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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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人生激場 (新潮文庫)
気鋭作家の身辺雑記、だけに終わらぬ面白さ! プレーンな日常を「非日常」に変えてしまう冴えた嗅覚。世間お騒がせの事件もサッカー選手の容貌も、なぜかシュールに読み取ってしまう、しをん的視線。「幸せになりたいとも、幸せだとも思わないまま、しかし幸せとはなんだろうと考えることだけはやめられない」。美しい男を論じ、日本の未来を憂えて乙女心の複雑さ全開のエッセイ。(裏表紙より)

ゆるくて妄想たっぷりのエッセイ。にやにやして読んでしまった。
しをんさんも色々あれだけれど、周りにいる人も濃いなあ。いっつもそんな会話をしているんだろうか。
「ユートピアに消える老人たち」に笑いつつもちょっと寒くなった。我が地元はここまで田舎ではないが、我が家の近辺には老人ばかりなので孤独死もありうる。実際、冬場はお葬式が多い。そして日曜の昼間に歩くと、どこの道でものど自慢を聞くことが出来ます。ちなみにうちはネプリーグ派。
「主役は一人でもいいだろう」のカップルに爆笑した。何だお前らツンデレかよ!
ちょうどこのエッセイが連載されていたのは「ロード・オブ・ザ・リング」の頃らしく、アラゴルンの話が出てきて(*゚∀゚)=3でした。アラゴルンは今でもかっこいい。そして同系統だと思われる「ハムナプトラ」のアーデス・ベイをしをんさんにオススメしたいところです。
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シェーラひめのぼうけん 魔神の指輪 (フォア文庫)
魔法使いサウードの野望によって、シェーラの国は石に変えられてしまう。魔法使いの少年ファリードと共に、魔人の指輪を手にして砂漠の旅に出たお姫さまシェーラ。国を元に戻すため、アハマルの街に賢者を訪ねに行くのだが。

児童文学。小学校中高学年向けの一冊。挿絵は佐竹美保さんで絵がすごく可愛い。
世界観はアラビアンナイトの世界。悪い魔法使いサウードによって石に変えられた王国を救うべく旅に出たお姫さまと魔法使いの少年、協力することになった泥棒の少年、という、ファンタジー好き小学生にはたまらないのではと思える一冊。しかしやっぱり字が大きくて薄いので、プロローグ的なこの一冊だけでは全然物足りないのが大人の悲しいところ。
多分この先の展開には勧善懲悪が描かれるのだろうと思うのだけれど、村山さんは敵側の事情も描いたりするので、考えさせられる内容になっていそうだな、と読んでない私の予想。どうやら子ども世代編が出ているようです。どんな話なんだろう。
夢のような幸福 (新潮文庫 み 34-6)
欲望の発露する瞬間を考察し、友人と特異な「萌えポイント」について語り合う。伝説の名作漫画『愛と誠』再読でその不可解な魅力を再検証。世界の名作『嵐が丘』を読み乙女のテイストを堪能し、女同士でバクチクライブ旅。独自の見所発見の映画評、旅先の古書店の謎を探索。物語の萌芽にも似て脳内妄想はふくらむばかり——小説とはひと味違う濃厚テイストのエッセイをご賞味あれ!(裏表紙より)

水が萌えポイントとか、墓場で妊娠とか、「将軍っていうのは孤独なものなのよ……」から始まるエッセイ。濃い。濃すぎる。私的に「孤独な将軍」と言い出したぜんちゃんに爆笑した。他にオムツのキャラクター、パンパにお熱を上げるあんちゃん。結婚式で花嫁の思い出(ひどい内容)をみんなで語ったり。
しをんさんの本棚をとても見てみたい。きっとえらいことになっているのだろうと思わずにはいられないから。それで、最も妄想を膨らませた作品について語ってもらう。一体どういう状況で執筆活動をしているのだろうと妄想してみることにする。
オイレンシュピーゲル壱 Black&Red&White (1)(角川スニーカー文庫 200-1)
あらゆるテロや犯罪が多発する国際都市ミリオポリス。そこに「黒犬」「紅犬」「白犬」と呼ばれる三人の少女で構成される警察組織MBPの〈ケルベルス〉遊撃小隊がいた。「なんか世界とか救いてぇ――……」呟く「黒犬」涼月、スナイパー「紅犬」陽炎、歌い踊る「白犬」夕霧らによる、”死に至る悪ふざけ(オイレンシュピーゲル)”

かなり面白かった……。なんというテンポ。ぐいぐい引力を感じて、一気読み。
出てくるのはまさに表紙裏のあらすじ通り、クールでキュートでグロテスク。プラス、かなりブラックジョーク連発。しかしそれが妙に物語を彩っていて愉快。しかし三人それぞれの過去にはトラウマを覚えそうだった。
それでも格好良く強い三人の少女。貶し合っているようで、その実、絶対的な信頼関係で結ばれている辺り、とてもわくわくする要素だった。
ビジュアル的に三人ともかなり好みです。でも今後一番成長具合が大きく見られそうなのは涼月かな、と。でもやっぱりみんなが好きだー!
ばいばい、アース 4 (4) (角川文庫 う 20-4)
アドニスとの最終決戦、エピローグ。
「そんなに多くの人間は乗れないんだよ、あの船は!」

