読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
いきなりネットに名前をさらす、大声で値引きを迫る、新人パートタイマーを退職に追い込む——それは、ごく普通の「お客様」だった。広がる一方のカスハラ(顧客の迷惑行為)。誰もがクレーマーになりうる“サービス過剰時代”に、知っておくべき事例と対策を徹底取材。(カバー折り返しより)
いまようやくメディアでも報じられるようになった「カスタマーハラスメント」について実例とともにまとめられた本。2019年8月の発行です。
スーパーのレジ係、介護従事者、コンビニ店員、サービス業、タクシードライバー、といったお客様から理不尽なクレームをつけられやすい人たちの実例が、読んでいて胸に痛い。いるよなあ、こういうお客さん……と遠い目になる。
元クレーマーだったという人のインタビューも入っていますが、最終的に「認められたいから」という結論に至ったのはちょっと短絡的なような気がする。確かに事実としてその理由は存在するんだろうけれど、もっと多岐にわたっているというか、根深い気がするんですよね。
いまだったらまた他の本も出ているのかな。気になるから読んでみたい。
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まがいものの伯爵令嬢だとバレないように、死んだふりをして婚約話から逃げ出した少女マリア。彼女は隣国の王子レイヴァルトのおかげで、夢だった薬師となり、充実した日々を送っていた。そんなある日、ガラスの森に棲む幻獣のハムスター達に異変が!? それは、とあるガラスの木に咲いた花が原因だと王子に教えられて……。この花が幻獣達だけじゃなく、町の人達の恋心を大暴走させているのなら、全力で特別なお薬を作って治療します! 幻獣に愛されまくる少女の薬師ライフラブコメディ第2弾!(裏表紙より)
貴族の血を持たない元伯爵令嬢でいまは薬師のマリアと、幻獣と深い関わりを持つ王子レイヴァルト、そして幻獣の住むガラスの森を巡るファンタジー。第二巻。
表紙の馬に乗ったハムスターに笑い、ピンナップのエプロンをしたハムスターにまた笑い。作中でも、当たり前にマリアの手伝いをしていくハムスターの可愛らしさに癒されつつも、シュールすぎてやっぱり笑ってしまう。
今回はレイヴァルトが穏やかながらもマリアに迫るという恋愛方面の進展と、ガラスの森と青の薬師関係の謎の一端が明かされるという進展があり。マリアが恐れていた過去の事情に関してはレイヴァルトと、マリアの匂い笑 がお気に入りの女王陛下が何とかしてくれそうでよかったよかった。
大学卒業後、フリーターとなってコンビニで働くリクオ。ある日客としてやってきた少女ハルにアプローチされるも、同じ時期に大学の同級生で好意を抱いていた榀子が近所の高校の教師として現れる。二人の間で揺れるリクオ。一方で榀子も、かつて好きだった幼馴染への思いと、その弟からの思いで揺れていた。
大人と若者の群像劇。リクオの気持ちが揺れる感じが「うわー……」と思ってきつかったんですが、見続けていると榀子も「うわー……」と思いました。大人って、めんどくさい……。最終的にこの物語の主人公は榀子だったのかな。
全員が片思い。矢印が向き合ったと思ったら微妙にずれていたり、誰かに見られてぶれぶれになったり。リアルなんだけど、実際に見ているとめんどくさいことこの上ないですね。恋愛ってそういうものなのかなあ。傷つきたくない気持ちがそうさせるのか。失敗して傷ついた方がさっぱりすると思うんだけどな。
記憶を失った少女レイチェルは、何故自分がそこにいるのかわからなかった。ビルと思しき建物の地下で、地上を目指すうち、鎌を持った殺人鬼ザックに出会う。私を殺して、という願いを、ザックは自分を手助けし、地上に出られたらと答える。いびつな形で始まった二人の関係は、やがて互いをかけがえのないものとしていく。
本放送時は録画に失敗して途中脱落したので、この度再視聴。ゲームは未プレイですが、実況動画で内容は見ています。
