で波乱の予感!! アダルシャン・シリーズ、ドラマティックに急展開!!(裏表紙より)

ユティの、アレクに抱いた最初の思いが巡ってくる話でした。復讐心を抱いてユティは来たけれど、彼女は非常に頭のいい子だったから、何が悪いのかをよく分かっていたけれど、好きな人間を失った気持ちは変わらなくて、という、彼女もまた等身大の悩みを抱いていて。
今思うと話の進みが結構遅い感じがしますが、ひとつひとつのエピソードが大切にされている感じがして、こういうのを絆としていくんだなあと思ったり。
ルシウス兄上が非常に嫌な人物でにやにやどきどきしました。明確な悪役というのがこのシリーズにはいないようなのだけれど、戦争を仕掛けようとする兄上が悪役になっていて、夫婦の間に困難が! というのがときめきます。でもやっぱり悪役ではないんだろうなあと思ったり。
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