読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
この物語はどうしようもなく、彼女に出会った時から始まる。高校生の七草は、幼馴染の真辺由宇とありえない再会を果たす。誰よりも真っ直ぐで正しく凛々しい、それだけに周囲の人間を傷付けてしまう彼女。だがこの階段島に現れてしまったということが、七草の日常を大きく揺るがす……。
謎の島に暮らす人々を巡る青春ミステリ、ファンタジー風味。原作は既読。
原作通り、高校生たちを描いた部分がひりつく感じで、ああ青春ミステリってこんなだよなあと切なくなる。ファンタジー要素がある青春、ちょっとほのかな恋心みたいなものを感じる作品は多いけれど、ひりひり痛い部分も含めて河野裕作品はやはり飛び抜けて上手いと思います。
島の日常めいた普通の風景に、大事なシーンで挟まるちょっと幻想的な、絵画のようなカットがいいな。好きだ。
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「ドッグ・ストーリー あなたは一番の友達」シーズン1・2
様々な国や環境のもとで人と犬がどのような関係を築いているかを追ったドキュメンタリー。
介助犬、遠く離れた故郷に置いてきた犬、保護犬たち、大学のマスコット犬、友人を偲ぶ旅に同行する犬など、家族としての犬というよりかは、人間の生活において様々な環境に置かれることになった犬たち、という感じ。愛という気持ちだけでは語れないものがあるし、選択のすべてが最善というわけでもない。
保護犬の回が印象的だったなあ。シェルターがあるのはいいことだと思うんだけれど、犬にとっていい環境かどうかは別問題。人手不足だったり頭数だったり病気のことだったり、命が生きていける環境をどう守るか。難しいことだ。
様々な国や環境のもとで人と犬がどのような関係を築いているかを追ったドキュメンタリー。
介助犬、遠く離れた故郷に置いてきた犬、保護犬たち、大学のマスコット犬、友人を偲ぶ旅に同行する犬など、家族としての犬というよりかは、人間の生活において様々な環境に置かれることになった犬たち、という感じ。愛という気持ちだけでは語れないものがあるし、選択のすべてが最善というわけでもない。
保護犬の回が印象的だったなあ。シェルターがあるのはいいことだと思うんだけれど、犬にとっていい環境かどうかは別問題。人手不足だったり頭数だったり病気のことだったり、命が生きていける環境をどう守るか。難しいことだ。
「オールドピープル」
シングルマザーのエラは、娘と息子を連れて妹の結婚式に参列するために帰郷した。故郷には元夫が、現在の恋人と一緒に暮らしている。エラの心情は穏やかではなかった。さらに折り合いの悪い父は現在高齢者養護施設に、訪ねてくる人もおらず寂しい日々を送っていた。しかもその施設は、働き手がいない田舎ゆえに行き届いているとはいえない状況で……。
施設に追いやられ、その施設でも不自由で雑に扱われる高齢者たちが、怒りを動機に何かに取り憑かれたようにして若者たちを襲うというパニックホラー。冒頭から「凶行に走る原因はある」と説明されるんですが、この世界のどこでこういうことが起こってもおかしくないよという警句ですよね。
閉鎖的な土地での、高齢者施設での襲撃と、謎めいたボスと思しき何か。理性を失った状態のお年寄りたちに襲われるのは猟奇的ではあるんですが、正直ここで警察とか助けを求めたところで実は全員が協力してましたみたいな絶望が欲しかったかも。土地が敵だったみたいな。
しかし最後におじいちゃんがちゃんと孫たちのことを思い出したのはよかったな。
シングルマザーのエラは、娘と息子を連れて妹の結婚式に参列するために帰郷した。故郷には元夫が、現在の恋人と一緒に暮らしている。エラの心情は穏やかではなかった。さらに折り合いの悪い父は現在高齢者養護施設に、訪ねてくる人もおらず寂しい日々を送っていた。しかもその施設は、働き手がいない田舎ゆえに行き届いているとはいえない状況で……。
施設に追いやられ、その施設でも不自由で雑に扱われる高齢者たちが、怒りを動機に何かに取り憑かれたようにして若者たちを襲うというパニックホラー。冒頭から「凶行に走る原因はある」と説明されるんですが、この世界のどこでこういうことが起こってもおかしくないよという警句ですよね。
閉鎖的な土地での、高齢者施設での襲撃と、謎めいたボスと思しき何か。理性を失った状態のお年寄りたちに襲われるのは猟奇的ではあるんですが、正直ここで警察とか助けを求めたところで実は全員が協力してましたみたいな絶望が欲しかったかも。土地が敵だったみたいな。
しかし最後におじいちゃんがちゃんと孫たちのことを思い出したのはよかったな。
名門である秀知院学園の生徒会副会長・四宮かぐやは巨大財閥のご令嬢。だが高すぎるプライドが邪魔をして気になる人に素直にアプローチすることができずにいる。一方、白銀御行は庶民ながら優秀な成績を収める生徒会長。彼もまたプライドが高く、気になる人に思いを告げられない。こうしていかに相手に告白させるかという不器用をこじらせた頭脳戦が始まった。