殺されたいレイチェルと、殺したいザック。感情が薄く、賢く、冷静なレイチェルが、おおむね怒っていて、短略的で、激しやすいザックとコンビを組み、謎解きをしつつ立ちふさがる看守たちの妨害をくぐり抜ける。
看守たちのやり口のえげつなさと狂いっぷりも面白いんですが、上へ進むにつれて深まっていく二人の絆と、それが愛やいつくしみであると知らない二人が不器用ながらそれを互いに見出していく関係性、めっちゃくちゃ好きです。終盤なんてもう胸が痛いし、どうして一緒にいられないのという。最初の日を思い出す月夜に、ザックがレイチェルを迎えに来てくれるとシーンを万感の思いで見守りました。
鬱屈した日々を送る高校生の外村直樹は、調律師の板鳥が学校のピアノを調律するところを見る。それをきっかけに調律師を目指すようになった直樹は、指導役の柳とともに様々な顧客とピアノと関わる。中でも、熱心にピアノを弾く佐倉姉妹は、直樹の仕事に大きな影響を与え……。
本屋大賞受賞作の映画化作品。原作は未読。
なんとなく暗くて重くて苦しい話を想像していたんですが、思っていたものとは違い、何かになりたい、世界と繋がっていたいと望む人たちが、静かに深く結びついていく素敵な作品でした。
調和を望む外村が、調律師を目指すのがなんというか、選ぶべくして選んだなという感じで。音楽の道を歩むかどうか悩む佐倉姉妹の選択を見守り、新しい門出を祝おうとし。世界の中心にはいないけれど、寄り添い、支える、そういう生き方を選んでいるような気がして、胸がじわっとしました。
歌手の母の運転する車に乗っていたヘンリーは事故に遭った。だがそのとき奇妙なことが起き、二週間前のある日に飛ぶ。戻って来た彼のもとに「大人になった君」という男性が現れ、ヘンリーがタイムスリップ体質であることを告げて消えた。やがて大人になり司書として働いていたヘンリーは、自分を知る、見知らぬ女性クレアと出会う。彼女は子どもの頃、いまよりも未来のヘンリーに出会い、恋をしたと言って……。
タイムトラベル体質の持ち主が、過去や未来をいったりきたりする。そこで出会う運命の恋、必ずやってくる終わりのときと、生まれてくる子どもの秘密。時間ものとして初めて見る設定でとても面白かったです。過去はどうしても変えられないという設定を貫くことで、どきどき感よりも、どのように生を全うするかと寄りそう気持ちになれたのも大きかった。宝くじを当てて大金を手にするのはロマンですね笑
そしてラストが、とてつもなくよかった。いまこの瞬間にあなたはいないけれど、生きていくさきにあなたと出会える未来があるかもしれない。走っていくクレアと、それに応えるヘンリーの台詞、素敵でした。
少年リュカは、父パパスとともに、魔物に連れ去られた母を取り戻すたびをしていた。だが、元凶たるゲマとの戦いで、リュカを人質に取られたパパスは無念の死を遂げてしまう……やがて奴隷に落とされながらも成長したリュカは、天空の剣を得れば彼岸が叶うと知り、再び旅に出た。
DQ5を原点にする3DCGアニメ。ゲームは未プレイ。
酷評や訴訟について色々と報道は目にしていたので、どんなものかなと思って見てみましたが、むちゃくちゃ悪いわけではない。ただ、それをこの映画でやる必要があったのか、という点では考えなければならなかったかもしれないな、と思います。
終盤のいいところまで「ドラゴンクエスト5」という世界を楽しんでいたのに、急に現実に引っ張り戻されてしまう感覚、「プレイヤー、君も勇者なんだ」というメッセージ性の根拠が薄すぎることがいけなかった感じ。ゲームはリアルだ、と伝えておきながら、それとは真逆のメッセージが伝わっている感が強くて、ラストがこれでは終盤までどんなにかっこよくてどきどきさせられても台無しですね……。
モンスターの愛らしさや、戦闘シーンの派手さ、格好よさは素晴らしいと思います。女性キャラクターもそれぞれ魅力的で可愛らしく、ビアンカフローラ問題も起こるよなあと納得。それだけのオチが残念でした。