読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

30代のころの私は、次から次へと執筆・翻訳の依頼が舞い込み、1年365日フル稼働が当たり前だった。その結果、30代の10年間で50冊ほどの単行本を出すに至った。
が、そんな私もふと気がついてみれば、最後に本を出してから8年以上も経っていた。
――なぜか?
私が出版業界から足を洗うまでの全軌跡をご紹介しよう。(カバー折り返しより)
翻訳家の宮崎さんが自らに起こったトラブルと出版界の闇を語る。
読んでいて、確かにものすごく正当な怒りなんだけれども、ちょこちょこ欲望のせいでこういう事態を招いてしまったんじゃないかと思われるエピソードがあって、そういう人に悪い人が寄っていったんだろうなあと思ったところがいくつかあった。けれども、後の人が搾取されないように、というのは物凄くありがたい話だ。
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ひっそり平凡に暮らしたい!…のに『最恐』竜王様の溺愛花嫁になることに!?
獣人のなかでも『最恐』とウワサの竜王・カインに嫁ぐことになってしまったレイナ。クールな彼のお飾りの妻として毎日ビクビク過ごす…はずだったのに、過保護に守られ、たくましい胸に抱きしめられ、彼の溺愛が次第にダダ漏れになっていき!? こんなに愛されまくる なんて聞いてません!! 本当は獣の本能のままに独り占めしたい、カタブツ竜王様の不器用な求愛ラブ!(裏表紙より)
家族から虐げられる不遇な王女レイナ。意地悪な姉が嫌がった獣人の王との結婚を代わりに受けるように命令されて嫁いだ先で、彼女は少しずつ本来の自分を取り戻す。王道の恋愛ファンタジーです。
冒頭、養家で楽しそうに暮らしていたはずが、血の繋がりのある父王の元に引き取られるとあっという間にびくびく、姉王女や兄王子に遠慮するようになってしまったレイナ。このときの言動が印象的すぎたのか、中盤以降の活動的な様子に「いったいどうした!?」と戸惑ってしまいました。突然変貌したように思えて……。
カインのこじらせは、王ならもうちょっとなんとかできたんじゃないかなあと思ったんですけれども、能力の割に可愛らしい性格で微笑ましかったです。

ブラック企業に勤める青山は、毎日上司のパワハラを受け、心身ともに疲弊していた。ある日駅のホームでふうっと飛び降りてしまいそうになったところ、小学校時代の同級生だったヤマモトに助けられる。意気投合し、やがて飲み友達となる二人だったが、別の同級生の情報で、ヤマモトがまったく知らない別人だと判明し……。
原作読了済。原作は小説として安定して面白かったんですけれども、思いがけず映画映えする内容だったんだなあと鑑賞後に思いました。
ヤマモトは一体誰だ? という不気味さよりも、青山がいい方向に変わったこと、仕事をする上で不幸な人がたくさんいること、新しい一歩を踏み出すことへの勇気やエールを強く感じました。最後はすごく爽やかで見ていて気持ちよかった。
しかし先輩の五十嵐さん、こちらは映像で見ると余計にやり方がえぐくて……。女優さんの演技力もあるんでしょうけれど、最後に青山が微笑んで突き放すの、なんとも言えない気持ちになったな。

宇宙で暮らしていたソニックは、とある事情で地球のアメリカ、モンタナ州グリーンヒルズの街の近くで隠されて暮らしていた。ひとりぼっちで孤独を感じながらも、彼の楽しみは住人たちの生活を覗き見ることで、特に保安官トムとその妻の獣医師マディがサンフランシスコに引っ越す計画も知っていた。しかしある日自らの力を防衛省に知られ、科学者のロボトニックに追われることになってしまい……。
ソニックの映画なんですけれどもソニックじゃなくても成り立つんじゃないかな。異星人とちょっと要領の悪い保安官の友情のお話。政府の偉い人に追われるのはお約束。ストーリーも尺も王道。安心して見られるも、最後の最後で続編を匂わせるのはよくなかったんじゃないかなあ……。
とにかくソニックのビジュアルが可愛らしく、ぎゅんぎゅん駆け回ることでお話が進むのが楽しい。寂しがり屋の宇宙生物と地球の人間の夫婦が仲良く暮らすの、とてもハッピーな終わり方でよかった。