実写一作目を見たのでアニメ第1シーズンを見ました。想像以上に可愛らしいかぐやと、目つきが悪すぎる御行、こじらせにこじらせてアホな攻防戦に笑ってしまう。実写よりもだいぶちゃんと頭脳戦をやっていますね。
そういうラブコメのコメディ多めな感じかと思いきや、四宮かぐやという人の、ご令嬢ゆえの寂しい境遇がわかる終盤のエピソードはすごくよかったな。生徒会のメンバーがみんなして青春しようとするの、恋もいいけれど友情もねって感じがあって。
北方領主の父を冤罪で亡くし、絶望に心が壊れた家族を人質にとられ、リディエは下級女官として王宮で働かされていた。そんなリディエのたったひとつの望みは平穏に任期を終えて故郷に帰ること。ところが「王女と王子の仲を取り持ち、世継ぎ誕生の後押しをせよ」との命令がくだる。婚姻関係が破綻している二人の仲を取り持てというのだ。「絶対に無理だわ」と思うリディエ。しかし家族とともに故郷に帰りたいという衝動には逆らえず、リディエの長い闘いがはじまる。それは、やがて国を揺るがす動乱へと繋がり、リディエ本人の運命も大きく変化させていく……。下級女官が駆け抜けた、壮大な王国年代記!(Amazonより)
内乱、流れる血の違いによるもので故郷から引き離された公女リディエ。政治における駒の一つとして命じられるままに動くリディエは、不遇の王子の立場を向上させようとしたことで、歴史に名を刻むまでの過酷な前半生を走り抜けることになる……という、女と政治を描くもの。喜咲さんの作品は歴史ものでも軽めの読み口なのが好きです。
しかし登場する男たちがだいぶ……だいぶあれで……。最終的にイアソンとウラドがいい側近になってくれましたが、ヴァシルを代表とするだいぶ問題のある男性が読んでいてきつかったなあ。情に流されなかったリディエとヴァシルの決着はかくあるべしと思いましたが、その後の彼女の心の傷を思うと、ちくしょー! という気持ち。またスキュイラも、女性だから多少穏やかに見ていられますがやっていることは男たちとそう変わらない酷いものだったりもするので、その辺りの容赦のなさにため息が出てしまう。
ただイアソンとウラドたち、彼女の味方となる男性たちが求婚して、断られてもそばにいて支えてくれたという描写はすごく嬉しかった。
昔々、東京都民は近隣県を見下し、迫害していた。特に埼玉はひどく、差別の対象とされ、十分な生活もままならなかったのだ。そんな埼玉が救われたのは、東京都知事の息子・檀ノ浦百美と、アメリカから帰ってきた転校生の麻実麗の出会いがあったからだった。
「埼玉県民にはそこらへんの草でも食わせておけ!」なるトンデモなでdisりが散りばめられた作品。原作は未読。
悪ノリがとにかく楽しく、やるなら全力でネタにするを貫いた作品だなあと思いました。随所に見られるツッコミどころが多すぎてもうそういうものなんだと頭をからっぽにして見られる作品、いいですね。
役者の皆さんのお顔がとにかく濃く、美しい人は美しく、濃い人は濃く、作品の濃厚な絵に寄り添っている印象。だからもうビジュアルだけで面白いの最強すぎるでしょ。
「#生きている」
いつものように目が覚めたジュヌは、出掛けた家族のメモを横目に、いつものようにオンラインゲームに勤しむ……はずが、テレビから流れてきたのは謎の奇病に感染した人々が理性を失い、次々に人間を襲っている緊急速報だった。家族からはメールを最後に連絡が取れなくなり、感染者から逃れて部屋に立て篭もるジュヌだが……。
現代ゾンビもの。集合住宅に立てこもり、SNSやドローンがある、というのがとても現代ゾンビっぽい。籠城するときに当たり前のようにドローンを飛ばすの、いまじゃないと描けない設定だなあ。
ゾンビものとしては王道で、同じく生き残りがいて、分断されそうになり、悲しい生き残りによって殺されそうになったり、とああやっぱり! なストーリー。最後に助かったのは、やはりこれも現代物だからこそなのかなと思うものでした。通信技術が発達するとこういう、世界が終わりそうになったときの描き方って変わるよなあ。面白い。
いつものように目が覚めたジュヌは、出掛けた家族のメモを横目に、いつものようにオンラインゲームに勤しむ……はずが、テレビから流れてきたのは謎の奇病に感染した人々が理性を失い、次々に人間を襲っている緊急速報だった。家族からはメールを最後に連絡が取れなくなり、感染者から逃れて部屋に立て篭もるジュヌだが……。
現代ゾンビもの。集合住宅に立てこもり、SNSやドローンがある、というのがとても現代ゾンビっぽい。籠城するときに当たり前のようにドローンを飛ばすの、いまじゃないと描けない設定だなあ。
ゾンビものとしては王道で、同じく生き残りがいて、分断されそうになり、悲しい生き残りによって殺されそうになったり、とああやっぱり! なストーリー。最後に助かったのは、やはりこれも現代物だからこそなのかなと思うものでした。通信技術が発達するとこういう、世界が終わりそうになったときの描き方って変わるよなあ。面白い。
「リラックマと遊園地」
普通のOLであるカオルさんと一緒に暮らしているのは、突然やってきたリラックマに、キイロイトリ、コリラックマ。ある日遊園地に行くことになったカオルさんたちだけれど、閉園予定のナカスギランドではいろいろな事件が起こって……!?