ベルの最初の記憶にある、悲しみみたいなもの。神代に何があったのか分かる気がする。

最終決戦後のアドニスが異様に優しくて泣ける。
この作品で好きなのは、言葉遊びみたいなもの。当て字、ルビ振りが、別の世界を見ているようでわくわくする。想像するのが楽しかった物語だった。
ベルがどんな種族の特徴も持ち得ない、という辺りにどんな姿かすぐに見当がつくけれど、それがどうしてこうなったのだろう、と探す物語だったのかなとか。とにかく、物語の今の「世界の形」を見る、という物語だったように思う。
濃い物語だった。しかしやっぱり鈍器に近いハードカバーも欲しかったなあと思うのだった。
ばいばい、アース 3 (3) (角川文庫 う 20-3)
ジンバックの弔いから、神の樹内部のガフ戦まで。
ベルの居場所が作られているのが分かるけれど、ベルがどうしても旅に出るのはちょっと分からない。でも、もう由縁を探すと決めているんだなあと思うと、ベルの心の強さが分かってベルがますます好きになる気がする。
見所は、仲良しと、ローハイド王戦、アドニスとの戦闘、〈唸る剣〉の破損、飢餓同盟の〈牙〉との戦いかな。
〈牙〉との戦いは、ギネス、ベネット、ベルの三人が、一度ずつそれぞれ試みられる戦いで、その辺りがとても漫画らしい。
しかしローハイド王戦の、幼いベルが漏らすカタカナ混じりの言葉が、物語の世界をがっと表していてぞくぞくする。「ここがどこなのかわかる」から。
ばいばい、アース 2 懐疑者と鍵 (角川文庫 (う20-2))
シェリーとの出会いからベネディクティンとの別れまで。
好きなんだよなあ、キール戦とその前後。
「確かに私は介者だ。粗にして野ではあるが、しかし卑ではない。覚えておけ」

から始まって、ベルが飾り立てられる辺りが乙女心をくすぐる。言い寄ってくる人間に対して、「喰い殺すよ」と笑えるベルが本当にかっこいい。
そしてキティ=ザ・オールが大好きだ。あのベルをエスコートできる唯一の人間だと思われる。踊るシーンはときめき度数がぐーんと上がった。
シェリーが神言を口にして「ラブラック=ベル、ただ一名のみ!」と告げてから「逃げてベル、逃げてーっ!」と言う辺りが何故かとても好きだ。
しかしその盛り上がり(私の)に反して、後のアドニスとのことがベルを深く沈めて「ああああ」となる。アドニスは肝心なところでへたれで、だめなやつだ。
ばいばい、アース 1 理由の少女 (角川文庫 う 20-1)
人々は皆、蛙、鼠など様々な動物の特徴を持つ、空に青い聖星が輝く世界。そこにただひとり、どんな種族の特徴も持ち得ず生まれたラブラック=ベルは、自らの由縁を探すために旅に出ることを決めた。旅の呪いを帯びながら、〈都市〉において剣士として、試練を受けることになったベルは、やがて世界と神を問うことになる。

オープニングからカタコームのティツィアーノ戦まで。
一番最初に読んだときは、私はシアンはベルによって死んだと思っていたなあ。それからアドニスには恋はしていないように思っていた。恋慕に近しい、強い思い入れだったわけで。
ベルが育ての両親と再会して、妹に会うシーンが好き。しかし一番の盛り上がりはやっぱりカタコーム戦だなあ。感応といえるのなら、きっとそれだと思う。戦いの思考に入り込んでいるような気分。
一巻はあんまり好きシーンがないかも。剣楽はかっこいいし、盛り上がるけれど、後の巻の方が盛り上がってる気が。
「オイレンシュピーゲル」と比べると、やっぱり最初期作なんだなあという感じ。こっちもかなり好きです。自分の頭の中で映像化して勝手に音楽を付けたりするのが楽しい。でも、オイレンの鋭さには敵わないなあと思う。
GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)
聖マルグリット学園の図書館塔の最上階に座るひとりの少女、ヴィクトリカ。彼女と関わりを持つようになった留学生の少年、久城一弥。二人は郊外に住まう占い師の老婆殺害事件に関わることとなり、そして客船〈QueenBerry 号〉の謎に足を踏み入れることに。

面白かった! 最初の事件から最後の事件の真相のつながり方がうまいと思った。でもひとつひとつはかなり簡単に真相が分かる。それでもひとつにつなげているのは、やっぱりうまいなと。
しかし、挿絵のせいかイメージが幼い感じなのでときめき成分が薄い。もう少し年齢を上げてほしかったかな。一弥がもうひとつしっかりしてほしいな。抜けすぎててちょっとがっくりする。機微とか身につけろ少年! ヴィクトリカはかわいいが、老成しているところがあって少々悲しいところが。
話の内容としては、怖いところがしっかり怖かった。トラップが発動するところや、殺し合いが始まってしまうところ、エレベーターのところ、斧男が迫ってくるのがぞーっとした。
でもエピローグはかわいかったー! にやにやした。
そしてあとがきが面白いです。何故そんなおもしろ話が転がっているのか……。
流れ星が消えないうちに (新潮文庫 は 43-1)
奈緒子は加地君が好きだった。加地君と付き合っていた。しかし突然の事故が二人を引き離し、一年後、奈緒子は巧君と付き合っていた。巧君は加地君の友達だった。半年が経って、二人の間では、加地君のことは決して口にしないようになっていた。それでも、二人で星を見るとき、ようやくその時が来る。

なんか、思った話と違った。思ったより感情的にならずに、淡々と日々を越えていく感じだった。
巧が、加地君と奈緒子の関係が好きだったんだろうなーというのが滲んでいた。奈緒子はとても好きだったんだろうというのが泣くシーンで爆発していた。それでも、何故か親身には来ないというか。その辺り不思議な空気感だった。
何にも解決しないように見えて、これから解決していくんだろうという、日々を少しずつ越えていく感じ。私としては恋愛小説というにはときめきポイントが少なくて少々薄い気がした。なので、この小説は、「生きる」日常を書いたものなんだろうと思う。忘れない思い出を持った人のための物語だ。
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Author:月子
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