夏が終わり、秋。学校は学園祭のシーズンを迎え、やがて新太や日代たちは自分たちの進路を決める時期がやってくる。リライフ被験者の新太は卒業とともに大人に戻り、友人たちの記憶から消えることが決まっていた。そしてもう一人の被験者もまた、新太がそうであると推測しつつも、実験の取り決めで事情を話せずにいた……。
完結編。リライフ実験の結果、大人たちは生きる希望を取り戻すことができるのか。
もうめちゃくちゃ面白かった。大人がもう一度学生をやる楽しさ、そして変わらない青春の楽しさが眩しくて眩しくて。新太にはみんながいてよかったけれど、みんなにも、社会人になって心が折れた経験から後悔しないようアドバイスできる彼の存在があってよかったと思う。色々なものを取り戻せたのは新太だけじゃなく、夜明や小野屋も、この実験に関われて本当によかった。よかった……。
そして助けられた新太がその経験を隠さず、次にその希望を差し伸べるの、ベタだけととてもよかった。日代さんと幸せになれよ!
「腐女子、うっかりゲイに告る。」
高校生の安藤純は、同性の恋人がいる同性愛者。心の拠り所は、チャットで知り合った同じくゲイのファーレンハイトだ。ある日本屋でBL漫画を買っているクラスメイトの三浦紗枝を目撃したことで、彼女に意識され、やがて好意を抱かれるようになる。普通が欲しい純は彼女の告白を受け入れ、交際が始まるが……。
性的マイノリティを描くドラマ。原作は未読。
見ていて苦しくて、十代って、マイノリティってこんな風に生きているんだと思うと、あらゆる壁をぶん殴っていきたくなってしまう。狭い世界、ここでなくちゃ生きていけないわけではないのに、それでも外側には無理解が広がっているの、誰のせいなんだって叫びたくなる。
同性愛者が異性と付き合ったり結婚したりするの、本人も周りも辛い。そうしてしまう、そうしなければならないと思ってしまう強制力が世の中に蔓延しているんだろうな……。劇中でアウティングが発生しているのがまたきつい。大人の不在も、誰も助けてくれない証明のようでしんどい。
でもその結果、問いを投げかけられた三浦さんや亮平がそれぞれ答えを出して行動したこと、とても尊くて泣いてしまった。その後に続く生徒たちは同調して流されただけかもしれないけれど、少なくともこの二人に関しては誰に答えを強制されるわけでもなく、純の個性を大事にしたいと決めて行動したんだもんな。
高校生の安藤純は、同性の恋人がいる同性愛者。心の拠り所は、チャットで知り合った同じくゲイのファーレンハイトだ。ある日本屋でBL漫画を買っているクラスメイトの三浦紗枝を目撃したことで、彼女に意識され、やがて好意を抱かれるようになる。普通が欲しい純は彼女の告白を受け入れ、交際が始まるが……。
性的マイノリティを描くドラマ。原作は未読。
見ていて苦しくて、十代って、マイノリティってこんな風に生きているんだと思うと、あらゆる壁をぶん殴っていきたくなってしまう。狭い世界、ここでなくちゃ生きていけないわけではないのに、それでも外側には無理解が広がっているの、誰のせいなんだって叫びたくなる。
同性愛者が異性と付き合ったり結婚したりするの、本人も周りも辛い。そうしてしまう、そうしなければならないと思ってしまう強制力が世の中に蔓延しているんだろうな……。劇中でアウティングが発生しているのがまたきつい。大人の不在も、誰も助けてくれない証明のようでしんどい。
でもその結果、問いを投げかけられた三浦さんや亮平がそれぞれ答えを出して行動したこと、とても尊くて泣いてしまった。その後に続く生徒たちは同調して流されただけかもしれないけれど、少なくともこの二人に関しては誰に答えを強制されるわけでもなく、純の個性を大事にしたいと決めて行動したんだもんな。