リラックマが動く、ということを考えたことがなかったので見ていて動揺しちゃった。しかも結構ふてぶてしいやつだな!? とびっくりもしました。マイペースというか、自分のやりたいことを好きなようにしかしないっていうだけでは……?
などと思いながら、よくできていて綺麗に動くCGアニメで感心しました。人形劇めいている画面、すごくいまどきっぽい。この造形が遊園地にすごくマッチしていて可愛くて楽しい。
しかし遊園地のブラックバイト感や、子どものやっていることになかなか理解を示してくれない大人など、ところどころで大人が見ている世界が描かれているところがシニカルでした。
普通のOLであるカオルさんと一緒に暮らしているのは、突然やってきたリラックマに、キイロイトリ、コリラックマ。ある日遊園地に行くことになったカオルさんたちだけれど、閉園予定のナカスギランドではいろいろな事件が起こって……!?
リラックマが動く、ということを考えたことがなかったので見ていて動揺しちゃった。しかも結構ふてぶてしいやつだな!? とびっくりもしました。マイペースというか、自分のやりたいことを好きなようにしかしないっていうだけでは……?
などと思いながら、よくできていて綺麗に動くCGアニメで感心しました。人形劇めいている画面、すごくいまどきっぽい。この造形が遊園地にすごくマッチしていて可愛くて楽しい。
しかし遊園地のブラックバイト感や、子どものやっていることになかなか理解を示してくれない大人など、ところどころで大人が見ている世界が描かれているところがシニカルでした。
「ARASHI's Diary -Voyage-」
国民的アイドルとして人気絶頂の嵐。2020年年末をもって活動休止を宣言した彼らは、いかにしてその日を迎えたのか。グループ、そして個人の思いを追い続けたドキュメンタリーシリーズ。
世界が変わって、社会が変わって、いろいろなことがあって。そんな中でグループとしてのタイムリミットまでに「何ができるか」「何を伝えるか」を考えた五人。有名事務所所属のアイドル、というきらきらしさばかりがメディアに流れるけれども、こうやって真剣にパフォーマンスやエンターテインメントと向き合う彼らが、本当にプロなんだなあと思って感心して見ていました。すごくストイック。
こういう、真剣に打ち合わせをして、何を見せようと考える風景は見ていてすごく気持ちがしゃんとなる。私も頑張ろう。
国民的アイドルとして人気絶頂の嵐。2020年年末をもって活動休止を宣言した彼らは、いかにしてその日を迎えたのか。グループ、そして個人の思いを追い続けたドキュメンタリーシリーズ。
世界が変わって、社会が変わって、いろいろなことがあって。そんな中でグループとしてのタイムリミットまでに「何ができるか」「何を伝えるか」を考えた五人。有名事務所所属のアイドル、というきらきらしさばかりがメディアに流れるけれども、こうやって真剣にパフォーマンスやエンターテインメントと向き合う彼らが、本当にプロなんだなあと思って感心して見ていました。すごくストイック。
こういう、真剣に打ち合わせをして、何を見せようと考える風景は見ていてすごく気持ちがしゃんとなる。私も頑張ろう。
将来有望なエリートや良家出身者が集う名門、秀知院学園の生徒会副会長四宮かぐやは、会長の白銀御行とお互いに惹かれ合っている。だがプライドのせいで思いを告げられない二人は「相手から告白させよう」と策を巡らせる。恋の駆け引きの行方は?
頭がいいのに恋愛に関しては頭の悪いことばかりする、色々と拗らせすぎな二人を中心にしたラブコメ学園もの。あまりのズレっぷりに「早く! 告白しろ!!!」と叫ぶこと数度。挙動不審過ぎて笑う。
原作やアニメにはまだ触れていないので、どのくらい原作との距離があるのかわからないのですが、飛び抜けて髪色がおかしいとかこんなやついないだろうというビジュアルの登場人物がいて画面がうるさすぎるということもなく、個性付けくらいのものなのが安心したかな。実写のときにビジュアルって、思いっきり振り切っておかしくすれば面白いんだけれど、そうじゃないと中途半端で冷めちゃうから……。