19世紀末、ロンドンの画廊で展示されたルーベンス未発表の「真作」。エディスはその絵に目を奪われるが、見知らぬ美貌の青年は「贋作」と断言した。数日後に画廊を再訪したエディスは、突如色彩が反転した世界に閉じ込められ、絵の中から現れた異形の怪物に襲われる。間一髪のところを救ってくれたのは、サミュエルと名乗った先日の青年だった。贋作に宿りし悪魔を祓え——少女×人外の麗しきコンビが謎に挑む冒険活劇、開幕!(裏表紙より)
私たちの大好きなヴィクトリアンとゴシックとオカルトを詰め込みました!!! という作者さんの全力の笑顔が見えるようだ笑
絵の贋作に秘められたものを暴いてしまうエディスと、絵によって引き込まれた謎の世界で異形と戦う謎めいた青年サミュエル。にせものと寂しさで繋がった男女が不可思議な存在が仕掛ける戦いに挑む。最初謎解きかと思ったらどんどんオカルト方面に転がっていって、19世紀末という時代の混沌さを象徴しているかのよう。
前半はそんな風にして、絵画に描かれたものを読み解く現実感が強いんですが、後半、ラリーとの戦いが進むにつれて全体的に曖昧になっていくのが読んでいてかなり戸惑いました。
でもしかし、サミュエルの正体には驚いたなあ。どこで何がそうなったのかめちゃくちゃ気になる。

『どうしようもなくつらくて苦しい時、傷つき、疲れて、もうこの夜を乗り越えられそうにない……。そんな時に、あなたの心がほんの少しだけでも楽になることを願って。』(裏表紙より)
「死にたい」「消えたい」と思ったとき。どうする、どうしたらいい、どうしよう、という話を作家や医師、芸能人などが語る短いエッセイをたくさん収録したもの。
やっぱりみんな死んでしまいたいと思ったことがあって、でもそのきっかけを得ることなくなんとか生きている人たちなんだな。そしてそういう人たちが一線を超えないよう働きかける人たちの存在がある。
やっぱり春名風花さんの書いたものが印象的だったなあ。この本、2020年11月のもので、春名さんが裁判を終えた後の話が書いてある。毎日が死と隣り合わせだった気がする、と書きながらも、毅然と、間違っている方が悪いと主張し続けた春名さんは強い。社会におけるいじめで、いじめた方が悪いのにどうしていじめられた方が逃げなきゃいけないの? という不公平なところと戦ったようにも思えて、勇気をもらえた気がする。でも戦う選択をできる人が多くないという事実が悲しい。

ドラマ「コウノドリ」の医療監修を手掛けた医師が、小中高生にNICUのことや妊娠、出産、新生児について伝える授業を一冊の本にまとめたもの。
本そのものはそれほど分厚くなく、文章も平易で優しく、中高生なら教養として読むのにいいんじゃないかな、と思える本でした。
ただ成人してそこそこ経っている私が読むと、医療現場の忙しなさや、障害を抱えたお子さんを持つ親御さんたちの辛さをだいぶと薄めているなという印象で。家族として過ごせて幸せでした、だけじゃないと思うんですよね。誰もがそう思えるわけじゃないだろうって。医療従事者の皆さんも本当に毎日大変だろうし。
ただ、小さな命を守りたい、生かしたいという気持ちで医療に取り組んでくださる方々には本当に頭が下がります。こういう人たちがいるから私たちは望む人生を生きられるんだな。

辞めたくても辞められない労働者に救いを
人手不足、長時間労働、残業代未払い…労働環境はますます悪化し、心身ともに疲れ果てる人、辞意を伝えても引き止めにあう人、さらなる過酷なパワハラにあう人など「辞める」を許さない職場が多い。働く人やその家族が健康を損なうこともある。そんなときの最後の手段が「退職代行」である。どうすればスムーズに退職できるのか、退職するときには何に気をつけると無理なく次の職場に移れるのか。事例を踏まえ、詳しく紹介する一冊。(裏表紙より)
退職代行のことってよく知らないな、と思って読みました。
退職代行の中でも弁護士が担当する正規のものと、弁護士でない人が担当するものとがあり、後者は弁護士資格が持たないのでトラブルも多い。なるほどなー安易にネットで検索して上がってきたものを使わないように、ということですね。正規は正規なだけに高額になるけれど「こうしたい」というのをちゃんと遂行してくれるのは困っている人にはありがたいだろうな。